株式会社Another works代表の大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しており、現在、2,000社、47都道府県200自治体、約10万人の皆様にご利用いただいています。
複業は誰もが挑戦できる働き方の選択肢の1つです。これまでのキャリアで培ったスキルを活かすもよし、新たにスキルを身につけてチャレンジすることもできるでしょう。
中でも今回は、”地方複業”にフォーカスし、意外と知られていない地方複業の魅力や今求められているスキルについてまとめていきます。
地方複業ってぶっちゃけ稼げる?
まず最初に「地方自治体での複業は稼げない…」と思っている方が多いのではないでしょうか。複業においてはキャリアアップ・スキルアップ・やりがいなど様々な目的がありますが、多くが金銭報酬を目的としています。
そこで注目が集まるのが単価です。確かに、都市部に比べて地方の案件は単価が控えめなケースが多いのは事実です。ただし、地方複業の価値は短期的な報酬額だけでは測れません。
むしろ、地域に寄り添い、信頼を積み重ねる中で、長く関わり続けられる関係性が生まれ、その延長線上で安定した収入に繋がるケースが非常に多いのが特徴です。
そもそも地方の企業や自治体では「はじめて複業で仕事を依頼する」ケースも多くあります。そのため、まずは無理のない価格で誠実に向き合い、実績と信頼を積み上げていくことが大切です。最初から金額にこだわるのではなく、一緒に取り組む中で価値を届け、その結果として評価が上がっていく、そんな流れを意識することで、地方案件は大きな可能性を持つ選択肢になります。
地方で“今、本当に必要とされている”スキルは?
地方で求められるハードスキルとして多いのは、クリエイティブ制作、Webマーケティング、動画制作、SNS運用などです。都心部ではできる人が多い職種でも、地方では圧倒的に少なく、希少価値が高いのです。
「ハイスキルを持つあなたが複業で関わってくれるの?」と驚かれることも少なくありません。これは都市部と地方の認識ギャップでもあります。
さらに地方に限ることではありませんが、ソフトスキルも非常に重視されています。例えば「約束を守る」「きちんと挨拶をする」「打ち合わせに遅れない」といった、ビジネスパーソンとして当たり前の行動ができているかどうか。意外とこれが難しく、実践できていない人も少なくありません。つまり、ハードスキルだけを持っていては信頼は獲得できません。「親身になってくれるか」が信頼を得るポイントだと感じます。
都心部の人材を募集する地方副業案件は年々増加傾向にあります。今後増える案件に対して、いかに選ばれる人材になれるかが鍵となるでしょう。
地方で働くことの“やりがい・価値”とは?
実は地方案件には、「before・after」を作りやすいという特長があります。前述のとおり、初めて複業採用をするケースやゼロからプロジェクトがスタートするケースが多いためです。
たとえば「1ヶ月で〇〇件の書類をDX化し、業務時間を○%削減した」というように成果が数字で見えやすくなります。つまり、初めての複業や実績が少ない段階においては非常に魅力的なポートフォリオを獲得することができるでしょう。
また、複業として行政案件に携わることは、信頼を得るための実績作りにもなります。行政からお墨付きをもらうことは何よりの信頼の証です。最初はボランティアでも構いません。半年でもしっかり関われば、その後どんな企業でも評価してもらえるはずです。
最後に
地方には、まだまだ価値を届けられる場所があります。そこには、金銭的な報酬はもちろん自分自身の成長や社会への貢献という“やりがい”が確かにあります。
そして、複業においてはスキルはもちろん必要ですが、「想いを伝える」「相手に寄り添う」という姿勢が最終的に選ばれる要素になります。これからの時代、AIに置き換えられない存在になるためには、能動的に行動し、ソフトスキルを磨くことが欠かせません。