こんにちは。ファンづくりカンパニー株式会社 代表の篠塚です。
障がい者就労支援の現場に関わる中で、「支援とは何か」「本当に意味のある“できる”とは何か」を考え直す機会が、何度もありました。
最初は、支援の現場でも「何ができるか」「どこまでできるか」という“できる・できない”で区切って考えてしまいがちでした。
けれども、KEIPE ONE.の立ち上げ以降、日々の実践やメンバーとの関わりを通して、自分の支援観そのものが大きく変わってきたと感じています。
“できる”だけを求めない——現場で直面した葛藤
KEIPE ONE.を立ち上げたばかりの頃は、「仕事として任せられるかどうか」「どの作業なら確実に成果が出せるか」を強く意識していました。
「できること」を明確に線引きし、その枠の中で仕事や役割を決める。それが、支援するうえで最も合理的な方法だと考えていたのです。
でも実際に現場で一人ひとりと向き合う中で、そのやり方が必ずしも“本人の成長”や“やりがい”につながるとは限らない、という気づきが生まれました。
「やってみたい」という声と向き合って
ある時、メンバーの一人から「難しそうだけど、やってみたい」という声が上がりました。
正直、最初は「まだそのレベルは難しいかもしれない」と思いましたが、
「じゃあ一緒にやってみよう」と背中を押してみることにしました。
結果は、想定通りうまくいかないことも多かった。
でも、そのプロセス自体に意味がある——「やってみた」「チャレンジした」という経験が、本人にとって自信になり、次の挑戦のきっかけになっていきました。
“やれること”を広げていく支援へ
この体験をきっかけに、「できること」より「やれること」に目を向けるようになりました。
- 本人の“やりたい”という意欲や声にきちんと耳を傾ける
- 最初から線引きをせず、サポートや仕組みを整えたうえでチャレンジの機会をつくる
- 失敗しても、それを“できない”と決めつけず、もう一度やってみる
そうした積み重ねの中で、「できる・できない」の枠が少しずつ広がっていくのを現場で何度も見てきました。
“支援”の意味も、現場で変わっていく
今、私の中で「支援」とは“できることを教える”だけでなく、“やれることを増やすための伴走”だと感じています。
本人の挑戦する気持ちや「やってみたい」に寄り添い、時に一緒に失敗しながら、一人ひとりの“やれること”を現場で一緒に広げていく——
このスタンスが、KEIPE ONE.の現場から学んだ財産のひとつかもしれません。