UDSでは、個性を活かし“自由に”働いているメンバーが多い。何がきっかけで自由を求め、どう自由を表現しているのか。
今回紹介するのは、ホテルマネジメント事業部 総料理長兼MUJI HOTEL GINZAのレストラン WA料理長の髙島拓未(たかしま たくみ)。2014年に入社し、拠点の立ち上げやメニュー開発に携わった後、現在は総料理長として複数拠点の調理を統括しています。料理との出会いや、髙島さんが思うこれからのまちづくりについて聞きました。
サービスや料理にコンセプトを紐付ける
──普段はどんなことをしているんですか。
ホテルマネジメント事業部の総料理長兼MUJI HOTEL GINZAのレストラン WAの料理長を担っています。直近ではVlag yokohamaの開業に伴い、Sky lounge cafe & bar mequ の立ち上げをメインに動いていました。
普段はホテルマネジメント事業部の各拠点を巡り、料理やメンバーのケアを行なっています。今後改善していくポイントや伸ばしていくスキルなど、店舗とキャリアを並走して見ている感じですね。
──開業案件では具体的にどんなことをしているんですか。
オペレーションの構築からメニュー開発まで行います。今回mequではアルバイトでもすぐにオペレーションを覚えてもらえるように業務を設計しながら、42階という高層階に相応しい料理や接客にもこだわりました。
mequ(メク)の由来は、煌めくというワードから来ています。何かが起こりそうな空気感が漂う感じを、料理にも紐づかせるように意識しました。
──オペレーションから料理までコンセプトをいかに紡いでいくかを考えているんですね。
企画・設計・運営を一連でやっていく上で、空間やコンセプトに紐づいた飲食体験を提供する。それが僕たちがやる意義だと思うし、UDSで飲食をやる上で一番大事なところだと思っています。
さらにそういったコンセプトと料理の繋がりを社員やアルバイトにも理解してもらうように努めています。お客様にも説明しやすいですし、より良い接客にも繋がると思っています。
自然と頑張ろうと思える職場
──髙島さんは調理学校を卒業しているんですか。
いえ、もともと四年生の大学に入学していたんですよ。大学近くの洋食レストランでアルバイトを始めた時に、このまま料理の道に進む方が自分に合っていると思って、大学は中退して料理の世界に入りました。
──どんなお店だったんですか。
当時僕は18歳でオーナーシェフは60歳ぐらい。自分を我が子のように可愛がってくれて、いろんなことを教えてくれて、でも時には厳しく怒ってくれました。働いていて、もっと頑張らなきゃとか、もっとお店に貢献しなきゃと自然と思えるようなお店でしたね。
そのオーナーシェフは有名なホテルで長く調理をやってきた方で、今振り返っても料理に関する技術はすごかったです。調理の世界って技術があると、頭ごなしにマネジメントする人が多いんですけど、そういった雰囲気ではなくて、暖かい雰囲気の中で働けました。
──素敵な師に出会えたんですね。
そこで4年ほど働いたあと、オーナーシェフの紹介でエスニック料理屋で働き始めました。その後は親会社が変わって、業態や規模も変わり和食やデザートも経験しました。開業も学ばせてもらいましたね。
UDSには小石川テラスというお店を開業するタイミングでお声がけをいただき、2014年に入社しました。企画・設計・運営という三位一体のやり方に感銘を受けましたし、企画段階から関われるのは純粋に面白そうだなと思っていました。
──実際に入社して、三位一体のやり方はどうでしたか。
メニュー開発だけでなくオペレーション面も一緒に考えられましたし、お店に関わること全てを自分事として考えられるのは良かったです。大変なことはたくさんありつつも、ポジティブな充実感がありました。
UDSがおこなう企画や設計には深い意図があります。運営は、その魅力を最大限に引き上げることができると思うんです。エンドユーザーと一番近く、お客様に喜んで頂けるかどうかがかかっている。サービスをする魅力もUDSで体感しました。
企画の良さは“チームアップ”に繋がること
──UDSで働く良さって他には何がありますか。
年齢や役職関係なしにチャレンジできること。いいものをいいねって言える環境は挑戦を後押ししていると思います。また、店舗で自主的な企画やイベントにチャレンジする際に、社内にいる企画のプロたちに気軽に相談できるのもありがたいです。
人が成長するには、少し背伸びした取り組みが必要だと思うんです。背伸びの仕方は、料理人だと料理だけになりがちですが、UDSでは違った角度からチャレンジができる。いろんな角度からチャレンジできるのはUDSの飲食の強みであり、働く人にとってもやりがいになるんじゃないかなって思います。
──思い入れのある企画やイベントはありますか。
以前、滋賀県の食材を使ったレストラン「日本橋 滋乃味(じのみ)」の料理長を務めていた時に、滋賀県内の有名なシェフに月替わりで来ていただくイベントを催していました。
例えば、寿司屋さんの後にイタリアンのシェフが来たりして、1ヶ月後には全く違う料理を味わえる。多くの方から滋賀県の魅力を東京でどう表現するかを学び、自分たちも日々お店をブラッシュアップしていけたのは貴重な体験でした。
──イベントをやっただけで終わらないのはUDSらしいです。
最近ではMUJI HOTEL GINZAの五周年イベントも行いました。MUJI HOTEL GINZAはホテルフロントのチーム、レストランサービスのチーム、調理チームの3つがあります。ただ、今までその3つのチームで協力して一つのイベントなどに取り組むことは無かった。だからこそ3つのチームで取り組むことがチームアップの底上げになると思って、イベントを企画しました。
──結果はどうでしたか?
開業時からいるメンバーに、「ここまで盛況だったことはないです」と言われるくらい多くの方に喜んでいただけました。ホテル利用者の満足度が高くて安心しましたし、3つのチームが団結したのが何より嬉しかった。みんなの距離がぐっと縮まって、「次こんなイベントどうですか?」という声が活発に上がってきています。
これからのまちづくりとは?
──今後やっていきたい取り組みはありますか?
拠点同士の良さや強みを繋いでいきたい。UDSが運営している施設は、北は北海道から南は沖縄まであります。様々な土地で拠点を運営していることは強みだと思うんですよね。
例えば、SOKI ATAMIの朝食で提供している干物をアレンジして、由縁 新宿のディナーの際に味わってもらうとか。生産者や取り組みなども含めた一皿ができるまでのストーリーをお伝えし、まちづくりに繋がるようにしたいんです。
──UDSはその土地ごとにその土地らしさを追求して表現しているからこそ、他の拠点でも魅力を引き出せそうですね。
食材や生産者を共有し合いお客様に伝えていくことで、各地のまちへ興味を持ってもらえ、さらには実際に訪れてもらえるかもしれない。食を介して地域や人をつなげていくことで各地のまちに貢献していきたいと思っています。
──各施設の食材や生産者の情報、レシピはまとまっているんですか。
まだ各拠点ごとにしかないです。私も今年からいろんな拠点に行くようにしていて、横軸でデータも取りまとめていければと思っています。関東だけでなく、全ての拠点を繋いでチーム全体を強くしていきたい。
──データ化すれば効率化にもなるし、料理人のスキルアップにもなる。何より最終的にまちに還元するっていうゴールがあるのがかっこいいです。
採用にも繋がるんじゃないかなと思っています。一般的なお店では、メニューは全て料理長の頭の中にあるんですよ。それが可視化されてスキルアップに繋がれば価値になる。
──逆にオープンでいることが価値になりそうですね。
言語化やデータ化、店舗同士の繋がりをつくり、メンバーからマネージャーまで活用できる場があれば、店舗としてもUDSとしてもさらに強くなれるのかなと思っています。
「いいね」を合言葉に
──2014年から10年間も働き続けられる理由ってなんですか。
お店に対しての思い入れや愛着はもちろんあるんですけど、一番の理由は一緒に働いている仲間だと思います。お店って、一人では何もできないので。
──続く理由が仲間っていいですね。どんな仲間が多いんですか。
まず組織がフラットですね。料理の世界って縦割りの世界が多く、役職で呼ばなきゃいけないところが多い。UDSに入社した当初は、社長に“さん”付けで呼ぶのは違和感がありました。
今では、年齢とか性別とか関係なしに目標に向かってフラットに話し合える仲間がいたのは大きいなと思っています。
あとは自分たちのお店や会社を好きな人が多い。出戻りの方もいます。自分が働いている環境を好きになることが、お客様の満足度をあげるための大切な土台だと思うんです。
──まずは従業員の環境が何より大切だと。
そうですね。料理だけを追求したり、利益だけを追求したりすればいいという考えの会社もあると思うんですよ。でもUDSではそうじゃなくて、自分たちが楽しんで働ける環境があると、従業員満足度が上がり、料理や接客のクオリティが上がって、お客様の満足度が上がると考えています。
──それが最終的に利益に繋がりそうですね。UDSの飲食部門で活躍する方はどんな方が多いですか?
料理や拠点だけじゃなくて、UDSのことをたくさん調べて好きになってくれる人は入社してから活躍している人が多いです。UDSはいわゆるの飲食会社ではない。そうじゃない会社の魅力を理解した上で、自分の活躍の幅を広げていこうとしている人は入社してから輝いていますね。
──最後に、こういう人に来てほしいなとかあれば。
何事でもチャレンジできるし、まず「いいね!」から始まる環境なので、行動力がある人がいいのかなと思います。自分のやりたいことや、どういうキャリアを歩みたいかが明確になっている人であればあるほど、チャンスはあると思います。