NEWONE設立時から働く伊藤 律子。NEWONEのサービスをより広めていく要になるマーケティング担当として、実践している工夫や抱いている想いについて話を聞きました。
NEWONEのサービスに触れてもらうきっかけをつくる。積み上げたノウハウと工夫
──これまでのキャリアと今の業務内容について教えてください。
これまで医療業界や教育業界を経て、NEWONEの前身となる組織・人材開発の会社で働いていました。当初は営業事務を担当しており、販売促進の業務が中心でした。そこから体制変更にしたがってマーケティングが主な担当業務となっていきました。
NEWONEでは創業時からマーケティング担当として勤めており、NEWONEのサービスを紹介するため、セミナーの企画運営やメールマガジンの配信、NEWONEホームページのコンテンツ企画作成などの施策を行っています。
──幅広く業務を担当されていますね。順番にお話を伺いたいのですが、セミナーはどのようなものを開催されているんでしょうか?
NEWONEが提供している組織・人材開発について詳しく知ってもらえることを目的としたセミナーを開催しています。セミナーはほとんどが60〜90分の長さで、耳だけ参加もOKな聴講型と、NEWONEのサービスを体験できる参加型などを用意し、毎月10回以上開催しています。
セミナーには、社内メンバーがファシリテーターとして登壇したり、当社の顧問やお世話になっている企業さまとともに開催したりするので、NEWONEのサービスや組織・人材開発のトレンド情報を深く知っていただける機会を提供しています。
──週2回以上と、高い頻度でセミナーを実施しているんですね。
セミナーの開催形式はオンラインが大半で、興味を持ってくださった方が参加しやすいように、曜日や時間帯を変えながら開催しているので、自然と開催頻度が上がっています。オンライン形式だと全国から参加できるため、1回の開催で約40人の方が参加されることも珍しくありません。
参加者のみなさまからいただいたフィードバックを反映して企画運営を行っているので、ノウハウはだいぶ積み上げられました。
──セミナーの周知はどのようにされているんですか?
Webサイトや公式SNSのほか、メールマガジンでもお知らせしています。メールマガジンはセミナーの告知やお知らせなど月15~18本ほど配信しています。最初の頃は配信本文も私が書いていましたが、本数が多くなるとなかなか厳しくなってきて。
次第にセミナーの登壇者に告知内容も書いてもらうようにして、私が発信する流れへと仕組み化しました。ほぼ毎日配信するペースだからこそ、さまざまな工夫を取り入れています。
お客さまの課題に沿ってアプローチ。カスタマイズでつくる研修の強み
──そのほかマーケティングの施策について工夫していることはありますか?
お客さまから新規の問い合わせが増えるよう、Webサイトづくりを工夫しています。たとえば、NEWONEのサービス紹介ページでは、研修サービスに関する資料をダウンロードできるようにして、サービス導入事例のページも充実させています。
NEWONEの研修サービスは、お客さまの課題に沿ってカスタマイズしているので、サービスの数も尽きません。その分、紹介ページもどんどん増やしています。
──NEWONEの研修サービスがいかに充実しているかが伺えますが、今のマーケティング施策は設立時から続けてきたのですか?
実は、今ほど詳細にNEWONEの研修サービスをWebサイトで紹介するようになったのは、2023年7月にWebサイトの改定を行ってからです。それ以前のサービス紹介は概要に留めており、ダウンロード資料のページは用意していませんでした。
というのも、サービス詳細をWebサイトで公開することによって多くの方からの認知を得られる一方で、一種の「ネタバレ」になってしまうことをリスクだとも考えていて、結果として問い合わせにつながるのか確信が持てなかったんです。
そのため、設立当初はサービス概要を掲載するのみで、具体的なサービス内容の公開までなかなか踏み出せなかったのが実情です。
──たしかに、シェフが秘伝のレシピを公開するように、真似されたり自作されたりするリスクもありますよね。方針を変えたのは、何かきっかけがあったんでしょうか?
当時、WebサイトのPV数に反してお客さまからの問い合わせ数が増えないことを課題として捉え、改善を試みたのがきっかけでした。課題を抱えていた当時もWebサイトのPV数はあったため、組織・人材開発に課題を感じている、あるいは解決策を模索している方々がいることはわかっていました。
それに対して、問い合わせ数はPV数に比例していなかったため、Webサイトを改善する必要があることは明らかでした。そこで、懸念していたリスクをおそれる以上に、サービス内容をより詳しく伝えられる仕様にすることが優先事項だと社内の意見が一致し、Webサイトのリニューアルに取り組み始めたんです。
──Webサイトのリニューアル前後で何か変化はありましたか?
まず、リニューアル時にPDF資料をダウンロードできる仕様を追加したことでWebサイトのPV数、問い合わせ数以外にも資料ダウンロード数の指標が生まれました。資料は想定以上にダウンロード数が伸び、NEWONEのサービスに対する関心の高さが可視化されました。
また、Webサイトリニューアル後、お客さまからの問い合わせ数も着実に増えました。以前は月の平均が5〜6件だったのに対し、今では8〜10件。直近では新年度の研修に向けて月13件ものお問い合わせをいただいています。
さらに、もうひとつ明らかになったのは、懸念していたリスクの影響は心配していたほど大きくなかった点です。NEWONEのサービスはお客さまの課題に応じてカスタマイズしていくので、NEWONEだからこそ提供できる価値にもあらためて気づくことができました。
スピード感をもってバトンをつなぐ。共創する価値を、お客さまへ届ける。
──Webサイトといえば、NEWONEで働く人たちの顔が見える「メンバー紹介」のページが印象に残っています。
メンバー紹介のページは、創業時にWebサイトを立ち上げた段階で作成を決めました。NEWONEは「人」を支援する会社なので、どんな人がNEWONEにいるかお客さまが見られるようにしておくことが安心と信頼につながると考えたためです。
また、NEWONEの魅力は「人」だと思っているので、その強みを大きく前面に出そうという意図もありました。
──NEWONEで働く「人」の魅力とは、どういうところにあると思いますか?
NEWONEは「一人ひとりの可能性を切り拓き、自分らしく生きる社会を作る」というミッションを掲げていて、これに共感しているメンバーが揃っています。NEWONEは、どのメンバーも人の可能性を信じていますし、それを探求し続ける会社だと思っています。
NEWONE創業から会社の体制や規模、メンバーに変化はあっても、このミッションに対する姿勢はずっと変わっていません。そんなところが魅力であり、推しポイントです。私も、人の可能性と成長に興味があり、自身も常に進化していきたい気持ちで業務に臨んでいます。
──そのような組織の中で、伊藤さんはどのような瞬間にやりがいを感じますか?
NEWONEのメンバーへバトンをつないでいく瞬間です。お客さまから問い合わせをいただいてからサービスを提供できるまで、NEWONEのさまざまなメンバーが携わっています。私ひとりではなく、メンバーとNEWONEの価値を共創していく工程で充実感を得られるんです。
マーケティングチーム内ではそれぞれの強みを活かせる役割分担をしており、チームを超えて仕事をつないでいく時は、スピード感も大事にしています。
──お客さまへ届けるサービスを、メンバーと一緒に創り上げる実感をお持ちなんですね。
私はホームページに掲載する導入事例のインタビューで、NEWONEのサービスをご利用になったお客さまの話を直接伺う機会があるので、その価値を実感しやすい環境に恵まれています。お客さまが抱える課題や大切にされている想いに対して、NEWONEのサービスがどのように役に立ったか、どのような価値を感じていただけたか、さまざまなエピソードを伺えるんです。
そのたびにNEWONEの価値を感じられますし、この価値をもっと広げていきたい気持ちにつながっていきます。
ひたむきな「継続」で結果を出し、NEWONEの価値を広める。
──これまでのマーケティング業務で印象に残っているエピソードはありますか?
掲げていた大きな目標を達成できたエピソードが今でも心に残っています。NEWONEは、2020年から毎年「エンゲージメントサミット」というイベントを開催していて、2021年はこのイベントで集客数の目標を1,000人に設定していました。
著名な方にご登壇いただいた影響ももちろん大きかったですし、NEWONEだけの取り組みではなくパートナー企業のみなさまからの協力を得ながら、あらゆる集客施策を行って1,000人という大きな数字につながったと思っています。
とくに、パートナー企業は人事のポータルメディアで業界をよく知る会社だったので、そんな企業の方が「1,000人達成はすごいですよ」と一緒に喜んでくださったのも忘れられません。
「数」の目標を達成した経験ができた今は、イベントの内容をますます充実させる「質」を追求する視座も得られたので、自分にとっては大きな経験でした。
──大きな目標を達成された経験もお持ちの伊藤さんから見て、マーケティングの「秘訣」は何でしょうか?
いちばん大切なことは「継続」だと思います。マーケティングは一見して華やかそうな響きがあるかもしれませんが、実は泥臭くて地道な作業の連続です。今でこそ研修サービスの実例も増えてきていますが、NEWONEの設立当初は手探り状態からのスタートで苦戦続きでした。
マーケティングの理論やフレームワーク、ツールはたくさんありますが、どれも続けなくては結果につながりません。結果が出るまでにも時間がかかり、実行している施策が正しいのかどうかもわからない状況がほとんどです。それでも、とにかく手を止めず、ひたすら進んでいくことが大事だと考えています。
──どんな施策も一朝一夕ではないんですね。たくさんの選択肢があるマーケティング施策を、NEWONEではどうやって決めているんでしょうか?
NEWONEのマーケティングチームには、プロのマーケターが1人、HRパートナーが1人、YouTubeの動画作成を担当している業務委託の方が1人、チームリーダーとそして私の5人体制です。
何か課題がある時にはそれぞれの視点で意見を持ち寄り、解決策を相談します。社長の上林もマーケティングの重要性を理解しているので、新しい施策も柔軟に取り入れてチャレンジできる環境です。
──これからNEWONEで実現していきたいことはありますか?
「アンラーニング(=学びなおし)」の機会をどんどん広げていきたいと考えています。人は学習を通じて成長するものですが、思い込みや固定概念に縛られてしまう側面もあります。その思い込みに固執してしまうことで、他人をジャッジしたり枠に無理やりハマろうとしたりして、生きづらさを感じる要因につながると思っています。
そんな思い込みを見つめ直す機会が「アンラーニング」です。先に挙げたNEWONEのミッションにあるように、NEWONEのサービスが「可能性を切り拓く」「自分らしく生きる社会」と結びついていると信じているからこそ、この価値を広め続けることで貢献していきたいと強く想っています。
※ 記載内容は2024年12月時点のものです