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こんにちは、専攻は物理だった内波です。
今はサイエンスからは離れ、マネーフォワードではボルダリングをメインに担当しています。
今日はそんなボルダリングに関する有益な情報「小さすぎるクライミングシューズの伸ばし方」をご紹介しようと思います。
2足目は攻めすぎるな
もし孫ができたら是非遺言に残したい言葉、それは
「クライミングシューズの2足目は攻めすぎるな」
です。
自分の手足だけを使って壁を登るスポーツであるボルダリングでは、米粒ほどの小さな足場でもしっかりと体重を乗せられるよう、専用のシューズを履いて遊びます。
そのクライミングシューズには普通の靴と大きく異なる特徴があり、裸足で履いてもつま先が曲がるくらいぴっちりしたサイズが良いとされています。
ブカブカの靴で木登りをすることを考えると、なぜそういう靴がいいか想像できるかもしれません。
シューズはボルダリングジムに行けば借りられますが、何回かジムに通っていると自分のシューズが欲しくなるものです。
ただ、クライミングを始めたばかりのころは、まだ足が小さなシューズに慣れていないこともあって、最初に買うシューズは、理想的なサイズよりもだいたい少し大き目になります。
さらに、クライミングシューズは使っていると多少なりとも伸びてくるため、穴が開いたりして2足目を買うころになると、かなり緩くなっていることが多いです。
その結果、「次はもっときつめにしよう」というマインドが働き、大抵2足目のシューズは、過度に小さいものを選んでしまうケースが多発します。
私の周りの友人の中には、買ったはいいもののあまりの小ささに結局自分で履くことをあきらめ、自分より足の小さい知人にシューズを譲って、新しく買い直す人間も多くいました。
かくゆう私もそれに近い経験があり、それなりに値段のはったほぼ新品の靴を前に、頭を抱えた経験がありました。
化学的な試行錯誤
とはいえ、買う前にためし履きをしているのですから、原理的に履けない、ということはないはずです。
こんな時はgoogle先生、ということで「クライミングシューズ 小さい」といった皆が検索していそうなワードを武器に、なんとかしてこのシューズを普通に履けるようにできないか、何か有力な情報はないか、とネットの中を探し回りました。
するとやはり同じような経験をしている人は大勢いるのか、いくつか「こうするといいよ」的な書き込みが見つかりました。
例として挙げると、「ドライヤーで温める」、、、
しかし、それらのページに書かれた情報の通りにいろいろなことをやってみても全く効果がなく、よりいっそう返品不可能になったシューズが残るだけでした。
出会い
結局、
「しばらく履いていると伸びてくるから、それまでは我慢してちびちび履き続けろ」
という身もふたもない結論にしかたどり着けませんでした。
・・・
しかし、その「履き続けろ」という文言をみたとき、一つの案が頭に浮かびました。
「自分の代わりに誰かが履き続けてくれればいいんじゃないか」
そして目の前にはシューキーパーがあったのです。 (写真はイメージです)
Amazon – LifeValue オリジナル 木製シューキーパー
物理で戦う
※ 以降の内容を実際に試される場合は、ご自身の判断のもとに行ってください。
※ 何が起こったとしても当方では責任は負えません。
やることは至ってシンプルです。
1.シューキーパーを用意
ネット通販でも靴屋さんでも売っています。大した用途には使わないので、なるべく安いものにしましょう。
また、なるべく小さくて細いものを選びます。
長さが足りなかったとしても、適当に布をあてたり靴下をはかせることでカバーできますが、長すぎるとシューズに入らないので、今回は「小は大を兼ねる」です。
2.自分の足を作る
シューキーパーに適当に布や紙をあて、自分の足に近い形にします。
厳密にやるものでもないので、適当で大丈夫です。
3.靴下をはかせる
使い古しでいいので、多少丈夫で、ある程度長さのある靴下を木型に履かせます。
これは結構重要なポイントで、木型をクライミングシューズから脱がすときに、靴下の口の部分を引っ張ることで脱がせやすくすることができます。
逆にこれがないと脱がせるのにかなり難儀し、実際、最初にこの方法を試したときはそのことを考慮していなかったため、力任せに脱がせようとして指をパキらせるという、かなりバカな負傷をしました。
4.クライミングシューズに履かせる
そのまんまです。
長さが足りなさそうであれば当て布を増やしたりして、なるべくシューズが伸びるようなサイズにしましょう。
結果:
左側が木型を履かせたもの。足のサイズを上回る伸びっぷりです
5.一晩待つ
普通、買ったばかりのキツいシューズなら、ジムでずっと履いていることは不可能なはずで、壁を登るとき以外は脱いでいることが多いはずです。
1日で1時間も履いていられればいい方で、週2回ジムに行くとしても、一か月間にシューズを履いている時間はトータル8~10時間程度にしかなりません。
そう考えると、一晩寝かせるだけで、1ヶ月みっちり履きこんだのと同等の効果が期待できることになります。
なお、この方法は本当にかなり伸びますので、寝かせすぎには注意してください。
実は私が最初にこの方法を試したシューズは、スポルティバのコブラという、最も伸びやすいと言われているシューズだったのに、3日くらい寝かせしまったため、若干後悔するぐらい伸びてしまいました。
何のために小さい靴を買ったのかを思い出して、まずは「若干伸びたかな」程度にとどめておきましょう。
6.脱がせる
木型をキツめにいれてしまった場合は多少脱がせるのに力が必要かもしれませんが
ちょっとずつ引っ張るといけます。
結果
左側が伸ばしたもの。微妙な違いに見えるかもしれませんが、ワンサイズ大きくなっています。
結論
温めることによる素材の変化だの、薬品っぽいものによるなんらかの化学反応だの、ケミカルな現象を期待した小手先の技術を試すよりも、物理の力を信じて無理矢理やれ、ということですね。
最後に
マネーフォワードでは
「エンジニアリングなんか知ったことかよ!レベルを上げて物理で殴るんだ!」
という発想すら貪欲に活用できるエンジニアを募集しています。
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