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こんにちは、次世代事業準備室の安元一耀です。なんかタイトルが論文(?)みたいになってしまいましたが気にせずブログを書きます。
次世代事業準備室の過去の事例を見てもわかることですが、この部署では、新規サービスの立ち上げにはリーンなスタイルを取ることが多いです。
この部署でインターンを始める2017年10月までは、「リーンスタートアップ」という言葉を聞いたことはあるなぁぐらいの知見でした。そして今は、5ヶ月のインターン+社員になって1ヶ月が経ちます。仕事の中でリーンスタートアップについていろいろ調べたりしてわかったこと、実践で学んだことなどをこのブログに書いていきます。
※今回はリーンスタートアップにおけるグロース前までのフェーズに関することを書いていきます。
■プロセスイメージ(グロース前まで)
リーンスタートアップのプロセスのイメージ(グロース前まで)としては、以下のようになるかな?と思います。
まずは顧客がどんな課題(イシュー)を抱えているのか?を発見することから始まります。ここでは、マーケットの選定も重要です。スタートアップでも、弊社のような規模の会社でもなるべくデカいマーケットを狙いましょう。
■idea
解くべき課題が見つかれば、そのソリューションを考えます。その際に「今は〇〇というサービスが主流になっているし、ソリューションが既に存在しているから諦めよう」とか「大手企業の〇〇というサービスがシェアの大半を占めているから諦めよう」などというそんな単純な話にはなりません。(初心者はここで諦めがちかもです。かつては僕もそういう思考でした。)
なぜなら、解くべき課題に対してはいくつものソリューションが存在しており、今提供されているソリューションよりも適切なそれが存在している可能性があるからです。テクノロジーやデバイス、時代など様々な変化によって「適切なソリューション」も変化していきます。
課題に対して複数あるソリューションの中からどれが適切なのか?という仮説を立てることが「idea」と言えるでしょう。
■PSF(Problem Solution Fit)
このフェーズは、「解くべき課題(Problem)と、その課題の最適な解決方法(Solution)」が満たされている状態です。これを達成する(達成したと思える)までideaは修正されます。
■PMF(Product Market Fit)
PSFを達成した次にやってくるのが、PMFです。PMFのよくある定義としては、「適切なプロダクトを適切なマーケットに提供している状態」などがよく言われます。どれだけプロダクトに磨きをかけても適切なマーケット(デカいマーケット)でなければ大きなスケールは見込めないということです。マーケットを後から変更することは難しいので、先ほど「マーケットの選定も重要」と述べたのはそういうことです。
ほとんどのスタートアップ・新規サービスはこのPMFに到達できずに死を迎えてしまいます。田所雅之さんの非常に有名なスライド「Startup Science 2018 完全版」では、PMFを達成できたケースとできなかったケースの明暗がグラフでよくわかります。
参照:https://medium.com/@masatadokoro/https-medium-com-masatadokoro-startup-science-2018-5228111b275f
PMFに到達できないことが判明した場合は、戦略を変更(Pivot・ピボット)することが必要になります。
■最後に…PMFの測定について(定量化アプローチ)
PMFを達成することができたか?の判断は非常に難しくもあります。僕も当初は、「PMFが達成できたかどうか?」ってある意味主観(定性的)でしかないのでは?というような考えもありました。
しかし、リーンスタートアップについていろいろ調べたり・学習したりしていくうちに、PMFの計測についてもいろいろ情報があったのでこのブログで書いておきます。PMFの定量的な測定については主に「NPS(Net Promoter Score)」と「RR(Retention Rate)」があります。
①:NPS(Net Promoter Score)
NPSの説明はここでは割愛しますが、よく出されるPMF達成の数値基準(NPS)として挙げられるのが、アメリカのVCである「ベンチマークキャピタル」のアンディー・ラクリフさんが言う「NPSが+40以上」です。
しかし、NPSによるサーベイの場合「あなたはこのプロダクトを周りの人に勧めたいと思いますか?」などの質問が主流であるため、ユーザー自身が未来形での回答しかできません。ユーザーは自分自身の行動について明確な理由・責任を持っていることはほとんどない(と考えた方が良い)ので、NPSによるサーベイはそこが欠点になるかと思います。
②:RR(Retention Rate)
最後に紹介するのは、リテンションレートの測定です。アプリの世界ですと「リテンション」という言葉はよく聞くかもしれません。
横軸に日数、縦軸にKPIとなるユーザーのアクティブ率を取った時、どこかのタイミングで曲線が水平(に近い状態)になっていればPMFを達成したとする測定方法です。逆に、日数の経過と共にアクティブ率が下がっていれば、PMFは達成できていません。
※以下の図はわかりやすくするため少々極端な例かもです。
しかし、リテンションレートの測定においては、「リテンションレートは安定的に新規ユーザーのボリュームがないと統計データとして測定しづらい」という欠点(?)もあります。特にプロダクトの初期フェーズにおいてはユーザー数が少ないという状況もあるので、NPSと同様に「これ(リテンションレートの測定)が絶対的に正しい指標だ!」ということではありません。
PMF達成の確認では、ユーザーインタビューなどの定性的な調査と以上で紹介した定量的な調査の2つのバランスを取りながら判断しましょう。
今回はリーンスタートアップの考え方を元にして、プロダクトの企画〜グロース前のフェーズまでの流れとPMFの定量的な測定について書きました。リンスタ関連のブログはまた何か書けたらいいなと思います。
というわけで今回はこれで終了です。ありがとうございました!