このストーリーは、CEO深野が開発チームとの会話から感じたことを言語化したものです。
目次
「データ」は文化か?資本か?
なぜ、日本ではソフトウェアで勝ちにくいのか?
挑戦が回る組織には、「資本で文化を育てる」仕組みがある
文化の違いを知り、開発スタイルを考える
こんな問いを面白がれる人と、一緒に働きたい
「データ」は文化か?資本か?
「データに関わる仕事をしていると、つくづく思います。これはテクノロジーの話ではなく、「文化」と「資本」のゲームなんだなと。」
たとえば日本が漫画やアニメに強いのは、それが“文化”として根づいているからです。誰かが制度設計したというより、生活や教育、趣味や遊びの中で自然と育まれてきた。それがそのまま、他国には真似できない蓄積と厚みになっている。料理も同じ。長年にわたって蓄積されたナレッジが、そのまま他国では越えられない壁になっていく。
そう考えると、米国がなぜこれだけソフトウェアに強いのかも見えてきます。あちらでは「ソフトウェアで事業をつくること」が文化になっている。だからスピード感がものすごい。トライアンドエラーが当たり前の土壌があって、そこに資本がしっかり乗っているんですよね。
なぜ、日本ではソフトウェアで勝ちにくいのか?
アメリカでは、「ソフトウェアで事業をつくること」が文化として根づいています。
だから、作っては壊し、直しては試す——そんなトライアンドエラーが当たり前。失敗を恐れない土壌があり、そこに資本がしっかり乗っているからこそ、あのスピード感と打率の高さが生まれているのだと思います。
一方の日本では、ソフトウェア単体で価値を出し続けることが、まだ「文化」にはなりきれていないと感じることがあります。もちろん、素晴らしいプロダクトはたくさんあります。けれど、プロダクトそのものよりも、“人”や“関係性”に価値が乗る場面も多い。
だからこそ、開発しても販売は代理店任せにしたり、パートナー頼みの構造が多くなる。仕組みそのものよりも、誰が言ったか、どことつながっているかが意思決定を左右する。
もちろん米国企業でもパートナー販売はありますが、文化の根底にあるスピード感やトライアルの量が違うと感じます。これが良い悪いではなく、文化の構造が違うということ。
そこを見ずに「なぜスピードが出ないのか」と悩んでも、本質には辿り着けません。
挑戦が回る組織には、「資本で文化を育てる」仕組みがある
ここで、もうひとつの視点が「資本」です。資金があれば、その分たくさんのチャレンジができる。つまり、失敗も織り込んで行動量を増やすことができるから、結果的に成功確率も上がっていく。この“試行回数を支える仕組み”こそが、資本の持つ意味だと感じています。
事業開発において「競合を見て差別化を図ろう」とするのはよくある考え方ですが、それだけでは本質的な文化の壁を越えるのは難しい。文化としてソフトウェアやデータ活用が根づいている国と、そうでない国とでは、根本の前提が違うわけです。
文化の違いを知り、開発スタイルを考える
以前、中学時代の同級生(いまは医師)と話していて、こんな話が出ました。
米国の研究開発は「これだ!」と思った分野にドンと資金を投下して、一か八かで突き抜ける。一方、ヨーロッパはリスクを分散して着実に前進するやり方が多い。
この話を聞いてから、自分自身の開発スタイルや組織づくりのあり方についてもよく考えるようになりました。競合を見て、「誰もやっていないことをやろう」と意気込むのではなく、失敗しにくいアプローチをいくつか並行して走らせていく。そうすることで、着実に価値を届けることができるのではないかと。
図解してみると、自社が入り込める余白って、言葉にしなくても自然と浮かび上がってくるんですよね。文化の構造と資本の構造。この2つの地図を俯瞰しながら、私たちはどこで戦うべきか。そんな視点を持ちながら、日々プロダクトづくりに向き合っています。
こんな問いを面白がれる人と、一緒に働きたい
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
もし、こうした視点や問いに少しでも「面白いな」と感じてもらえたなら、私たちのチームにフィットする可能性が高いかもしれません。
私たちは、文化の構造を読み解きながら、資本の使い方も設計し、地に足のついた挑戦を積み重ねています。採用ページに載っている職種以外でも、未来の仲間を探しています。
ご興味を持っていただけた方は、ぜひ気軽に声をかけてください。