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「仕事が楽しい会社でないと生き残れない」
デジタルエージェンシーTAM代表の爲廣さんは、最近その思いを強くし、さまざまなカタチで社員の「楽しむ」を応援しています。そんな中、今年1月に社員の作品展示会「勝手に展示しなはれ展」が3日間開催。どの企業でもあればよさそうな企画ですが、実際に目にする機会はそう多くはありません。
同展は一体、どんな経緯で実現されたのか、推進力はなんだったのか、はたまたこのイベントの会社にとっての「意味」とは――? 企画運営を担当したお二人にお話を伺いました。
Slackのつぶやきが共通点ゼロの二人を動かした
――展示会のお話の前に、まずはお二人の普段のお仕事から教えてください。
久保田:私は去年8月にTAMに入社して、「TAMUNO」というチームのデザイナーとしてバナーや紙媒体なども含め、いろんなデザインの仕事をしています。TAMUNOは、お客様と密な関係性の中で「共創」するスタイルが強み。業界問わず、様々な案件に携わっています。
豊田:私はTAMグループ全体の総務をしています。ちょっとした「お困りごと」に対応するのはもちろん、TAMのみなさんが仕事を円滑に進められるよう、備品や契約まわりなどのありとあらゆる手続きや管理を行っています。
――お二人はお仕事で関わる機会はあるのでしょうか?
久保田:それが全然ないんです。たまたま二人とも大阪オフィスに出社していることが多いので顔を合わせることはありましたが、絡みがあるとしたらコピー機の使い方が分からないときに豊田さんに聞くくらい(笑)。
―そんなお二人がどんな経緯で展示会を開催することになったのですか?
豊田:元をたどると私の入社時にまでさかのぼってしまうのですが、爲廣さんと初めてお会いしたとき、自分の趣味も含めていろんな話をしたんですね。
子どものころから絵を描くのが好きで、コロナ禍から本格的にキャンバスに描いてInstagramにアップし始めて、2年後にギャラリーを借りて展示をしたら、作品の半分近くが売れて、絵のお仕事をいただいたりした、というような。
そしたら爲廣さんが、その話を覚えていて、昨年8月の雑談の際に「展示会やりーや。TAMには他にも絵を描く人がいるし、総務以外でも強みを見つけるためにいろいろやってみなはれ」と。
久保田:私はまったく別の文脈で、前職時代、大阪のある企業が開催していた社員の作品によるポスター展を見て、「会社って利益優先なはずなのに、こんなふうにクリエイターを大事にしてくれるのっていいな」と。その後、TAMに就職して、「ここは展示会をやらせてくれそうな会社だ」と思って。
会社のSlackで「展示会してみたい」とつぶやいたら、それを見た豊田さんが声をかけてくれたんです。つぶやいた時点では本当にできるとは思ってなかったんですが、「せっかくやりたいことを発信できる文化があるので、自分みたいな新入社員であっても言うだけ言うのは自由だろう」と。
豊田:それがちょうど、先ほどの爲廣さんとの雑談の直後だったので、「じゃあ一緒にやろう」と声をかけに行って。タイミングがよかったですね。
「つながりたい」と「作り続けたい」が重なる場
――その後、1月の開催にはどのようにしてこぎつけたんですか?
久保田:爲廣さんの後押しもありましたし、Slackでつぶやいてから2週間で運営チームができて、10月にキックオフしました。
豊田:実は私にとっては、「展示会をきっかけに出社する人が増えたり、社員同士が仲良くなったりすること」が狙いの一つでした。私自身、出社して雑談したりしながら仕事するほうが向いているタイプで、その第一歩として展示会をやってみようと。その文脈で、最近もランチ会や花見などを企画しました。
TAMは年齢や役職に関係なく社員同士が交流していて、自分自身もいろんな社員さんのお話を聞くととても面白いのですが、ずっとリモートで仕事をしている人はそれを知る由もないわけで、もったいないなと。もしかしたら、普段接点がない中に同じ趣味の人がいて、一緒になにかできるかもしれないじゃないですか。
久保田:私と豊田さんは、狙いは違うけれど展示会という手段は同じだったんです。私には、デジタルエージェンシーは「クリエイトする」のも大事な仕事なので、「全職種が常に新しいことを考えることが大切」「クリエイター精神をずっと持っていてほしい」という思いがありました。
そうして作ったものを発信することも大切で、受け身的に受注した仕事をこなすだけでなく、自主的に作ったものをクライアントに提案するような活動をして、それが新規案件獲得につながることだってある。日常的に創作意欲を刺激するための媒体として展示会を開催したかったんです。
――企画や準備段階では苦労しませんでしたか?
豊田:コワーキングオフィスの中に展示スペースをイチから作ったんですが、自分にとって初めてのことだったので、本当にできるのか不安が大きかったです。「レンタルしたパネルがちゃんと届くのかな」とか。でも、動き出して少しずつ形になると安心してきました。
久保田:私は出展者が集まるかが不安でした。みなさん、仕事をしに会社に来てるわけですから。でも、結果的にデザイナーだけでなく、ディレクターや総務の人も出してくれて、私の中では「業種を超えて出展してもらう」のも目標だったので、嬉しかったです。
豊田:爲廣さんからは二つ返事で「やってください」と言われていたので、特に予算の指定もなかったのですが、コストは最小限に抑えました。
久保田:普通、会社でこんなイベントをしようと思ったら、企画書を作って、何段階も承認を得て、最終的に担当部署の許可を取ると思うのですが、私たちは「こういうのをやりたい」「やってください」とスムーズに決まりました。なんなら爲廣さんも作品を出展してくれました。
豊田:飼っているネコちゃんとかヨットとか好きな食べ物の絵とか、普段絵を描く人じゃないのにかわいいフレームに描き下ろしてくれたんですよ。
豊田:最終的に15人の社員が、20〜30点の作品を出展してくれました。強制でもない、見返りもないのに、「もう一度、作ってみようかな」と土日を費やしてこの展示のために久々に作品を作ってくれた人もいてありがたかったです。
「会社って、結局人だから」同展がもたらした変化
――展示会を開催してみて、いかがでしたか?
豊田:私は単純に、みんなの交流を促して、仕事内外でいろんな人がつながってくれたらいいなと思っていました。背景には「みんなに楽しく働いてほしい」という思いがあって。社内の人と仲良くなったら、「あの人と話せるから出社しようかな」とか、会社に来るのが楽しみになる。会社ってそういう場であってほしいんです。
久保田:私も、展示会をきっかけに人と人とがつながれた意義は大きかったと思います。私自身、入社して間もなかったので、人と知り合ういい機会になりました。
私は会社って、結局"人"だと思っていて。仕事が充実していても、上司が怖かったり人と会えなかったりすると楽しさは感じられませんよね。そういう意味で、「環境の力」って大きくて、その点TAMは、自主的に学ぼうという社員が多くて勉強会をしていたり、影響し合う連鎖があるんだと思います。
――会社が個人の創作を応援する意味はなんでしょう?
豊田:会社にとって直接利益にはならないはずですが、TAMにはそれを応援する文化があります。
TAMには「勝手に幸せになりなはれ」という行動指針がありますが、どんな活動も仕事につながる可能性はあるし、趣味が転じて仕事に好循環が生まれることだってあるよな、と。TAMは社員一人ひとりに自立して幸せになってほしいので、「その方向性ならなんでもやってください」というスタンスなのかなと思います。
久保田:私も、結果的にすべては仕事につながっていると思うので、今後も展示会に限らずチームで楽しいことをやって、また会社の人と関わっていけたらと思います。
豊田:この展示会で、やってみたいことを口にしてみたら実現できることはみんなに分かってもらえたと思うので、これをきっかけにいろんな人が「私たちもなにかやるか」となってくれたら面白いですね。
[取材] 岡徳之 [構成] ウルセム幸子 [撮影] 藤山誠、前田恵莉