2018年9月に産声を上げた、SEO対策のためのSaaS型分析ツールTACT SEO。
TACT SEOリリースからは2年半、組織立ち上げから1年半で導入社数1,800社を突破し、最近では「ITreview Grid Award」を2期連続受賞。認知度だけでなく、顧客からの高い評価も得られています。
そんなウィルゲート初のSaaSプロダクトを牽引するのが、TACT SEOプロダクトマネージャーの古谷(@m_furuyan)。
「なぜコンサルティング部門を離れTACT SEOに携わるようになったのか」「シビアな状況をどう乗り越えてきたのか」「グロースを支えた“チーム力”とは」……などなど、サービス誕生からの2年半のストーリーについて根掘り葉掘り聞いてみました!
古谷 勝(ふるや まさる)
2011年に株式会社ウィルゲートに新卒入社。SEOコンサルティング事業のセールス、コンサルタントを9年経験したのち、2019年よりSEO対策のSaaSプロダクト「TACT SEO」ユニットマネージャーに。同事業のマーケティング、プロダクト改善、カスタマーサクセス、フィールドセールスなど幅広く担当する。
SEO対策に特化したSaaS型ツールの立ち上げ
──どのような経緯でTACT SEOが誕生したのでしょうか?
「SEOの分析業務や対策実施のサポートをコストを抑えて利用したい」「自社でメディア運用を内製化していきたい」。そんな企業様からの声があったことがきっかけでした。
ウィルゲートはSEOコンサルティングを主力事業としているのですが、コンサルタントが介在せず、お客様自らがSEO対策を立てられるSaaSツールの提供はできないだろうか?と構想が浮かびました。
──元々コンサルタントとして活躍されていた古谷さんがTACT SEO事業に関わり始めた当時は、どういった状況だったのでしょうか。
そうですね、僕が関わり始めたのは、ツールができてから1年が経ったタイミングでした。実は、お客様にサービスとしては提供していたものの、TACT SEOの販売部署があった訳ではなく、販促部分にはコミットできていませんでした。
要はお客様に積極的に提供する土台が全く整っていなかったんです。そんな課題だらけの状況で、TACT SEO担当としての打診を受けました。
「TACT SEO」のサービスページ
──そのような状況の中、どうしてTACT SEOに携わる決断を?
これを言うとさらに「どうして?」と言われてしまいそうですが、コンサルタント時代、僕が一番TACT SEOを使いこなせていませんでした(笑)。
でも、だからこそ誰よりもTACT SEOについて「どうやって使えばいいのか?」と疑問を抱く人の気持ちが分かるかもしれない、と思ったんです。
また、市場的にSaaSビジネスが盛り上がってきている中で、自分に経験はないけど情報は転がっている。新たな領域で自分で試行錯誤してチャレンジする経験ができるのでは、と思いました。
自分自身が生きていて幸せだなと感じるのは、新しいものに触れて、知識をどんどん取り入れていく瞬間、そして挑戦した結果、成長を実感できている時なんですよね。だから事業展開していく上での困難は、自分にとってむしろ“やるべき理由”のように感じました。
組織立ち上げから半年弱で黒字化も、課題は山積み
──TACT SEOの事業展開を進めていくにあたって、何から取り組んでいったのでしょうか?
組織立ち上げ当初は事業として赤字続きで、マイナスからのスタートでした。当時は社内でSaaSに関する知見がある訳でもなく、何が正解なのかも分からない状況だったので、社外からひたすらSaaSに関する情報を収集しました。そして、成功可能性が高そうな施策を試しながら、徐々に効果的なものに絞っていきました。
最初は「どうお客様と接点を持つか」を考え、行動していきました。例えば、社内のハウスリストへのアプローチ、 SEOコンサルティングの既存顧客への提案などを行いました。コンサルタントの誰もが適切にプロダクトを提案できるかというとそうではないところもあったので、必要に応じて同席やすり合わせを行うなどのサポートをしながら、少しずつ販路を築いていきました。
立ち上げ当初から一緒に事業を成長させているのが、新卒5年目の今村。今はTACTユニットのリーダーを担っています。共に様々な戦略を立て、少しでも光が見える施策を泥臭く実行し続けてきた戦友みたいなメンバーですね。
今村や他のメンバーの獅子奮迅の活躍もあり、2019年10月の配属から半年弱で単月黒字化を達成できたのですが、まだまだ課題は山積みでした。
──その課題とは?
有料プランをご契約頂いた後に解約されるお客様の6割の理由が「ツールの使い方、活用方法が分からない」だったんです。というのも、最初は「どう売るか」ばかりに集中したので、ツール提供後のサポートが整っていませんでした。「このままではいけない」と思い、次に取り組むべきは「カスタマーサクセスの追求」と考えました。
売るだけではなく顧客のために何ができるかが重要
──当時のTACT SEO事業部にとって、「カスタマーサクセスの追求」とはどういったものだったのでしょうか?
カスタマーサクセスとは、顧客が製品・サービスを使うことで成功し、望ましい結果の達成のために支援すること。なのでツールをただ使ってもらえていればいい、導入したときだけ満足してもらえればいい、といったものではありません。使ってもらって成果が出てこそ、本当に満足してもらえた状態だと言えます。
そして「理想のカスタマーサクセスを追求していくこと」は、お客様の声に耳を傾け、改善の余地を探りながら、プロダクトとそれに付随するサービスを常にブラッシュアップし続けることにあると思っています。
TACT SEOは、SEOの専門的な知識がなくとも、指示に従っていくだけで最低限の対策が可能
「じゃあその理想のカスタマーサクセスを実現するためには何が必要か」と考えたのが、そのゴールまでのステップ上のボトルネックを発見し、解消することでした。例えば「ヘルススコア」(=顧客が今後継続的にサービスを利用してくれるかを数値化したもの)を作ってお客様の利用状況を確認した上で追加のサポートを考えたり、利用目的に合わせて導入支援する、TACT SEOの利用状況を詳細に可視化するなどに取り組みました。
しかし、SaaS経験ゼロからということもあり、カスタマーサクセスにおけるボトルネックを見つけるのにも苦労しました。実現したい世界観や、届けたい価値などを主にメンバーの今村と時間をかけて議論する中で見出していきました。
努力の結果、ユーザー満足度が向上
──その後、どのように変化していったのでしょうか。
徹底した取り組みの甲斐もあり、徐々にスコアの結果が改善されていきました。
例えば、ツールの使用方法のサポートをするだけでなく、導入後はTACT SEOを使って出てきた分析の結果から考えられる打ち手や施策案をウィルゲートから提示して、各社が自立的に施策を打ってもらえるよう促していきました。それにより、「自分で使える価値のあるサービス」としての満足度が着実に高まっていった実感はありますね。
ユーザー満⾜度に優れ、認知度のある製品と評価されたサービスに贈られる「ITreview Grid Award」
※受賞時のプレスリリース
うれしいことに、そういった利用企業様のTACT SEOの事例記事を見て「自分たちでもSEO対策を内製化できそうだ」と感じた別の企業様からお問い合わせいただき、ご契約につながるケースも増えました。
TACT SEOの事例記事をきっかけに見てお問い合わせいただいたのが株式会社EVENT LAB(ターキッシュエア&トラベル)様。詳しい話はこちらの記事にまとめています。
このようにサービスの成長を感じたり、TACT SEOへのお褒めの声がお客様から別のお客様へ、”バトン”のようにつながっていく。そんな瞬間に一つひとつ立ち会う中で、自分たちの努力が実り、良い影響が広まっているな、と実感できるようになっていったんです。
※その他TACT SEOのお客様の声はこちらの記事でも紹介しています。
プロダクト成長を支えたチームメンバー1人ひとりの“主体性”
──事業成長につながった要因として、カスタマーサクセス施策以外で挙げられるものはありますか?
TACT SEOのチームはSEO技術の責任者である執行役員の北川さん(@yuta_kitagawa)を始めとした4名の事業部メンバーと、4名の開発室メンバーを合わせた計8名の組織です。このチームの皆がお客様に対してより良いサービスを提供しようと考え、TACT SEOの成長を自分ごととして捉えて、ワクワクしながら主体的に行動してくれたことが事業の成長につながったと思っています。
──TACTユニットマネージャーとして、メンバーのマネジメントにあたって意識していることはありますか?
そうですね、「挑戦することが成長につながる」という視点が強いかもしれません。ただ任せるだけではなくて本人が人生レベルでどうしたいのか、といったメンバー個人の『will』に寄り添い・向き合い続けたいと思っていますし、今後も自分が関わる人たちにもそういう接し方を続けていくつもりです。
ドライよりウェットな関係性を大事にしていますし、コミュニケーション面でも、“ウィルゲートらしさ”を体現していけるような組織にしていきたいと思っています。
より高い目標への到達と組織強化のために
──TACT SEOの事業・組織の今後の展望をお聞きしたいです。
目標を立て、成果に対しては貪欲に、皆で協力して達成していく姿勢は大事ですが、これだけではまだ組織立ち上げ期の色が強過ぎるかな、と思います。SEO領域において、日本一お客様に愛されるプロダクトを目標にするSaaS事業だからこそ、もう一段上のステップへ移行していかないことには次の一年の成長角度を上げるのは難しい、と感じていますね。
今後は組織規模も拡大していく予定です。そのため、属人的な力に加えて、成功パターンを組織内に展開していくことで、組織力を高めていく必要があります。また、ハイタッチ型だけでなく、ロータッチ・テックタッチ型のセールス、カスタマーサクセスに領域を広げていくことで、より多くのお客様にTACT SEOを届けていきたいですね。
そうすることで、「日本一お客様に愛されるプロダクト」に近づいていけると考えています。
TACTユニットの人材採用にも関わっているので、新たにジョインしてくれる人には、まずは得意であったり興味のある領域を担ってもらいつつ、得意領域を伸ばしていってほしいです。後々は「その道を更に極めるのもよし」「得意領域を広げるのもよし」というように、自分自身とプロダクトの成長をリンクさせて、挑戦していってほしいとも思っています。
カスタマーサクセスには様々な役割が存在する ※出典元
2021年はTACT SEOのユーザーコミュニティを作ろうと思っていますし、他にもやるべきことは無数にあると考えています。プロダクトを成長させいくためにも、そういった新しい取り組みにも積極的に関わってほしいと思っています。
TACT SEO、そして、組織を成長させるために、メンバーの色に合った領域を任せられるようになれば、それぞれの注力できるポイントも絞れて、サービスの質もどんどん向上していくと思っています。更に、各メンバーが自ら考え、学び続ける組織にしていくことで個々の成長へコミットしてもらえる期待も持っていますね。
──最後に、古谷さん個人の将来像をお聞きして締めたいと思います!
自分自身がSaaS領域におけるプロダクトマネージャーに挑戦することで
セールス畑からキャリアチェンジした新たなロールモデルになりたいと思っています。
2020年1月21日当時、今後のキャリアを考えていた時にベルフェイスの吉本猛さんのnoteをたまたま読んで、新たなキャリアに挑戦したい!と強く刺激を受けたことを今でも鮮明に覚えています。人生の転機だったと言っても過言ではないと思っています。
吉本さんから受けた刺激を今度は僕自身が体現することで、キャリアで悩んでる方にとっての「キッカケ」「希望」を少しでも与えることができたらいいなと思っています。
そして、お客様と一番に接点を持ち、顧客の声を肌身で感じられるのがセールスであり、その経験を持ってプロダクトの成長に活かす、そんなキャリアの拡げ方を自ら開拓していきたいと思います。
──古谷さん、インタビューありがとうございました!
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