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カヤックにUIデザイナーとして入社した中村さん。「カヤックはサバンナ」と語る、自社サービスと受託事業の両方を経験してきた彼女に、両者の違いや面白さを聞きました。
中村まりな
2019年カヤック入社
面白プロデュース事業部/アートディレクター/UIデザイナー
見知らぬ地で美味しい居酒屋を当てるのが得意。
UIデザイナーの人柄に惹かれてカヤック入社
― カヤックに入社する前はどんなことをしていましたか?
サービスやプロダクトを受託開発をする会社でUIデザイナーとして働いていました。(※UI = ユーザーインターフェース)
― カヤックに入社したきっかけはなんですか?
前職で転職サイトを制作することになり、競合調査として色々な転職サービスを実際に利用していました。そこでカヤックから「よかったら遊びにきませんか?」という連絡が来たので、軽い気持ちでカジュアル面談に応じました。他の会社のデザイナーの話を聞くことが少なかったのでいい機会だなと思ったんです。
デザイナーの瑠生さん、中川さん、岩瀬さんたちと話したのですが、プロダクトをつくる時の考え方に自分との共通点がいくつもありました。UIに関するあるあるや、最近ときめいたUIの話で盛り上がったんです。同じマインドを持った人たちと一緒に働く自分の姿が容易に想像できてしまい、気付いたら入社という形になりました。
人柄の良さにも惹かれました。持論ですが、優秀なUIデザイナーは優しい人が多いです。いつもサービスの向こう側にいるユーザーのことを考えてデザインをするので、必然的に人に優しくなるのだと思います。面接官となったデザイナーは皆ヒアリング力が高く言葉の節々が優しかったので、きっとユーザーのことを一番に考えたUIを作っているんだろうなと感じました。
入社していきなり放し飼い!乗り越えた方法とは?
― 入社後に配属されたLobiチームではどのような役割を担っていましたか?
UIデザイナーとして『Lobi』というサービスを運用するチームに配属されました。既存のUIをブラッシュアップしたり、ユーザーの声を拾い上げて施策のアイデア出しをしたりしました。
▲Lobiは、スマホゲームに特化したスマホゲーマーSNS。同じゲームをプレイしている友達を探したり、攻略情報を交換したり、レアアイテムを披露し合ったりしながら、ゲームを通じて新しい仲間を見つけることができる(現在はサービス終了)。
― 入社してギャップを感じたことはありますか?
カヤックは変わり者ばかりだと思っていたのですが、意外と真面目な人が多いです。確かに個性は豊かで、社員一人ひとりの価値観はぜんぜん違うんですが、向いている方向はそろうという不思議な組織ですね。
他に感じたギャップは、放し飼いにされることです(笑)。入社初日から「あとは自由にお願いします。決まったやり方は特にないので」ということを言われました。そんな中でも「何か施策を実施してほしい」という期待は感じていたので、プレッシャーもありました。
― 期待に対して、何か取り組んだことはありますか?
入社後1週間で開発チームに向けたワークショップを開きました。UIに関する基本的な考え方を伝えて、足並みをそろえようという狙いがありました。私のことをチームの人に覚えてもらう機会も兼ねていたんです。ペルソナやユーザーストーリーをつくり、後にそれに基づいた施策をみんなで考えました。
それまでは一人ひとりが思いついた施策をスピード重視で実行していたのが、みんなで共通のユーザー像をつくったことで画面の向こうにいるユーザーの存在をあらためて認知でき、使う人が求める施策を考えれるようになったのではと思います。30人くらいの話したことのないメンバーを相手にミーティングを主催するのは緊張しましたが、やってよかったです。新参者でも信用してくれる組織なんだと思いました。
― サービス運用の大変なところを教えてください
私はUIデザイナーとしていつもユーザーのことを考えてデザインしています。しかしよくできた機能や設計に対して「これは良かった」という声はあまりもらえません。良いUIデザインはストレスなく使えるので、ユーザーはわざわざフィードバックをしないと思うんです。レビューに書かれた「もっとこうしてほしい」という厳しい意見ばかりを見ているとしんどくなる時があります。
そういう時に救いになるのが、ユーザーと実際に会って話を聞くことです。対面でインタビューすると私が携わった機能や設計を「よく使ってます」という声を頂けることもあり、励みになります。
自社サービスと受託開発の違いとは?
― 現在はどんな仕事をしていますか?
受託開発を行う面白プロデュース事業部でアートディレクターとUIデザイナーを兼任しています。アートディレクターとして世界観の醸成や体験のディレクションに専念することもあれば、自分ひとりでワイヤーフレーム作成、デザイン、実装指示まで担当することもあります。
プロモーション重視のWebサイトなどはワイヤーフレームを企画部のメンバーがつくる場合もあります。しかし長期的に運用されるサービスの場合は、どうしたらユーザーに長く便利に使ってもらえるかが重要になるので、私がUIデザイナーとしてワイヤーフレームを設計するようにしているんです。
― 自社サービスと受託開発の違いやそれぞれの面白さ、大変さはなんですか?
自社サービスでは受託開発に比べて社外のステークホルダーが少ないので、スピーディーな意思決定ができるのがいいところです。
ただし失敗した場合に、その責任をとるのも自分たちです。船の舵取りを自分たちでやる緊張感があります。だからといって怯えて何もしないと、サービスは衰退していく一方です。どんどん施策を実施していく必要があり、ずっともがいている感覚は苦しい時があります。
受託開発の醍醐味は様々なジャンルのプロフェッショナルであるクライアントと一緒に仕事できることです。プロジェクトを進める時にクライアントの知識を共有してもらうことで、自分の世界を広げることができます。
一方で大変なのは、デザインでクライアントからの信頼を得る必要があることです。多くの場合、デザインはクライアントが目にする最初の具体的な制作物です。それ以前は企画書などの資料を元に頭の中だけでなんとなくイメージしていただけのコンテンツが、デザインで一気に解像度が上がります。その時に納得いくものを提案できないと、その後の制作で信頼してもらえなくなります。プレッシャーを感じる部分ですね。
― 思い入れのあるプロジェクトはありますか?
『生牧草バンク』です。このサービスは、応援したい引退馬や功労馬に、誰でも簡単においしい生牧草をプレゼントすることができるサービスです。クライアントである中央牧草センターの皆さんは動物好きな方ばかりで、お馬さんの余生を幸せなものにしたいという優しい想いを感じました。
そこでユーザーにも優しい気持ちで応援してもらえるようなWebサイトをデザインしました。牧草の購入方法をシンプルな設計にしたり、自分の支援によってお馬さんがのびのびと過ごしていることを実感できるようにしたりしながら、世界観やユーザー体験をつくりあげました。
このプロジェクトはお馬さんを助けることでクライアントもユーザーも幸せにできる、とても意義のあるお仕事でした。デザインによって貢献することで、やりがいを感じました。
クライアントや開発パートナー会社の村式さんとの距離感も近く、動物好きが集まってお馬さんの将来を良くするために一つのチームになって制作を進められました。デザインを出すたびにクライアントさんが喜んでくださるので、嬉しかったことを覚えています(気になった方はぜひこちらのインタビューも見てください)。
カヤックは様々なクリエイターが生息するサバンナ
― 今後はどんなことに取り組んでいきたいですか?
もっと数字を見れるデザイナーになりたいと思っています。見た目の印象だけでなくユーザーの利用状況などのデータを分析しながら、それをデザインに反映していくことができるようになりたいです。
受託開発では一度制作したらプロジェクトが終わることも多いので、長期的にプロダクトに関われる自社サービスに戻ることも考えています。自社サービスと受託開発を行き来できるのはカヤックのいいところですね。それぞれの経験を活かしながら自分のキャリアを形成することができます。
― あなたにとってカヤックはどんな会社ですか?
サバンナですね(笑)。様々なスキルを持ったクリエイターが生息する野原に放たれて自由にサバイブしていくイメージです。
― カヤックで一緒に働きたいと思うのはどんな人ですか?
同じ志をもった方と一緒に働きたいですね。ユーザーの生活を想像し、その生活が豊かになるようなデザインやアイデアを考えられる方がいいですね。
― カヤックに入りたいと思っている方へメッセージがあればどうぞ
チャンスがあれば一度カヤックの人と話してみるといいと思います。カヤック社員に会えば、この会社があなたに合っているかどうか分かると思います。
(取材・文 高田一史)
カヤックサイト インタビューより引用-https://www.kayac.com/news/2023/11/interview-nakamura
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