こんにちは!ポテンシャライトの寳田(ほうた)です。
ポテンシャライトは2021年3月で会社設立から5年目を迎えます。
そこで今回は、ポテンシャライトのこれまでの4年間の歩みを振り返り、そこからの学びや育まれてきた
カルチャー、そして5年目となる2021年は何を目指すのか?を2回に分けてお伝えします。
事業の進展だけではなく、今につながる想いやカルチャーにもスポットを当てながら、ポテンシャライトらしく過去のつまずきも含めてオープンにお伝えしていきます。
話を伺ったのは、CEOの山根です。よろしくお願いします!
2017年:Pioneer period 突っ走った開拓期
(設立間もない頃のオフィス風景。)
ーまずは会社設立までの流れを聞かせてください。
僕は前職で取締役でしたので、決算月である3月(2017年)に退任をしました。退任のタイミングは前職にとって突然だったかと思うのでご迷惑をおかけしてしまったかと思います。ちょうどそのタイミングでポテンシャライト取締役の小原と会う機会があり「やってみようか!」と話がまとまりポテンシャライト設立にいたっています。
前職を退任したのが3月でしたので休む間もなくフル稼働。4月初週に2人でキックオフ合宿に行って、そこで社名やミッション、ビジョンを決めました。
ーバタバタだったんですね(笑)。事業の方向性はすんなり決まったんですか?
会社としてまず成立させないとならない。
つまり売上/利益をきちんと安定させないとならない、という背景で人材紹介を取り組む予定でした。ただ、前職との兼ね合いで人材紹介を退任直後に取り組むことができず、スタートアップ向けに採用コンサルティング(現 HRインキュベート)事業に取り組むことにしました。
採用の仕事をする上で社名をどうしようか、と考えていたのですが、僕自身がスタートアップの支援が好きだったこともあり、各社のポテンシャルに光を当てたい、という想いのもと「ポテンシャライト」という社名にしました。
ー会社は最初順調だったのでしょうか?
比較的順調と言えるスタートだったと思います。
退任以降、お世話になった方にお礼のメッセージをお送りしていたのですが、有難いことに4社様から「採用を手伝ってくれないか」と声をかけてもらえて。ただ最初は社員としての誘いだと思って「会社を立ち上げたから社員としてのジョインは難しいのですが」と伝えたら「法人契約で良いので手伝ってほしい」とのことで。
商談にお伺いをして話がまとまり、エブリー社、BitStar社、Cygames社、知人のスタートアップの計4社の支援を早々にスタートすることができました。それはもう嬉しくて嬉しくて。ただ、嬉しいという気持ち以前に「ホッとした」というニュアンスのほうが正しいかもしれません。何より自分のお金で立ち上げた会社で、設立資金で250万円がなくなり、1ヶ月のコストが80万円程度。このまま売上ゼロであれば3ヶ月で資金がほぼゼロに、というヒリヒリ感があったので。
支援内容としては今と同じように、採用代行として人事計画の策定からメディア出稿、応募受付、あとは採用広報まで。人材業界のキャリアは長いとはいえ「人事業務」は未経験だったのですが、人事の仕組みを作ったり人事計画を立てたりして、期待値以上の価値は提供できていたんじゃないかな。
ー顧客にも満足いただけていたんですね。
当時は小原さんと二人三脚だったのですが、山根がお客様とのフロントに立ちつつ、小原さんには影武者として縦横無尽に動いてもらいつつ。本当に我武者羅にやっていたので、気付いたらBitStarさんで1週間の応募数が100件を超え、エブリーさんは元々人気企業だったこともあり、1週間で150件ほど応募がきており、やりがいがあったと同時に大変な業務だなと思っていました。成果はきちんと出ていたので一定ご満足はいただいていたのではないかと思います。
設立して3ヶ月経過したころ、突然こんなメールが…
!!!
ホームページに設置していたお問い合わせフォームから、初めて問い合わせをいただいたのです。
これを見た瞬間小原さんとはハイタッチでしたね!
なんというか、突然の問い合わせで最初は何が何だかわからなかったのですが、今までの成果が目に見えたというか(ちなみにこの記事を見ていただいて問い合わせをいただいたようでした)。
当時オハコの代表は菊地さんという方で、当時24歳?くらいだったのですがすごく優秀で誠実な方で、訪問でお会いして話をして、ほぼその場で「当社の採用をお願いします」と言っていただけたときは本当に鳥肌が立ちました。
自分が作った会社で、これまでやってきたことを認めてくださって、ただ設立3ヶ月目の会社(ポテンシャライト)にその場でポジティブなことをおっしゃっていただく。最初取引が始まった4社様は事前の信頼関係があったのでスムーズにスタートできましたが、オハコさんの件は本当に嬉しかったです。
そして、嬉しい出来事が続きました。
2017年7月に立て続けに3社様のご紹介を既存のお客様からいただきました。これまでもお客様からお客様をご紹介いただくことはあったのですが、「1社1社これだけ一生懸命やればご紹介をいただけるのだな」と気づけたことは大きな発見でした。
僕としては、ビジネス人生の中では初体験で、価値観が変わった瞬間でした。これが現在ポテンシャライトにある「目の前のお客さんを幸せにする」というカルチャーにつながっています。
ーその後はお客様へのプッシュ型営業はしなかったのですか?
ほぼしていません。設立初年度は、毎月2〜5社程度のお問い合わせを頂戴しており、取引企業も順調に増えていきました。2017年6月からブログを始めたことも大きな転機だったかなと思います。今振り返ると最初は日記みたいな内容でしたけど(笑)。
僕自身、文字を書くことは好きだったので、山根が毎週火曜日と木曜日、小原が毎週水曜日、週に3回はポテンシャライトからブログが発信される、そしてブログの内容は採用ノウハウについて、というルールを決めて取り組んでいました。今はどの業態でもコンテンツマーケティングに取り組んで、ブログ祭りだったりするかと思うのですが、当時はまだ少なくて、且つポテンシャライトはそれを完全自己流で運用していましたね。「あ、山根こんな仕事しているんだ」と覚えてもらえたのは大きかったんじゃないかな。
2017年12月は期の変わり目で数社解約もありましたが、顧客数も順調に伸びていきました。
ーなるほど。初年度はどのような課題を感じていましたか?
まだ経験値が少なくて、採用のベストプラクティスに辿り着くまでに時間がかかったことですね。「このノウハウはA社では成功したけど、B社では上手くいかない」という事象も多く発生していて、何がポイントなのかを見極めるのはPDCAを回し続けていました。
少し話がズレますが、ある企業で採用成功をした人事が、別の企業で採用成功をできるかわからない点はここが起因していると思います。採用成功は無数の要因が複雑に絡まっているのですが、たまたま自社でうまくいった可能性が高いです。そのやり方を他社に適用してもうまくいかないことも多いです。
とにかく何がポイントなのかを小原とずーーーーーーっと話をしていました。
ー「目の前のお客様にとことん向き合う」ということ以外で、初年度から今につながる学びだったり文化だったりはありますか?
当時から業務内容に対しての振り返りのPDCAと、「ゼロイチ」と社内で呼んでいる未来を創る業務のPDCAを両方とも回してる仕組みは意図的に作ってました。
当時はまだ2人でしたが、社内でも毎月振り返りミーティングをしていました。また、3ヶ月に1度のタイミングで合宿をしていて「顧客の獲得経路は顧客紹介/ホームページ/知人の3つだね」という振り返りから、「なるべく1度お会いした方と繋がろう!」とFaceBookの友達申請にこだわったのはちょうどこの頃。他にも紹介動画を作ってSNSで拡散しようとか、採用活動しようとか、弱みを補うためのアイデアを10個20個考えて、すぐに行動に移していました。
当時のメモにもアクションプランとか「実施済み」とか書き込んであって、そこは今の文化にもつながっていますね。
それまで感覚的に行っていたPDCAをきちんとスプレッドシートでまとめ始めたのは2017年9月の頃。とにかく改善をするペースを上げよう、ということで上記のように進めていました。このシートの名前は「make futureシート」。未来を創っていくという想いを込めて毎月取り組んでいました。
今見てみたら、月1回以上振り返りミーティングをしていましたね。
※長くなるので割愛しますが、これとは別に「1日1回改善シート」という取り組みをしており、どんなに小さなことでも良いので1日1回は会社の改善をしよう、と。小原さんの最初の改善が「傘の置き場所を変える」だったのは今でも覚えています(業務じゃないんかい、って(笑) )
2018年:Spread period 芽生えと拡散
ー2018年に入ってからはどのような変化がありましたか?
1つは採用活動を本格的にスタートしたこと。アルバイト採用はしていましたが小原さんとほぼ2人で最大15社くらい担当していたので、いよいよ正社員を採用したいと思っていました。知り合いにひたすら連絡をしてみたり、大阪に直接行って候補者様と会いに行ったこともありましたね。紆余曲折しながらもようやく6月に2人入社決定をして、8月からジョインしてもらいました。この2名はすでに退職をしていますが、2名の雑居ビルのオフィス時代、何者でもないポテンシャライトを選んでジョインしてもらったことには本当に感謝しています(2018年末の香港社員旅行は本当に楽しかった)。
もう1つは自社セミナーを開催したことが大きな変化でした。
2018年5月に初めてのセミナーを開催したんです。セミナーなんてやったことがなかったので、全て手探り。手作り。場所は渋谷のビルの一室を借りて…。1人も集まらなかったらどうしよう、と思いきや25名ほど集まっていただき、満足度は95%程度でした。
これ(セミナー)はポテンシャライトが得意なことではないか?と気付き始め、6月にはインキュベートファンドさんの投資先企業様に向けてのセミナーを実施し、15社程度参加いただき、そのうち8社様から採用支援の受注をいただきました。
そしてエージェント様向けにも採用ブランディングセミナーを実施しました。自分でもビックリするくらい好評で30名募集が80名程度応募をいただき、急遽2回に分けて実施しました。満足度も90%は常に保っていました。
その頃にこんなことを言われるようになったのです。
「山根さん、そんなに自社のノウハウを外に出して大丈夫なんですか??」
んん、確かに…。
自社のノウハウは惜しみなくブログに書いたりセミナーでお話をさせていただいています。
ただ、この当時までプッシュ型の営業をすることなく50社以上の企業様から問い合わせをいただいていました。テレアポ主体/メールアプローチ主体で顧客開拓をしている企業が圧倒的に多い中、ニューノーマルな手法で事業運営をしたかった、という想いもあったのです。
且つ「会社のファンになっていただく」というやり方が芽生えたのもこの当時でした。それまでは、今のお客さんとか知人を幸せにするという考えだったけど、ファンになってもらうことでお客さんを連れてきてくれるんだって気づいて、「会った人を全員を幸せにする」というカルチャーに繋がったのだと思います。
ーオフィス移転もこの頃ですよね?
移転は2018年9月。社員が4名の規模で30坪のオフィスに移転することを決意しました。
これが転機だったなと今振り返ると思います。4名時点で30坪のオフィスに移転するってあまり考えにくいと思うのですが、何より採用活動を大胆に取り組むことができました。
内装については、Theオフィスみたいにはしたくなくて、オープンスペースにはこだわりました。
ーその後、人数も増えて、一気に加速した感じですか?
移転直後は4人で最大28社をの支援をしていて、とにかく必死に家族みたいな感じの感覚。一体感もあったし充実していました。
ただ、その後にやって来たのは“魔の10月”。さすがに業務管理が追いつかなくなってきてしまい、当時取引をしていた企業様には十分な支援をすることができずご迷惑をおかけしてしまったなと今でも反省しています。
設立は1年目は取引期間が1年以上続くこともザラにあった中で、2018年10月は取引期間が数ヶ月で終わってしまうこともしばしば。今ほどノウハウも溜まっておらず新人研修もできていない、採用支援ができる能力も低かったんだろうなと。
ー顧客に対して受け入れることができる社内体制が整っていなかったことが2018年の最大の課題ということですね。
そうですね。
ちょうどこの頃にAsanaを導入して、大きなディスプレイを購入して、毎朝取引企業の採用支援状況を確認全て山根が行う。きちんと顧客と向き合えていない場合は罵倒が飛び交うこともしばしばありましたね。
全てはお客様のために繋がっているアクションであればok。ただお客様ファーストではないアクションは絶対ダメ。そこだけ決めて、縦横無尽に支援をしていました。
2019年:Stretch period 成長の痛みと再整備
ー続く2019年はどんな動きがありましたか?
2019年2月から7月までが入社ラッシュで、5名が入社しました。特に上中さんは初の人材業界未経験入社でしたので組織としてはインパクトが大きかったです。当時はリファラル採用が中心で、エージェント出身者をスキル重視で見極めていました。
ーそれだけ人数が増えると、社内の雰囲気も変わりますよね。
メンバーが増えることでルールは増えて、4人の時とは違って言わばノリで進めるというわけにはいきませんでした。。それにビジョンを明瞭にしていなかったこともあり、ズレが表面化した始めた時期でもありました。
例えば、フレックスタイム制という働き方にしても、本来は「働くのが好きなメンバーが、みんな自立して好きな時に働くというのが組織として健全だよね」ということで導入してたのですが、手段が目的化されたりもしていました。「フレックスタイム」自体に惹かれて、それが入社動機になってしまうと良くない。当時から山根が思い描いている入社動機と入社者の入社動機がズレていきました。
「仕事に対しての考えが自分とは異なるのかな」
「なぜここで踏ん張れないのだろう」
「なぜその質問を今してくるんだろう」
と感じることもありまして、自社メンバー向けに「スタートアップ/ベンチャー企業の解体新書」を書きました。
▼「スタートアップ/ベンチャー企業の解体新書」のnoteはこちら
これは社外のスタートアップの方にも賞賛を頂戴してて、スタートアップ経営陣の方々には多数の共感を頂戴している内容です(ただ社内向けに書いた内容でした)。
2019年9月以降に入社をしているメンバーは必ず「解体新書読み合わせ」という場を設けており「仕事への価値観」を強烈に見極めることにしたのです。入社前に一緒に読んで、共感・合意をの上で入社してもらうようにしています。それからミスマッチは減った印象はありますね。
ーそしてビジョン・ミッションの策定に進んだわけですね。
そうです。
もちろんポテンシャライトには目指したい世界観はあったのですが、より明瞭にしたい目的を持っていました。嬉しいことにセブン銀行さんやLITALICOさんなど、当初想定していなかった規模感/知名度の企業様から問い合わせをいただく機会が増えたタイミングでもありました。
「スタートアップ向けに特化した採用支援をしているのに、大手企業様の支援もするの?」
この解消をしたいタイミングでもありました。
もちろんスタートアップを中心に支援をしていきたい気持ちが強いですが、現ビジョンは「”ベンチャー” 採用/転職のstandardをポテンシャライトに」にしており”スタートアップ”ではなく”ベンチャー”にしているのは、規模感/知名度は関係なく”成長意欲がある/一生懸命事業運営している”企業様の支援はしよう、という意思表示でした(ターゲットはスタートアップではありますが)。
ー事業面ではどうでしたか?
当時会社は順調に推移しており、取引アクティブ社数は2018年の2倍。ありがたいことにポテンシャライト自体の知名度も上がっていった肌感覚がありました。2018年は4名の規模から、2019年は最大12名まで社員が増えたタイミングでもありました。
ー2019年は組織の課題が大きかったということでしょうか。
そうですね。
ポテンシャライトが支援企業様に対して「20人の壁という退職が相次ぐタイミングがあるので注意しましょうね」と伝えているのにもかかわらず、自社がその壁にぶち当たってしまった。ただ、これはすごくポジティブに考えていて、何よりポテンシャライトが最重要視しているのは「仕事への価値観」だということ。最初はミスマッチの要因が「大手とベンチャーの違い」かなと思っていたのですが、そうではなく単純に山根は「仕事が好きな人と一緒に働きたいんだな」と気づくことができたのは2019年の最も大きな収穫となりました。
今(2021年)は人事組織系の支援もしておりますが、この自社の躓きがあったからこそ、経験ベースで話すことができ、偶発的に成長をしているというよりは必然的に成長している実感があり、良い経験となりました。
ー続きが気になるところですが、前半はここで区切りたいと思います。山根さん、ありがとうございました!次回もよろしくお願いします。
後半は、コロナの中で開花したポテンシャライトのカルチャーと、これから目指すものについてお伝えしていきます。
下記をご覧ください!
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