こんにちは、Webディレクターの本田です。UXデザインに興味があり、2018年度は産業技術大学院大学で[人間中心デザイン]を受講しました。
プログラムの講師であった安藤昌也先生は、千葉工業大学でもUXデザインを教えています。
今回は、メンバーズキャリアで学生さんたちの成果発表会を開催する運びになり、レビュー役に選ばれたので参加してきた様子をレポートします。
大学の授業の一環として弊社で発表会
今回の発表会は、もともとは千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 の「情報デザイン演習」の授業が発端になっています。
この授業は、UXデザインを取り入れたプロダクト設計を行う実践的な内容です。
メンバーズキャリアは、デザイナー6名がこの授業の成果物レビューに参加するという形で関わらせていただきました。
今回発表のためにメンバーズキャリアにやってきてくれたのは、100名ほどの学生さんたちのなかから選ばれた、レビューで高評価を獲得した11名です。
完成度の高さにビックリ!
学生さん一人ひとりに個別にパネルが用意してあり、私たちクリエイターが直接学生さんに聞きに行き、詳細に説明してもらうというスタイルでした。
1対1で会話をしながらプロダクトについて伺うことができたので、制作した学生さんの熱量が伝わってきました。
驚いたのは成果物のレベルの高さ。
プロトタイプまで制作している方や、私自身が欲しいと思うサービス案もありました。
しかも、今回学生さんたちが行ったユーザー調査・プロダクト設計・プロトタイプ開発、そしてパネルの準備などは、企業であれば本来は分業するもの。
それらを一人で企画し、アウトプットまで持っていくのは、純粋にすごいことだと思います。
今回は、プロダクト設計の結果だけを発表という形で見せていただきましたが、ぜひ、設計している過程も詳しく見てみたいと感じました。
そのくらい、興味深いプロダクトをみなさんが制作していました。
自分の体験を落とし込めていた作品が最優秀賞に決定
今回のレビュー会には、前述した産業技術大学院大学で[人間中心デザイン]を受講したメンバーが、私を含めて5名参加。
その5名で協議し、今回の授業における最優秀賞を決めることになりました。
最優秀賞に決定したのは、「子供の学び」というテーマをもとに制作された「egg」というアプリ。
3歳~5歳までの子供を対象に、母親が「服をたたむ」「箸でご飯を食べる」などの課題を出し、子供がその課題を実行し、ちゃんとできたら母親がたくさん褒めてあげる、というコンセプトのアプリです。
制作されたのは女性の学生さん。
その方は、学生になってから自分で生活する中で、基本的なことでも意外と知らないことが多いということに気づき、「もっと子供の頃から教えて欲しかった」と感じていたそうです。
本人が子供だったときの実体験から「こんなアプリがあればなぁ」、という思いが出発点となり、妥協のない制作につながったのではないでしょうか。
私も二人の子供がいるのですが、共働きで忙しい毎日を過ごしていると、つい自分でやったほうが早く、教えることを後回しにしてしまう状況があったので、このアプリが欲しい!と思いました。
パネルのデザインもすばらしく、非常に良くまとまった、完成された発表でした。
思考しつづける重要性に再度触れられた
私が日々顧客企業で扱うのは、すでに出来上がっているプロダクトがほとんど。
既存のプロダクトをどう改善するか? という課題が多いため、結果や数値、ビジネス上の制約に縛られ、思考停止に陥りやすいのではないかと思います。
私は、UXデザインとは特殊スキルではなく、「丁寧に、ユーザーのことを考える」マインドだと思っています。
だから、UXデザインの思考は誰がもっていても有効なスキルだと思うし、できれば誰もがもっていてほしいのです。
初心者向けのUX勉強会を開いたりしているのも、少しでも多くの人にUXデザインに触れるきっかけを作りたいから。
今回の発表会で特に心に響いたのは、「こんなに発想豊かにアイデアが出せ、アウトプットを出せるんだ。」ということです。
思考停止せずに、ちゃんと思考すること。思考することを当たり前だと思うこと。
学生さんたちのレベルの高い成果物は、思考しつづけることの重要性を再度思い起こさせてくれた気がします。
レビューを担当した私たちにも、とても刺激のある有意義な発表会でした。安藤先生や学生さんには、ぜひまた来て欲しいと思います。
メンバーズキャリアの仲間と一緒にUXデザインの学びを深めていきたい
実は、メンバーズキャリアに入社する前から、産業技術大学院大学のことは知っていたのですが、行ったことのある知り合いもおらず、自分が行けるようなところでもないと思っていました。
入社後、修了生や、人間中心設計の有資格者もいると聞き、学習意欲の高さに刺激を受け、私自身も入学する決意をし、修了することができました。
受講料も一部会社が負担してくれましたし、有給が1時間単位で取れるので通学のための制度が整っていてありがたかったです。
また、クリエイターが自発的に勉強会などを開催していることもあり、学びたい技術を学びたい人同士が集まってスキルの向上ができる環境があります。
私も、その環境を活用し、産業技術大学院大学の同期と一緒にUXのワークショップを企画し、たくさんのクリエイターに参加していただくことができました。今後もメンバーズキャリアのクリエイターと共に、UXデザインの学びを深めていきたいと思います。