バイオスティミュラントの研究開発の総括として活躍する栗原志夫さんにインタビューを行いました。
東京大学大学院で研究を重ね、理化学研究所で基礎研究を行い、東京大学では助教授として学生指導も経験した栗原さん。現在はAGRI SMILEで0→1を作る新たな挑戦を続けています。これまでのキャリア、研究への情熱、そして未来へのビジョンについてたっぷりとお話をうかがいました!
─早速ですがよろしくお願いします!まずは自己紹介とこれまでのキャリアについて教えてください
現在、AGRI SMILEの研究開発部で、食品残渣を活用したバイオスティミュラントの開発・製造を担当しています。開発した製品の効果を分子生物学的に解析し、どのようなメカニズムで農作物に影響を与えるのかを科学的に解明を進めています。
これまでの経歴としては、東京大学大学院で植物のmicroRNAの生合成経路の解明に向けた研究に従事し、その後理化学研究所で植物の生理現象(発生、病理、環境応答など広範囲にわたる)を裏打ちする遺伝子発現の制御機構の解明を行ってきました。さらに、東京大学では助教として学生の研究指導を担当し、教育現場の責任も経験しました。
─AGRI SMILEへの入社のきっかけを教えてください
面接をしていく中で、開拓していくフロンティア的なところがとても強く感じられ、すごく夢のある仕事ができると思い、入社を決めました。
ここでは、新たな技術や製品の開発から実際の圃場試験、製品化まで、一貫して携われる環境があります。転職を検討していた他社では確立されたワークフローの中で決められた作業を進めることが多い印象でしたが、AGRI SMILEでは研究者として、自分のアイデアを実現できる可能性があります。この挑戦的な環境に魅力を感じ、入社を決意しました。
フロンティア精神と連携で切り拓く研究の道
─研究を進めるにあたって、仕事で意識していることはありますか
研究開発では、限られたリソースで成果を出すことが大きな課題です。大規模な研究所とは異なり、ラボの設備や人員が限られているため、効率的に仕事を進める工夫が求められます。
ラボでは日々の進捗を共有する中で、メンバー間の意思疎通を密に保ち、円滑な研究環境を整える努力をしています。その中で私がラボの責任者として大切にしていることの一つは、「褒めるところはしっかり褒め、改善点は優しく伝える」姿勢です。これは助教時代から意識していたことで、学生や研究員がやる気を持ち、前向きに研究に取り組めるように努めています。
AGRI SMILEではフルリモートが中心ですが、ラボでは情報共有をスムーズに進めるため、対話の機会を多く設けています。日々の小さな発見や疑問をすぐに共有できる環境は、研究の効率化に大きく寄与していると感じています。
また他部署との連携も重要です。バイオスティミュラント本部内では定期的な会議を通じて各部署の状況をこまめに共有しています。その中での意思決定もタイムリーに行われていることは、AGRI SMILEの強みだと感じています。
特に科学的知見を活かして産地と協働するフィールドサイエンティストとの連携は密に行うことを心がけています。AGRI SMILEでは主にSlackでテキストベースのやり取りを行っていますが、フィールドサイエンティストが現地にいる際には、圃場試験場での依頼事項やJA様への確認事項などを電話で迅速に相談しています。フィールドサイエンスのマネージャーは以前ラボに在籍していたため、非常に連携が取りやすく、スムーズなチームワークが実現しています。
研究・商品化、さらに社会貢献が循環する未来に向けて
─AGRI SMILEでの今後の目標を教えてください。
植物にはそれぞれ異なる特性があり、まだ解明されていないことがたくさんあります。私はそうした基礎的な部分を研究していきたいと考えています。
そうした基礎研究の成果が蓄積されれば、それを応用して社会に還元することができるはずです。新しい製品が生まれる可能性も非常に高いですし、研究・商品化、さらに社会貢献が循環する仕組みを作り上げられると良いと考えています。
─最後にAGRI SMILEに興味を持っている方へのメッセージをお願いします!
代表の中道が研究者ということもあり、研究に対する理解が非常に深いと感じています。
さらにこれからバイオスティミュラント研究を面白く魅力的なフェーズにしていきたいと考えています。それによって資金が集まり、解析機器などのリソースが整えば、アカデミアを超える専門的な研究を進めながら、社会に貢献できるようになると信じています。
現在はベンチャー企業として限られたリソースの中での活動となりますが、農業の未来を作るための研究を続けています。近い将来には、この研究成果を社会に還元できると確信しています。
栗原さん、素敵なお話をありがとうございました!
また、読者の方も最後までご覧くださり、誠にありがとうございました。
AGRI SMILEにご興味をお持ち頂けた際は、エントリーを心よりお待ちしております。