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コドモンでは、代表小池に加え、4名の執行役員が経営層として日々メンバーをリード・マネジメントしています。この4名の執行役員について、A面とB面、2つの記事でご紹介したいと思います。
A面に続くB面でお話しいただくのは、コーポレート統括部の石井さんと、プロダクト開発部の彦坂さんです。
コドモンの執行役員
・石井さん (石) 写真左
・彦坂さん (彦) 写真右
見据えるのは「中長期」。信頼に足る会社とサービスであり続けるために
コドモン入社の経緯を教えてください。
(石) もともとは教育学部で心理学を学んでいて、カウンセラーを目指していました。でも、目の前の人ひとりを支援することの尊さと難しさに直面して、自分はむしろその難しさに向き合う方々を支援することで世の中や社会全体を支えたいと思うようになり、ビジネスの世界に興味を持ちました。
社会全体を支えるサービスを広く普及させていくような仕事がしたいなら、経済の動きを理解することが重要だろうと考え、経営や財務、会計知識の力を身につけようと思って、銀行や再生可能エネルギーの開発会社で働いてきました。
会計財務の世界もすごく面白くて、思った以上に没頭してしまったのですが(笑)、自分が何をやりたかったかわからなくなってしまったときがあって、このままではまずいなと転職を考え始めたんです。結局、大学のときに思っていたことを思い出して、医療・教育などの領域で活躍するエッセンシャルワーカーの支援を軸に会社探しを始めました。
コドモンの他にもいくつかのSaaS企業を見ていましたが、特に小池さんは社会貢献をしつつ、それを持続的に実現するために収益を求めるスタンスを持っていて、バランスのいい考え方だなと思ったんです。
また、ユーザーとしてコドモンを使っていた中で価値を実感していた一方で、インタビューを通じて、事業や組織としてはまだまだ整ってない部分も多いことを感じました。自分が今まで磨いてきた数字やビジネススキル全般を活かせるシーンが多そうだなと思い、2021年4月に入社しました。
(彦) コドモンを使っている人がメンバーになる事例、増えてきましたね。自分の入社の経緯は以前に取り上げてもらった紹介記事と重複するので、詳しくはそちらをご覧いただければと思います。
僕は入社時、カスタマーサクセス部でユーザーインタビューを実施したり、繁忙期にはサポート業務を行ったりしていました。その後、お客さまや社内から上がってくる開発要望の優先順位付けを担当するようになり、開発メンバーと話す時間が長くなっていきました。
夏にはプロダクト開発部に異動してPdM(プロダクトマネージャー)として働くようになり、石井さんが入社したのと同時期の2021年4月に執行役員になりました。
(石) 彦坂さんがPdMになった当時はPdMという職種が社内に無かったと聞いているんですが、どういうアプローチを取ったんですか?
(彦) そうですね。時期としてはちょうど、開発の進め方を変えていこうとエンジニア陣とも話していた時期で、自分としては「経験と領域への思い入れがあるPdMが来てくれないかな〜」と思っていました。
仲間集めに動き始めたタイミングで「一緒に働いてほしい!」と思う方に出会えたのですが、選考段階で「プロダクトマネジメントの必要性が社内に浸透していない様子なので」と辞退されてしまい……。元は、経験の浅い自分では力不足だと考えていたんですが、これを機に「このまま待っていては駄目だ」と考え直し、自分がコドモン最初のPdMになろう、と腹を括りました。
PdMという役割が必要だということをみんなに話し、自分自身も勉強して、自分と、もう一人PjM(プロジェクトマネージャー)経験があるメンバーを「PdM兼務」としてソフトランディングしていきました。
(石) 会社のために必要な機能を自ら立ち上げていった動きは、正直すごいと思います。内部のメンバーがちゃんとアウトプットを出せば、必要性に納得感がありますもんね。
今もっとも力を入れていることは?
(彦) 中長期的な開発スピードを高めるための投資を続けること、ですね。特にSaaSでのプロダクト開発は「リリースすること」が目的ではなく「リリースしたものを使っていただいて、ユーザーが価値を感じて、その後も期待し続けていただくこと」が目的なので。
そのプロダクトがちゃんと使われている状態を定義して、継続的にデータを確認しています。大きな機能リニューアルの後、「使ってみよう」と試していただいた方の90%以上が3か月間続けて活用してくれているとわかったときには「現場の力になれている」という実感が湧きました。
1回作って終わりという発想ではその先で柔軟に動けなくなります。実際のユーザーからフィードバックを受けたり、データを分析しながらよりよくするための工夫を続けていきたい。だからこそ、変わり続けられるように準備することが大事。不確実なポイントを織り込んでどんな機能や設計にするか決めたり、技術的な負債と上手く付き合ったりして、長い目で見て減速が少なくて済むように成長を続けていきたいです。
(石) 組織作りにおいても面白いくらい同じことが言えるんですよね。 プロダクトとコーポレートでは向き合う先が異なりますが、中長期的な事業成長に寄与できるよう、コーポレートの各機能の強化は必要。コーポレートエンジニアリング、情報システム、人事労務や総務経理、経営企画領域など多岐に機能がわかれる中で、事業に伴走するという観点を忘れずに、業界のトップランナーに恥じない体制をしっかりと作っていきたいと考えています。
その中でも特に力を入れているのは、事業にしっかりと法務目線を取り込むことです。メンバーがやりたいことを適切に法務の観点も入れて言語化して落とし込めるよう各業務への関わりを増やしています。
会社規模が拡大し、社会的な責任も大きくなっているフェーズですが「なんでもダメ」では成長を阻害してしまう。まずはやりたいことを分解して社内でジャッジしつつ、専門家との協力体制もしっかりと作っていく。そうすることで、事業部に負担をかけずに正しい方法を指し示すような法務サポートができればと思っています。
(彦) 会社の継続成長の前提として、現場の先生方の継続利用がありますからね。今9,000以上の施設の方々にコドモンをご利用いただいていますが、この先、僕らの至らなさが原因で期待や信頼を裏切るようなことがあれば「本当にコドモンを使っていていいんだっけ?」と不安になると思うんですよ。
そうすると、様々なお手数をおかけすることになりますが、本来その時間は子どもたちのために使えた時間のはずで。すごくもったいないですよね。なんの疑いもないくらい信頼してもらって、その状態をキープし続けながら価値提供していくことが必要だと思っています。
(石) よりよい価値を、より早く業界に届けていくのが僕らのミッションであるけれど、急いだ結果で土台が崩れては、信頼して利用してくださるお客さまにご迷惑をおかけしてしまう。お客さまの期待に背かないように、常に最適な判断をし続けないといけないと思っています。それが回り回って、今働いてくれているメンバーにとっても「この会社で働いてよかった!」という体験につながると信じています。
組織とプロダクトの肝は、判断を重ねながら最適化させていくこと
現在の課題と、これからやっていきたいことは?
(石) みんなミッションに共感して入社し活躍してくれているメンバーばかりですけど、規模が拡大したり人数が増えたりするほどバックグラウンドの違いもあって、共通認識を持つためには仕組みが必要なフェーズになってきました。価値観も働き方も多様になってきている状態では、しっかりと戦略を提示して実行していかないと「一生懸命やっているのにうまくいかない」という状態が起きかねない。
だからこそ、まずは経営陣の認識をしっかり揃えることを意識しています。経営陣の目線を合わせて、意思決定を洗練させ、同じ船に乗る仲間に一貫した指針をしっかりと示す。同時に、メンバー一人ひとりがこの会社にいる意味について考えられるような場を整える。そうすることで迷うことなく事業に集中してもらい、各部署での判断を適切かつスピーディーにして、事業成長をしっかりと支援することを考えていますね。
(彦) 各部署が判断しやすい情報と権限を持つのは重要ですよね。プロダクト開発でも機能群でチームを分けて、エンジニア・デザイナー・PdM……など、さまざまな役割のメンバーが1チームに所属する形で意思決定や実行をしてもらっています。チームが自分たちで完結できる体制と権限にすることで、スピードを上げて取り組めるようになりました。
一方でそうした体制では、チーム横断で取り組む案件で動きづらくなったり、アウトプットの質を担保する工夫が必要になったり、チーム同士の間に落ちるような案件をどう扱うかが難しくなったりということも想定していて、課題として直面しはじめています。直近の大きな仕事として、どの粒度の情報をどこまでどうやって流通させるか……という仕組みの再整備に取り組まなくちゃですね。
(石) これまでは会社の人数も相対的に少なくて一人ひとりが感度高く横断的に情報を取りに行ったり連携することでカバーし合う体制だったけれど、コーポレートでも、専門性の高いメンバーの力を結集しながら意思決定のスピードを上げていく動きに変えていっている最中です。
一方で、ポジションに専念するメンバーを増やすと、どうしても構造的に連携が難しくなる。そういう部署ごとの見え方や意見の違いをしっかりつなぎ合わせるのも僕の大事な仕事のひとつ、と思っているんです。
コーポレートとしては、しっかりと専門性をもって各部のハブとして入ることで、すり合わせをスムーズにすることに体力を割いているし、まだまだできることがあるなと思っています。
一方で、全員で同じ方向を向き続けるためには工夫が必要だと思っています。経営陣が立案した戦略がしっかりと実行されないといけないのは当然ですが、同じくらい現場で頑張ってくれているメンバーも大切にしていきたい。最近「アジャイル経営」という言葉も出てきていますが、常に現場と経営がリンクした組織の動きやすさを作ることで、最適解をしっかりと出していかないといけないと思っています。
(彦) 組織の動きやすさはアウトプットの質と量に反映されると考えているので、その状況にあっていない仕組みは再編できる自由度があるのは大切ですね。いいものができる確率は最大限に上げておきたい。
(石) そうですね! コーポレートでも「一旦ここまではどうしても担保したいけれど、あとは柔軟にやっていきたいから現場の判断に任せる」という動きは意図的にやっています。
「こうやってください」と細かなルールを作るのはある意味では簡単なんです。ただ管理を目的としたルール作りばかり進めると、本当の意味で組織力はついていかない。そのルールを作った結果どんなアウトプットが出るのか、というのは常に重視すべき項目だと思っています。
(彦) 石井さんと話していると、組織とプロダクトって似ているなって感じるんですよね。リトライがきくのか一方通行なのか、あとで変われる余地を残すべきか、どこまで投資するのが最適で、何がもっとも優先か。そういう判断をいくつも重ねながら、最適解を選び続けるっていうことだと思うんですよね。
状況に応じて素早く動ける俊敏な組織であることは柔軟性につながるし、常に現状を把握してフィードバックを取り入れて「次はこうしよう」と変わり続けられる状態が、プロダクトでも組織でも目指すべき形ですよね。
(石) そうですね。中長期的に見て、戻れる・変われるように土台作りをしておくことで、最速で事業と伴走し、事業成長を促進する。そういうところが似てる気がします。
(彦) コドモンには事業を伸ばすことに意識が向いているメンバーが多くてよかったと思っているんです。開発では機能別のチームごとに判断していく分散型組織にしたことで「自分たちで何をすべきか考えないといけない」という、自律性を求められる状況になったんですよね。ストイックであることが前提でどんどん取り組んでもらわないと、成り立たないんです。
大きなトレンドや戦略の共有はあるけれども、トップダウンな指示とコントロールで成立しているわけではない。その状態を目指し続けようという価値観のもと、真面目に現場や業界のことを考えて取り組んでくれるメンバーだからこそ、僕はすごく信頼しています。
今、どんな人に来てほしいですか?
(彦) オーナーシップを持って取り組みたい人、ですかね。組織にも現場にもプロダクトにもたくさん課題があるけれど、それを1日も早く解決するために動きたい!という人。そういう人がいればいるほど、僕らの目指す世界に近づく速度が早くなって、現場や保護者や子どもたちのためになりますよね。
必要な情報を集めて、どの変数がコントロールできるのか/どんなアプローチが有効なのか考え、周りを巻き込んで推進していく。そういう風に働きたいと思ってくれる人が、オーナーシップのある人だと思います。
もちろん僕らとしては、そういう考えを持った人が動きやすい状況を用意することが必要不可欠だと考えています。情報はほとんどオープンにしているし、当事者意識を持ちやすい環境だと思うので、それぞれが持つ資質との掛け算でぜひ活躍していただきたいです。
(石) 自分の力でよくしていくんだという当事者意識のある人は本当に活躍してくれますもんね。
他に僕が必要だなと思うのは、ミッション共感と、現場にしっかりと価値を提供することに重きを置いてくれる人でしょうか。社会的な意義の高い業界なので、業界に関わるお客さまにチームでアプローチすることで価値を最大限発揮したいと思える方にきてほしいです。
一方で、入社いただく方のバックグラウンドは多様であればあるほど組織は強くなると思いますし、業界が違う方にもぜひ飛び込んでもらいたいです!