AI生成と“本当の価値”の境目──学習者が感じた workslop の恐怖
こんにちは。エンジニアを目指して入社したミンです。まだ学びの途中ですが、新しい技術や考え方に触れるのが好きで、最近は AI 活用の現場に直に関わりながら学んでいます。この記事では「学習者の立場」から、AI時代に直面する課題と気づきを共有します。
きっかけは「workslop」という言葉
先日 TechCrunch に「Beware coworkers who produce AI-generated workslop」という記事が掲載されていました。
“workslop” とは、一見それっぽく見えるけれど実は質が低く、現場に余計な負担を生む AI 生成物のことを指すそうです。
例えば、AIが作った資料やコードは「ぱっと見綺麗」だけど、文脈が抜けていたり前提条件が間違っていたりして、受け取った人が余計に直さなければならない。記事によれば、アメリカの従業員の40%が過去1か月で “workslop” を受け取った経験があるとの調査結果もあり、AIの浸透とともに現実的な課題になっていることを実感しました。
学習者として感じる「あるある」
この話、正直「他人事じゃないな」と思いました。
なぜなら、自分自身も AI に助けてもらいながらコードを書いていて、「動きそう!」とワクワクして実行したらエラーの嵐……という経験を何度もしたからです。
たとえば自動投稿開発のとき。ニュースをSNSに流すシステムを GAS(Google Apps Script) で組んでみたのですが、AIが生成してくれたコードを動かすと <title> <link> <description> がズラッと並んでいて「結局どれが本文?」と迷子になる。OAuth認証では「トークンが無効です!」と門前払いされる。動いたと思ったらすぐクラッシュ。
このとき気づいたのは、AIが作ってくれた成果物は“材料”に過ぎないということ。中身を理解して整理しないと、ただの “workslop” になってしまうのです。
記事から得た学びと自分の現場
TechCrunch 記事で強調されていたのは、「AI生成物は受け取る側に負担をかけやすい」という点。まさに自分がチームで発表したコードやスクリプトも、理解不足のまま共有すると「見た目は動くけど実は仕様を満たしていない」ケースが出てしまう危険があると感じました。
エンジニアとしては、「動けばいい」ではなく なぜ必要なのか/どう動くべきかを説明できる状態 で成果を出すことが大事(QCDは前提条件として)。記事を読んで、自分の学びと完全に重なったのです。
AIとの付き合い方:学習者目線の工夫
今回の経験と記事から、AIとの付き合い方で意識していることをまとめると:
- WHYを考える習慣:「品質・コスト・納期(QCD)は満たしているか?」を常に自問する
- 前提条件を調べる:X の投稿数や API 上限などを事前に把握する
- ユーザー視点を忘れない:「誰ユーザーにとって便利か?」を考えると設計も変わる
- AIは試作品を作る、完成品ではない:受け取ったら必ずチェックリストを利用して確認する
- AIが作る成果物品質を高めるために具体策を作る:プロンプトの見直しなど
これらは、記事の“workslop”問題を防ぐためにも欠かせない姿勢だと思います。
同じ学習者へのメッセージ
未経験からエンジニアを目指している方なら、「AIにコードを書かせたけどよく分からないままコピペして動かした」経験、あるのではないでしょうか?
最初はそれでもOKだと思います。ただしその先には「なぜそうなのか?」を分析し、自分の言葉で説明できるようになる必要があります。
記事にあった “workslop” は、他人に迷惑をかけるだけでなく、自分の成長を止めてしまう落とし穴でもある。だからこそ、学習者同士でも「分からないまま進めない」ことを大事にしたいと感じました。
これからに向けて
AI は間違いなく便利です。でも、「AIが出したもの=完成品」ではなく、「AIがくれた材料を人間が調理する」ことで初めて価値が生まれる。
自分自身、次の挑戦ではもっと複雑な API 連携や自動化を試しながら、“workslop” ではなく “work成果” を出せるエンジニア になりたいと思っています。
この会社の魅力
今回の気づきを実感できたのも、会社が挑戦の機会を与えてくれたからです。
入社1か月目から自動投稿の仕組みを任せてもらい、全体の場で発表する機会をいただけたのはとてもありがたかったです。
また、普段はリモート中心ですが、集まったときには役職関係なくフラットに話せる雰囲気がある。AIを使うことも、人間らしく考えることも、どちらも大事にできる会社だからこそ、学習者でも安心して成長していけると感じています。