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【つみき座談会】クライアントの課題を解決へ導くプロジェクトの進め方とは

こんにちは。コーポレートチームの星です。

つみきはWebとアプリの制作会社です。
制作会社と一口にいってもプロジェクトの進め方は会社によって異なるのではないかと思います。
今回はつみきUI/UX事業部での案件実例をもとに、プロジェクト担当者の米山小池斉藤(写真左から)に話を聞いて行きながらクライアントの課題を解決へと導くプロジェクトの進め方をご紹介します。


―3人で取り組んだプロジェクトとは

ディレクター米山:
ヘアケアメーカーナプラの採用サイト です。
株式会社ナプラが主催する「Dream Plus 2018」の応募サイトを作成したことがキッカケでお付き合いが始まりました。

「採用サイトが古いので、新しく作り直したい」というオーダーがありプロジェクトがスタート。
今回は前職で美容師の経験がある小池さんと、コピーライターの斉藤さんに
参加してもらうことになりました。

このプロジェクトの制作メンバーが決まったので、ナプラさんとのキックオフを設定しました。



―キックオフにおける役割とは

ディレクター米山:
つみき側がクライアントのヒアリングをする場所として、キックオフの場を設けています。基本的には、キックオフまでのクライアントとのやり取りはプロデューサーとディレクターの仕事。
キックオフの場では「作って欲しいものはこんな感じで〜」「こういう課題を持っていて〜」「これぐらいの期間で作成してほしい」というような具合でクライアントの要望をヒアリングしていきます。

今回は、斉藤さんと僕の2名でナプラさんのオフィスにお邪魔しました。
斉藤さんにはコピーを考えてもらうだけではなく
ふんわりした要件を言語化して整理をしてもらいます。
全体的な企画の方針を整理することで戦略コンセプトを設計できると考えていたからです。



―具体的にはどういう手法でプロジェクトを進めて行かれたのでしょうか?

ディレクター米山:
誰のための何のサイトなのかという課題が見えづらかったので、
実際にナプラさんの採用ご担当者と新入社員の方それぞれにインタビューを行った上で戦略を考えませんか?という提案を行いました。何のために、誰が使うのか?実際見た人はどうだったのか?を整理していくところから進めていった感じです。

コピーライター斉藤:
サイトの目的やナプラさんの強みを明確にするために、社員さんのリアルな声を聞くのはとても有効でした。インタビュー結果を踏まえて、米山くんと「新しいコンテンツを追加しよう」とか「社員の表情を見せていく構成がいいかも」など、いろいろと意見を出し合いましたね。


ディレクター米山:
ナプラさんの採用サイト は、主に美容系の職種の中で就職活動をする学生に見られていることは想定していたのですが、実際にインタビューをしてみたところ、このページをじっくりみて入社を志望するわけではないということがわかりました。
このサイトから得られる情報があまりない状態だったので、ひと目でわかりやすいサイト・読みやすいサイトを意識して制作をしようという事になりました。

コピーライター斉藤:
当初の与件だけでは見えなかった採用課題を聞き出せたのが、やはり大きかったと思います。たとえば、女性の志望者が圧倒的に多いけれど、積極的に採用したいのはむしろ男性であるとか。インタビューを通じて、ナプラさんが学生さんに伝え“たい”ことと、伝える“べき”ことを整理できた。その上で、じゃあ学生にどういうふうに届けていこうか、と積み上げていくように考えられたのが良かったと思います。サイト全体の方向性が見えてきた段階で、デザインの話にも及び始めたので、小池さんに依頼する内容をまとめていった感じですね。

ディレクター米山:
どんなプロジェクトでも要件定義をしっかりして、
サイトを制作する目的を突き詰めていくということは意識しています。
わからないまま進行していくとデザイナーへの依頼の際に伝え漏れが生じることになるので。
少しでも多くの材料を整理して渡すということは意識しています。


―戦略やコンセプトをどのようにデザインへ反映していったのでしょうか?

コピーライター斉藤:
まず、サイトの頭にドン!と載るような、軸になるコンセプトコピーをつくろうと。ナプラさんの採用メッセージであり、また、デザインのきっかけにもなるようなコピーです。抽象的な言葉ではなく、デザインのモチーフになるような言葉を見つけたいと意識してました。いくつかのコピー案を3人で見ながら、「この言葉はデザインのアイデアになるか」とか「ナプラさんらしい言葉かどうか」という視点で打ち合わせをして、最終的に「BEYOND THE BORDER」というコピーで提案しようと。



デザイナー 小池:
「BEYOND THE BORDER」と言う言葉を聞いた時に
「BORDER」というワードから線を用いたデザイン
「線を超える」という意味から躍動感のあるデザインが頭に浮かびました。
斉藤さんが考えてくれたこの言葉を軸にサイトの方向性が一気に決まったように感じました。

デザインをするに当たって、必要なことって「コンセプト」や「戦略」だけがあってもいいデザインは生まれないように思います。
やっぱり特徴のあるコピーがあると説得力が増しますよね。

その結果この様なアニメーションになりました。
枠を飛び越えるみたいな意味もあるので、「型にはまらない」を表現するために
一回画像にハマっていた枠が外れるんです。
デザイナーからしてもイメージしやすいコピーを生み出してくれたな!という感じがします。

コピーライター斉藤:
ナプラさんの営業職は「商品を売る」だけじゃなくて、製品開発やイベント運営、人事というように、それぞれが一人二役で違う領域の仕事も担当されているんですよね。営業という枠にとどまらずに活躍できる。それは、美容業界や美容メーカーを見渡しても、ナプラならではの魅力ではないかと。そこから出てきた言葉です。
それから、取材させていただく社員さんが皆さんとてもエネルギッシュで、前向きな方ばかりで。「ないものは自分でつくる」とか「頼まれるだけの仕事じゃつまらない」とか、自分で仕事をつくるんだという姿勢をお持ちだったので、ぜひ力強いメッセージにしたいなと。

一緒に「考働力で、越えていく。」という言葉を添えました。ナプラさんのオフィスに伺った際に、壁に社訓が掛けてあって、そこに「考働力」という言葉がありました。「考えて、すぐに行動で実践する」という意味が込められているそうで。社外には出ていない言葉だったのですが、ナプラオリジナルで、いい意味で引っかかりのある言葉だと思ってメッセージに添えました。オフィスにお邪魔して、取材をさせていただくのは大事です(笑)

デザイナー 小池:
撮影日の前に、ロケハンに行っていたよね。
米山くんがモデルになって撮影した物を事前に先方に共有していたのもびっくりした。
「構図はこうしてほしい」というカメラマンへの共有や、「この場所でこうやって撮影したい」というモデルになる社員の方へのイメージの共有は、自分で材料を集めてから人に依頼をするあたりが米山くんらしいよね。

ディレクター米山:
ビビリなんです、基本的に。協力いただく社員の方も忙しいので一回限りで撮影を決めたいとおもっていたので。
どうやったらいい絵になるのか一発勝負で当日だと、流石に難しいなと感じていました。


ナプラさん社内にてロケハン中の米山


デザイナー 小池:
人物写真があるサイトって難しくて。
わざとらしいポーズの写真にはしたくなかったんですよね。
そういう話は事前に共有していました。
ナチュラルプラスで『ナプラ』なので、自然な感じで撮れるのがベストだと思いました。
米山くんのお陰で社員の方の自然な笑顔を引き出せたので良かったです。



コピーライター斉藤:
個人的に、このガラスで2人に映ってる写真いいなと思いました。一人二役のナプラの営業の感じが出てて。カメラマンも、小池さんと米山くんチョイスでいい方をアサインしてくれました。


―クライアントの反応はどうでしたか?

ディレクター米山:
テストアップを行った段階から、クライアント内で評判が良いという意見を頂いていました。撮影やインタビューなどでご協力いただいた社員の方にはサイトの出来栄えに驚いてもらえていたようで、とても嬉しかったです。

デザイナー 小池:
制作していて、喜んでいただける手応えみたいなものはすごくあって、作りがいもありました。
この案件を機にナプラさんとの別プロジェクトにも携わりたい!と思っています。

コピーライター斉藤:
クライアントのご担当者も含めて、ゴールに向けて意思がひとつにまとまっているのを感じながら、お仕事させていただきました。このサイトが、説明会やインターンシップでは伝わりきらなかったナプラさんの魅力を伝える役割を果たして、いい採用、いい就職につながればと思います。


―最後に。制作を振り返っていかがでしょうか?

デザイナー 小池:
デザインを考える時にしっかりとプロセスを踏みながら、進行できたのがよかったです。
説得するという考え方ではなく、より納得してもらえるようにということを意識していました。
そうすることで、こちらも納得しながらデザインをできると思います。

今回の場合いいコピーに巡り会えたことでいい状態に持っていけたのではないかと思います。
コンセプト、コピー、デザインがすべていい状態だと説得力が増しますよね。
今後も今回の経験を活かして制作をしていきたいなと思います。

コピーライター斉藤:
普段、僕は自社サービスの広報をメインに担当しているので、いつもとは逆の立場での仕事。とても新鮮でした。
インタビューやワークショップを通じて、課題を見つけて、ゴールへ向かう材料を集めていく。つみきならではのいいところかなと思います。「デザインのことはデザイナー、コピーを決めるのはコピーライター」というような割り切った進め方ではなく、フラットなスタンスで話し合って、皆でいいと思うものをつくることができたと思います。

ディレクター米山:
何がベストなのか一緒に考えましょう!という形でチームビルディングができたので、ナプラさん側も背景を理解して僕らの提案を受け入れてくれました。
ナプラさんが本当にいい会社で、心から好きになれる部分がたくさんあったので、
皆さんに喜んでもらえたことが本当に嬉しかったです。


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