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Web 多言語化 SaaS「WOVN.io」とは?開発の背景や想いを創業者に聞いてみました!

今回は、Wovn Technologies、創業者として、Web 多言語化 SaaS「WOVN.io」を開発した、代表取締役 CEO の林にインタビューをしました。


ー WOVN.ioとはどういうプロダクトですか?

WOVN.io は Web サイトを中心に、モバイルアプリ、動画字幕、ゲームなどを含めた、インターネットコンテンツの "多言語化" の管理・運用を行う SaaS プロダクトです。

Web サイトの一例ですと、たった 1 行のスクリプトを HTML に挿入するだけで瞬時に既存のサイトを最大 45 言語に多言語化できます。翻訳だけでなく、デザインの修正や多言語 SEO 対策まで、Web サイトの多言語運用に関わるあらゆることを WOVN.io の管理画面上で一元的に行うことができます。

また最近開発した「多言語プロキシーサーバー」であればスクリプト挿入なしで多言語化を実現できるので、まさにノーコード開発での多言語化開発と言えると思います。「自動検知・自動翻訳」の機能は、世界 30 か国・地域で国際特許を取得しており、この機能によってコンテンツ量の多い動的な Web サイトへの導入も可能となります。

つまり、"簡単な多言語サイトの構築""高度な運用ニーズへの対応" を同時に実現できる点が、このプロダクトの強みです。


ーこのプロダクトが生まれた背景や経緯を教えてください。

私は、Wovn Technologies を創業する前は、ゲームや EC サイトのエンジニアとして働いていました。

ゲームにも EC サイトにも共通していたのが、インターネットや Web コンテンツが今ほど普及するよりも前から、すでに日本語コンテンツが国際的に注目されていて、多言語化のニーズがあった点です。実際に私も開発者として働く中で、多言語化の要望が出てくることが多く、その度に頭を悩ませていました。同時に、「ソフトウェアの国際化(i18n)」という考えに触れる機会もあったのですが、設計段階から国際化対応をされたソフトウェアを作ることの必要性には共感しつつも、高い IT スキルを持ったエンジニアでないとこれを推進することができない、どうやったらこれを一般的に普及させることができるんだろう?と思っていました。

そんなときに着想を得たのが、「AB テスト」のツールです。当時は Web マーケティングの黎明期で、開発者でなくても AB テストを簡単に行える、ノーコードなツールが普及しはじめていました。

A さんが Web ページを見たときには赤いボタンを、B さんには青いボタンを見せるという技術を、A さんには日本語ページを、B さんには英語ページを見せるというのに応用したら、開発者でなくても簡単に多言語サイトを作れるのではないか?と発想し、WOVN.io は生まれました。

ちなみに、世の中ですでに一般化された技術を、今までと違う発想を持って応用することで、新しい価値を提供する方法は、「枯れた技術の水平思考」と言われています。これは、任天堂でゲームボーイなど数々のヒット商品を生み出した横井 軍平 氏の独自の哲学で、私の好きな考え方の一つです。



ー機械翻訳システムとは何が違うのでしょうか?

たしかに、Google Chrome で Web サイトを閲覧していると、拡張機能を使って任意の言語に機械翻訳を当てることができますよね。自分も外国語の Web サイトを見ているときには、よくこの拡張機能を使います。

こういったプロダクトと WOVN.io との決定的な違いの1つは、企業がブランドの観点でハンドリングできるかどうかです。

Google Chrome の拡張機能は、基本的にはサイトの閲覧者に向けたものであり、情報発信者である企業としてはどのように読まれているかわからないですし、誤訳があった際などにも修正のしようがないのです。一方で WOVN.io の直接的なユーザーは、企業側、サイトの制作者です。Web サイトを自ら作る人や会社が、外国人に対して伝えたいことを伝えたいように、ブランディングを意識して発信することができます。

ちなみに、WOVN.io 上でも Google や DeepL などの機械翻訳を使うことはできます。あくまでも WOVN.io は Web サイトを多言語化・翻訳するためのプラットフォームであり、各種の CMS と連携したり、様々な機械翻訳を仕入れてきて適用することができる、というものです。

他にも大事な用語対訳を登録できる「用語集」やレコメンド機能のある「翻訳サジェスト」、機械翻訳が得意とする英語を元言語とすることで高い翻訳を実現する「Pivot 翻訳」など、翻訳運用をするうえで役に立つ機能が満載です。

また、サービス提供当初は開発・エンジニアを対象としたプロダクトだったのですが、現在では、広報担当者など Web サイト運用を行う方も非エンジニア・翻訳未経験者も多く、私たちの機能もそういった方々を対象として利便性を図るようにしています。今最も力を入れているのが WOVN COPILOT という、「翻訳運用を完全自動化」させるもので、運用にかかる企業側のリソースが一切かからない、Web サイトの翻訳運用自体を WOVN が賄うことができるソリューションもあります。

こういったソリューションを提供することで、企業様は、本来の日本語コンテンツへの注力、SEO はじめプロモーション活動など、本業への回帰、を実現していただけると考えています。


ーこれから先はどんなプロダクトになっていきますか?

Wovn Technologies のミッションは、「Localize the Internet」です。インターネットをローカライズすることで、世界中の人があらゆるデータに母国語でアクセスできる世界を作りたいと考えています。

そのため、今の主力ソリューションである "Web サイト" や "モバイルアプリ" の多言語化プロダクト以外にも、その提供範囲を拡げていきたいと考えています。

一方で、 Web サイトやモバイルアプリの多言語化においても、プロダクトのアップグレードを継続します。ここは是非、面談や面接の中で担当者に聞いていただけたらと思いますが、企業のニーズにさらに応えるための既存機能の強化に加えて、多言語サイト運用に関わる業務を簡便化・高度化する機能を実装したり、お客さまの基幹システムへの導入もしやすくするための開発をしていきたいと考えています。

大規模言語モデルや生成系 AI の普及に伴う変化にも注視しています。先ほど言った WOVN COPILOT では、Web サイトの翻訳運用を自動化することができ、翻訳未経験者でも非エンジニアでも、高い品質レベルで Web サイトの多言語運用が可能となります。こういったサービスをどんどん拡張したいと思います。

他にも構想していることはたくさんありますので、ぜひ面談や面接の際に、担当者に直接聞いてみてください。


ープロダクト開発は、どんなチームで行われていますか?

私たちのプロダクト開発のチームは、メンバーの大半を外国人が占めています。国籍もさまざまでフランス、アメリカ、ベトナム、インドネシア、ノルウェー、ブラジルなど、会社全体で見ると世界 20 以上の国や地域からメンバーが集まっています



2014年の創業時点ですでに  WOVN.io の構想はあったのですが、「多言語化のプロダクトを作るのに、日本人だけで作っても説得力がないだろう」と思い、アメリカ人のエンジニアを共同創業者に誘って、Wovn Technologies を創りました。その後、1人目と2人目の社員は台湾人、フランス人となり、狭いオフィスで日本人、アメリカ人、台湾人、フランス人で開発するところから、この会社とプロダクトは始まっています。

この決断は、今振り返っても良いと思える決断の一つです。創業当初から外国人が多く在籍してきたことで、日本語で生活している自分にはわからない、エンドユーザーである外国人目線だからこそ見える気づきが数多くあり、あらゆる機能にそれらは反映されています。

創業から数年経ったときに、もっとプロダクト開発を強化するためにエンジニアを増やそうと、ふと海外の有名な技術系の求人サイトを開いたところ、日本の会社がほとんど求人を掲載していないことを発見しました。そこで、当時から英語をメイン言語としながら業務が行われていたので、試しに英語で求人を出してみたところ、あっという間に多くのエンジニアから応募があり、高い採用基準を設けて、採用に繋げることができました。

さらに、技術力の高い外国人エンジニアが多く在籍していて、英語で働ける環境があることは、グローバルで活躍できるスキルを身に着けたい、優秀な日本人エンジニアにとっても魅力的に映ります。日本人エンジニアの採用強化にも繋がった点は、目からウロコでした。

今では、ビジネスサイドの拡大もあり、日本人のメンバーも増えたので、日本人と外国人の比率は 6:4 くらいになりました。なので、英語が全く話せない人でも全然問題ないので、そこはご安心ください(笑)


ー最後に、この記事を読んでいただいている方に一言あれば、是非よろしくお願いします。

WOVN は現在、筋肉質に組織を強化していく方針で、育成やカルチャー強化に力を入れながらも、採用も引き続きオープンし、さまざまな方々をお待ちしております!
WOVN のミッション・ビジョンに共感いただける方、新しい市場や価値観を創造し、本気で世界的な黒子企業をつくりたい方、ぜひご応募ください!


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