注目のストーリー
イノベーション
手で考える
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、書き留めています。未知の課題の解決に取り組むとき際、その課題の規模が大ききければ大きいほど、自分ひとりで解決するのは難しいものです。そうかと言って、課題解決のためにスペシャリストの協力を得たいと思ったら、マスターするまでは行かずとも、ある程度は相手の専門領域の言語や作法を学ぶ姿勢と努力が必要になります。そこで前回は、各領域のスペシャリストの協力を得るためには、不細工な泳ぎ方でも、なんとか相手と対話できるところまでたどりつく「犬...
「絵」で考えるクセをつける
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために、「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを書き留めています。前回は、プロジェクトの意思決定をする際、遠慮と忖度に流されて後悔するような決断をしないためにも、日頃から重要な意思決定を成功させる鍵となる勘とセンスを培っておくことが大切だと書きました。今回は、その勘とセンスを磨くために、わたしが普段から実践している方法を紹介したいと思います。勘とセンスは、物理的に目に見えるものではありません。ゲームのパラメーターのように、この人にはこれぐらい、あの人にはこれぐらい勘とセンス...
ビジネスを当てるのは勘とセンス
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを書き留めています。前回、プロダクトオーナーはプロジェクトの遂行中に幾度となく意思決定を迫られるが、そこで遠慮や忖度をすると、結果的に新規事業を殺してしまうことになると書きました。今回は、周りに流されることなく後悔のない意思決定をするための方法について紹介したいと思います。パートナーや上司、チームメンバーと意見が異なったとき、あなたは自分の考えに自信を持って決断をすることができるでしょうか。もしあなたの意見が多数派に属しているとし...
辺境の狼を探せ。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを書き留めています。前回、プロジェクトのオーナーには、「オーナーシップ」「やり抜く力」「巻き込む力」という3つの資質が必要であると書きました。しかし、言うは易し行うは難しであって、いざ実際に辺りを見渡してみても、これらすべての能力を併せ持った人材を見つけるのは、そう簡単なことではありません。さて、困りました。あなたが組織の中で、新規事業創出の任を担っていたとします。是が非でもプロジェクトを成功させなければならないとしたとき、どのよ...
マシン脳とアニマル脳。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。「事業作家」として、未来の物語を書く中で得た気付きをまとめています。前回は、製品やサービスをつくってからPRの方法を考えるのではなく、開発の川上工程から「ニュース性=人に伝えたくなること」をプリインストールすることの重要性について書きました。今回も引き続き、事業のアイデアを生み出す方法について紹介したいと思います。先日ある起業家の方と、世の中が便利になることで人類にどのような影響が生じているか、というテーマで議論する機会がありました。例えば、自動車の普及や公共交通機関の発達により人類のモビリティ(移動性)は驚くほど大...
ニュース性をプリインストールする。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。「事業作家」として、未来の物語を書く中で得た気付きをまとめています。前回は、「vision prototyping」というquantumからリリースした新たな新規事業開発手法に関する号外的な記事を書きましたが、ここからは再び、連載本編の記事に戻っていこうと思います。今回は、quantumが新規事業開発において特に大切にしている”視点”について書いていきたいと思います。quantumのユニークなところとして、わたしを含め、複数のPR実務経験者が所属していることが挙げられます。そう言うと、生み出した新規事業のPRに力を入...
ビジョンプロトタイピング 〜新規事業開発の壁を突破する手法〜
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。「事業作家」として、未来の物語を書く中で得た気付きをまとめています。毎回、コンパクトな分量・内容を心掛けているので、ご興味ある方はさかのぼって読んでいただけると嬉しいです。今回は、これまで書いてきた内容のやや号外編的な位置づけで、まさに本日quantumがリリースしたばかりの「vision prototyping(ビジョンプロトタイピング)」という新たな新規事業開発手法について、詳細内容、開発背景、開発体制などを紹介したいと思います。vision prototypingとはvision prototypingとは、「...
答えは、書店にある。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために、「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを書き留めています。前回までは、新規事業のアイデア生み出す3ステップ(「キロク→キオク→キカク」)について解説し、一見必要がないと思われる情報こそがブレイクスルーの鍵を握っていると書いてきました。さらに今回は、新規事業のヒット率を上げるとっておきの方法を紹介したいと思います。皆さんは、開発メンバーとうんうん唸ってやっとこさ捻り出したアイデアを需要性調査(需要があるかどうかを調べる調査)にかけた瞬間、木っ端微塵に打ち砕かれたという...
ブレストより沈潜(ちんせん)。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。前回まで、新規事業開発において「未来の物語」を書く上では広告の創造技法を応用することができるが、広告制作と新規事業開発においては求められる「未来を想像する力」の種類が異なる、ということについて書いてきました。広告制作においては、短期間なインパクトを生み出す「発想」が重要ですが、新規事業開発においては、その事業がどのように利用され、どうすれば成長していくか、といった長期的な視点も含む「妄想」が重要...
広告は発想、事業は妄想。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。「事業作家」として、日々、未来の物語を書く中で得た気付きをこのnoteにまとめています。前回までは、広告制作の技法を応用すれば、新規事業開発を飛躍させられる一方、両者には大きな違いがあることを紹介しました。今回は、広告制作と新規事業開発の間にある、もう1つの大きな違いについて書きたいと思います。広告業界では、よく「発想」という言葉が使われます。長年広告会社に勤務してきたわたしも、これまでこの言葉を何百回、何千回と聞いてきました。そのような環境で育ったわたしは、広告制作と同じように発想すれば、新規事業開発もうまくいくの...
商人の目、技師の目。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。新規事業開発を成功させるには、「未来の物語」を書けるか否かが鍵を握ります。なぜ未来の物語が必要なのか。そして、未来の物語を書くためにわたしたちが実践する「ABC手法(Ad to Biz Creative手法)」とは何か。ここまでに紹介してきました。「ABC手法(Ad to Biz Creative手法)」とは、シンプルに言えば広告の創造技法を新規事業開発に応用するというものです。しかし、広告制作の方法をそのまま事業開発に適用すれば、プロジェクトがうまくいくわけではありません。わたしはこれまでに広告創造と事業創造の両方...
新規事業は、ABC。
スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。前回の記事では、未来の物語を書くことで新規事業開発を成功に導く「事業作家」という仕事について紹介しました。今回は、その事業作家はどのようにして未来の物語を書き、具体イメージにしていくのかについて書きたいと思います。一言で未来の物語を書くといっても、それは一朝一夕にできることではありません。実を言うと、わたしも新規事業開発に取り組む過程でこの技術を身につけたのではなく、別の領域で長年繰り返し実践してきた経験が新規事業開発にも<応用できる>と気づいたのです。それは、広告会社での企画・制作経験です。わたしは大学院修士過程を...
職業、事業作家。
はじめまして。川下和彦(かわしたかずひこ)と申します。職業は、「事業作家」です。事業作家?聞き慣れない職業ですよね。それもそのはず。事業作家は、ググっても出てこない、わたしがつくった言葉です。わたしは現在、株式会社quantumというスタートアップスタジオ≒新規事業開発組織のクリエイティブ担当役員として、まだ世の中に存在しない製品やサービスを生み出す仕事に取り組んでいます。日々そうした業務に携わるなかで、市場導入までに暗礁に乗り上げてしまうプロジェクトと、市場導入に成功し、そこから成長していくプロジェクトの間に1つの決定的な違いがあることに気づきました。それは、「物語」があるかどうかです...