バリュエンスでは、社員一人ひとりの成長を支える仕組みのひとつとして、「メンター制度」を導入しています。この制度は、所属部署や職種の垣根を超えて先輩社員がメンターとなり、若手新入社員の成長やキャリア形成をサポートする取り組みです。
所属部署の先輩とは異なる“もう一つの相談先”として、部署の壁を超えた新たな気づきや、価値観の広がりが生まれています。それは、メンティーにとってはもちろん、メンターにとっても自分自身を見つめ直す機会となっています。
今回ご紹介するのは、オークション事業部・国内販売課の加藤 亮太さんと、ALLU SHINJUKUで販売を担当する杉山 竜都さん。月に一度、実店舗で行われる1on1を重ねる中で、どんな化学反応が起きているのか、お二人の対談を通して、その様子を紐解いていきます。
|月末のALLU SHINJUKU、1時間の“集中対話”
加藤さん|1on1は月に1回、ALLU SHINJUKUで行っています。基本は対面で、お店のバックヤードや個室をお借りして、しっかり1時間くらい話しています。やっぱりリアルだと、表情やちょっとした間合いも伝わるので、話しやすいんですよね。
杉山さん|現場にわざわざ来てくださるのが、何より嬉しいです。自分たちの働く環境を理解してもらえている実感があるし、安心して話しやすいです。
加藤さん|私自身も店舗を見ることが刺激になります。ALLUの最新の状態を知ることで、オークションとの接点をどう生み出せるか、考えるヒントにもなっています。
杉山さん|そこまで目線を合わせてくれているからこそ、自然と心を開けたのかもしれません。実は、最初は少し緊張していたんです。亮太さんは課長で、自分とは別部署。どうしても上下関係を意識していましたが、いざ話してみたらすごくフランクで、「あ、この人は立場じゃなくて、“自分”を見てくれているな」って感じた瞬間から、気負わずに話せるようになりました。
|自分を見つめ直し、客観視できる大切な時間
杉山さん|毎回いろんな話をしますが、中心にあるのはやっぱり“キャリア”の話です。自分が将来なりたい姿を見据えて、今の自分に必要なことは何か、今の自分ができることは何か。日々の業務の中では、なかなかこういうテーマを考える時間はないので、この機会は本当にありがたいです。
加藤さん|最初の面談のときから、竜都は自分のキャリアについてしっかり考えている印象がありました。だからこそ、私もそこを一緒に深掘りすることを意識していました。何か正解を伝えるというよりも、一緒に伴走していくような感覚ですね。
杉山さん|特に印象に残っているのは、自分の中にあったモヤモヤを、「言語化してみよう」と促してくれたことです。最初はうまく言葉にできなかったのですが、話しているうちに「自分はこういうことを大事に思っていたんだな」と気づけたり、自分の頭の中が整理されていきました。
加藤さん|私自身も“言語化”は得意ではないんです。でも、だからこそ意識して取り組むようにしています。自分の中にある違和感や引っかかりをそのままにせず、たとえうまく言語化できなくても、相手に伝えるようにしています。言語化することで、自分の考えが客観視できるようになる経験をしてきたので、竜都にもそのようなアプローチをしています。
また、メンターとして伝えていることが、自分自身への問いにもなっていることが多く、1on1は私にとっても“進化を止めないための振り返り”の時間になっています。
|メンターとメンティーが共に成長できる関係性
杉山さん|亮太さんと話していると、自分の将来に向けての“地図”が描けていくような感覚があって、それが成長につながっていると感じています。例えば、商品がALLUだけでなくオークションを経由して流通している仕組みなどを話してくださったのですが、会社における自分の役割が点ではなく線で結ばれ、「自分のシゴトは、バリュエンスの事業としてこうやってつながっているんだ」と実感がわきました。
加藤さん|実は最初の段階で、竜都の“自分プレゼン”※をしっかり読み込んでおり、興味を持っていそうな分野にあたりをつけて話題を振るようにしていました。人によって刺さるテーマは違うし、まずは「話してもらえる」状態をつくることが何より大事だと思っていたので。1on1って、ただアドバイスをする関係ではなくて、お互いの価値観や経験を交換しながら磨き合っていくものだと思うんです。だからこそ、メンターとメンティーは“Win-Win”の関係でいられる。私は心からそう感じています。
(※自分プレゼンとは:新卒入社社員が研修の最後に、社長をはじめとする全社員に向けて、自身の将来像とそのための計画を発表するプレゼンテーションのこと。)
杉山さん|加藤さんは、ただの“相談役”というよりも、自分のことをちゃんと見て、一緒に考えてくれる、自分の成長においてかけがえのない存在です。
加藤さん|そこまで言ってくれると嬉しいですね。ありがとう(笑)
|イエスマンにならない、でも否定もしない
加藤さん|1on1の時に意識しているのは、“ニュートラルでいること”。考えを押し付けすぎないのはもちろんですが、何でも「いいね!」と肯定しすぎると、それはそれで可能性を狭めてしまう。だから、あくまでもニュートラルに。自分の意見を伝えるときは、「こういう視点もあるよ」と一つの案として伝えるようにしています。本人の選択肢を広げ、より良い答えを見つけられるようにしたいんですよね。
杉山さん|併せて、心配ごとや、漠然としたキャリアの話でも、「否定されないだろうな」という安心感も与えてくれます。だから、本音で話せる。いい意味で、すごく絶妙な距離感を作っていただいています。
|たった5回でも、“心の支え”になる理由
杉山さん|正直、ここまで安心できる関係になれるとは、自分でもちょっと驚いています。まだ5回しかお会いしていないのに、今では“心の支え”のような存在になっていて。それは、亮太さんが私との1on1を“仕事としてやっている”感じがまったくしなかったからだと思うんです。
加藤さん|メンターって、“制度としてやるもの”というよりは、“自分自身の視野を広げる機会”だと思っています。だから、自分の時間を“相手のため”に使っている、という感覚はあまりないんですよね。相手とちゃんと向き合った結果、自分の成長にもつながってくる。竜都との対話は、自分の業務や考え方にも良い影響を与えてくれます。
杉山さん|亮太さんのフラットなスタンスが伝わってくるからこそ、「この人に話したい」と思えたんだと思います。私自身がキャリアのことを真剣に考えていたタイミングでもあって、そのときに、自分のために時間をくれて、真摯に話を聞いてくれる存在がいることが、どれだけ心強かったか。言ってしまえば“たった5回”なんですが、その5回が、自分にとってはすごく濃い時間でした。
加藤さん|竜都がオープンに話してくれたからこそ、こちらも本音で関われたというのはありますね。“心を開く”って、お互いが誠実であることが前提だと思うし、私たちの1on1はそれがちゃんと成立していた。だからこそ、少ない回数でも深い信頼につながったんだと思います。
|“心の支え”となる存在が、組織の中にひとりでも増えていくように
杉山さん|私にとって、加藤さんの存在は、まさに“心の支え”です。部署や世代の垣根を越えて、自分の話を受け止めてくれて、フラットに対話できる先輩が社内にいるというのは、すごく大きな安心感につながっています。このメンター制度を通して、こうした信頼関係が、社内にもっともっと広がっていけばいいなと思います。
加藤さん|そうですね。今、会社としても社員数が増えてきていて、以前のように“みんなの顔と名前が自然と一致する”という状況ではなくなってきました。だからこそ、業務や部署を超えて、ちょっと相談したり話を聞いてもらえる関係性があるということが、すごく貴重になってきていると思います。
「キャリアについて話してみたい」「あの部署のことを少し知りたい」――そんなときに、気軽に声をかけられる仕組みや雰囲気が、この制度を通じてもっと根付いていったら嬉しいです。
インタビュー後記|
「部署も世代も違うのに、どうしてこんなに本音で話せるんだろう」
加藤さんと杉山さんの1on1を通じて、私たち人事も改めて“信頼の本質”を見せてもらったように思います。制度の形よりも、“その人にちゃんと向き合いたい”という気持ちこそが、1on1の原動力。そんな温かくて、前向きな関係性が、社内にもっと増えていったら・・・と、心から願っています。バリュエンスは、社員の“なりたい自分”を一緒に考え、歩んでいける場所や機会を増やしていきたいと考えています。