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こんにちは、西田です。
私は2005年にトヨタ自動車株式会社に新卒入社し、一貫してプレス分野のエンジニアとして働いてきました。
最初に自動車外板や骨格部品をプレス生産する金型の設計を担当。その後は金型の標準化や技術調達を支援する部署、ラインオフまでにプレス製品の品質や金型の生産性を向上する部署、ラインオフ後のプレス生産の課題解決やコスト改善を行う部署などを渡り歩いてきました。
そんな私ですが、この度ハッカズークで働くことになりました。
社内の中堅社員向け教育プログラムを利用した出向です。社外で経験を積むことで、トヨタの中だけでは出来ない経験を積み、人間性や実行力を磨くことを目的とした制度になります。
教育出向しようと思った理由
自動車産業はCASE*1やMaaS*2など、製造工程という観点でもDXや3Dプリンタの成長など、それぞれ大きな変革期を迎えています。
*1 CASE:Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)といった自動車の次世代技術やサービスの新たな潮流を表す英語の頭文字4つをつなげた用語
*2 MaaS(Mobility as a Service): 従来型の交通・移動手段にシェアリングサービスを統合し、自動運転、AI、オープンデータ等の技術を掛け合わせた次世代の交通を生み出すサービスとしてのモビリティ
この変革期に際し、新たな何かを生み出せる人材となることでトヨタさらには社会に貢献したいと考えました。
そこで部署内の有志と新技術開発を行い、それを用いた新事業提案にチャレンジしました。
チャレンジ体験や完成した技術には強い喜び感じましたが、その一方で当初目指したほど革新的な技術にはならず、新規事業もなかなかニーズを創出できず…。なにが自分に足りないのかと頭を抱えました…。
この悩みを解決しようと様々な書籍・セミナーで学んだ結果、特に大きな要因と感じたのは、自分自身の多様性の欠落(より多様な価値観を持つことの重要性)です。
新たなものを生み出す際、ひとつの専門分野を深めるだけでは革新的にはならず、多様な知識・視点を組み合わせることが必要であることを知りました。どのようにすれば実践的な多様性を身に着けられか悩んでいる中、上司にこの教育出向制度への推薦を頂きました。
自身に足りない「多様性」と、未だ気づけてすらいない「至らない点」を発見できるのではないかという思いから、新たなものを生みだしている異業種への出向を希望しました。
その中でハッカズークを選んだ理由
出向候補の企業は、いずれも新たなものを生みだしている素晴らしい企業ばかりでした。
その中でもハッカズークで挑戦したいと思った理由は、その事業内容に衝撃を受けたこと。
退職者との関係を改善することがどうビジネスになるのか。また、定年まで働く人がほとんどな職場にいたので、私にとっては辞めて外に出ること自体が特殊なこと。それを企業側がどうポジティブに捉えるのか……。
そして、その衝撃を自分の中で咀嚼したときに、自身の課題意識と強く結びつきました。
ハッカズークは、世のなかにおけるアルムナイ(退職者)のあり方を変えようとしている企業です。
日本では企業とアルムナイの関係は否定的に捉えられがちですが、この関係を良好なものに変えていけば、他社に行ったアルムナイがカムバックすることで多様性人材を企業が獲得できる点、本音の退職理由を把握しフィードバックすることでエンゲージメントの低下による離職を抑止できる点など、企業とアルムナイに多くの利点を生み出します。
この価値感が広がり、ポジティブな人材流動性を日本社会全体が有することができれば、実践的な多様性を多くの人材が身に着け、日本社会自体の成長を促すことができるという大きな可能性を秘めています。
これは、私と同じ課題意識を抱えている多くの人たちにとって、本当に必要なことだと感じました。
ハッカズークでやる予定の仕事について
ハッカズークでの1年間で、主に『Official-Alumni.com』のカスタマーサクセスとコンサルティングを担当する予定です。
『Official-Alumni.com』とは、企業の公式アルムナイ名簿とSNSを作成し、アルムナイと企業、アルムナイ同士の関係を良好に活性化できるクラウドサービス。
>>アルムナイ・リレーション特化型システム「Official-Alumni.com」の詳細はこちら
カスタマーサクセスとコンサルティングの役割は、企業、退職者、社員の3者の関係の活性化を促進し、お客様の成功に貢献することになります。
専門外のサービス分野で役に立てるか不安はあるものの、トヨタには「なぜを5回繰り返す」に代表されるように物事の本質と向き合い「カイゼン」する文化あります。この能力を生かして、お客様に必ず貢献してみせます!
また、専門外であることが大きなチャンスであるとも思っています。これまで私はモノや技術に向き合ってきましたので、直接お客様に向き合うのは初めて。特に、対社内だけではなく、さまざまなバックグラウンドを持つ企業の方とやりとりをするにはコミュニケーションのステージを上げなければいけません。それは私にとって非常に大きな挑戦。非常にワクワクしています。
常に「多様性を身に着けること」と「至らない点に気づき、磨くこと」、トヨタに戻った時に「新たな何かを生み出し貢献できること」を念頭に置いて仕事をしてきたいと思います。
最後に、今回の出向はハッカズーク・トヨタ自動車・家族のみんなの協力があって初めて実現しました。本当に感謝しています。皆さんの善意を裏切らないためにも、少しでも早く大きく成長し、一つでも多くのものを還元できるように頑張っていきます!