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気候変動やエネルギー問題、デジタル化の加速など、日々複雑化している社会課題。こうした時代において、企業が果たすべき役割も大きく変わりつつあります。シュナイダーエレクトリックは、サステナビリティを単なるスローガンにとどめず、15年以上にわたり本気で取り組み続けてきました。その取り組みは外部でも評価され、米TIME誌の「世界で最もサステナブルな企業2024」の1位*に選ばれるという名誉にも預かることができました。
今回は、日本法人社長の青柳、若手社員の岩澤、人事部長の臼田の3名にインタビューを実施。シュナイダーエレクトリックが目指しているビジョンや次世代のリーダーの資質、そしてリーダー育成プログラムについて語っていただきました。
*TIME World's Most Sustainable Companies
(https://time.com/collection/worlds-most-sustainable-companies-2024/)
AI時代のインフラを支える力——エネルギーの平等とCO₂削減を両立させるために
ーーシュナイダーエレクトリックが取り組んでいる社会課題について聞かせてください。
青柳:私たちが最も注力しているメガトレンドは気候変動です。今や多くの国や企業が気候変動に向けて取り組んでいますが、私たちは15年以上前から気候変動課題に本気で取り組んできました。
例えば、温室効果ガスの一つであるSF6ガス(六フッ化硫黄)を使用しないスイッチギアの開発などを進め、国際的な協定にも実直に応じてきた実績があります。社会的な流れや外的なプレッシャーへの対処的な対応ではなく、「持続可能な社会を実現する」という企業の信念から、長期的視点で地道に取り組んできたことが、今の私たちの強みです。
ーーどのように持続可能な社会を実現していくのでしょうか。
青柳:私達は「Life Is On」というミッションを掲げており、そこには「あらゆる人が電力をはじめとしたエネルギーを最大限活用することを可能にする」という意味を込めています。今でも世界には電気にアクセスできない人が10億人以上おり、2050年には人口増加により20億人、計30億人にアクセスが必要となります。
その中で私たちが挑んでいるのが、エネルギーの供給と同時にCO₂排出を削減するという、相反する課題解決の両立です。再エネ推進はもちろんですが、同時に既存の電力インフラを効率化し、不要なエネルギー消費も減らさなければなりません。そのため、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアやデジタル技術までを駆使した省エネの実現が、私たちのビジネスの中核です。
ーーシュナイダーエレクトリックは様々な事業に取り組んでますが、最も注力しているビジネス領域を聞かせてください。
青柳:様々な業界に対して、ソリューションを提供していますが、国内のトレンドである「データセンター領域」は現在ホットです。AIやクラウドの発展により、世界中で電力消費が急増しています。シュナイダーでは、電力効率を最大化するソフトウェアやハードウェアを通じて、サステナブルなデータセンターづくりを支援してきました。
NVIDIAと共同でAIデータセンターのリファレンスデザインを公開するなど、最先端の技術開発も進めています。消費エネルギーの多い領域だからこそ、私たちが介在する意味があると考えています。
ーー難しい社会課題を解決するには優秀なリーダーの存在が欠かせませんが、次世代リーダーに求める資質について、どうお考えですか?
青柳:最も重要なのは、「変化に柔軟に対応できるアジリティ」です。世界的に不確実性が高まる中、決まった正解のない課題に対して、素早く動き、学び続ける力が欠かせません。
私自身も優秀なリーダーの定義が難しいと思っていますが、「アジャイルなリーダーシップ」を持つ人材は、変化の波の中でも前に進み続けられます。社会課題もテクノロジーも政治状況も日々変わる今、過去の正解に固執せず、自ら考え行動できる人こそ、次のシュナイダーを担ってくれると信じています。
ーーグローバル企業ならではの魅力があれば聞かせてください。
青柳:DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を経営の中核に据えている点です。国籍や性別、文化的背景、働き方や価値観の違いを受け入れ、それぞれが最大限に力を発揮できる環境づくりを本気で進めています。
日本でも多様性が重視され始めていますが、まだ「女性役員を増やす」など表面的な取り組みで終わっているケースも少なくありません。シュナイダーでは、多様な経験やバックグラウンドの人が集まるからこそ、より良いアイデアが生まれ、イノベーションが加速する。それが私たちの大きな強みだと考えています。
入社1年目から裁量あるミッション——リーダー育成プログラムで得た本物の成長体験
ーー岩澤さんは次世代ビジネスリーダー育成プログラム卒業生でもありますが、そもそも、なぜシュナイダーエレクトリックを就職先に選んだのでしょう。
岩澤:シュナイダーが「サステナビリティに本気で取り組む会社」だったからです。私はもともとフランスの大学でスポーツマネジメントを学んでいました。その中で世界規模のスポーツイベントなどを目にし、サステナビリティとスポーツの関係に興味を持ちました。
とはいえ、当時は正直サステナビリティの中身を深く理解していなくて。そんなとき、シュナイダーが世界的なコーポレートナイツ社が発表した「世界で最も持続可能な100社」にて1位であることを知り、「ここでなら本質的に学べるかもしれない」と思ったんです。スポーツ業界とはまったく異なる業界でしたが、「サステナビリティへの取り組み」に惹かれて飛び込みました。
ーー次世代ビジネスリーダー育成プログラム卒業生でもありますが、(SGP)では、どのような経験をされましたか?
岩澤:3つの部署を8か月ごとにローテーションし、様々な役割に挑戦し経験を積むことができました。新卒でこのプログラムに参加し、セキュアパワー事業部、インダストリー事業部、サービス事業部と回り、単なる“体験”ではなく、具体的なビジネス成果を出すことで成長が求められます。
たとえばマーケティングの部署では受注目標が課され、新製品の販売開始時には最初の販売まで自ら担当しました。海外との協業も多く、アジア圏の同僚と連携しながら動く経験も積みました。若手に大きな裁量と責任があることに驚きましたが、それが何よりの成長につながったと感じています。
ーー就職前に抱いていたイメージと、実際に働いてみて感じたギャップはありましたか?
岩澤:正直“もっとグローバルで英語中心の働き方”だと思っていました。入社前は、外国語を使いながらインターナショナルに働く姿を想像していました。ただ実際は、営業職ということもあり、日本のお客様と密に関わる日々が中心です。
しかし、それが意外にも自分に合っていたことに気づきました。お客様の課題を聞き取り、それに対してソリューションを提案し、改善していく。対話の中で信頼関係を築けることに、強いやりがいを感じました。結果的に、良い意味でのギャップだったと思っています。
ーー「この会社で働いていてよかった」と感じる瞬間を聞かせてください。
岩澤:お客様の課題を自分の提案で解決できたときです。特に今在籍しているサービス事業部は、弊社の様々な製品の導入後を支える役割なので、長くお客様と伴走し続けます。その中で、「この前の改善提案、すごく助かりました」と感謝の声をいただけたとき、「ちゃんと役に立てた」と実感できるのです。
また社内では、若手でも意見をきちんと聞いてくれるカルチャーがあり、遠慮せず発言できるのも魅力です。挑戦とフィードバックを重ねながら、自分自身も着実に成長している感覚があります。
ーー岩澤さんにとって、シュナイダーで働くうえで特に魅力に感じている点は何ですか?
岩澤:扱っている製品やサービスが、ダイレクトに社会の課題解決につながっているという実感を得られるところです。たとえば省エネを実現するための機器や、電力の安定供給に必要なインフラなど、社会にとって“なくてはならないもの”を扱っているという責任感と誇りがあります。
実際にお客様と対話する中で、「こういうことに困っていたけど、シュナイダーの製品やサービスで解決できた」と言っていただけることも多く、そのたびに自分の仕事が社会の役に立っていると感じます。ただの“もの売り”ではない点が、この会社の面白さだと思っています。
キャリアは自分で設計する——社員の「こうなりたい」に寄り添う制度と文化
ーー岩澤さんは入社1年目から成長とやりがいを感じているようですが、シュナイダーエレクトリックのキャリア形成の特徴を教えてください。
臼田:根本にあるのは、キャリアは「自分でデザインするもの」という考え方です。多くの日本企業では、会社が決めた“レール”に乗る形が一般的かもしれません。しかしシュナイダーでは、社員一人ひとりが目指すキャリアや身につけたいスキルを明確にし、それに向かって自ら動いていく文化があります。
その結果、成長スピードにも個人差が出ますが、「早く進みたい人には大きなチャンスが用意されている」というのが特徴です。実際、若手社員でもインパクトのある仕事に挑戦しています。
ーーでは、成長スピードがゆっくりな人にとっても働きやすい環境なのでしょうか?
臼田:スピードの速さではなく、期待値に応じた成果を出していれば、きちんと評価されます。シュナイダーは「昇進できなければ退職」というようなカルチャーではありません。それぞれの職責や役割に応じて、求められる成果や行動が定められており、それを基準に上司と目標設定をしたうえで年間を通じて業務遂行の上で、評価がなされます
また、1年に1度以上の「キャリアディスカッション」が制度化されており、上司と中長期的なキャリアや希望を共有する機会も用意されています。多くの社員を見ていると、このディスカッションの場をうまく活用できている社員ほど、自分らしく成長できている気がします。自分のペースと会社の期待値を合致させることで、長くキャリアを築ける職場だと思います。
ーー企業のカルチャーについても聞かせてください。中心にある「IMPACT(インパクト)」というバリューについて教えてください。
臼田:私達の企業カルチャーの中心にある「IMPACT」というバリューは、社員一人ひとりが「世の中に良い影響を与える存在=インパクトメーカー」になるという価値観です。これは単なるスローガンではなく、社員評価や目標設定にも反映されています。
また、IMPACTはInclusion(インクルージョン)、Mastery(専門性)、Purpose(目的意識)、Action(行動力)、Curiosity(好奇心)、Teamwork(協働)の頭文字で構成されており、それぞれが企業成長と個人の成長の両輪を支えているのです。このバリューをどう体現するかが、評価やキャリア形成にも直結します。
ーー採用において重視しているポイントはありますか?
臼田:チャレンジを恐れず、成長意欲を持っているかを重視しています。逆に、「成長しなくてもいい」「変化したくない」という姿勢の方には、あまり向かないかもしれません。
「自分とビジネスの成長のために行動を起こし前に進もう」とする姿勢は必要です。また、インクルージョンやチームワークを大切にする文化なので、協調性を持って人と向き合える人にも向いています。多様性のある環境で、主体的にキャリアを築いていきたい方には、最適な場所だと思います。
ーー成長を支援する取り組みなどがあれば教えてください。
臼田:社員の成長を支えるためのラーニング環境には特に力を入れています。グローバル共通の学習プラットフォームや、研修機会が数多く用意されています。
何を学ぶか、どう成長したいかを決めるのは社員自身ですが、その意欲に応える仕組みはきちんと整っています。学び続ける姿勢さえあれば、年次や経験に関係なく、いくらでも成長の機会が得られる環境だと自負しています。