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広告は発想、事業は妄想。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。
「事業作家」として、日々、未来の物語を書く中で得た気付きをこのnoteにまとめています。

前回までは、広告制作の技法を応用すれば、新規事業開発を飛躍させられる一方、両者には大きな違いがあることを紹介しました。

今回は、広告制作と新規事業開発の間にある、もう1つの大きな違いについて書きたいと思います。

広告業界では、よく「発想」という言葉が使われます。長年広告会社に勤務してきたわたしも、これまでこの言葉を何百回、何千回と聞いてきました。そのような環境で育ったわたしは、広告制作と同じように発想すれば、新規事業開発もうまくいくのではないかと考えていました。しかし、いざquantumで開発の現場に飛び込んでみると、まだ存在しないものを想像するという点は同じなのに、スポーツに喩えるならば、広告制作と新規事業開発では、使う筋肉が大きく異なるのではないか、という感覚を持つようになりました。

「発想」という言葉は広告制作にはぴったりだと思うのに、新規事業開発で自分が実践していることに照らし合わせると、いまいちこの言葉がしっくりこない。この違和感はどこから生まれるのだろう。新規事業開発に「発想」という表現がしっくりこないなら、逆にどんな表現がぴったりなのだろう。そう問い続けた末に出てきた言葉が、「妄想」でした。

「発想」も「妄想」も「想」という字が使われるように、どちらも「想像」に属するものだと思いますが、「発想」は「パッとひらめくもの」であるのに対し、「妄想」は「モクモクとふくらむもの」であるというのが、わたしの捉え方です。この感覚を陸上競技に置き換えるなら、発想は「短距離走」で、妄想は「長距離走」になると思います。

そもそも広告の重要な役割は、限られた場所や時間の中で、製品やサービスのことを知らない人や興味を持っていない人に振り返ってもらうことです。そこで、短期間なインパクトを生み出す「発想」が重要になります。一方、新規事業開発では、これから生まれる製品やサービスが将来お客さまにどのように利用されているのか、微に入り細に入りイメージをふくらませることが求められます。そこで、長期的な成長を生み出す「妄想」が重要になるのです。

同じ陸上競技でも、短距離走と長距離走では体の使い方が大きく異なるように、同じ想像行為でも広告制作と事業開発は頭の使い方が大きく異なるのです。

広告制作をインパクトのある「短編物語」を書くことに例えるとすれば、新規事業開発はグロース(成長)につながる「連載物語」を書き続けることだと言えるかもしれません。

前回までに書いたように、広告創造の技法を応用すれば新規事業開発を加速させられること(ABC手法)、ただし、両者の違いを理解しておくことの重要性についてここまで紹介してきました。

では、具体的に未来の物語をつくっていくにはどうすればいいのでしょうか? その方法については、次回以降、引き続き書いていきたいと思います。

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