はじめに
「データを活用する」と聞くと、専門的な分析手法や高度なアルゴリズムを思い浮かべる方が多いかもしれません。でも本当に大切なのは、その前段階の、自分自身の経験から得られる“相場観”や“感覚的な気づき”を、日々積み上げることだと感じています。
この記事は、代表の深野が社内MTGの際に話したことを文章化したものです。
深野自身が業務の中で実感した「抽象化力」の育て方や、「データ分析」をどう捉えるべきか、そして「再現性のある改善」のために日々実践していることについてお話します。
「やったことないこと」をやってみると、抽象化力が伸びる
マルチタスクは脳が溶けるので本当におすすめしませんが、でも、「やったことないこと」をあえて経験してみると、思わぬ力がつくことに最近気づきまして、それは「抽象化力」というものです。抽象化と言うのは、帰納法的なことだと思ってて、いろいろな体験から共通する構造や法則を見出すことですね。
AもBもやってみる。で、CもやってみてさらにDもやってみる。
いろいろ試すと、成功・失敗の要因に共通点があると気づくようになります。そこから「うまくいく条件」や「避けるべきパターン」を抽出して言葉やルールにできたら抽象化完了です。
分析とは、「線」を見つけること
「データを活用しよう」と言うとき、「分析」という言葉がよく出てきます。「分析」という言葉、つまりは「分かつ」ことなんですよね。
何かを分析するというのは、「良い」と「悪い」とか何か境界線を見つけること。その線=ルールを見つけることで、再現性のある知見が得られます。そして、それが確かであればあるほど、誰かに予測を任せても似たような判断ができるようになる。ここでようやく、機械学習やモデル化といった次のステップが見えくるようになります。
難しいアルゴリズムよりも、「相場観」が先
けれど「分析=難しいこと」だと考えてしまうと、解釈に時間がかかります。なので、まずは自分自身の中に「相場観」を持つことが大事かなと思います。
たとえばの話ですが、ランチの値段が「1000円」だったら高いと思いますか?それとも安いと思いますか?
おそらく、北米で仕事をしている人からしたら「ランチが1000円なんて安すぎる!」と思うだろうし、日本でも地方でお仕事をしている人からすると、「600円でお得に食べられるランチがあるから、高い!」と思うでしょう。一方、都心部で働いている人からすれば、「最近、お米の高騰もあって、ランチは1200円から1400円に値上がっていたよ…だから安いほうかな。」と思うはずです。
つまり、数値を見て「良いか悪いか」を判断するときに、誰もが無意識に「基準」や「相場」をもとに判断しているのです。
これが仕事にも同じように考えられていて、自分の業務に相場観がなければ、自分たちの仕事の成果が良いのか悪いのかもわからない。つまり、何を改善すべきかが見えてこないんです。
自分を振り返る「習慣」を持つ
では、その相場観をどうやって養うか?
ひとつは、毎日の振り返り。日記や日報でもいいので、「今日はどんな一日だったか」「うまくいったことは何か」「うまくいかなかったことは何か」を書き出す。これを習慣化するだけで、定性的な気づきが増えていきます。
そしてもうひとつは、定量的な視点。毎日数字を見る習慣をつける。マーケティングであれ、ビズデブであれ、数値の変化を日常的にチェックすることで、数字に強くなり、打ち手の精度も上がっていきます。
抽象化×分析=再現性のある成長戦略
抽象化する力と、分析する力。この2つが掛け合わさると、ただの経験が「学び」になり、「再現性のある戦略」へと昇華されていきます。
業務の現場では、感覚や経験だけでなく、データと向き合う姿勢が求められます。そのとき大事なのは、いきなりAIやアルゴリズムに頼ることではなく、自分なりの解釈と判断軸を持つことです。
毎日の経験を言語化し、数字を自分のものとして見る。そんな日々の積み重ねが、確かな成長をもたらしてくれると感じています。
さいごに
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