「あ、この人、今日息してないな(笑)」 挨拶を交わすだけで、相手の体調や状況まで察知してしまう。 2課のフロントメンバー、西岡香菜の「観察眼」は、もはや“センサー”だ。
彼女自身は、その能力を「嗅覚」だと言う。 みんなと同じものを見ていても、彼女の“フィルター”だけが、人の心の機微や、組織の小さな“歪み”を敏感に嗅ぎ分ける。
「ベストサポート賞」を受賞した彼女の、並外れた「気づく力」と、そのエネルギーの源泉とは。
ーフロントメンバーとして、西岡さんが考える『最高の成果』とは何でしょうか?
私にとっての『最高の成果』は、クライアントや人事の方々はもとより、その先にいらっしゃる“受講者”の方々から、直接『良かった』という生の声が聞けた瞬間です。
私は、対面研修でオブザーブに入り、受講者の皆さんとグループワークに混じって話をしている時が、この仕事で一番好きなんです。
なぜなら、私は良くも悪くも『いろんなことが気になってしまう』タイプだから。学生時代から、『あの方は困っているかも』『この人は浮いているかも』と、常に全体の空気を見てしまう。その“観察眼”こそが、私の武器だと思っています。
だから、リーダーとして前線で引っ張るより、周りが見える強みを活かして、リーダーや仲間を繋ぐ『サブリーダー』的なポジションが、一番力を発揮できる。その調整力は、今の仕事の成果に直結していると感じています。
ー『2025ベストサポート賞』受賞、おめでとうございます。この『卓越した貢献』に繋がった、ご自身の強みは何だとお考えですか?
ありがとうございます。前期は、バランスを取るためにも、『ザ・営業』というよりは、営業メンバーが物理的に手を付けられていない“隙間”を、積極的に埋めていくことを意識していました。
組織が大きくなる今、みんなが見えているけれど後回しになっている課題や、そもそも見えていないけれど放置するとマズい課題が、たくさんあると感じています。私は、そういう部分にいち早く着手し、整備していく役割を担いたい。
よく言えば『多才』、悪く言えば『器用貧乏』ですが(笑)、その“器用貧乏さ”こそが、今の私の強みになっていると、ポジティブに捉えています。
ーその鋭い『観察眼』は、お客様との信頼構築にどう繋がっていますか?
『変化』には、比較的気づきやすい方だと思います。商談の場で、『ちょっと切羽詰まってるな』という空気はもちろん、『髪切りましたね』『いつもとオフィス違いますね』といった小さな変化から会話が始まることも多いですね。
ありがたいことに、お客様と友達のように手を叩いて笑いながら商談したり、『風邪大丈夫でした?』とプライベートな会話をしたりする中で、可愛がっていただくことも多いです。
ただ、これは感覚だけではなく、徹底した“記録”に基づいています。私、実はすごく忘れっぽいので、自分を信用していないんです(笑)。だから、前職の個人営業時代から、お客様との会話やご家族の話まで、すべてメモに残すようにしています。2年ぶりのお客様でも、『以前こうでしたよね』とお伝えすると、『覚えててくれたんだ!』と驚かれ、それが信頼に繋がる。
言われたことを期日より前にやるのは、最低限。そこに『プラスα』を乗せてこそ、本物の信頼関係が始まると信じています。
ー佐藤達朗課長と強力なタッグを組まれていますが、お二人ならではの連携の秘訣は?
達朗さんは、私とは全く違う、まさに『天才肌』のプレイヤーです。お客様との距離の詰め方、巻き込み力、コネクション、どれもピカイチ。
ただ、ご本人も認めていますが、管理や事前準備、期限といった部分は、驚くほど“網目が粗い”(笑)。達朗さんが、その巨大な才能の網で、大きな獲物をすくうことに集中できるよう、私はその“粗い網目”からこぼれ落ちるもの全てを拾う。それが私の役割です。
本番の手前までのタスク管理、進捗確認、アジェンダ作成は私が全て巻き取り、当日の“本番”は達朗さんが輝く。それが、私たち2課の成果を『3』にも『4』にもする、最強の形だと思っています。
ー日頃『社員全員とコミュニケーションを取っている』と見えています。そのエネルギーは、どうミッションに活きていますか?
あれはもう、純粋に私が『しゃべりたい』だけなんです(笑)。在宅勤務が続くと、発狂しそうになるので。私にとって、出社して皆さんと話すことは、心の健康を保つための大切なルーティンなんです。
でも、その結果として、相談のハードルが圧倒的に下がりました。わからないことがあれば、チャットを打つより先に、まず電話をかけてしまう。普段から繋がっていれば、『あの人のためなら』と、お互いに気持ちよく助け合える。それは確かにあるかもしれません。
そして、『挨拶』は私にとって“基本のき”よりも前にあるもの。コーチングを学んで、挨拶が『存在承認』だと知った時、その大切さを再認識しました。挨拶を交わす瞬間に、『あ、今日この人、息してないな(笑)』とか『余裕ありそうだな』とか、その人の体調や状況がわかる。私にとって、皆さんの状態を知るための、大切なセンサーでもあるんです。
ーそのセンサーの鋭敏さを『五感』で表現するとしたら?
『嗅覚』ですね。もちろん情報は“視覚”から入るのですが、みんなと同じものを見ていても、私の認知の“フィルター”が細かいんだと思います。いろんなことに気づきすぎて、引っかかりすぎて、疲れちゃう時もあるくらい。
だから、意識的にスイッチをオフにする時間も必要です。私は『ぐるぐる思考型』で、常に何かを考えてしまうので、本気で現実逃避したい時は、非現実的な学園ラブコメとかを観ます(笑)。『そんなわけないだろ!』ってツッコミを入れながら、頭を空っぽにするんです。
ー西岡さんが描く、これからの“野望”を教えてください。
組織が大きくなる今、今までの体制では耐えられない課題が必ず出てきます。私は、その制度や文化を整備していく役割を担いたい。特に、皆さんの『もったいない時間』を減らしたいんです。
私は『0→1』を生み出すより、『1を2とか3にする』方が得意。だから、散らばっている資料を探す時間や、非効率な工数をスリム化し、あるものを“より良いもの”に変えていきたい。
道具に例えるなら、『カンナ(鉋)』でしょうか。デコボコした表面を、一筋縄ではいかないかもしれませんが、丁寧に磨き上げ、滑らかに整えていく。そんな仕事が、私には向いていると思っています。
ー最後に、未来の仲間へ。“チームで働くこと”の本当の魅力を教えてください。
『なぜ、一人ではなく組織で働くのか』を、ぜひ考えてみてほしいです。 私の答えは、『補完できるから』です。
メンバーそれぞれが持つ、素晴らしい長所と、どうしようもない短所。それが上手く合わされば、一人では絶対に届かない場所に、チームなら手が届く。
この会社には、個の成長を前提としながらも、それぞれの強みを活かし合い、弱みを補い合おうとする風土があります。それは、単なる“仲良しごっこ”ではありません。
一緒に働く『意義』を見出せる、そんなあなたと出会えることを楽しみにしています!