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「院生として忙しい日々の中で始まった就活、そして思いがけない道へ」
今回の新卒ブログ企画では、先端技術への情熱と教育への関心を併せ持つ井熊さんをご紹介します。コンピュータービジョンを研究していた情報系大学院生が、キカガクという環境でどのように自身の可能性を広げていったのか。
入社から一年、技術力を高めたいという強い意欲を持ちながらも、時に葛藤や戸惑いを感じつつ成長してきた井熊さん。「もし就活をやり直せるなら」と考えることもあるという正直な思いと、それでも見出した価値ある経験について語っていただきました。
研究の道と企業での実務、技術への探究心と教育への貢献—その狭間で模索しながら前進する姿は、これから就職活動に臨む皆さんに新たな視点を提供するかもしれません。
研究とテクノロジーへの情熱
ーー研究内容について教えてください。
大学院ではコンピュータービジョンを研究していました。具体的には、画像からCGを作る技術に取り組んでいて、2Dから3Dへの変換やSfM(Structure from Motion)、MVS(Multi-View Stereo)といった技術を扱っていました。
ーーなぜそのような研究に興味を持ったのですか?
最初はVRに興味があったんです。VRって学術的にすごく広く、将来的には五感すべてがVRになるような世界を目指しているじゃないですか。その中でも僕は特に立体映像の制作などに関心がありました。
動画は元々単なる画像の連続だったものが進化してきたように、その先の技術に携わりたいと思ったんです。
ーー学生時代のアルバイトはどんなことをされていましたか?
塾講師をやっていました。小中学生を対象に、社会以外の全教科を教えていましたね。あとは大学でTAもしていました。教えることには昔から興味があったんです。
ーー現在の部署と業務内容を教えてください。
教育コンサルティング部門のデータサイエンスチームの中の、研修商材管理運用チームに所属しています。4月1日から異動したばかりなんですよ。
主な仕事は、現在ある研修教材の改善と標準化です。法人研修の商材を整備して、より良いものにしていくことが目標です。
これまでは登壇しながら研修資料を整備する業務をしていましたが、今年、このチームができて、自分から手を挙げて参加することにしました。
就職活動の現実:理想と現実の狭間で
ーー就職活動はどのような軸で進めましたか?
「人となりがわかる企業」というのが一番の軸でした。あとは大学が情報系だったので、情報系+教育の分野で探していました。
ーー「人となりがわかる企業」とはどういう意味ですか?
インターンシップなどを通じて、どれだけ企業のことが実際にわかるか、社員とのコミュニケーションをたくさん取れるかということですね。また、実際に入社した後にどこまで裁量権があるのかも重視していました。
ーーキカガクに入社を決めた理由は?
率直に言うと…院が忙しすぎたんです(笑)。研究や学会発表、修士論文などに追われていて、就職活動に集中する時間をあまり取れませんでした。
ーー今就活をやり直せるとしたら?
開発系の会社など幅広く見てみると思います。もともとR&D系ではなく、ハードとソフトの両方ができる組み込みエンジニア系の仕事に興味があったというところもあるので。
ーーキカガクに入ったことを後悔していますか?
何とも言えないですね…。
キカガクに入社した理由としては、大学院に進学した段階で機械学習がトレンドになると思っていて、その分野を追いたかったというのがあります。
あとは教育のバックボーンも魅力的でした。実は教育のシステムを変えたいという思いもあったんです。大学の成績表システムなど、公教育のシステムはまだまだ改善の余地があると感じていました。使いにくいUIや古いシステムを何とかしたいという思いがありましたね。
入社後の挑戦:予想を超えた成長の機会
ーーキカガクに入社する前のイメージはどうでしたか?
元々スピード感が早い会社だとは思っていました。風通しが良さそうで、上と下の垣根があまりない印象でしたね。
ーー入社してみて、良かった点と思っていたのと違った点は?
良かった点は、やりたいことができる環境があることです。入社一年目でもたくさんの挑戦ができました。登壇だけでなく、大企業の事務局の方との打ち合わせや食事会など、新卒とは思えない経験ができています。
一方で、学習についてはかなり自主自立が重要になると感じました。登壇テスト前までとは打って変わり、登壇テスト後は動画や資料といった自己学習リソースが提供され、主体的に知識を深めていく仕組みになっています。この環境は、自ら学びを追求できる人や、すでにある程度の知識基盤を持つ方には、特に力を発揮できる場だと感じます。ただ、未経験の方は自己成長に対する意欲だけではなく、他者を巻き込み学習する行動力が求められると思います。
ーー入社してからの印象的なエピソードはありますか?
入社して2か月ほどの6月頃、2種類目の登壇が時系列特化コースだったんです。これが難易度が飛躍的に上がる内容で…とにかく気合で乗り切りました(笑)。
自分なりに対策として、登壇にまつわる技術領域の本を一冊は読むと決めていました。特に参考になったのは、理論やコラムが論文ベースで書かれていて、プログラミングが入っていないので情報の無駄が少ない本でした。
ーー入社前と比べて、一番変化したのはどんなところですか?
知識量は確実に増えました。技術領域の網羅的な部分について、これまで触れてこなかったことにも強制的に触れる環境があったのは良かったです。
また、様々な会社の中身を知ることができたのも大きな変化です。受講生の方から生の声を聞けて、視野が広がりました。
未来への展望:技術と教育の融合を目指して
ーー今後のビジョンについて教えてください。
何よりも技術力を伸ばしていきたいです。モノを作るのが好きなので、何かを創り出していきたいという思いがあります。
キカガクでは、カスタマイズ研修をどんどん作っていきたいですね。特定の業界向けや、ある企業にしか提供しない特別な研修教材などに挑戦したいと思っています。
ーー他に挑戦してみたいことは?
現在所属している研修商材管理運用チームで、今ある研修を整備しつつ、ないものを新しく作っていきたいです。
それと並行して、実務経験も積みたいと考えています。先輩の森さんや杉田さんと一緒にデータ分析コンペティションに出たりしていて、ある程度できるようになったら仕事として持てるようになりたいですね。
データサイエンスはまだブルーオーシャンだと思います。長期コースの受講生から転職や副業についてアドバイスを求められることもあるので、まずは自分が経験を積んで、価値のある情報を提供できるようになりたいです。
資格取得も視野に入れていて、応用情報や統計検定準一級を取りたいと思っています。
就活生へのメッセージ:理想と現実のバランスを見つけよう
ーー就活生へのメッセージをお願いします。
正直に言うと、就職活動は理想通りにいかないことも多いです。特に院生は研究との両立が本当に難しい。でも、入社後に自分次第で道は開けていくものです。
私は技術志向が強いので、より技術的な環境に進みたい気持ちもありましたが、キカガクでは教育という側面から技術に関われているのは貴重な経験だと思っています。
何か「これをやりたい」という強い気持ちがあるなら、それに近づく環境を選ぶことが大切です。ただ、「完璧な環境」を探すのではなく、自分がその中でどう成長できるかを考えることも重要だと思います。
予想していなかった道でも、思わぬ成長や発見があるものです。私の場合、教える立場になることで技術への理解も深まりましたし、様々な業界の方と接することで視野も広がりました。
あとは、技術領域ならば自己研鑽は必須です。会社に入ってからも学び続ける覚悟は持っておいた方がいいでしょう。
まとめ:理想と現実の狭間で見つけた自分の道
今回は、コンピュータービジョンを研究していた井熊さんのキャリアストーリーをお届けしました。
理想の就職先と現実の選択の間で、時に葛藤を感じながらも自分なりの成長を遂げてきた井熊さん。技術への情熱を持ちながら、教育という場でその知識を活かし、さらに広げていく姿からは、キャリアにおける「予想外の道」の価値が伝わってきます。
就活において「完璧な選択」を追い求めるのではなく、その環境で自分がどう成長できるかを考えることの大切さ。そして入社後も自己研鑽を続け、自分の価値を高めていく姿勢。
キカガクには、井熊さんのように技術への深い関心を持ちながら、教育という形で社会に貢献したいという思いを持つメンバーが集まっています。「最先端の技術を学び、伝える」という挑戦に興味のある方、ぜひカジュアル面談でお話を聞かせてください!