こんにちは!11月上旬に当社代表の後藤がアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(以下、AWS)主催のパネルディスカッションに登壇しました。登壇した複数のEdtech企業の代表者と共に業界の特性や苦労・課題、やりがいについて語りました。コードタクトでは創業当初からAWSを使用しており、社内での利用も創業8年の期間で大幅に増えています。パネルディスカッションでは、業界のこれまでや今後の動向をとらえた内容となっているため、今回はその模様の一部をご紹介します。
文部科学省が推奨するGIGAスク-ル構想やコロナ禍のパンデミックにより、「Edtech(エドテック)」への注目が高まっており、テクノロジーを活用して教育に変革をもたらすサービスが増えています。
そのような中、11月にAWSが主催となり、教育分野で活動するスタートアップ、エンジニア、投資家、教育関係者の方々に向けたカンファレンス「Edtech LT Night and Meetup」が開催されました。
参考:Meetup イベントEdtech LT Night & Meetup
https://pages.awscloud.com/edtech-meetup_reg.html
カンファレンスでは、後藤を含め、Edtech業界のパイオニアとされる企業の代表4名が集結し、各社それぞれの視点で、Edtech業界でビジネスを行う上での想いを語り合うパネルディスカッションが開催されました。
パイオニアたちは、起業に際してどのような苦労があったのか、業界のこれからをどう見ているか、パネルディスカッションの対話から、Edtech業界の魅力に迫っていきます。
■資金調達に難航の反面、ビジネスチャンスが広がる時代に
各パネリストの自己紹介のあと、最初にテーマに挙がったのは、起業後の苦労についてでした。各社から共通して話題に上ったのは、Edtechに対する社会の理解と、それによる資金調達の難しさというリアルな話題でした。
世界に比べると日本は教育への投資意識が低いと言われることもあり、ビジネスにおいて教育は「儲からない市場」とされる風潮があります。そのため、創業時には市場としての成長性を見出してもらい辛く、資金面での苦労もあったようです。
公教育の領域では、公平性や透明性の観点から、サービスの導入に入札制度を取り入れています。また、入札からサービス導入に至るまで、様々な企業と関わりながら進めていく必要があるため流通経路が長いという特徴があります。
コードタクトでは2015年に総務省が行う「先導的教育システム実証事業」にコンテンツプロバイダーとして「スクールタクト」が採択されました。これを契機に、日本・海外の小中学校へのサービス提供先が広がることにつながった経緯がありますが、一般的に公教育への新規参入には民間とは異なるハードルがあるとされています。
しかし、近年の教育におけるデジタル化推進の流れなどからも、政府や行政のEdtechへの理解や支援が進み、またデジタル連携による海外展開の可能性なども広がっていることから、Edtechへの社会の意識も変化し、各社の創業時に比べ、新規事業の立ち上げへの風向きは変わってきていると語られました。
その流れからか、Edtechとして名を上げていく企業も増えています。公教育においても、学習eポータルなどの取り組みが進む中で、新たなEdtechのサービスを展開しやすい環境になってきています。
■意識や行動の変化に喜びを感じる
創業時の苦労や業界課題なども紹介される中、なぜ各社がここまでEdtech業界で活動してきたのか、やりがいについても語られました。
例えば、学校に行けず不登校になっていた子供が、デジタル上にある学びの場でやりたい事を見つけ、いきいきとした姿を取り戻していったなど、これまでになかったサービスを通じて子供たちの喜ぶ姿や、変化していく姿を目の当たりにした瞬間にやりがいを感じる、といった声が多く上がりました。
また後藤からは、教壇に立つ先生より「先生が自分で板書して教えなくても良い。子供の意見を引き出す授業スタイルに変えた」という声をいただき、そういった意識の変化を感じられたことが、喜びややりがいにつながったという発言もありました。
先生が子供たちに主導権を委ね、子供たちが主体的に多様な視点で学び合える環境こそ、スクールタクトが目指す姿です。スクールタクト上で子供たちの学びが一覧で見られる機能や相互に「いいね」やコメントを送りあえる機能がありますがこれらは、そのような思想から生まれた機能の一例です。
■Edtechならではの課題
Edtechのサービスの多くは、「利用者は子供、契約者は大人(保護者、学校や自治体、企業など)」という構造があります。
すんなりデジタルに慣れ親しむ子供とは対照的に、保護者をはじめとする「大人」のデジタルへの理解に格差を感じることも語られました。Edtech全体として、デジタルであることの良さや、その価値を今後も啓発していかなくてはいけないという課題が見えました。
また、公教育の領域では、子供たちの教育データの連携が進むことにより、より良い学びの可能性に期待が集まる一方で、個人情報をはじめとする情報の取扱いに関するルールや法整備への議論がなされています。この教育データについての問題も課題となっていることが共有されました。
一言でEdtechと言っても、個人向けなのか法人向けなのか、コンテンツなのかプラットフォームなのかなど、その内容は実に様々です。パネリスト各社の背景や想いにもそれぞれ色があり、改めてEdtechの広さと奥深さを知るイベントとなりました。
テクノロジーの力で、子供たちの学びにどのようなイノベーションを起こすことができるのか、旧来の教育観にとらわれない新たな学びへの理解と共感の輪をどこまで広げることができるのか、それは業界が共通して持つ大きな挑戦です。
そのような挑戦に向けて、各パネリストの知見を惜しみなく共有し、業界の発展につなげていく有意義なカンファレンスでした。
参考:教育分野のスタートアップが繋がる EdTech LT Night and Meetupを開催しました(AWSブログ)
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/edtech_meetup/
■コードタクトが目指すこと
コードタクトでは、Edtechという言葉が世間で認知される前から後藤を中心に子どもたちの学びについて、真剣に考えてきた会社です。当社のMission・Visionにもある「学び」を革新し、誰もが自由に生きる世界を創る」「個の力をみんなで高め合う「学びの場」を創る」ということを体現するために、子どもたちのより良い学びをサポートしていきたいと考えています。
参考:Mission・Vision・Value https://codetakt.com/news/202010/1401/
少しずつではありますが、Edtechサービスが学校現場で浸透し始めてはいるものの、その浸透度合いはまだまだ地域により格差があります。当社サービスの「スクールタクト」はクラウドサービスだからこそ、地域による有利不利を無くし、また児童生徒同士による協働学習を促進していくサービスとなっています。これからもさらなる教育現場への浸透と活用を高めてもらうための施策を行い、日本の教育現場や子どもたちの教育がより良くなるように活動を続けていきます。
コードタクトには、熱い想いをもっているメンバー、一緒に働く仲間を大切にしているメンバー、ユニークなメンバーがたくさんいます!MVVへ共感していただける方、未来の教育を考えて主体的に動ける方、コードタクトの想いに共感いただける方のご応募をお待ちしております!!