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【インタビュー】「ひとづくし」のミッションを通じて、モノづくりを支える

InterRaceのタレントアクイジションマネージャー(TA)として、大手自動車メーカーなどの採用案件に関わり、高い評価と実績を残してきた株式会社FOR ROOTS 代表取締役の野中 奨高さん。自身が経営する会社では、採用コンサルティングやRPO、ダイレクトリクルーティング支援、採用担当者向け研修など、幅広い採用サービスを提供しています。今回はこれまでのご経歴やご実績、そして自身の強みやTAとして大切にしていることなどについて伺いました。

InterRace株式会社 タレントアクイジションマネージャー
野中 奨高さん

山口大学工学部卒。大手プラントメーカーで発電プラントのエンジニアリング業務を約3年経験後、製造業特化のブティック型転職エージェントへ転職。機械、電機、化学、半導体など様々な企業の中途採用支援、マネージャーとして営業戦略や採用育成などを経験。社内での各MVPや「JAPAN HEADHUNTER AWARDS 2021」メーカー部門MVPなどを受賞。その後、より深く人事領域の課題を解決したい想いから、(株)FOR ROOTSを設立。広範囲の技術的知見や採用全般の経験を強みとしている。

異業界へのキャリアチェンジから
各社トップクラスシェアの実績、マネージャーとしても活躍

──新卒で大手プラントメーカーに入社され、その後、それまでとは全く異なる業界へ転職。どのような理由があったのでしょうか?
大学では電気電子工学を専攻し、水・環境事業に取り組む大手プラントメーカーに就職しました。主に、発電プラントの制御設計や施工管理を担当し、大人数でプラントを立ち上げるなど、機械・システムと向き合う仕事がほとんどでした。不具合など技術課題を解決し、安定稼働したときの達成感などはありましたが、次第に「これは人生をかけてやりたい仕事なのか」と思い始め、将来のキャリアを一度見つめ直そうと考えました。
 
そこから改めて自己分析を行った結果、技術をとことん追求していくよりも、相手に喜んでもらう、誰かの役に立った瞬間にやりがいを感じることに改めて気づきました。
 
実は大学時代、趣味でDJをやっていて、音楽イベントの主催を3年間マンスリーで企画運営していました。集客に苦しむ時期もありましたが、お客さんの楽しむ姿や人の繋がりの起点となるイベントづくりに面白みを感じ、熱中して取り組んでいたこともあって、無形の価値を提供することにやりがいを感じるのではと考えました。
 
また当時、経営者とのつながりもあって苦労話を聞いていたことから、企業経営に関わる領域で価値を提供できる存在になりたいという思いが次第に強くなったのが、キャリアチェンジを考えるきっかけでした。
 
──次に転職されたのは、ブティック型転職エージェントだとお聞きしています。どのようにして選ばれたのですか。
工学知識やエンジニア経験が活かせる点と、これから組織拡大や成長を目指す厳しい環境で早く成長したいと考え、製造業特化の転職エージェントを選びました。加えて、代表の「関西メーカーNo.1を目指す」というビジョンにも共感したのも一つの理由です。
 
また、庭師として造園業を営む祖父の姿を幼少期から見ていたこともあり、将来は突出した強みを持ち、独り立ちしたいという思いを漠然と抱いていました。そのためにも、ここで経験を積み、スキルを高めたいと、覚悟を持って転職を決意したのです。
 
──転職エージェントとして、どのような業務を行っていたのでしょうか。
未経験だったこともあり、はじめはリサーチャーからスタートしました。週に300件のスカウトメールを送付しながら、どんなメッセージや求人内容が求職者に響くのか、試行錯誤を繰り返していました。しんどい場面もありましたが、ターゲティングやメッセージング、求人内容の魅力化など細かい工夫が結果に繋がることを学びました。その後、企業側と求職者側を担当する両面型のコンサルタントを任されるようになりました。
 
当時の印象に残っている案件は、外資系半導体メーカーの国内拠点立ち上げに関する採用支援でした。とにかく会社のことを徹底的に調べ、様々な現場部門の方と接点をとり、企業理解やポジション理解に努めました。すると、競合優位となる技術やマーケットシェアを持っており、営業利益率やROE(自己資本利益率)の高さ、外資ならではの制度面など、働く人にとって魅力となる要素がたくさんあったのです。
 
その情報をもとに、求職者へピンポイントでスカウトを行い、社内のキャリアアドバイザーには何度も広報活動を行い、企業の認知度を上げることに専念しました。このように社内外に向けて、丁寧かつ地道に魅力ある情報を発信し、採用支援を行った結果、お客さまが取引しているエージェントの中でトップの成績を上げることができたのです。それによって社内でも評価してもらい、そこから徐々に大手企業を任せてもらうようになりました。
 
引き継いだ企業もそれまでと同様に地道な取り組みを積み重ね、高い確率で内定に繋げられるようになりました。社内でも「野中の担当案件は情報量・精度が高く、通過率も高いので自信をもって候補者に伝えられる」といったブランディングを確立することができ、他の担当企業でも高い成果に繋げることができました。
 
入社3年目からリーダーを任されると、徐々に受け持つメンバーも増えていき、5年目には、営業マネージャーに昇進。事業計画や営業戦略企画、採用・育成など、経営視点での組織づくりにも携わりました。
 

一段踏み込んだ採用支援が独立を考える契機に

──印象に残っている案件を教えてください。
とある大手化学メーカーへの一段踏み込んだ採用支援を行ったことです。通常、人材紹介会社はお客さまから求人情報をいただき、求める要件に適した方をご紹介するのがメイン業務となります。当時、エージェントの中でトップの採用支援実績を残したことをキッカケに、採用責任者から難易度の高い案件のヒアリングと求人票の作成、採用実現まで一気通貫でお願いしたいとご指名をいただきました。地方採用やニッチな職種の求人が多かったのですが、現場部門の採用要望を基に、候補者がどれくらい存在するか、競合となる求人募集がどれくらいあるかを調べあげ、適切な求人要件を設定。競合他社と比較したやりがい・魅力を丁寧に求人票へ落とし込みました。その結果、母集団形成に苦労していたポジションでもご縁に繋がり、現場部門や採用責任者から感謝の声をいただくことができました。その過程では、どのような組織課題があるのか、なぜ外部採用しないといけないかなど、大枠から繋がりや背景を確認することで、外部採用だけでない課題解決に向けたアプローチがあることも知りました。
 
──2021年に株式会社FOR ROOTSを設立されていますが、どのような背景だったのでしょうか?
前職では多くの経験を積ませてもらい、仲間にも恵まれ、充実した日々を過ごしていました。一方で、さらに企業へ深く関わりながら、採用や組織課題の解決に向けて貢献したい、対応できる幅を広げたいと思うようになりました。
事業会社人事やコンサルファームの道も考えましたが、これまで培ってきた採用経験を軸として、採用戦略企画や新卒採用、エグゼクティブ採用などを経験することで、オールラウンドに手掛けられるようになりたいと思い、独立を決意しました。
 

製造業の採用経験を強みに、
高速でPDCAを回して成果につなげる

──現在は主にどういう業務を行っているのですか。
製造業のお客さまの採用戦略・個別施策の企画実施、採用プロセス改善、ダイレクトリクルーティング支援などを行っています。また、お客さまの採用チームの一人のメンバーとして採用企画実施や現場部門との調整、エージェントとの連携など一貫した業務を担うプロジェクトにも携わっています。
 
自身の強みは、メーカー勤務経験や技術的な知見があることと、採用市場を把握していること。これまで幅広い職種の求人票を書き、多数の求職者と面談した経験から、市場のリアルを把握した上で、お客様のニーズに応じた課題解決や最適な提案を行えると考えています。
 
──独立されて、心境の変化などはありましたか。
責任の度合いを大きく感じるようになりました。改善を繰り返し、いかにアウトプットするかという意識が格段に高まったと思います。採用活動では、データ分析により課題を仮説立てし、対策・検証するプロセスを高速でやらないと、同じアプローチだけでは結果につながりません。お客さまの期待を超える成果を出すためにも、真剣に尽くす心をもって伴走しています。
 

細部にこだわり、
原理原則を意識して取り組むこと

──いま大切にされていることはどんなことですか。
大きく2つあります。
1つ目は「細部にこだわること」です。ビジネス上の相手からの問いに対して、「そこまでは~ない」という言葉を使うことがあるかと思います。私も前職時代に「そこまでは把握できていない」等の回答をする場面がありましたが、それは自身の責任範囲外または、できないと言っているようなものだと師匠の教えから気づきました。採用活動のあらゆるプロセスでは、1つの意識や行動、工夫が欠けると結果に繋がらないことが多くあります。成果に繋げるためにも、プロとして細部にこだわることを意識して取り組んでいます。
 
2つ目は「原理原則で物事を考えること」です。普段、採用担当者や求職者へアドバイスや提案などをする場面があります。そうした際に、思い込みでの判断とならないよう、データや事象から本質を捉え、道理にそった判断・アプローチを行うよう意識しています。例えば、企業の採用活動において、選考中辞退や内定辞退が増えているという課題があった時に、プロセスデータ分析や選考フェーズ毎の対応方法などを要素分解し、背景や事実を把握します。絡み合う要因を紐解き、企業のカルチャーやルールを踏まえ、原理原則に沿った対応をしていくことで解決に繋がると考えています。
 
──最後に、野中さんの今後の展望をお聞かせください。
私は「ひとづくし」というミッションを持っています。それは、日頃やり取りをする人事担当者や経営層、現場部門、求職者など目の前の「人に尽くす」そして「組織成長に尽くす」ということです。それに加え、日本の製造業の成長に貢献したい想いもあり、「ものづくり」を掛けています。労働人口の減少が叫ばれる中、ひとりひとりが活き活きとパフォーマンスを発揮し、組織力や生産性を高めることが必要不可欠です。「ひとづくし」というミッションを通じて、組織の活性化や企業の成長に貢献したいと考えています。


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