こんにちは！スターマイン株式会社人事総務部の宮本です。

今回は、組織開発を得意としているシニアコンサルタント・多田圭次郎が考える、企業人事と人事コンサルタントそれぞれの特徴や違い、そしてコンサルタントとして大切にしていることについて、話を聞きました。

人事が担う役割とコンサルタントの存在意義

ーー多田さんは企業人事を経験された後、人事コンサルタントに転向されていますね。それぞれの特徴や違いについて、どのように考えていますか？

会社経営の根幹は、リソース（お金、モノ、人、情報）を活用して利益を生み出すことにあります。その中で人事は、採用や人材の活用、価値の創出、退職者の計画的な決定など、人に関連する業務を経営から委託されて担う立場です。つまり、「人」をどのように価値に変え、利益に結びつけるかが人事の重要な役割だと考えています。

社内人事と外部コンサルタントの違いについて言えば、社内人事は会社から与えられたミッションに基づき、採用や育成などの実績を上げる役割を担います。そして、その中で価値を発揮することが求められます。

一方で、人事コンサルタントは経営に影響を与え得る人材関連のさまざまな課題（例：人件費、採用、離職率）を解決する役割を果たします。例えば、社内人事が課題の特定や解決に行き詰まった際、コンサルタントが課題解決の具体策を提示したり、ノウハウやリソース不足を補完したりします。これが私たちの主な役割です。

コンサルタントは、社内人事が解決できない課題に対し、客観的な視点でアプローチし、解決策を示す存在であるべきだと考えています。

人事コンサルタントとして発揮する強み

ーー多田さんの人事コンサルタントとしての“強み”とは何ですか？

私の強みは、「課題の特定」と「解決策の整理」です。これらを進める上で重要になるのが、相手の話を深く聞き出すヒアリング力だと思っています。

社内人事の場合、関係性や上下関係の制約から、自由に意見を言えないこともあるかと思います。一方で、外部コンサルタントは中立的な立場で動けるため、耳の痛い話や話しづらいことも引き出しやすいのです。相手の話を最後まで聞き、想定外の質問を投げかけることで、相手自身が気づいていない本質的な課題を見つけ出すことができるそのヒアリング能力が、自身の強みだと思っています。

ーーそのヒアリング力に気づいたきっかけは何ですか？

きっかけは、実際にそれが成果に繋がったことです。独立当初、営業や研修など幅広い業務を手がけていましたが、その中で「お客様はなぜ私に依頼をするのか」と考えた時、相手の話をしっかり聞いていることが要因ではないかと気づきました。

例えば、採用を依頼された際、単に「わかりました」と進めるのではなく、採用コストや求める人材像、採用後の活用方法などを深掘りして確認します。その結果、お客様が本質的に求めている期待に応えることができ、信頼関係を築けるのだと思います。この経験から、「ヒアリング力」を自分の強みとして確信しました。

柔軟性と「どうにかする力」が導く課題解決

ーーお客様を支援する上で、大切にしていることを教えてください。

お客様の課題は一つとは限らず、事業環境や状況の変化に伴い、新たな課題が次々と出てくることがよくあります。最初に期待されていたことに向けて課題解決を進めていても、途中で何らかの要因により要望が変わる可能性は非常に高い。特に、スピード感のある小規模な企業ではその傾向が強いんです。

そのため、私は「できません」「やりません」といった言葉を極力使わないよう心がけています。もちろん、自信がまったくない場合はお引き受けしませんが、自分が役に立てると判断すれば、「どうにかする力」を発揮して解決に向けて取り組みます。

例えば、退職率が高い企業のケースでは、退職理由の分析や対策の提案を行うことで、離職率の改善に繋げるといった具体的な支援をします。こうした柔軟性や粘り強さを常に大切にしています。

課題解決を導くプロセスと仮説の検証

ーー課題解決はどのように進めていますか？

課題を解決するためには、いくつかのプロセスが存在します。まず、解決のための仕組みを導入し、それを継続的に見直すことで、課題に対する本質的な改善を図れる環境を整えることが重要です。その方法は、組織全体に浸透させるアプローチや、新たなシステムを構築するアプローチなど、状況によって異なるでしょう。しかし、「落とし込む」ことを最終目標とする場合、最初からすべてを完璧に決めておく必要はないと考えています。

課題解決のプロセスでは、まず原因を特定し、仮説を立てます。その後、ヒアリングや調査を通じて仮説を検証します。この段階での情報収集が非常に重要です。

次に、解決策の実行フェーズに移ります。リソースが不足している場合は私たちが積極的に動き、リソースがある場合はお客様と共に取り組みます。ここでは、過去の成功事例に頼るのではなく、常に新しい取り組みを試みることがとても大切です。

私は、仮説を立て、検証し、改善するというサイクルを繰り返すことで、本質的な解決を目指しています。

こんな人と一緒に働きたい

ーー人事のプロ集団として、今後STARMINEにどんな仲間が増えてほしいですか？

重視している点は3つあります。まず1つ目は「自分で飯が食える人」。自分のスキルや経験を活かし、自ら価値を生み出せる人と仕事をしたいです。

2つ目は「得意分野を持ちながらも、他分野にも興味を広げられる人」。お客様の課題は多様であり、状況も変化します。そのため、特定の分野にこだわりすぎる人ではチームとしての柔軟性が欠けてしまいます。だからこそ、他分野にも関心を持ってくれるメンバーと働きたいし、そんなチームになれば総合力は高まり、働く楽しさも増すと思っています。

3つ目は「フィードバックを受け入れられる人」。フィードバックがしづらいチームだとチームで動く意味が薄れてしまうと思うんですよね。独立しても働けるプロフェッショナルが、それでも属したいと思えるチームを作ることが私たちの目標です。そのような組織の中で、注意を受けたりフィードバックを得られることが、STARMINEに所属する最大の価値だと私は考えています。