民間学童スクール「こどもクリエ塾」を、東京都内で6拠点・タイのバンコクで1拠点運営しているビジョンゲート。プロジェクト型学習(PBL)を通して、子どもたちの「やってみたい!」「学びたい!」という意欲や創造力を育んでいます。また現在は、従来の店舗型サービスをオンラインで提供する新サービスも開発中です。
当社では、これからのビジョンゲートを支えてくださる新たなメンバーを募集しています。今回は「こどもクリエ塾」四谷校 副校長の細木、そして当社代表の遠藤にインタビューを実施。ビジョンゲートで働く魅力や、子ども教育に対する想いを語ってもらいました。
株式会社ビジョンゲート
「こどもクリエ塾」四谷校 副校長
細木 なつの
東京家政大学 造形表現学科 グラフィックデザイン専攻卒。在学中は、制作活動や子どもたちに向けたワークショップを通じて「子どもの発達段階に応じた造形活動」の研究に取り組む。2024年にビジョンゲートへ新卒入社。同年10月より「こどもクリエ塾」四谷校 副校長に就任し、現在は子どもたちの教育支援や教室運営に携わる。
株式会社ビジョンゲート
代表取締役
遠藤 奈央子
リクルート、IBMビジネスコンサルティングサービス(現 日本IBM)等での勤務を経て、2010年にビジョンゲートを設立。「仕事と子育ての両立に悩む保護者の救いとなり、かつ子どもたちが学ぶ楽しさを体験できる場を作りたい」との思いから、「こどもクリエ塾」を国内外で展開する。著書に『「民間学童」の作り方』(日本実業出版社)、『「自分でできる子」に育つ 放課後時間の過ごし方 ほめる・叱る・見守る 親も育つ』(講談社)がある。
机に向かう勉強だけが“学び”ではない。子どもの創造力を育む「こどもクリエ塾」
──細木さんの経歴と、ビジョンゲートに入社した理由を教えてください。
細木:
大学で芸術分野を専攻した後、新卒でビジョンゲートに入社しました。元々はミュージックビデオなどの映像制作に興味があったのですが、大学の授業で「育ちのための表現」という単元を受けたことをきっかけに、子ども教育に強く惹かれていきました。
在学中は、遊具を作って子どもたちに遊んでもらったり、絵本を作って読み聞かせをしたり…と、制作と実践的なワークショップを繰り返すことで、子どもの発達段階に応じた効果的な造形教育について研究しました。また学業の傍ら、学童でのアルバイトも経験しました。
就職活動では、大学で学んだデザインスキルや、子どもと関わった経験が活かせる仕事を中心に探しました。そんな中、就職サイトで出会ったのがビジョンゲートです。
当社に入社した最大の理由は、「こどもクリエ塾」のカリキュラムの中にアートを教えるプロジェクトがあったことです。特に当スクールは、座学で知識を詰め込むのではなく、手を動かしながら子どもたちの創造力を育てることを大切にしているため、自分の経験が大いに活かせるだろうと考えて入社を決めました。
──細木さんの、現在の仕事内容について教えてください。
細木:
「こどもクリエ塾」では、曜日ごとに英語・アート・理科実験・ロボット・読み書き発表という5つのプロジェクトに取り組みます。私の主な仕事は、これらプロジェクトの進行と、子どもたちの学びのサポートです。
たとえば読み書き発表のコースでは、朗読の先生をお呼びして本を読み、朗読や作文を通じて表現力や読解力を伸ばします。さらにコース後半では、観客を入れた発表イベントを開催します。その企画・計画から発表までの一連を、子どもたち主導で進めるんです。私はあくまでサポーターとして、アドバイスを挟みながら子どもたちを見守ります。
その他、去年はさまざまな材料を使った「魚釣りゲーム」を開催しました。水に魚を浮かべたい派と、水を使わないゲームにしたい派で意見が分かれたため、2種類のゲームを用意したのがユニークで印象に残っています。「どんな材料があれば魚が水に浮くのか」などを検証して試行錯誤する、とても有意義な学びの時間となりました。
私が得意とするのは、やはりアートのプロジェクトです。歴史的アーティストや現代作家の作品を鑑賞して技法を学んだ上で、子どもたち自身も作品作りに取り組みます。子どもの中には、「読み書き発表は苦手なものの、アートコースでは迷いなく作品作りができる」というタイプもいます。アートの価値はまさに「直接的な言葉でなくとも、自分の考えや感情を伝えられる」という点にあると考えているので、そういった子どもたちの表現力を育む一助になっていればいいなと思いますね。
──細木さんが思う、「こどもクリエ塾」ならではの魅力は何ですか?
細木:
一般的な学童は、単に「子どもを預かる場」としてのみ機能していることが多いですが、当スクールは、子どもたちが毎日何らかの学びを持ち帰れる学童スクールとなっています。
四谷校に関して言えば、家庭でも十分に学習ができているものの、「勉強とはこうあるべき」という固定観念に縛られてしまっている子もいるように感じます。家では机にばかり向かっていて、学ぶことを楽しいと思えなくなっている子も少なくありません。その点、「こどもクリエ塾」は実験や工作、表現など、五感を使う学習が多いのが特徴です。当スクールでの取り組みを通して、子どもたちに「学ぶ楽しさ」を再発見してもらえたら嬉しいです。
同じように育つ子どもは誰一人いないから、根気よく観察する
──細木さんが教室運営を行う上で、大切にしていることはありますか?
細木:
子どもたちに「自分の言葉」でコミュニケーションを取ってもらうことを大切にしています。
最近気になっているのが、トラブルが起きた際に交わされる「ごめんね」「いいよ」のやり取りです。皆さんも幼い頃に経験があるかもしれませんが、加害者の子が謝ったら、被害者の子はそれがまるで決まりかのように、間髪を入れずに「いいよ」と答えることが多いんです。本当に許しているならいいのですが、もし本心では許していないのに「いいよ」と答えてしまっているなら、それは本当のコミュニケーションとは言えませんよね。
こういう時、私は本当に「いいよ」と思っているのかを確認します。まだ怒っているなら許さなくていいですし、表面上で仲直りするよりも「それだけ許されないことをしたんだ」と相手の子が理解することや、どうすれば仲直りできるかを話し合うことの方が重要だと思うのです。
子どもたちには、自分の本心に向き合い、自分の言葉でコミュニケーションを取れる人に育ってほしいと考えています。
──どんな瞬間に仕事のやりがいを感じますか?
細木:
やはり、子どもの成長を感じられた瞬間に大きなやりがいを感じます。
中には、1年で見違えるほど変わる子もいますね。ある子は、入校してきたばかりの頃はとてもやんちゃで、協調性を持って行動するのが苦手でした。しかし「これはダメ」「これはいい」とルールを伝えつづけたり、「自分が何かを話すとき、どんな風に聞いてもらえたら嬉しいか」を考えてもらったりしていくうちに、少しずつ変化が見られるようになったんです。かつては好き勝手におしゃべりしていたその子が、「今は話を聞く時間だった!」と、自ら気づいて静かにできたときの姿は、今でも覚えていますね。
子どもは全員がまったく違う生き物で、正しいアプローチの仕方も人によって異なります。その子の興味の方向や得意・苦手、人柄などは、日々対話や観察を重ねなければ見えてきません。相当の根気が必要ですが、だからこそやりがいがあるのだと思います。
入社半年で副校長就任。年次や年齢に関係なく活躍できる
──ビジョンゲートで働く魅力について教えてください。
細木:
私は入社して半年という短期間で、副校長に就任しました。正直かなり驚きましたが、それほどビジョンゲートは本人の意欲や頑張りを正当に評価し、希望に応じた仕事や役職を任せてくれる会社だと思います。
副校長になると、委ねられる裁量もかなり大きくなります。掲げられている企業理念はありますが、「子どもたちの個性や学校のカラーは校舎によってそれぞれ異なるものだ」という考えがあるため、どのような運営をするかは現場に任せてくれるんです。自分の経験や得意分野を活かせるため、仕事はとても面白いです。
──これからどんな方と一緒に働きたいですか?
細木:
子どもたちの特性や些細な変化によく気づける方、観察を諦めない方と一緒に働けたら嬉しいです。今も、一緒に働く他のメンバーの気づきが、その後の教室運営をより良くするヒントとなることがよくあるんです。
私とは違う視点で子どもたちを観察することができる方がいたら、もっと違う指導やアプローチ方法が見つかるかもしれません。私自身も、まだ手探りしながら教室運営を行っているので、意見やアイデアがあればぜひ気軽に教えていただきたいですね。子どもたちの可能性を広げる教室を、一緒に作っていきましょう!
教育格差の問題を打開する、新サービスを開発中
──ビジョンゲートがこれから展開する新しいサービスとは、どういったものですか?
遠藤:
「こどもクリエ塾」で実践してきた教育をベースに、子どもたちが場所や時間に縛られず自由に学べるオンライン教育サービスを、どのご家庭でも利用しやすい価格帯で展開していく予定です。
現代の教育業界は、家庭の経済状況や住んでいる地域によって、教育格差が広がりつつあります。さらに子どもの自己肯定感の高さは世界34位と、極めて低水準にあるのが現状です。
このような、現代の子どもや保護者の方々が抱える切実な課題を解決したいという思いが、新サービス立ち上げの背景にあります。
──ビジョンゲートではメリハリある働き方を徹底していますが、業務効率を高めるためにどのような工夫をしていますか?
遠藤:
「教育業界は長時間労働が慢性化しがち」と言われる中、当社は月の平均残業時間が1時間未満という、非常に働きやすい環境を実現しています。
これまでに行った施策を挙げると、シフト作成、経理事務、保護者との連絡といったルーティン業務のシステム化、営業中の見学や電話対応は原則行わないなど「やらないこと」の明確化、採用と人事配置、育成の工夫…などさまざまあります。ムダな作業はとことん効率化し、その分子どもたちに集中して向き合える環境を作っているのです。
「新サービスの立ち上げに奔走している今は、さすがにワークライフバランスを両立しにくいのでは?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。通常、事業立ち上げの際は何か一つ検討するだけでも資料作成や会議に膨大な時間をかけますが、当社は「とりあえずやってみる」というスタンスで、スピーディーにサービス開発を進めています。当社は既存のお客様からも直接意見をいただけるので、入念な市場調査がそこまで必要ないのです。
従来の教育スタイルとは180°違うから、未経験者も大歓迎
──ビジョンゲートが、新卒や未経験者の採用に力を入れているのはなぜですか?
遠藤:
私たちが行っているプロジェクト型学習(PBL)は、従来の学校教育とはまったく異なるものだからです。
学校で行われている教育は「シラバス型」と言って、「1+1=2」のように決まった答えを順序立てて学んでいくスタイルです。一方PBLは、子どもたち自身が自ら解決すべき課題やテーマを発見し、それを解決する能力を養っていくという、言わばシラバス型とは真逆のスタイルなのです。
PBLは「決まった正解のない学び」であるため、スタッフに特定のスキルや経験を求めることはありません。むしろ、これまで他業界で活躍してきた方や、新しい感覚を持っている新卒者など、多様なバックグラウンドの方を積極的に迎えたいと考えています。
──入社後はどのような研修が行われるのでしょうか?
遠藤:
当社の軸となっているPBLの概念やメソッドは、入社後にゼロからお教えします。また実務に関しては、教室で子どもたちが学ぶ様子を実際に見ながら、OJT形式で少しずつ習得していただきます。初めは当社で用意しているサンプルトークも参考にしながら、徐々に自分なりの指導方法を掴んでもらえたらと思います。
当社は「採用後に丁寧に育てる」という考えのもと、経験や資格の有無ではなく、人柄や理念への共感度合いを重視した採用を行っています。職種・業界未経験者も多数活躍しているので、安心してご入社ください。
──遠藤さんは、これから入社する方にどんなことを求めたいですか?
遠藤:
当社は、現代の子どもたちや保護者が抱える課題を、今までにないサービスで解決していく、スタートアップ企業のような気質を持つ会社です。またこれから入社する方には、「こどもクリエ塾」での現場業務のほか、今立ち上げている新サービスの運営にも携わっていただきたいと考えています。
そのため「既存の考え方にとらわれず、新しい挑戦がしたい方」や、「子どもたちのために何ができるか、当事者意識を持って仕事に取り組める方」を歓迎します。
できる限り多くの方とお会いしたいと考えていますので、子ども教育に興味のある方はぜひお気軽にご応募ください!