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組織マネジメントのスタンダードが変わり始めている。だからいま、新しい「新人の心得」を作った。
日本の働き方は、ここ数十年の間に大きな変化があった。
もしそれを2つに分けるとするならば、境目になるのは「モチベーション」という言葉の存在だ。
終戦後の日本は、復興し成長するために働いた。成果を上げ、生活を豊かなものにするために労働という対価としてお金を手にした。それがかつての働き方のスタンダードだった。
しかし、高度成長を遂げバブルが弾けた後、以前よりも生活水準が高まった日本では、労働に対して”モチベーション”を求め始めた。会社の成長と生活の為に働くという風潮から、自己実現の為に働く風潮に切り替わった。大昔の話のようだが、これはつい数十年前の話だ。
しかしいま、現代の主流である”モチベーション”を重視した働き方から、会社と個人の成長を実現する論理的な組織マネジメントが広がりつつある。
働くことに対する価値観が変わっていく現代で、いま社会人はどんな軸を持って働くべきなのか?
新著 “伸びる新人は「これ」をやらない!”の著者でもあり、株式会社識学 新規事業開発室室長の冨樫 篤史に、話を聞きました。
外資系の成功例を摘んでも、組織の根本は変わらない。
-まずは、今回の新著「伸びる新人は「これ」をやらない!」を出版した理由を教えてください。
識学というのは、会社全体に向けたサービスではなく、組織の経営層を中心にピンポイントにコンサルティングを行うものでした。創業から4年余りで1,000社以上の企業に識学を導入して頂いていますが、経営層だけではなく社内全体でも識学を受講したいという声も多く耳にしていました。
働き方に対する風潮が刻々と変わっていく中で、社会人はどんな考え方を持って働くべきなのか?
識学のメソッドを通じて、より良い選択の手助けが出来ることを肌で感じていたことが、書籍の出版を決めた大きな理由です。
-働き方に対する風潮が変わっていく中で、社会人はいま、何を意識すべきなのでしょうか?
例えば、日本のマネジメント層の多くは、アメリカ企業の成功例を参考にして組織に取り込んでいます。
ですが、GoogleやNetflixの人事制度やマネジメント手法を日本の企業が取り入れようとしても、ほとんどの場合ではうまくいきません。
そもそも日本とアメリカでは、働き方の土壌がサッカーとラグビーくらい違いますから。
-日本とアメリカの働き方の土壌の違いとは、一体何でしょうか?
まず日本とアメリカは、働き方の根本である労働法が大きく異なります。
日本は終身雇用で定年までクビを切られないことが前提ですが、アメリカは能力に対するサラリーが前提になっています。この前提の違いは、働き方に大きな違いをもたらしています。
働き方の根本が全く違うにも関わらず、ただ成功例を真似しても組織やチームが強くなることはありません。新人の社会人は、このような瞬間的な取り組みに目を向けるのではなく、本質的な成長の実現を意識して意思決定をすべきだと考えています。
新社会人は短期的なメリットに惑わされず、「得か損か」で判断すべき!
-では、新社会人が意思決定で意識すべきことはなんでしょうか?
意思決定で意識すべきことは、その選択は得なのか損なのかということです。
短期的には得だと感じることが出来ても、長期的に見れば損ということは、日常に溢れかえっています。例えば、書籍の中で「上司ガチャ」についての考え方を書いています。
能力が劣る人間が上司になるか、優秀な人間が上司になるかは運次第で、新人の成長はそのガチャである程度が決まってしまうという考え方です。
-能力が劣る上司に巡り合った場合にどう考えるべきでしょうか?
仮に能力が低い上司に巡り合ってしまったら不幸だと感じるかもしれませんが、
新人社会人ならば、上司の指示や提案を受け入れて、求められた成果を出し続けることが正解でしょう。その方が、長期的に見ればあなたにとって得である場合がほとんどです。
-能力が劣る上司に付いていく方が損であるように思えるのですが…。
新人社会人に求められているのは、まず課された目標をクリアすることです。方針の修正や提案ではありません。
結果的にチームの成績が振るわなくても、自らの目標をクリアしていれば、評価が下がるのは上司です。上司と対立して求められた成果を出せなければ、あなた自身の評価まで下がってしまいます。
たとえ上司に恵まれないと感じても、長期的な視点で考え、求められた目標に集中する事が得であると判断すべきなのです。
-書籍には、インフルエンサーに流されるな。とも書かれていますよね。
インフルエンサーが提唱する、やりたいことを仕事にする風潮は非常に素敵なことだと思っています。これ自体は、決して間違いだとは思いません。
ですが新人社会人にとって、一人で市場で戦える実力がないのに、やりたいことに飛び込んでも長期的に見て損になるケースがほとんどでしょう。
やりたいことを仕事に出来る実力があるならば、必ず会社でも求められた成果が出せるはずです。
まずは社会人として、必要なステップを間違えずに踏んで成長していく。
そのために、新人社会人として持っておくべき考え方を本書では紹介しています。
働き方が刻々と変化する現代で、正解を見極める社会人になるために
-現代のモチベーションや自己実現が重視された風潮に対して、感じていることはありますか?
ここ数十年の間に、働くことへの考え方は大きく変わりました。
モチベーションという概念が生まれたことを境に、会社の成長やお金という対価を得るための労働から、自己実現のための労働へと変化を遂げています。
今の風潮として、自由や働きやすさ、社員のことを考えてくれる組織が良いとされていますが、
その一方で、厳しさや規律が疎かになり、企業や個人の成長が芳しくない現象も起きています。
個人の成長を実現しながら、会社の成長も実現していく本質的な働き方がスタンダードになれば素敵なことじゃないかと感じています。
-個人の自己実現だけではなく、組織で成果を出せる人材を目指すべきということですね。
もちろん働いていれば、疑問に思うことに直面する事だってあると思います。
しかし、今正しいと思える選択でも、長期的に見れば損になることは多く存在しています。
現代の”モチベーション”を重視した感覚的なマネジメントは、必ずしも成果を生むわけではありません。クリエイティブは規律の中に生まれます。個人と会社の成長のために、正しい規律を受け入れて、得か損かを判断できる社会人を目指してほしいと思います。
働きやすい環境や自己実現を過剰に求めた現代では、働き方に迷いが生まれてきている。
恵まれない上司の元に配属されたら…。やりたいことを仕事にすることが良いとされる風潮の中でどう働くべきか?などなど、働く社会人の悩みは絶えることがない。
そんな現代の風潮の中で、いま組織で働く一員としてどのような考え方を持つべきなのか?
組織のマネジメント改革を行い、企業経営者の間で急激に人気が高まっている「識学」の第一人者が、
新人社会人に向けての心得をまとめた識学3作目の書籍「伸びる新人は「これ」をやらない!」は、一時、Amazonの「仕事術」カテゴリで16位まで上昇した。
現代で働くことに迷いを感じている方や、強い組織を作ることに興味がある方は、ぜひ書籍を手にとってみてはいかがだろうか?
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株式会社識学では、書籍の出版に加え、採用にも力を入れています。
組織マネジメントの変革を行う識学に興味がある方は、ぜひ以下のリンクからご確認ください。
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冨樫篤史(とがしあつし)
株式会社識学主席研究員、新規事業開発室長。識学講師、MBA(経営学修士)。
1980年、東京都生まれ。2002年、立教大学卒業。現東証一部の株式会社ジェイエイシーリクルートメントに12年間勤務し、管理職、幹部クラスの人材斡旋を通して、企業の課題解決に従事。名古屋支店長や部長職などを歴任し、30名~50名程度の組織マネジメントに携わる。株式会社識学には、設立初年度である2015年に参画、大阪支店の立ち上げを経て現職。