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ソムリエスペシャリストへの飽く無き向上心、そして必然的な出会い | 瀬戸内リトリート青凪 by 温故知新 ソムリエチーフ 今津一里

社内随一のソムリエを目指して

今回お話を伺ったのは2008年にホテル系専門学校を卒業後、老舗フレンチレストランを経験したのちに、ソムリエとしての道をたどり、松山社長との偶然の出会いから、温故知新へと入社。兵庫県で生まれ育ち、愛媛県での仕事を選んだ理由とは?また入社して6年半となる今津さんが考える、今後のキャリアプランについてお聞きしました。

Q:本日はよろしくお願いします!はじめに、自己紹介をお願いします。

よろしくお願いします!まずはこの業界に入ったキッカケからお話します。

私は神戸出身なのですが、幼少期、毎週日曜日に祖父母の家で食事をしていました。祖母の料理は「次元が違う」と感じるほど美味しく、味に対する敏感さが自然と養われました。特に幼い頃に「美味しい」の中にも階層があると気づき、4歳の時点で「このハンバーグは美味しくない」と言ってしまうような子どもでした(笑)

また、小学生から母の料理の手伝いを始め、中学生の頃には友達を家に招いて、料理を振る舞うほどの料理好きでした。やがて、食の世界を深く知りたいという気持ちからホテル系専門学校に進学しました。

Q:選択肢として、ソムリエとしての道を選んだのは、どのような出来事がきっかけだったのでしょうか?

一つ大きな出来事は、20歳の誕生日に祖母が「何でも買ってあげる」と言ってくれたことです。その時、私は何の知識もないまま直感で選んだブルゴーニュ地方の「ヴォーヌ・ロマネ」というワインを飲みました。その味わい、香り、余韻――すべてがそれまでの飲み物とは次元が違い、雷に打たれるような衝撃を受けました。

飲んだ瞬間、頭の中で感覚が広がっていくような不思議な体験で感動しました。香りの奥深さ、味の複雑さ、そして飲み終わった後も余韻が続く感覚でした。今も鮮明に記憶に残っています。それからは、専門学校の図書室にあったソムリエの本を読み漁り、「かっこいいソムリエ」のイメージに憧れながら学びを深めました。

Q:キャリアのスタートについて教えてください。

ホテル系専門学校を卒業後、新卒で株式会社ニューオータニへ入社し、初めはアメリカ料理のレストランでサービスの基礎を学びました。その後、フランス料理のレストランに異動し「トゥールダルジャン 東京」で働きはじめました。

トゥールダルジャンは、フランスのパリ本店が1582年創業という歴史を持つ名店です。私が勤務していた東京店も非常に格式が高く、ワイン界では特別な存在でした。働く中で感じたのは、「ワインが単なる飲み物ではなく、歴史と文化を持つ特別な存在である」ということです。その5年間は、全エネルギーをワインの勉強に注ぎ、先輩たちが語る壮大なワインの物語に触発され続けました。

ニューオータニは本当に素晴らしい環境で、最終的には6年近く在籍しました。ただ、先輩方がとても優秀で、そのポジションが固定されている感じがあったんです。ソムリエとして、もっとワインに触れたい、もっと深く学びたいと思っても、皆さんの影響力が大きすぎて、なかなか自分の役割を広げられない状況でした。それで、自分の力を試すためにも、一度外の世界を見てみようと退職をしました。

Q:温故知新へ転職された経緯について教えてください。

それから新宿のビストロで働いていた時、300人規模の大型イベントで30人のソムリエが参加するパーティーがありました。そのサービス中、松山社長が僕がワインを注ぐ姿を見ていたらしく、終わった後に肩を叩かれて「君、さっきワイン注いでたよね。ホテルやってるんだけど、一緒に働いてみない?」とスカウトされました。

その瞬間、正直びっくりしましたが(笑)元々母方が松山出身だったということもあり、幼い頃から馴染みがある土地で、いつか松山で仕事をしたいな、とは思っていたところに、この話だったので、運命的なものを感じて転職を決意しました。

また、当時から温故知新の特徴は、新しい業態のホテル・レストランがどんどん入ってくる会社で、それに合わせて柔軟に変化していく組織でした。例えば、リトリート施設が増えたかと思えば、全く別ジャンルのレストランが開業したりと、毎回新しい挑戦が求められます。会社が変わることで、自分自身も挑戦心を持って変わっていかないといけない。それが、この会社で働く大きなモチベーションにもなっています。

青凪での挑戦 新たな視点でホテル運営に取り組む

Q:現在の業務について教えてください。

ダイニングでの接客に加え、予約管理やメール対応、さらにはSEO対策など、ホテル全体の運営に関わっています。入社してから特に大きく変わったのは、「目の前の接客」だけでなく、「どうすればもっと多くのお客様に青凪を知ってもらえるか」を考えるようになった点です。

これまでは、料理やワインをどう提供するかが自分の中心でしたが、今はその先の「ホテル全体の価値をどう高めるか」を意識するようになりました。特にインバウンド需要が増える中で、英語対応や文化的背景を踏まえた接客が求められる場面も多くなりました。このように、個々の業務を超えて全体最適を目指す視点が、自分の中で新しい挑戦となっています。

チームの力で未来を築く

Q:青凪をさらに良くしていくために考えていることはありますか?

一人の力だけでは、ホテル全体の成長は難しいと感じています。先述したようにたとえば、インバウンド需要に対応するために、英語が話せるスタッフやワインに詳しいスタッフなど横断的な対応力が必要です。それぞれのスキルを持つスタッフが点在している状態で、すべてを兼ね備えたスタッフが不足している状況です。私は入社歴が長く把握していることが多いですが、1人で出来ることには限界があり、持続性がないと感じています。

そこで「自分の時間をどう作るか」を見直し、全てに対応するのではなく、周囲と助けあいながら業務を進めることの重要性に気づきました。結果的に、その経験が周りを動かす力やリーダーシップを意識するきっかけになりました。

なので、今後はチーム全体でスキルを共有し、個々の力を引き出す仕組みを作りたいですね。また、社内の他施設との連携を強化し、ワイン文化の知識を共有する仕組みを整えることも重要だと考えています。

ソムリエ部構想と若手育成の未来

Q:中でも力を入れているものがあれば教えていただけますか?

「ソムリエ部」の立ち上げです。これは、社内でワイン文化を広めると同時に、若手スタッフを育てるための取り組みでもあります。すでにオンラインでの勉強会を開始しており、他の施設のスタッフとも連携しています。

例えば、五島リトリートrayの若手スタッフや新卒社員に対して、ワインの基本知識から試験対策までオンラインで繋がりサポートしています。この取り組みを通じて「温故知新に入るとソムリエになれる」というブランドを確立できれば、新卒採用や中途採用でも大きな強みになると考えています。

また、ワインだけでなく「食事と飲み物の楽しみ方」も積極的に若手スタッフへ伝えることで、ゲストサービスの新たな視点を持つきっかけにしてもらいたいと思っています。

🏆月間MVPに選出されたこともある今津さん🏆

国際ソムリエ資格(ASI)への挑戦

Q:他に個人的な挑戦や目標はありますか?

国際ソムリエ資格(ASI)を目指しています。この資格は、世界でも取得者が少なく、日本では40人ほどしかゴールド認定を持っていません。2年前に初めて挑戦しましたが、難易度が非常に高く合格することが出来ませんでした。それでも諦めず、再挑戦を決めています。

この資格は個人としてのキャリアアップだけでなく、「青凪に国際資格を持つソムリエがいる」という会社のブランド価値向上にもつながると考えているので、資格を取得するために挑戦を続けたいと考えています。

青凪とソムリエ文化の未来

最後に、青凪や会社全体の未来についてのビジョンを教えてください。

青凪が単なる「滞在施設」ではなく、「食事やワインを中心とした文化的な体験」を提供できる場になればと考えています。そのためには、スタッフ全員が「美味しいもの」や「楽しい食事」を理解し、それをゲストに伝える力を身につけることが必要です。

また松山社長が僕に求めていることも、単なる売上や日々の業務の結果ではなく、社内全体に『ワイン文化』を根付かせることだと思っています。このホテルや会社で働くことが、ソムリエを目指す人にとって魅力的な道になるようにしたいです。

温故知新では、様々なポジションで新たな仲間を募集しています。

  • イベント企画に興味がある方
  • ホテル運営に携わりたい方
  • ブランディングや広報に関心のある方
  • 地域創生に貢献したい方

など、幅広い分野でのキャリアにチャレンジできます。

自分の持つスキルと情熱を活かして、ホテル業界で新しい価値を創造したいと考えている方は、ぜひ温故知新へご応募ください。皆様のご応募をお待ちしています。

温故知新で働く人々の記事はこちら

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安藤忠雄設計 青凪@オールスイート7室のみ・唯一無二の感動を生む空間を提供
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