創業1945年。80年の歴史を持つ調理道具の老舗商社「岸保産業」がいま、大きな変革期を迎えています。
その心臓部である「購買課」を率いるのは、常務取締役の滝川さん。
年間数十億円という膨大な「お金」の管理を担い、4万点の在庫をコントロールする経営の要です。
「購買は、お金を産むことも減らすこともできる仕事」。 老舗の看板に甘んじず、攻めの姿勢を崩さない滝川常務が、あえて若手に大きな裁量を委ねる理由、そして求める「誠実さ」の先にある姿とは。
(聞き手:インターン生 篠田)
目次
2. データと現場の「双方」で、商機を逃さない
4. 「さん」付け文化の真意。「みんなで考える」組織へ
5. 「謙虚さ」が個人の、そして会社の成長を創る
1. 購買は「お金」を預かる経営の要。
――まず、購買課のミッションについて伺わせてください。会社全体の中で、購買課が果たしている役割をどのように定義されていますか?
滝川: 私はよくメンバーに「商品を『お金』だと思ってほしい」と伝えています。物販において、仕入れとは会社の大切なお金を預かっている状態そのもの。そのお金をどれだけ効率よく動かして利益を産むか、あるいは無駄な在庫として減らしてしまうか。「お金を産むのも減らすのも購買課の仕事」なんです。
――「お金の管理」が購買の本質である、と。
滝川: そうです。岸保産業はメーカーではないので、外から「買ってくる」機能が止まれば商売が成り立ちません。数万点を超える商材を抱え、外部環境が激変する中で、常に先を読みながら経営資源をコントロールする、非常にやりがいに満ちた部署です。
2. データと現場の「双方」で、商機を逃さない
――具体的な業務についても伺わせてください。過去のデータから需要を予測するだけでなく、営業部との連携も非常に密だそうですね。
滝川: はい。「売れ行きが止まった商品」があれば、一覧にしてすぐに営業部へ共有します。「他社に切り替わっていないか」「メニュー改定で使われなくなったのか」など、データの変化から現場の異変を察知し、先手を打つのも私たちの役割です。
――仕入先メーカー様との交渉において、大切にしている「誠実さ」とは何でしょうか?
滝川: 私たちは「カタログ掲載期間中は価格を変えない」というポリシーを大切にしています。業界全体をスマートに、魅力的にしていくために、まずは私たちがその手間(確認工数)を引き受ける。この姿勢こそが、長年の信頼関係を支えています。
3. 「任せる」とは「放置」ではない。若手の感性を信じる理由
――常務という立場から見て、若手にはどの程度の権限を預けているのでしょうか?
滝川: 具体的な金額の制限はあえて明示していません。意欲があれば、入社1年目でもカタログ制作や、展示会での商品選定など、重要なプロジェクトをどんどん任せています。
――在庫リスクがある中で、思い切って任せられるのはなぜですか?
滝川: 若手の良さは、業界の常識に縛られない「先入観のなさ」です。ただし、「任せる=報告しなくていい」ではありません。適切な「報連相」を積み重ねる。その信頼関係があるからこそ、大胆な挑戦を後押しできるんです。もし失敗しても、次の一手を一緒に考えればいい。失敗を個人の責任にせず、仕組みで巻き返すのが私の仕事ですから。
4. 「さん」付け文化の真意。「みんなで考える」組織へ
――岸保産業には役職ではなく「さん」付けで呼び合う文化がありますが、滝川常務はこの文化をどう捉えていますか?
滝川: 目的は「みんなで考えたい」という一点に尽きます。「常務、どうしましょう?」と答えを待つのではなく、「滝川さん、こうしたいのですがどう思いますか?」と当事者として発言してほしい。役職の壁を取り払い、若手が「なんで?」と純粋な疑問をぶつけてくれる環境こそが、組織を強くします。全員が「当事者」として目標に向かう、強豪スポーツチームのような組織が理想ですね。
5. 「謙虚さ」が個人の、そして会社の成長を創る
――最後に、これから応募を考えている方へメッセージをお願いします。
滝川: 私たちが求めているのは、何より「謙虚」な方です。謙虚さがなければ成長は止まってしまいます。自分の至らなさに気づき、学び続ける姿勢こそが、自分自身と会社を成長させる唯一の道です。
――「卒業」という言葉も印象的でした。
滝川: 会社を離れる際、不満で辞める「離職」ではなく、ここで全ての過程をやり遂げて次へ進む「卒業」と言えるような、密度の濃い時間を過ごしてほしい。岸保産業は今、歴史ある基盤を武器に、大きな変革に挑んでいます。自分の手で食の未来を創りたい、成長したいという情熱を持つ方。私たちが全力でバックアップします。
編集後記 常務取締役という重責にありながら、「まずは私たちが手間を引き受ける」「失敗の責任は自分が取る」と語る滝川さんの姿勢に、岸保産業が80年続いてきた理由を見た気がしました。 購買課は、単なる事務作業の部署ではなく、経営の根幹である「お金」を動かし、食の現場を支えるダイナミックな場所。 「伝統」をリスペクトしつつ、自らの手で「新しいスタンダード」を創りたい方にとって、滝川常務のそばで働く経験は、一生の財産になるはずです。
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