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FLINTERSプロジェクトマネージャーの野呂です。
先日、社内で開催された「AI勉強会」に登壇し、『AIの究極のビジョンとPM業務の未来』というテーマでお話しさせていただきました。今回はその内容をブログとしてご紹介します。
🚀 AIの究極系:なぜ、私たちはAIを使いこなせないのか?
AIが世の中で注目を集める中、私自身はこれまでAIを「使いこなせている」という実感があまりありませんでした。
GeminiやChatGPTのような対話ベースのAIを利用する際、「イマイチ思い通りの回答が得られない」「求めているアウトプットにたどり着くのが難しい」という経験から、AIに対してどこかモヤモヤしたイメージを持っていたからです。
そこで、まず「AIに何をさせたいのか」という究極の理想を深掘りすることから始めました。
AIと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはりSF映画に登場するAIではないでしょうか。デバイスはメガネやロボットなど様々ですが、「話すだけ・考えるだけ」で、車を運転し、スケジュールを調整し、攻撃を避け、時にはハッキングまでやってのける...。
私たちがAIに求める究極の理想像は、「自律的に現実世界に働きかけ、課題を解決してくれる存在」、これに尽きるはずです。
このように、理想的なイメージが先行し、過剰な期待を抱くことで、「現実のAIとのギャップ」に直面し、AIを使う意欲が削がれてしまう。これが、私たちがAIを使いこなせていないと感じる原因ではないかと分析しました。
📃プロジェクトマネージャーとしてのAI究極系
理想論は一度置いておき、今度は「仕事」、特にプロジェクトマネージャー(PM)業務におけるAIの理想像を考えてみましょう。
PMの仕事は、MTG(会議)から要件定義、仕様書作成、スケジュール管理と多岐にわたりますが、最も工数がかかり、かつ重要な作業は「情報の整理とアウトプットへの変換」です。
私の考えるPM業務におけるAIの究極系は、これです。
MTGなど会話で決定した内容が、 自動で・漏れなく・理想的な仕様書やタスクに反映されている状態。
つまり、頭の中のアイディアや議論の結果を、「工数をかけず」「漏れなく」「理想的でわかりやすいアウトプット」としてAIが実現してくれる。これができれば、PMは本来集中すべき「意思決定」や「チームビルディング」に時間を使えるようになります。
果たして、このような理想は実現できるのでしょうか。
🚨現状のAIの課題:理想実現を阻む二つの壁
現在のAIが、私たちの究極の理想に到達するために超えるべき課題は、主に二つあると考えます。
1. 行動力の欠如(現実世界へのアウトプットの壁)
現在のAI単体でのアウトプット方法は、基本的にテキストに限定されます(高品質な画像や動画生成も可能ですが、これもデータ生成です)。
膨大な知識を元に「考え、判断する」ことはできても、まだ人間の「思考を助ける」役割に留まっています。
私たちが理想とする状態(思考→運転、思考→仕様書作成)では、AIの思考結果が現実世界への適切な「行動」(物理的またはデジタル的なアウトプット)として連動する必要があります。この「思考から行動への変換」の仕組みがまだ不十分です。
2. まだちょっとバカ?(意図の汲み取りの壁)
私たちが意図した回答やアウトプットが得られないことがある、という課題です。
もちろん、AIの性能は進化していますが、特に複雑な指示や、文脈に依存する「行間を読む」ような質問に対しては、こちらの意図を汲み取りきれないケースがまだ見受けられます。
下記のようにしりとりもままならないことがあります。
🧪理想実現への挑戦:二つの壁を乗り越える実験
このような課題を踏まえ、PM業務における究極の理想である「工数をかけず、漏れなく、理想的なアウトプットをAIが実現する」状態を目指し、私は現在、具体的なツールの組み合わせによる実験を進めています。
この実験では、二つの課題を解決するため、以下のツールを連携させて活用しています。
1. 現実世界へのアウトプットの壁
genspark:https://www.genspark.ai/
テキスト指示からPowerPoint形式のスライドを自動生成し、デジタル世界での具体的なアウトプット行動を実現する。
2. 意図の汲み取りの壁
Dify:https://dify.ai/jp
LLMを使用したシステム処理をノーコードで実装し、理想的な処理手順(プロンプトや思考プロセス)を自分で設計・調整することで、意図を最大限に反映させる。
これらのツールの組み合わせにより、現状のAIの限界を補完し合いながら、「MTGの会話内容から、指定形式のスライド資料を自動作成する」という理想の実現を目指しています。
現在、この実験ツールの精度向上に注力しております。使用感が良く、業務に確実に取り込めるレベルに達しましたら、改めてブログでご報告させていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。