【代表インタビュー】シコメルフードテックの創業エピソード。現在の役割と未来について。 | 株式会社シコメルフードテック
※こちらの記事は2022年9月のものをアップデートしています。こんにちは。株式会社シコメルフードテック代表取締役社長の川本です。2022年9月、シリーズBラウンドにて8.2億円の資金調達が完了し...
https://sg.wantedly.com/companies/company_2158309/post_articles/973772
株式会社シコメルフードテックは、「“おいしい!”をうみだす仕組みをつくる」をミッションに、飲食店の仕込み工程を外部化・効率化するサービス「シコメル」を展開するスタートアップ企業です。中小飲食店にも導入しやすい仕組みで、2025年1月時点でアプリ登録店舗は1万超。AIによるメニュー開発支援やデリバリーなど、現場の負担を軽減する多角的なサービスも提供しています。
今回は、企画営業部の千村さんに、これまでのキャリアや仕事のやりがい、シコメルフードテックの魅力を伺いました。
千村凌平 / 企画営業部
駒澤大学法学部卒。新卒で投資用不動産ベンチャーに入社し営業力を鍛えたのち、リクルートライフスタイルで「ホットペッパーグルメ」の営業に約8年間従事。社内表彰実績も複数回取得しており、様々な営業実績を持つ。2025年にシコメルへ参画し、4名体制のチームを率いて現場起点の営業活動を推進。新規開拓から既存深耕、商品設計まで一気通貫で指揮する。趣味は野球観戦、ゴルフ、居酒屋巡り。
駒澤大学の法学部を卒業後、最初に入社したのは投資用不動産を扱うベンチャー企業でした。恥ずかしながら学生時代は遊んでばかりで、就職活動を通じて自身の若さや至らなさを痛感したため「厳しい環境に身を置いて自分を磨こう」と、この業界を選んだんです。
BtoCの新規開拓をテレアポと飛び込みで行い、1日300〜400件の架電も珍しくない、まさに「修行」のような日々でした。長くても3年と決めていた中で、2年で区切りをつけ、次に選んだのがリクルートライフスタイルでした。
一社目ではあまり休みもなくゴリゴリと営業活動をしていたのですが、取引先として出会ったリクルートの方々の「仕事もプライベートも全力で楽しむ」姿勢に強く惹かれました。若手が自立してキャリアを築く土台が整っている点にも魅力を感じ、「大企業で本質的なセールスを学びたい」と考えたのが転職の大きな動機です。
中でも飲食領域を選んだ理由は、実家が飲食店を営んでおり、いつかサポートしたいという思いがあったからです。
リクルートでは、「ホットペッパーグルメ」の広告営業を担当していました。都内を中心に関東一円の飲食店を訪問し、入社当初は個人店や中小法人を対象とした新規開拓が中心でしたが、2年目以降は既存顧客のフォローにも携わるようになりました。
5年目にはチームリーダーに昇格し、新規拡販と既存顧客の深耕、両方のマネジメントを担当していましたね。約7〜8年にわたり、飲食業界に深く関わる経験を積むことができました。
リクルートライフスタイルでは、社内表彰に個人・チームとして複数回選出されました。また、当時15店舗だった法人チェーンを、私が担当した2年間で30店舗まで拡大させた事例もあります。
チームリーダーとしては、私の直下にいたメンバーが全国トップの営業成績を獲得したこともありました。指導の際には「信頼関係を築く所作」を徹底するよう心がけていましたね。
いわば「人たらし」になることを意識し、たとえば商談後にはすぐにお礼メールを送り、次回アクションを明記。加えて、ショートメッセージでリマインドも入れるなど、基本的な対応を丁寧に積み重ねるよう伝えていました。
当たり前のことではありますが、こうした細やかな気配りの総量が、成果に大きく影響すると考えています。
リクルートでは、将来的な独立も視野に入れたキャリア形成が奨励されており、私自身も「次のステージ」への意識を強く持っていました。
飲食店の人材不足に日々触れるなかで、「もっと大きな課題解決に挑戦したい」と感じていた頃、現職の上司に声をかけていただき、シコメルへの転職を決意しました。
シコメルが掲げる「仕込み工程の外注化」は、まさにその解決策になります。飲食店の現場負担を軽減し、本来注力すべきサービスや味づくりに集中できる環境を提供できる点に、大きな社会的意義を感じました。
想像以上に難しい仕事でしたね(笑)。広告などの無形商材しか扱ったことがなかったので、有形商材ならではの難しさを実感しました。
これまでのように「世界観」だけでは営業が通用しませんし、とくに「味そのもの」を再現する商品開発においては、より繊細な知識や理解が求められるので、自分の知識不足を痛感する場面も多かったです。
また、厨房出身の料理長や現場責任者の方々の中には「仕込みの外注化」に対して抵抗を感じる方もいらっしゃいます。そうした方々と丁寧に対話しながら、レシピを工場向けに落とし込んでいくプロセスは、今も学びの連続ですね。
現在は4名体制のチームで、新規開拓と既存顧客の対応を並行して行っており、1人あたり約20〜30社を担当しています。新規開拓については、インバウンド・アウトバウンドを問わず幅広くアプローチしており、既存顧客に対しては「既存商品の取扱店舗数の拡大」「新商品の提案」「デリバリーなど、先方がまだ手を付けていない領域への支援」の3点を軸に売上拡大を図っています。
取引先の内訳は、約半数が10〜20店舗規模の法人、約3割が5店舗未満の法人、残りはホテルやゴルフ場など飲食業以外の業態となっています。
商談相手は、経営層や商品開発担当者が多く、1対複数のミーティングが基本的な商談スタイルです。
そうですね。本当に案件ごとにバラバラではありますが、大きく分けると三つのパターンがあります。
1つ目は、店舗の仕込み工程を外部化することで、味の統一と業務効率の向上を図る、「シコメル」のオーソドックスなサービスの提案です。
2つ目は、人気商品の味をEC向けにパッケージ化し、新たな収益源をつくる取り組み。イレギュラーではありますが、近年こうした依頼も増えています。
3つ目は、「こんなメニューを作りたい」といった抽象的なアイデアを、クライアントと一緒にゼロから形にしていく商品開発の支援です。
このように様々な課題に対して、幅広い提案を行っています。
前職を含め、これまで携わってきた業務経験も踏まえて、飲食店を訪問する中で「ここを変えたら、もっと良くなるのでは」と自然に課題が見えてくる瞬間があります。そうした気づきから提案につなげられることに、営業としての面白さを感じています。
社内には食品開発の専門家も多く在籍していますが、私は営業の視点から「現場の負担をどう減らすか」という切り口でアプローチできるのが強みです。たとえば、提案を通じて人手不足が解消され、導入店舗が1店舗から3店舗、さらに5店舗へと広がっていった事例もあり、大きな達成感を得ることができました。
導入後も週次で在庫や発注状況を共有し、月1回以上の頻度で課題や改善案を提案しています。伴走型の支援を通じて、成果を共に積み上げていける点にやりがいを感じています。
また、「作業負担が軽くなった」「パートの工数が減った」といった声を直接いただけることも増え、日々のモチベーションにもつながっています。
営業チームの中で仕組み化を進められているところですかね。
実は、営業4名のうち3名はほぼ営業未経験で入社しており、当初はターゲティングや提案内容も定まっていない状態からのスタートでした。
例えば、新規アプローチの仕組み化でいうと、ターゲット選定、アポイント取得時のトーク設計、キーマンへの訴求ポイントの明確化、さらに商談後のフォローアップまで、一連の営業フローを一気通貫で設計・構築できたことは、これまでの経験があったからだと考えています。
また、未経験メンバーへのレクチャーも、前職でのマネジメント経験が活きていますね。前職での新人育成経験を活かして、社内向けに講義資料を作成・展開したりと、営業未経験のメンバーでも成果が再現できるよう、業務プロセスを仕組み化して伝えています。
圧倒的に知識面ですね。食品開発の現場で使われる用語や工程、例えば発酵時間など、現場で当たり前に会話の中で出てくる知識に追いつけず、ワンラリーの中で課題を十分に深掘りし切れない場面があります。
ジャンルも和・洋・中・スイーツと幅広く、扱う食材も海外原料に及ぶため、自分の「引き出し」はまだまだ足りていないと感じています。
そのぶん、開発チームとの連携は不可欠です。提案前にはレシピの難易度をすり合わせ、進行中も試作の反応や条件面の確認など、情報を密に共有。二人三脚で案件を進めています。
また、ストアチームやデリバリーチーム、PMとも日常的に連携しており、社内全体が「垣根なく助け合う」文化であることも、非常に心強いですね。
自分の場合、飲食の現場での業務経験や知識がほとんどなく、入社当初は自己解釈で進めてしまっていた部分もありました。そんな中で、壁にぶつかった時に「ちょっと助けてください」と周囲に頼る場面も多くなっていたのですが、そういった声をすぐに拾ってくれて、サポートしてくれるメンバーが多い会社です。
特に開発メンバーとは、本当に「チーム一体」として動けていて、例えば「これってこうしたら分かりやすくなるんじゃない?」とか、「もう少しこう味を変えてみようか」といったコミュニケーションが日常的に交わされています。誰かが偉く、誰かが下の立場という感覚は一切なく、みんなが同じ目線で仕事を進めているのが印象的ですね。
私たちのようなスタートアップは、常に「明日どうなるか分からない」という意識の中で、自分のスキルを最大化しないと結果を出すことができません。当事者意識を強く持たなければいけない一方で、やりがいや達成感も強く感じられるのは、スタートアップの良いところですね。
飲食業界と人が好きで、スタートアップの大変さを理解し行動できる自走型の方。自分に厳しく、行動力が高い人と一緒に働きたいです。
将来的には、創業メンバーの一人として事業の中核を担えるような役職に就き、組織を牽引できる存在になりたいです。大きなインパクトを出せるような事業に携わり、それを成長させていくビジョンには強く惹かれています。そのためにも、まずは短期的にしっかりとキャリアを積み重ねていくことが重要だと考えています。
現時点ではまだ「シコメル」の知名度が十分とは言えません。だからこそ、もっと多くの飲食店にサービスの存在を知っていただき、「これは本当に価値のあるプロダクトだ」と思ってもらえるよう、啓蒙や導入支援に注力していきたいと考えています。
将来的には、BtoB領域だけでなく、個人のお客様に対しても自社商品を届けられるような仕組みをつくっていきたいですね。
===================
★こちらもあわせてご覧ください★