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【男性育休インタビュー①】仕事と家庭の状況に合わせて、時間を調整する柔軟な働き方を選択肢に

現在、政府は男性の育児休業の取得率を2025年に30%まで引き上げる事を目標に掲げています。Timersでは男性が育児休業を取得し、新生児の育児を共同で行い、そこから多くのことを経験・学ぶことは、新しい時代の家族のあり方や、男性が育児や家事に従事することが当たり前となる社会づくりにおいて、非常に大きなインパクトを持つと考え、2021年1月より男性の育児休業を義務化しました。

Timersでの男性の育児休業取得経験者は5名。2021年1月に義務化をしてからは取得率100%となっています。

まだ「男性の育児休業はどのようなものなのか?」「取得するにあたってどんなことがあるのか?」と実態が見えにくい中で、少しでもTimersでの男性育休の取得実績や経験が皆さまのお役に立てばと思い、これから連載形式で男性育休に関する情報発信を行ってまいります。

第1弾は、男性の育児休業を取得した経験があるTimers役員の松村が取得した際の苦労や思い出について語ります。





VP(執行役員)
松村 隆宏
神戸大学卒業後、2010年にDeNAに入社。ソーシャルゲームの市場が大きく拡大する中でWEBマーケティング、マスマーケティングを担当し、横断的マーケティング組織の立ち上げを経験。その後、新規ゲームのプロデューサーとしてアプリ開発を担当。2015年にTimersに入社。現在は執行役員として事業責任者及びマーケティングチームの責任者を務める。2児の父。

育児休業の取得は相談ではなく、決定事項として伝えられる社内の雰囲気や環境があった

ーー育児休業はいつから、どれくらい取得したか教えてください。

取得したのは2020年の12月1日から、期間としては1ヶ月半ほど取得しました。元々予定日が12月下旬だったのですが、出産が早まり、12月1日に子供が産まれたので急遽前倒しで取得しました。

ーー現在2児の父でもありますが、今回育休を取得したきっかけを教えてください。

元々第1子の出産時に育児休業は取得しておらず、その時は妻が里帰り出産をしたので、1週間程度僕も休みを取り、妻の出産に立ち合う、という関わり方でした。

育児休業は第1子の時から取得したいと思っていましたが、当時は「男性の育児休業」というものについての認識も少なく、業務状況的に取得できるのか?という部分は正直ありました。ただ、第1子の育児経験から、今回は制度は関係なく絶対に取るぞ!という気持ちがあったので、事前に周囲にも伝えた上で、自然と取得する流れになりました。

ーー育休を取得すると話した時の周りの反応は?

僕の場合上司にあたるのが代表なので、代表には相談したというわけではなく「育児休業取りますね。必要な調整はやりますね。」という形で伝え、「ちゃんと調整するなら問題ないんじゃない?」※1というような返答だったと記憶しています。会社的に、Noと言われるような雰囲気はないのかなと思います。

チームメンバーに伝えた時も、もちろんその期間の業務の引き継ぎなどの話はあったものの「わかりましたー!」といつもの業務連絡を伝える時と同じくらいの温度感で受け入れてくれましたね(笑)

社外だと、妻や両親に育休取得を伝えた時も喜んでいました。元々両親が手伝いに来るという話もあったのですが、今回コロナの影響もあったので、自分が育児休業をとるので大丈夫だよというコミュニケーションを取ることが出来ました。

※1:上司への相談時は、男性育休義務化の制定前のため、このようなコミュニケーションとなっています。

育児や家事の分担は、可視化して決めるのが大事

ーー育休中は主にどんなことをしてましたか?

育休中も二段階あって、妻の入院中と退院後で変化がありました。

2歳の第1子がいたので、妻の入院中にマンツーマンで生活する上でやるべき事は全てやっていました。第1子は保育園に通っていますが、週3回で14:00までの利用だったので、その後に一緒に児童館に行く事も多かったですね。

妻の退院後も役割分担としては、僕は第1子の対応がメインでした。第2子の対応は妻を中心に僕もサポートできる部分は行っていました。寝かしつけ第2子は妻が、第1子は僕が担当していました。元々第1子は妻にベッタリで僕だと寝てくれなかったのですが、育休中に一緒にいる時間も長くなったので寝てくれるようになったのは嬉しかったです(笑)ただ、最近はまた「ママと寝たい!」と前の感じに戻ってしまってますが…

分担に関しては、妻の入院中に僕が家事や育児で行うことをリスト化してLINEで送り、そのリストを基に分担が決まったので、可視化しておくことは大事だなと感じました。

ーー育休中に苦労したことや思い出に残ってることがあったら教えてください

精神的にも身体的にも妻の負担が想像以上に大きかったので、それに対するケアは僕も想像以上に大変でした。

背景としては、第1子の子供の時の育休のように、産まれた子供だけに全集中出来る状態ではなかったことと、出産時期が早まったことは大きいです。

育休中は忙しくて正解なのですが、今考えると大変だったなと思います。僕の場合は、予定日より1ヶ月ほど早く産まれてきたこともあって、出産直後の時期は仕事が区切れておらず対応しながらという状況だったのはハードでした。

妻も大変そうな時が沢山あったので、1人の時間が欲しいだろうなというときは、積極的に2人を連れて外にいくように今も気をつけるようにしています。

ーー育休取得前にこれをやっておけば良かった…ということはありますか?

お互いの役割分担はやっていてよかったなと思いました。退院前のタイミングで話し合いをしておいたので、退院後もスムーズに家事や育児を行う事ができました。できなくて後悔している事は、第1子が産まれた時にキットを使って手形を記念に残していたのですが、第2子は早く産まれてきたことでこちらも準備が万端じゃなかったのと、そのままバタバタして結局取れずじまいとなり、第1子の手形はあるのに第2子の手形はなくて申し訳ないなと思っています。何事も早め早めに準備しておくべきだと改めて感じました。

ーー育休から復帰する上で不安なことはありましたか?

基本的には家庭ファーストで時間を使えていたのが、仕事が始まる事で優先順位も変わってくるので妻の負担が大きくなりすぎることが不安でした。

復帰前に夫婦で話し合いをし、復帰後の僕の勤務時間を少し変更することにしました。うちの会社は定時が19:30終了なのですが、17時30以降は基本的に子供と過ごせるような形の働き方にしました。具体的にその時間で子供の夕ご飯からお風呂、寝かしつけ部分を妻と一緒にやるようにしています。

子供のご飯の時間はずらせないし、2人の子供をみながらご飯を作って食べさせてお風呂も入れて…は妻の負担も大きく、会社の定時に合わせると既に子供の入浴が終わってるような時間になってしまうので、我が家においては、その部分を一緒にやることが重要だねということに着地しました。



妊娠から出産までの女性の負担を考えると、男性には2億の借金があるようなもの

ーー日本では男性育休の義務化に向けて様々な動きがありますが、2020年の取得率は全体で12.65%と言われている中で先駆けて義務化等を導入していることはどう思いますか?

弊社のように男性の育休を義務化している事は単純に素晴らしいと思いますし、ママ向けや家族向けの事業をやっている会社が率先してやっていくというのはある種の責任でもあると思います。

ニュース等で「パタハラ(パタニティ・ハラスメント)」という言葉をよく見受けます。男性が育休を取得することに対して、会社側は受け入れる目線ではないと聞きますが、弊社のような事業をやっている会社では、少なくとも周りの目線のせいで取得できないということは絶対にないようにしていきたいと思います。

会社が様々な制度を導入する事も、もちろん大事ですが、最終的に周りの受け入れ体制含めて「取得する人が気持ちよく取得できる空気感を作れているか」が重要だと思っています。会社としては、それが当たり前になり、ちゃんと回る仕組みを作っていきたいですね。

育休を取得する人が育児に集中するというのは最重要だと思う部分もありますが、僕みたいな間をとった時間を調整する働き方、のような選択肢が出てきても良いのかなと思っています。キャリアや収入への影響を気にする人もいると思うので、0か100かだけでなく50や70のような働き方も選択肢として出てきたら良いなと思っています。

弊社は管理職以上も子育て中の人が多く、全員で共有しているGoogleカレンダーに子供のお迎えや家事の予定を入れている人も多いので、普段の雰囲気含めて育休は取得しやすいかもしれないですね。

ーー今後育休取得を考えている男性に一言

有給消化と同様に、育休は取得して当然の権利となっていくべきなのでどんどん取得してほしいと思います。出産〜育休の時期は産まれてくる子どもとしても、夫婦としても非常に重要な時期なので、この期間の過ごし方は今後の家族生活に大きな影響を与えるといっても過言ではないと思います(笑)

ただ、取得する場合は他のメンバーへの引き継ぎや配慮は最大限やってほしいなと思います。僕のように予定日より1ヶ月近く早く産まれる場合も可能性としては大いにあるので、引き継ぎは早めにやるに越したことはないですね。

ーー育休を取ったことで変化した価値観・考えはありますか?

育休を取得するのが当然な世の中になって欲しいなという気持ちが大きくなりました。

3年前の第1子の出産時は、男性育休について世の中で耳にする機会が少なく、「特別に取ろうかな」と頭に浮かんだものの、結局取得しませんでした。(当時は周りの雰囲気というよりは自分自身の意識の問題でした)

出産のタイミングに合わせて1週間だけ休んだのですが、その際に「それって素敵ですね」と言われることもありましたが、今だと出産のタイミングで1週間休む人は周りの友人でも普通に出てきていますし、1ヶ月以上取得する人もでてきてたりしていますよね。

昔だと1週間取得するだけでも特別扱いされる事もありましたが、取得する事だけでなく期間の概念もこの数年で変わってきているなと思っています。

また、僕は育休を取得したからこそ2人育児の大変さも改めてわかりました。ママが育休を取得し、パパが育休を取得しなくても、2人の子供なので、平等に一緒に子育てや家事をするという事が重要だと思うのですが、その意識を持てない男性も多いんだなというのはSNS等を見て感じました。

個人的には女性は命のリスクを侵しながら、10ヶ月もお腹の中で赤ちゃんを育て、新たな命を出産してくれた時点で、もう「男性は2億くらい借金があるようなもの」くらいの気持ちで向きあわないとだめだと常々感じています。

2億という金額は例え話なのでお金に換算することは何事だ、といったご意見の方は流していただきたいのですが(笑)、金額換算というよりは、まずそれくらい感謝すべき状態からスタートする感覚を持って子育てにコミットしていくべきだというところがポイントです。この意識を持てば仮に育休が取得できなかった方や、育休があけた方でも、たまにいる「妻は育休中なのに、なぜ俺がここまで育児や家事をしないといけないんだ」というような考えの方やそれによる夫婦のズレは減っていくんじゃないかなと思います。

また前職の先輩のミラティブ社の赤川さんも記事を書かれていたのですが、マネジメント層の人ほど積極的に育休を取得するというのは僕も大賛成です。それが結果的に従業員及び家族の幸福に繋がりますし、組織体制の強化にもつながっていく、と育休を通して改めて感じました。

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