株式会社ハイウェルでは、“多彩な『人財』と進化する『技術』をつなぐ”を企業理念に掲げ、採用支援事業を展開しています。
今回は弊社クライアントでもある、介護事業を展開する株式会社Care Nation様に介護業界の採用のあり方をインタビューさせて頂きました。
【株式会社CareNation様】
東京都千代田区神田淡路町に本社を構え、2015年6月に設立された介護福祉サービス企業です(資本金1,000万円、従業員数334人/2025年7月末時点)
企業理念:『福祉に携わるすべての人を笑顔にする』
行動指針:地域でその人らしく暮らし続けられる支援を目指し、ご利用者やご家族とともに、地域社会にも貢献するという姿勢を掲げています
1. Care Nation様について
ー自己紹介・キャリア経歴について教えてください。
短大卒業後は特別養護老人ホームの介護スタッフとして勤務し、その後転職し民家型デイサービスの立ち上げ管理者をしていました。その後は同社でFCのスーパーバイザーやエリア統括を経て介護現場の課題はどこまでいっても人に依存することを実感。当時弊社では人事部が入社手続きのみの部署で戦略的な採用や働きやすい環境づくりなどが無かったことから弊社代表に直談判し2020年より人事部に異動しています。
人事部と言うと「怖そうな部署」と思われがちではありますが現場での経験を踏まえ机上の空論でなく現場の実態に即した業務を心がけてます。
私は略歴の通り介護現場出身という事もあり現場が大好きです。但し自分が現場に立つと関われる人数はどうしても限られてきますが「関わる人を支える」ことが結果的に多くのご利用者の生活を支援できると考え現在の職に就いてます。
ー人事に異動するにあたって、何かきっかけがあったのでしょうか。
介護の現場が大好きでずっといたいという気持ちもありましたが、次のステージでやってみたかったというのが大きいです。
ずっと現場で働いていて、やはり介護は「人」だと感じることが大きく、ちょうど組織体制の変更と重なって、異動を決めたという背景です。
ー現場の経験が、人事の仕事に活かされていると実感することはありますか?
合同説明会などで求職者の方に「現場ってどういうところが特徴ですか。」と質問を頂くことがあります。
現場の経験があると、表面的なことだけでなく、より具体的でエピソードを交えた話をできるので、求職者の方に共感を頂きやすいということがあります。
ー Care Nationで働く魅力について教えてください。
Care Nationの最大の魅力は、「現場主導で変化を生み出せる柔軟さ」と「挑戦を歓迎する社風」です。また経営陣の年齢も若く新たな挑戦に対しても「とりあえずやってみよう」思考が強いと考えてます。
また介護業界全般に言える課題としてキャリア形成がしづらいという課題がありますが弊社では現場介護スタッフから管理者、統括マネージャーなどその先も同じ業界の中でキャリアアップしていくことが可能です。
最近では福利厚生にも力を入れており、社内積み立て制度(企業型DC)や入院保障保険の加入など従業員の可処分所得の向上にも努めており働きやすさ向上を目指しブラッシュアップしてます。
2. ハイウェルと出会う前の採用活動
もともとは大手媒体を中心とした採用活動を行っておりましたが、介護業界の有効求人倍率の高さから、なかなか成果につながらず、費用対効果の面で課題を感じていました。
ー大手媒体を中心とした採用で成果が出にくかった際、最も難しかった点は何でしたか?
まず母集団形成ができていなかった。ここが一番大きいと思っています。
あと「弊社はこういう会社ですよ」ということの発信の仕方が非常に弱かった。
だから結果的にミスマッチが起きていました。
また面接に関していうと、
当時は会社の説明について、しっかり説明できる事業所とそうでない事業所で差が激しいことが課題でした。
このようなことがあると、求職者も会社もみんな不幸になると思い、対策を講じました。
ーこれに対してどのように対策をとっていったのでしょうか。
弊社は「会社の良くない部分」も含めて、面接時に全部説明するようにしています。
その均一化を図るために、「面接時説明シート」というものを作っていて、
1枚1枚丁寧に説明することを徹底するようにしました。
ミスマッチはゼロになることはないと思いますが、だいぶ減ったと思います。
他にも入社時に入社説明用のアニメーション動画を用意するなど対策を施しており、
職員に気持ちよく働いてもらえる工夫作りをするようにしています。
ー定着率に変化はありましたか?
対策を講じてから、少なくとも「聞いた」「聞いていない」ということでトラブルになる話はほぼ聞かなくなりました。
3. ハイウェルとの出会い・印象
きっかけはハイウェル様の前身の会社様とのお付き合いで「業界構造」や「介護現場の特性」を深く理解されており、単なる媒体提案ではなく、事業の目的に寄り添った提案をしてくれたことに感銘を受けました。
依頼後は、伴走型の支援で「一緒にチームを作っている」感覚があり、施策のPDCAをテンポよく回してくださったのが印象的でした。
ー印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
新規事業所開設の際には細かなヒアリングに加え具体的な提案を頂けたことで採用がスムーズに出来たことは非常に印象的でした。また弊社では複数の求人媒体を利用していますが媒体ごとの応募者数については毎月トップ3の応募者数をコンスタントに獲得してくださっています。
ーハイウェルの伴走支援を受けて、社内の採用体制や考え方で、変化したことはありますか?
まず網を大きく広げておく大切さを痛感しました。
それまでは「原稿をどうやって書こうか」ということばかりを考えていましたが、
100点の原稿を1個作るよりも、70点の原稿を10個作るほうが確率ってあがるなと。
採用というのは、「見せ方勝負もしかりですが、確率論も大事ではないか」というのは気付きでした。
ー弊社が伴走支援に入ってから、応募者の質や傾向の変化はありましたか?
当時は応募いただく方の年齢層が高い傾向がありましたが、
幅広い年代層の方に応募いただけるようになったと感じています。
4. 介護職の集客について
Indeedの仕様変更や広告費の高騰により、いわゆる「枠での勝負」から「コンテンツや組織力での勝負」にシフトしていると感じています。
今後注目しているのは、「SNSを活用したリアルな情報発信」など外部だけでなく内部の人材にも焦点を当てた取り組みです。
介護職の採用においては、「働き続けられる安心感」や「人間関係の良さ」をいかに可視化するかが重要であり、そのためには現場の魅力を丁寧にすくい上げる力が問われていると思います。
ー「枠の勝負からコンテンツや組織力の勝負へ」とシフトしているとお話されていましたが、その変化を一番強く感じた出来事はありますか?
今後企業として生き抜くためには、新陳代謝を上げていかなければいけないと思います。そこで「若い人がいる所ってどこだろう」と考えたところ、instagramやTikTok、次世代のSNSかなと思っていて、そこへの露出は何かしらしていかないといけないのではないか…ということを思っています。
私自身も個人的に情報を仕入れる時に、やはりinstagramをはじめとしたSNSを経由して知ることが多いので、それらをきっかけに考えも変わっていきました。
ーコンテンツで勝負するにあたり、「これをやりたい」と考えていることなどありますか。
主要な所(instagramやTikTok)は押さえておく必要があるのかなと。
また今後間違いなく、新しいSNSは出てくると思います。
そこでの先行者メリットは何においてもあると思うので、
新しいものが出た時、やろうか迷った時点でやれたらと思っています。
弊社では2年前から新卒採用を行うようになったのですが、
新卒の方たちに現場で(SNSを)やってもらうのはどうかなと思っている所があります。
求職者の方に「介護現場で何をやっているの」をリアルタイムに近い状態でお届けできるといいですね。ただ肖像権の問題などもあるので慎重に検討できればと思います。
ー「安心感」や「人間関係の良さ」を可視化するために、具体的にどのような取り組みをしていますか?
毎月1回、従業員全員に対して、「ウェルビーイング診断」をやっています。
そこで状態が悪い方に関しては早期に見つけて面談を行うことで、従業員満足度をあげるための取り組みを行っています。
5. 今後の展望・Care Nation様のミッション
Care Nationでは、今後は時代の流れに合わせ事業展開を強化し、現場で長く活躍できるスタッフの育成・定着に注力していきます。
そのために、採用から育成、評価、キャリアパスの設計まで一貫した「人材戦略プラットフォーム」の構築を進めており、ハイウェルさんとも引き続き連携しながら、業界全体の魅力を発信していきたいと考えています。
ー「人材戦略プラットフォーム」の構築にあたり、現在もっとも力を入れているフェーズはどこですか?
「ポジティブな発信」ではないかと思います。SNSの発信って会社の資産だと思うんです。説明会などでも使えると思いますし、拡張性が高い。資産形成をしていくためにも大切ではないかと思っています。
ーハイウェルと一緒に取り組みたいプロジェクトなどがあればぜひ教えてください!
「ポジティブな発信」を必要な場所に、必要な量を効果的・戦略的に発信していきたい。広告という観点でいうと、採用と別に、加盟店様に「Care Nation」という名前を広げるためのPRも行っていきたい。そのミッションを実現できるような取り組みをハイウェルさんとご一緒できると嬉しいですね。