「地域を元気にしたい」 ― そう思ったことはありませんか?
地方創生に興味を持つ人にとって、ただ“観光地としての村の魅力再発見”だけでなく、「課題を解決する仕事」に携われることは、大きなモチベーションになります。都市部での暮らしとは異なる難しさもありますが、その分、やりがいと自分の成長が得られるフィールドでもあります。
この文章では、地方創生の一般的な課題を整理しつつ、秋田県東成瀬村(ひがしなるせむら)の具体例を取り上げます。そして、その村から立ち上げられたIT企業「東成瀬テックソリューションズ」がどのように動いているか、何を求めているかを紹介します。あなたが「地方創生 × キャリア」の道を考える材料になればと思います。
地方創生の主要な課題
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まず、多くの地方で共通して見られる課題を整理します。これらは、どの地域にも共通するものが多く、地方創生に関わる仕事で避けて通れないテーマです。
- 人口減少と高齢化
若者が都市部へ移り住み、出生率の低下や若年層の流出が続く。結果として地域の労働力が減り、地域の維持が難しくなる。 - 公共サービスの維持の難しさ
交通インフラ、医療・福祉施設、学校などの維持がコスト高・人材不足で厳しくなる。 - 産業基盤の衰退・担い手不足
農業・林業・漁業といった一次産業、伝統工芸・観光などの分野で担い手が少ない。あるいは技術・ノウハウの継承が止まっていたり、収益化が難しい状態にあるところも多い。 - 行政・自治体の財政圧迫と体制課題
制度変更・規制変更・法令対応・行財政運営などに伴う負担が自治体にのしかかり、人的資源・予算ともに限界が見えてくる。 - 住民の暮らしの質・文化・交流の希薄化
住民同士の交流機会が減る、地域の文化・行事が少なくなる、公共の居場所・交流拠点が不足する、といった問題。自然環境・季節変化の中での暮らしには慣れも必要。 - 自然環境による制約
雪や豪雨、道路の通行止めなど、自然条件が厳しい地域では、それ自体が生活・インフラ・物流などに大きな影響を及ぼす。
東成瀬村における具体的な課題と現状
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秋田県東成瀬村(人口約2,300〜2,600人、山林原野が村面積の約93%を占め、特別豪雪地帯に指定されている地域)では、前述の課題がかなり鮮明に現れています。以下、東成瀬村で見えている主な課題と、それに対する現状を整理します。
急速な人口減少・若年層の流出
過去のピーク時(1947年頃)は6,000人近くいた人口が現在は2,000〜2,600人に減少。若者の都市移住が続いています。
雪や自然環境の厳しさ
豪雪地帯であり、冬季の積雪が2〜3mになることも。地域の移動・物流・日常生活に大きな負荷。住民や仕事の継続性にも影響します。
公共サービスの維持と行政コストの高さ
デジタル化の流れ、法制度改正などで対応すべき書類・制度の改変が頻繁であり、それに対応できる人材が不足している。
産業基盤の限界と雇用機会の不足
雇用の中心は農業・林業・食品加工など季節性のある仕事であり、年間を通じて安定した雇用が得られる仕事は限られている。
交流・暮らしの充実度
移住希望者から「暮らしに必要な施設や交流拠点が少ない」「イベントや文化の場が不足している」といった声がある。自然の魅力は大きいが、生活の利便性・暮らしの“豊かさ”にも配慮が求められる。
これらの課題は複合的であり、ひとつを解決すれば他が改善するというものではありません。ですが、地方創生に関わる取り組みには「すべてを少しずつ改善していくこと」が求められ、それがまた大きなキャリア経験となります。
東成瀬村での取り組み:「なるテック」の存在と活動
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東成瀬村では、これらの課題を解決するために「なるテック(東成瀬テックソリューションズ株式会社)」という第三セクターのIT企業が設立され、さまざまな活動を展開しています。なるテックは都市部で経験がない人でも採用し、育成を行いながら、地域課題の解決に取り組む組織として注目を集めています。以下、その特徴と具体的な取り組みを整理します。
なるテックの具体的な活動例
- 地域おこし協力隊との融合と人材育成
全社員60名前後で、ほとんどが地域おこし協力隊員を兼務しています。若者や移住者を協力隊員として採用し、地域活動・広報・企画といった業務を通じてスキルを育てる体制。 - 地域の産業・観光・文化プロジェクト
農産品加工・商品開発、仙人修行や成瀬ダムまつりなど、観光・文化イベントを企画・運営し、地域の魅力を発信。さらに、村の自然環境や伝統文化をコンテンツとして活用する動きもあります。 - IT・デジタル支援
プログラミングスクールや無料体験授業を地元の中高生向けに実施し、将来的な地元人材育成を図る。地方自治体・公共機関のデジタル化支援など、行政・公共分野のIT化促進にも関わっています。
キャリアとして見える可能性
なるテックで働くことで、どのようなキャリアが形成できるか、またどんなスキル・経験が得られるかを具体的に掘り下げます。
・企画・広報力
地域文化・観光イベントなどの企画・運営を通じて、プロジェクトを立ち上げる力がつきます。アイデアを現場で形にする経験が得られます。
・IT技術・デジタルスキル
Web開発、システム設計、デジタルツールの活用、ITコンサルティングなど、未経験からでも学べる研修体制があります。行政や公共分野にITを適用する経験も希少性があります。
・コミュニティとの協働力
村民、自治体、他の協力隊員など多様なステークホルダーと協働することで、人との調整や信頼関係構築能力が養われます。
・地域課題への傾聴と問題解決力
関わる中で地域の声を聞き、課題を抽出し、そ の解決策を設計・実行する力が鍛えられます。課題は複雑で多面的なので、柔軟な思考が必要になります。
・自己の生活設計・柔軟性
都市部と異なる生活環境で暮らすことで、生活コスト・暮らしの価値観が変わります。リモートワークやハイブリッドな働き方を取り入れたり、子育て支援制度の活用など、柔軟な生活設計を身につけられます。
・社会的意義のあるキャリア
地域を持続可能にするという目的を持って働く経験は、他の企業・組織でも評価されやすいです。将来的な地域間連携や起業なども可能です。
どんな人と一緒に課題を解決したいか/求められる人材像
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なるテックでは、以下のような人を求めています。地方創生×ITを本気でやりたいと思う人なら、経験がなくても十分チャンスがあります。
・課題意識・問題解決志向
単に指示を待つのではなく、「これをやったらどうなるか」「何が変えられるか」を自分で考えて動ける人。
・柔軟性と多様性を受け入れられること
雪や気候など自然条件が厳しい環境、伝統や慣習が根強い集落での調整など。異なる価値観やライフスタイルを理解し、協力できること。
・コミュニケーション力と地域との信頼関係を築く力
地域住民、自治体、他の隊員など、様々な人と協働します。聞く力、情報を伝える力、調整する力が大切。
ITスキル・学ぶ姿勢
・未経験でもOK。ただし学び続ける意欲が必要。プログラミング・デザイン・データ分析など興味を持ち、自主的に手を動かすことができる人。
持続性・長期視点を持てる人
・単発のプロジェクトではなく、継続的に村や地域に貢献する意思。暮らしも含めた関わりを考えられる人。
地方創生をともに進めるあなたへ
都市部から地方への移住を考えている、または地方創生に関わる仕事に興味があるあなたに伝えたいのは「あなたの挑戦は、地方の未来になりうる」ということです。
東成瀬村は大自然に囲まれ、豪雪という厳しい環境もありますが、それを逆手にとって、人と人とのつながり、暮らしの質、地域ならではの文化を強みに変えようとしています。なるテックは、未経験でも参加できる場、学べる場、そして課題を解決しながらキャリアをつくる場を提供しています。
もしあなたが…
- 自分の仕事に「意義」を求めたい
- 地域課題を自分の手で一歩ずつ解決していきたい
- 暮らしと働き方のバランスを取りながら成長したい
と考えているなら、ぜひ私たちと一緒に「東成瀬村から地域を元気にする」挑戦をしてみませんか?
なるテックでは共に活躍するメンバーを募集しています♪
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