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「とりあえずやってみる」はなぜ重要なのか?戦コン出身COOがマンションの一室のスタートアップにジョインした理由と、飛び込んでみなければ分からなかったこと【Hacobuに入社した理由】

Hacobu 取締役COO/坂田優氏

・創業初期メンバーの一人ですが、そもそもCEO太郎さんとの縁はどこから?

太郎さんとの出会いはロサンゼルスでした。

私がUCLAに学部生として在籍していた時に、MBA生として太郎さんが入ってきたんです。

私はその時、留学生の就職活動に関する団体を運営していて、MBA生にお願いして学部生にメッセージを発信してもらったり、イベントの企画などをしていました。なので、MBA生と関わる機会も多かったんです。

そのイベントに登壇してくれた女性から、太郎さんを紹介してもらったのが初めての出会いでしたね。


その時、私はアメリカに来て4年目を迎えていましたが、太郎さんはまだ2〜3ヶ月しか経っていないはずなのに、すでにアメリカという環境にすごく溶け込んでいて。

「この人、順応力が高くてすごいな。きっと優秀な人なんだろうな」という印象を抱いたのを覚えています。


その後は本を貸し借りしたり、日本に帰ってきてからも時々食事に行ったりと、交流は続きました。



・Hacobuを知った経緯を教えてください。

太郎さんが起業家になったのは知っていたんですが、その頃は忙しいのもあって、会う頻度は何年かに一度くらいに下がっていたんですよね。

でもある日、久しぶりに 太郎さんから飲みに行こうと連絡がきて。

その時に「実は次の起業(=今のHacobu)を考えているんだ」と聞いたのが最初でしたね。


でも当時、私もA.T.カーニーで辛くも充実したハードワークな生活をしていたので、コンサルタント業界の先輩として、太郎さんに今の自分の仕事について色々相談したり、話を聞いてもらったりしただけでした。


それからしばらくして、また食事に行った時に、Hacobuの事業内容や、シードの資金調達が決まったことと、それに伴って新しいフルタイム要員が欲しい、できればCOO候補の人に入ってほしいという話をされて。


その時も誘われたわけじゃなかったんですが、資金調達が決まったのはすごい!と思いましたし、事業内容にも少し興味が湧いていたので、

「もし誘われて、自分がジョインしたらどうなるかな?」と想像してみたことはありました。



でも、当時はパートタイムではあるものの、自分より年上のメンバーばかりの中で、一体自分がどういったバリューを出せるか不明で、自信を持てなくて。

なので、自分から「プロダクトを見せてください」とか、「オフィス訪問させてください」とは言い出せずにいました。



そうこうしているうちに、コンサルタントとして働きだしてから2年が経過して、転職を本格的に考え出すようになりました。

その時もまだHacobuは選択肢にはなくて、大手製薬会社や総合商社、フィンテックに関わるベンチャー企業などから内定をもらっていて。

「ベンチャー業界でやってみたい」と言う気持ちが勝ったので、当時社員が100人ほどだったフィンテック企業に行こうと決め、その相談を兼ねて太郎さんとご飯に行ったんです。



そうしたら、雇う側の視点からアドバイスを下さって。その視点でもらったアドバイスは初めてだったので、すごく勉強になったのと、「確かにちょっと違うかも」と気づかせてもらいました。


そして、その話を受けて太郎さんが「え、優って、ベンチャーに行く気があったんだ!」となったようで。

私も言い出せずにいたのですが、太郎さんも同じだったみたいです(笑)。


そこで初めてHacobuに誘われ、「よかったら一度オフィスを見に来て」と言われて、2015年の12月に当時のオフィス(と言っても、太郎さんの自宅マンション)を初めて見に行きました。



そこでの印象は…「全然予想と違うぞ」でした(笑)



確かにプロダクトを作ってはいたのですが、話で聞いていた目指しているプロダクトの質とは正直に言ってかけ離れていて。UIもイマイチだし、「おいおい大丈夫か?」と。

果たして本当にこの船に乗っていいのか、その場ではかなり不安がよぎりましたね(笑)。




・なかなかの強烈な体験(笑)。それでも、ジョインを決めた理由はなんだったんですか?

その場では、これひょっとして泥舟じゃないか…?ぐらいまで思いつめましたけど(笑)、家に帰ってから、改めてゆっくり考えてみたんです。


まず、私より年上のアクセンチュア出身者が、パートタイムとはいえ2人も手伝っていてあのレベルなんだよな、まだまだ穴だらけなんだよなと。

それに気づいたら、「あ、自分でもバリュー、いくらでも出せるな」って自信が湧いてきたんです(笑)。



それに、もしこのスタートアップがダメだったとしても、コンサル時代の経験と転職活動を通じてどこででも働けるという自信がついていましたし、ここで頑張ったことはむしろ経歴上プラスになると思いました。

あとは、太郎さんとずっと知り合いだったことも大きかった。もし、誘われたのが太郎さんではなかったらさすがに無理だったかもしれません。

前々から、若いうちにどこかのタイミングでサバティカルな経験がしたいとは思っていたんです。なので、この人となら、チャレンジ期間だと割り切ってやってみるのもありだと感じました。それで、Hacobuにジョインを決めました。

・なぜCEO太郎さんに対して、「この人となら」と思えたんですか?

色々ありますが、まずは表裏がないところ。


最初に見せられたプロダクトの出来には度肝を抜かれましたが(笑)、それはこっちがビジョンや資金調達の話を聞いて勘違いしていた所も大きかったなと。

実際、その情報はジョインする前に「まず見て」と全て見せてくれましたし、見せた上で誘ってくださいましたしね。


あとは8つ年上で、元コンサルという共通点もあり、いつも自分の前を走り続けてくれる、頼もしいお兄さん的な存在として信頼していたのが大きかったですね。



・最初はどんな仕事からスタートしましたか?

最初はとにかく人がいないので、営業もやるし開発の仕事もやるという感じ。

画面イメージを作ってこういう風に作ってほしいとエンジニアに相談したり、当時はベトナムにあるオフショアのシステム会社を使っていたのでその人たちとGPSを取得するためのスマホアプリ開発についてSkype MTGしたり。でも全く埒が開かなくて、もう自分たちでテストをするしかないと、レンタカーで夜の街を走ったり


昼は外で営業して、夜はテストで走るという生活をずっと続けていましたね。


そんな生活をしばらく続けたのち、入社時から将来的にはCOOというポジションを考えてのジョインだと太郎さんも私もお互いに認識していたので、タイミングが来た時に自然とそうなりました。



・まだプロダクトができていない段階での営業って、どうやるんですか?

手元にないのはどうしようもないので、将来像をお話しするしかありません。

完成する前提で機能のご説明をするとともに、自社のビジョンを語り、完成したら買っていただけませんか、と。


相手にしてもらえないことももちろんありましたし、話を聞いて頂けた会社とも、一筋縄ではいきませんでした。


そして、その時お話ししたプロダクトの中には、開発は進めていたものの実際には販売に至らなかったものもあります。お客様にはすでにご説明していて、試作まで進んでいたのに「売らない」という決断を下すわけですから、当然私たちとしても勇気が必要でしたし、お叱りをいただくこともありました。


しかし、その決断を怯まずにやってきたからこそ、MOVOはお客様に対して、より自信を持って提供することができるプロダクトに育ってきていると感じています。

なので、辛いこともたくさんありましたが、必要な試練と失敗を積み重ねてきたのだと思っています。


・そこから、Hacobuはどう進んで行ったんですか?

最初はあるプロダクトをローンチし、そこから得た物流情報を活用して、荷主と運送会社のオンラインマッチングサービスを開始しようとしていたのですが、その戦略を途中で転換し、営業活動で得ていた運送会社との接点を生かして、マッチングサービスを先にスタートさせました。


やる前はどうなるかと不安しかありませんでしたが、ローンチしたのが繁忙期の11月だったことや、新しくジョインしたOCSの絢美さんが軽貨物輸送のネットワークを持ってきてくれたこともあり、なかなか好調に立ち上がりました。


サービスをローンチした初日に、オンライン上から最初のオーダーが入ってきた時はみんなで喜びましたね。あの日のことは今でも覚えています。


その頃から、「とりあえずやってみる」がHacobuのValueとして根付き出した気がします。

やったらやれるじゃん、というレベルの話ではなく、やる前とやった後では見える景色がまったく違うんだと実感できたからです。



例えば、このサービスは荷主からの注文をメインに想定していましたが、運送会社から、しかも二次受けどころか五次受けぐらいの会社から依頼が来たりしました。マッチングサービスを始めてみると、物流のリアルな課題というか、やってみて初めて見えてくるものがかなりあると改めて実感しました。

「とりあえずやってみる」ことの重要性を学んだ出来事の一つでしたね。


HacobuのValueは、単に理想像や目指す姿というだけじゃなくて、これまでの実体験に基づく学びの結晶でもあります。


・今のHacobuに入社したら、どんな経験ができると思いますか?

今のタイミングでジョインしてもらえたら、どのポジションでも、私達のサービスを通じて「世の中(物流業界)が変わっていく感・求められている感」を日々感じられると思います。


たとえば、あるイベントに太郎さんが登壇した際に、大企業のメーカーや小売事業者から「一緒に何かしませんか」とお声をかけてくださって、そこから話し合いを進めて生まれたのが「ムーボ・バース管理」だったりします。


そして、このバース管理機能を通じて、今まで提供していた複数のサービスをもってしても捉えられていなかった、実に様々な物流情報がデジタルな形で蓄積されていくことがわかったんですね。

単純に目の前の課題(待機時間の削減)を解決するサービスを提供して終わり、ではなくて、この情報を活用することで、さらに物流業界に対して新たな価値を提供していけると考えており、私たちが目指す「物流プラットフォーム」としての姿がよりクリアに見えてきたと思っています。


そういうドラマティックなシーンにはこれからたくさん遭遇できると思うので、ぜひ今のタイミングで入ってきてほしいです。


組織としては、メンバーにより「Hacobuの進化」や「世の中(物流業界)が変わっていく感」を実感してもらいやすいよう、社内への情報発信・共有はこまめに行っています。

お客様と直接関わることが多い営業やカスタマーサクセスのメンバー間では夜会で共有していますし、開発メンバーにも全体の朝会や月ごとの締め会で情報が伝わるように、各リーダーにも発信の目的を伝えています。




あとは、「自分が会社を作っていっている感」も感じられると思いますね。

会社としてのルールも、まだまだ発展途上でこれから作っていく部分も多いので、業務フローや組織体制などについてどうあるべきかを、ひとりのメンバーとして一緒に考えていくことができる段階です。


「どういうルールがありますか」ではなくて、自分がルールを作っていくんだという意識で、積極的に意見を出してほしいです。

そして一度決定したルールも、組織の拡大などですぐに古くなり、フィットしなくなることも発生すると思います。

「決まりだから」と思考停止せず、その時その時で「こうすべきではないか」と考えて発信してほしいですし、メンバーの意見は積極的に取り入れていくつもりです。


働きやすい環境を、各メンバーの意見を取り入れてつつ、クイックに整備していけるのも、今のHacobuの良さだと思っています。



・新しく入るメンバーは、どんな人がマッチしそう&活躍できそうですか?

まだまだ組織が大きく変容していく段階なので、もし、今すぐに「私にはこれだ!」という武器がなかったとしても、今の自分がやれること、ネクストステップに進むために自分が身につけるべきことを見つけていける人であればいいと思います。


入社したら、「私はカスタマーサクセスだから」「私はエンジニアだから」と、自分の可能性を今就いているポジションで狭めたりしないで、視野を広く、他のポジションについてもよく見ていてほしいですね。


組織として、メンバー同士、隣の部署が何をやっているか把握できなくなるのが一番危険な状況だと思っており、それがなるべく起きないようにしたいと思っています。

組織としては当然、朝会や夜会、1on1、月次振り返りなどなどで、メンバーに対し情報共有の機会を提供してはいますが、最後はひとりひとりのマインドセットにかかってくるので、そういうアクションがきちんと取れる方に是非入ってきてほしいです。




ひょっとしたら今の仕事よりも、より興味が持てるポジションが出てくるかもしれないし、もっと発展すると「今はないけど、Hacobuにとってこういう役割を担う人が必要なのでは?」と気づけるかもしれないですから。

そして、もしそれをやりたいと思ったら、どんどん声をあげてほしいです。実際に、入社時とは違うポジションに行ったことで大活躍しているメンバーもいます。


そのためには、自分が所属している以外のチームメンバーとも、日頃からコミュニケーションを取って、自分で情報を取りに行く必要があります。

そのアクションは、No boundariesというHacobu Valueにマッチしているのはもちろん、本人にとってもより成長できる環境を得ることにつながると思います。



あとは、Hacobu Valueという会社の価値観に共感できるかが大事だと思います。

【Give it a try.】 とりあえずやってみる。やってみて初めて世界が見える。とりえあえずやってみてわかることは、考えてわかることの1000倍ある。

【Respect others.】 天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず。役職やポジションは、あくまでその人に与えられた役割だ。人の上下を定めたものではない。チームメンバー、取引先、顧客、あらゆる人を同じ人として尊敬する。尊大な態度をとるな、卑下するな。

【No boundaries.】それは自分の仕事ではない、と思うのを恥ずかしいと思う。自分の仕事を制限するのは自分の能力だ。 能力が高い人は、それは自分の仕事ではない、とは決して言わない。それは自分の仕事ではない、というのは、自分は能力がありません、と言っているのと同じだ。


共感というのは、ただ「いいね」と思うだけではなくて、ご自身とフィットするかどうか=少なからずでも、これまでにご自身もこの価値観に似たものを持って行動していたかどうかということです。


・(今働いている会社の価値観がHacobu Valueと似ている場合)その価値観に基づいてアクションしてきたか
・(今働いている会社の価値観がHacobu Valueと異なる場合)自分が勤める会社の価値観に対して違和感や居心地の悪さを感じているか

・違和感や居心地の悪さを感じている場合、自分なりに抵抗したか(改善のアクションを起こしたか)


職場は、1日の長い時間を過ごす場ですから、自分が属す組織の価値観は想像している以上に染み付くものです。「なんか違うな」と思っていても、具体的に何もせず、それなりに合わせてきた人は、異なる価値観のHacobu Valueにいきなり合わせようとしても、馴染むのは苦労するかもしれません。



・スタートアップにジョインして、気づいたことや良かったことはありますか?

一番大きかったのは、自分はスタートアップに向いていると分かったこと

入社前に、Hacobuに対して自分にも貢献できる部分があるとは思っていましたが、自分が「ゼロイチの本当にゼロの環境に向いているのか」はやはり確信があったわけではありません

この経験を通して、まず飛び込んでみることがいかに大事かを知りましたね。



あとは、自分の弱みだと思っていた所が強みになったデザインのも印象的でした。

私は昔から器用貧乏というか、大抵のことはだいたい上手くこなせて。だけど、THE・マッキンゼーの敏腕コンサルタントが持っているような、強力に尖った武器があるわけじゃなかった。コンサル時代は、それがある種のコンプレックスでもありました



でも、ゼロイチ段階のスタートアップでは、オールラウンダーこそ武器で。


「スタートアップは、最初は自分でなんでもやるんだ」と言われたって、「なんでもって、結局何をやるんだ?」と思うじゃないですか(笑)

でも、本当になんでもやるんですよ。



私の場合、自分以外に誰もやってくれる人がいなかった時は、プロダクト開発要件も考えたし、製品テストもしたし、営業もしたし、広告デザインも考えたし、採用もしました。


周りのメンバーの協力を得ながら進めてきましたが、これらの業務を主体的にすべて一通りこなしてこれたことで、Hacobuに対して価値を生み出してきた。

そのことを改めて振り返った時に、「ずっとコンプレックスだったことは強みだったんだな。オールラウンダーでよかったな」と思いました。それは、スタートアップに飛び込んでみないとわからなかったことです。




戦略コンサルファームにいた頃は、自分も何か一つの武器を持たなきゃ、伸ばさなきゃと思い込んでいた気がします。金融という専門性のバックグラウンドを生かして何かやらなきゃ、とか。当初フィンテック企業に入ろうと思っていたのも、そういう気持ちがあったのかもしれません。

でも、「自分もちゃんと武器を持っている」と気づいたら、そういう気持ちや焦りは自然となくなりました。今は金融のスキルを、自分の資産運用くらいでしか活用していません(笑)。



・今後はどんなことをしていきたいですか?

これから組織がどんどん大きくなってくるミドルフェーズに入っていくと思うので、自然な流れに任せていると、メンバー全員が常に同じ方向を向いて進む文化が、どうしても薄れてくると思っています。 

今のHacobuの良さを保ったまま組織を拡大していくために、自分がどういう役割を果たしていく必要があるかを考えなくてはと思っています。

太郎さんがどんどん外部への発信をしていくのに対して、私は社内の人と密にコミュニケーションを取っていくことが重要になってくると思いますが、現状は充分に時間が取れていないですね。

毎日の夜会や、月一の1on1といった機会だけでなく、メンバーが日々どういう表情で働いてるかなどまで細かく見ていけるようにしたいです。

社内のみんなにとって、社内でコミュニケーションコストが一番低い人になりたいですね。




ドラマティックな瞬間にたくさん立ち会える仕事がしたい方、お待ちしています!


COO坂田 優の最新記事(2024年7月)はこちらから
社会の矛盾を解き、価値を創る - Hacobu COO 坂田優が語る、スタートアップで実現する社会変革

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