本記事では、2024年4月からアルゴダンザ・ジャパンに入社した、市川岳におこなったインタビューをお伝えします。
―ご経歴やプロフィールについて教えてください。
市川:私は新卒で葬儀会社のベンチャー企業に就職し、その後大学院に入りなおして「死生学」という学問を修めました。在学時にはデスカフェの運営や遺言をDXするスタートアップの立ち上げにも参画するなど、死に関することは手当たり次第に色々と取り組んでいるような人間です。少し変わっているのかもしれません(笑)
アルゴダンザ・ジャパンには、大学院卒業後の2024年4月に入社しました。きっかけはエンディング産業展という、業界の人が集まる展示会でアルゴダンザのブースを訪れた時に社長と話したことから始まりました。当時、大学院に在籍しながら新たなビジネスにチャレンジしようと考えていたタイミングでした。英語はある程度できたので、海外のビジネスを日本に導入するのはどうだろうか?と考え、実際に外資系として日本でビジネスをしているアルゴダンザの話を聞いてみることにしました。話をしてみると、単にビジネスとしてだけではなく、その根底にある考え方や目指している未来について共感しました。
元々、死について色々と考えていたのは、より良く生きられる社会を作っていくために人生の最期の瞬間である死について考えることは大切なのではないだろうか、という想いがあったからでした。自分自身でビジネスを起こすことが目的ではなく、死がタブーではない、人々の悲しみや苦しみに寄り添っていけるような社会を作りたいという想いを実現するための手段として考えていたので、自分のやりたいことはアルゴダンザの事業を大きくしていくことで実現できると思い、入社を決意しました。
―いま持っている「死」に対する考えに至った経緯を教えてください。
市川:私は中学生の時に祖母を亡くしました。おばあちゃんっ子で、小さい頃はいつも一緒に遊んでいました。祖母が脳の手術を受けた際に神経を刺激してしまい、彼女が半身不随になってからもなるべく会える時に会うようにしていました。徐々に祖母が弱っていく中で、亡くなる最期の瞬間まで手を握っていたことを今でも覚えています。しかし、いざ実際に死が訪れると、家族や親戚たちはやれ葬儀だやれ手続きだとバタバタとしていたと記憶しています。「なんでおばあちゃんが死んじゃったという時に、みんなおばあちゃんに直接向き合うことができないんだろう」と幼心ながらに思いました。
そうしたモヤモヤした思いを抱えながら過ごしていると、東京大学のオープンコースとしてネット上に公開されていた「死生学」という授業に出会いました。死生学とは、死を捉えることで逆照射的に生を考える学問で、医学や哲学だけでなくさまざまな分野から横断的にアプローチをする比較的新しい学問です。自分が抱えているモヤモヤは、この勉強をしたら分かるかもしれない、と思い死生学を勉強し始めました。
勉強していくうちに、死がタブーという現在一般的な考え方は、実は歴史的に見ると近現代的なひとつの現象であるということが分かりました。仕事や勉強をするときは、ゴールを設定せずに走り出すよりも、きちんとゴールを見定めてから行動する方が一般的だと思います。では人生を長い目で見たときに、死という絶対的な終着点を見据えた方が、より良い人生を生きられるのではないでしょうか?そうした仮説を持ち始めてから、これをライフワークとしてやっていきたいという風に思うようになりました。
自分は性格的に、研究ばかりに没頭するのではなく、死別の現場で実際に嘆き悲しんでいる人に寄り添っている方が性に合ったので、新卒では葬儀の仕事に携わり、その後大学院に進学しなおしましたが、今はまた現場に戻るという意味でもアルゴダンザを選びました。
―現在、担当している業務の内容について教えてください。
現在は、お客様のもとへ訪問しご遺骨をお預かりする仕事のほかに、人事やマーケティング、業務のDX化などの改善業務をまとめて事業開発と位置付けて取り組んでいます。自身のこれまでの経験を活かしていく部分もあれば、未経験の分野での開拓が求められる部分もあり、日々試行錯誤しながら仕事に取り組んでいます。
いい意味でまだまだ整備されていないところもあるので、自分がやってみたいことや会社にとってやるべきだと思ったことは積極的に提案して行動するようにしています。例えば、コロナ禍を境にずっと実施できていなかった依頼者同士の交流会の復活や、SNSの積極的な運用などは提案するとすぐに「やろう」と言ってくれるので、やりがいのある職場環境です。
―今後目指したいことは何ですか?
2040年には日本の年間死亡者数は過去最多の168万人になると言われています。平均寿命が長くなっていく一方で少子化問題が激化し、死の前後をケアしてくれるはずの医療・介護従事者の方々の精神はすり減り、残されていく方々は今まで以上に辛い思いをすることになるかもしれません。
私たちアルゴダンザが目指している未来は、そうした社会においてもきちんと死別の悲しみ寄り添っていられるようなサービスを続けていくことです。そして、私はこの会社の中で自分ができることを精一杯にやり遂げたいと思っています。
これからは死がもっと身近になり、タブーではない社会になっていくと思います。そして、そのような「死について考えることでより良く生きられる社会」を作っていくための一助ができればと考えています。私自身、アルゴダンザというグリーフケア(死別の悲しみへのケア)の最前線を歩んでいる会社に身を置きながら、学問的なアプローチとしての解決策などを実践していく橋渡し的な立場で仕事を続けられたらいいなと思っています。大学院では死とデジタルに関する研究をしていたので、そうしたテックとグリーフケアをかけあわせるような新規事業もできたらいいなぁ、と思い描いています。
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