【社員インタビュー】営業視点から感じた「飲食業界の課題」。培った営業力と画期的なサービスで、業界を変えていきたい。 | Interview
株式会社シコメルフードテックは、「"おいしい!"をうみだす仕組みをつくる」をミッションに、飲食店の仕込み工程を外部化・効率化するサービス「シコメル」を展開するスタートアップ企業です。中小飲食店に...
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前編では、シコメルの核となるビジネスモデル、すなわち食品業界の「情報の非対称性」を解消し、サプライチェーン全体を最適化する「食のAmazon型インフラ」の優位性を解説いただきました。
後編では、シリーズB調達後のさらなる成長戦略を支える「3フェーズ戦略」と、業界経験とテック/ビジネスロジックを融合させた独自の組織カルチャー、そして川本代表が描く未来のビジョンについて深掘りします。この難易度の高いレガシー産業の変革を、いかにして実行に移すのか、その構造的な根拠に迫ります。
私たちは、このインフラの価値を最大化するために、以下の「3フェーズ戦略」を掲げています。
シリーズBは、Go-To-Market(GTM)のフェーズだと捉えています。これまでの「シコメル1.0」は、レシピを預かり、試作し、工場に落とし込むという労働集約型の部分があり、スピードを上げるのに限界がありました。
一方、「シコメル2.0(シコメルメニューブースト、シコメルストア)」は、既に完成した仕込み品を横展開するナレッジの展開であり、拡張性があります。1.0で培った実績を、どう賢く飲食店に利用してもらうか、というフェーズに移行したのです。
2.0の最大のポイントは、「すでに他のお店で売れているメニュー」という点です。
1.0で仕込みを外部化する店舗は、そのメニューが「主力メニュー」だからこそ、外部化に踏み切ります。つまり、既に売れる可能性がものすごく高いメニューなのです。
これは、大手メーカーさんが「売れると思う商品」を提案するのとは、根本的に異なります。実際に「このビストロで月50万円売れていた」という実績があれば、他の店でも変数はあれど「20万円くらいは売れそう」という勇気を飲食店に与えられます。
実際、導入後すぐに売上が30万円上がった事例もあります。また、商品提供だけでなく、ホールスタッフへの案内サポートやPOPの掲示といった、「売れるところまで」をセットでサポートするのが、シコメルメニューブーストの核となる部分です。
メニューシェアリングは、小規模店舗でも使えるように、5店舗以上で作った仕込み品をシェアリングする仕組みですが、これ_工場にとっても非常にありがたい構造なんです。
店舗が出店数を増やさなくても、他の店舗が使ってくれることで、一回あたりの生産量が上がり、ワンラインの生産性が向上します。工場も安心して作り続けることができる仕組みです。また、飲食店側も、ロットの問題で使い切れなかった際の廃棄ロスを減らすことにも繋がり、在庫回転の観点でもメリットがあります。
シコメル1.0と2.0は、まさにみんなが拡大していくための相関関係になっており、継続して拡大していくための裏側の構造を支えています。
サプライチェーン全体を考えて仲間を集めてきた、という着想点が良かったと思っています。テクノロジーだけで解決できる話ではないと最初から理解していたからこそ、物流を含めた「面」で構造を捉える発想になりました。
私たちのチームは、この変革を実現するために、「食の業界出身者」の知見と、DXを推進してきたメガベンチャー/IT企業出身者のビジネスロジックを融合させています。
ミシュランチームで働いていたシェフや、大手チェーンの商品企画を担当していた元料理人など、品質やオペレーションのリアリティを熟知したメンバーも多く在籍しています。彼らは、情緒的な「手作り感」や「味のニュアンス」を言語化し、論理的な規格へと落とし込むことができます。
▼メンバーの出身企業一例
そして、両者のシナジーによって、食の現場で生じる「手触り感のある課題」に対し、IT/ビジネスの「高い論理」で迅速に解決策を導き出す。この構造こそが、他社には真似できないシコメルの競争優位性だと確信しています。
シコメルはテック企業でありながら「食品企業である」という哲学を貫いています。システムだけで全てを完結させ、人間による介入をゼロにするという安易な選択を避けています。私たちが目指すのは日本の「食」を支えるインフラであり、インフラは絶対的な信頼性がなければ機能しません。
私たちが守っているコストの一つは、「人への投資」です。単なるカスタマーサポートではなく、厨房と工場双方の気持ちを深く理解できる、業界経験豊富な人材がいます。
現場の食材一つ一つ、仕込みの微妙なニュアンスを理解し、完璧な品質で届けるという信頼は、システムだけでは担保できないんです。
二つのステップがあると思っています。一つ目は、日本の食を「普通にする」ことです。
世界から「食」の分野で評価されているにもかかわらず、この業界で働く人々が不幸せ(長時間労働、低報酬)なのはおかしい。労働基準法や働き方改革、少子化といった時代の変化に対応できるレベルに、まず業界を引き上げていきたい。
二つ目は、それを超えて「高生産・高報酬を実現する」ことです。
シコメルが高い生産性で高報酬を実現し、それが業界全体に波及して年収アップに繋がっていく状態を目指したい。
今、世界中の日本食レストランで最も稼いでいるのは、日本人以外という現実があります。せっかく日本人が築き上げた文化であるにもかかわらず、正当な報酬が日本に還元されていないのは悔しいじゃないですか。
だからこそ、努力して価値を生み出している人たちにきちんと報酬が届くよう、DXを世界へ横展開し、国益に資するビジネスモデルを確立していきたいと考えています。
現在は情報収集段階です。海外の飲食経営者に話を聞きに行ったり、街の様子を見に行ったりしています。
先日マニラに行ったとき、一番ショックだったのが、マニラで日本食チェーンのトップを走っていたのが、日系でもない、現地企業だったことです。これは、日本の高いレベルの「食」のコンテンツや技術が、正しく海外展開できていないことを明確に示唆しています。
だからこそ、ちゃんと上場後の資金調達と社会的信頼を獲得し、超巨大なB2C、グローバルマーケットに挑んでいく準備をしています。
私が伝えたいのは、「面を捉えて、全方位で挑戦しませんか」ということです。サプライチェーン全体をDX化することの社会的インパクトは相当なものです。そんな、国の方針が動いていくような「大きな変革」に是非挑戦してほしいのです。
シコメルは、食品という巨大マーケットで、一次産業から六次産業まで、全方位で変革に取り組んでいます。課題は山ほどあり、非効率も無限にある。だからこそ、ビジネスとして見ればこれほどポテンシャルのある領域はありません。構造を変えるロジックを組み立て、仕組みとして社会に定着させていく。この仕事は、社会貢献とビジネスの両立を本気で実現できるフィールドです。
そして、飲食・食品工場出身者には、現場で感じていた“手触り感のある課題”を武器に、ぜひ飛び込んできてほしい。一方で、IT系企業、ベンチャー企業やSaaSなどで「情報の非対称を解消する仕組み」や「産業の生産性を上げる構造」をつくってきた人にも、強く仲間になってほしい。
食の現場のリアリティと、IT・ビジネスの論理が掛け合わさったとき、産業は本当に変わります。この壮大な変革に挑む仲間が増えることを、心から願っています。
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