Attack(株)代表取締役の村上篤志です。弊社は【TARGET】という採用コンサルティングサービスを提供しています。特にWantedlyやビズリーチ、Greenなどダイレクトリクルーティングメディアでの採用支援が中心となっており、Wantedlyの公式パートナーやforkwell jobsの認定パートナーにも選定されています。
さらに多くのお客様に弊社の採用コンサルティングサービスをご利用していただきたく、実績のアピールも兼ねて、2021年は弊社がこれまで手掛けてきた採用コンサルティングの現場から得た「採用ナレッジ」(ノウハウ)を定期的に公開していきたいと思います。
今回のナレッジは「候補者ターゲットの具体化(後編)」です。経営者の方や採用責任者の方にとって参考になる内容かと思いますので、ぜひご覧ください。
■バックナンバー
Vol.01:https://www.wantedly.com/companies/attack-inc/post_articles/302070
Vol.02:https://www.wantedly.com/companies/attack-inc/post_articles/304535
■前回のおさらい(スキルとマインド)
前回の記事でお伝えした通り、候補者ターゲットを具体化していくためには、採用要件を「スキル」と「マインド」の2つの領域に分け、それぞれ「ポジション共通/ポジション個別」、合計4つの項目で考えることからスタートします。
・スキル × ポジション共通 : ①汎用スキル
・スキル × ポジション個別 : ②専門スキル
・マインド × ポジション共通 : ③価値観
・マインド × ポジション個別 : ④性格
このうち前回の記事で「①汎用スキル」、「③価値観」、「④性格」の3つをお話しさせていただきましたので、今回は「②専門スキル」に関してお話しさせていただきます。
■候補者ターゲットの条件を整理し、枠を広げる
狭義の意味で「専門スキル」というと、一般的には
・経理 : 日商簿記、連結決算の経験、上場審査…
・エンジニア : Python、Vue.js、AWS、Webサービスの開発経験…
・営業 : システムの法人営業経験、年間予算規模◯億円…
というような「資格や経験」を指すことが多いかと思います。もちろんこれらはとても重要なのですが、ダイレクトリクルーティングで候補者をスカウトするにしても、人材紹介会社(エージェント)から候補者を推薦してもらうにしても、実際には「資格や経験」以外に多くの「条件」を整理しなければなりません。
弊社ではそういった「資格や経験」以外の「条件」も含めて、広義の意味で「専門スキル」と捉えています。
そして当然ながらこれらの「条件」を絞れば絞るほど、候補者ターゲットの総数が少なくなり、採用しにくくなります。もちろん「ど真ん中ストライク」の候補者ターゲットとして「理想的な人材」の条件(スキル要件)を整理しておくことは悪いことではありません。しかし「採用成功」というゴールから逆算すると「採用する人材の質を落とさず、どれだけ候補者ターゲットの枠を広げられるかどうか」というのがポイントになります。
以下が具体的な「条件」と「枠の広げ方」を取りまとめた内容になります。
■属性情報
・年齢:年齢幅が広く、比較的年齢が高くてもOKであれば、候補者ターゲットは増える。まずはど真ん中ストライクの年齢を設定し、その上下5歳くらいを対象にするのが理想。
・学齢:MARCH以上(大卒以上)などを設定する場合が多いが、ただの確率論に過ぎず、基本的に入社後の活躍と学歴は比例しない。(特にエンジニアや経理など)
・性別:組織構成や求人特性などから、性別を指定する求人も見受けられるが、本当にその求人において性別が重要かどうかは要検討。(男女雇用機会均等法も含め)
■職歴情報
・所属企業:ヘッドハンティングのように所属企業を指定するケースも見受けられるが、指定するとしても、「業種業界」や「企業規模」くらいまでに留めておいた方が良い。
・経験職種:狭義の専門スキル。求人の「必須条件」には「あれもこれも」盛り込むのではなく、「最低でもこれは必要」という要素を盛り込む。経験がないだけで、素質はある人もいる。
・年収:候補者の現年収と求人の年収は、大きな乖離が無ければ問題ない。企業ビジョンや仕事内容、働き方などで魅力訴求できれば、年収ダウンの採用も可能。
■就労情報
・転職回数:一般的には年齢の10の位+1社(20代=3社、30代=4社)までがボーダーライン。離職期間の長さや前職の在籍期間の短さなどもチェックしておいた方が良い。
・雇用形態:業務委託を希望する優秀な候補者も多いので、正社員が必須かどうかは要検討。当然ながら、正社員採用にこだわらない方が可能性は広がる。(特にエンジニア)
・働き方:過度に候補者の希望に迎合する必要はないが、「リモートワーク」、「時短勤務」、「副業」など、多様な働き方を希望する候補者は増えている。
基本的にこれらの条件は職種ごとに「入社後の活躍イメージ」によって設定した方が良く、例えば同じ会社でも
●エンジニア
⇒入社後の活躍イメージ:スキルを重視し、組織マネジメントは不要
⇒条件「転職回数は問わない」、「リモートワーク可」など
●若手営業ポジション
⇒入社後の活躍イメージ:将来的に営業マネジャーを目指してもらう
⇒条件:「転職回数は1回まで」、「リモートワークは週●日まで」など
というようにポジションごとに「条件」を変えた方が良いと思います。
■「異業種」もしくは「異職種」で広げる
上記の条件のうち「所属企業」(業種)と「経験職種」は「質を落とさず候補者ターゲットを広げる」上で重要なポイントになります。基本的には「業種×職種」の掛け算で考えた際、どのようなポジションでも「同業種×同職種」を候補者ターゲットにすることが多いかと思います。
しかし採用ポジションによっては「異業種×同職種」(上図の○)や「同業種×異職種」(上図の△)なども候補者ターゲットになりえます。
そして当然ながら、「異業種×同職種」や「同業種×異職種」まで候補者ターゲットの枠を広げることができれば、採用確率は向上します。
具体的には募集ポジションの「仕事」を「要素分解」し、優先すべきポイントを定めると良いかと思います。
例えば
■ITシステム会社の法人営業ポジション
・対象:企業のシステム部門(法人)
・商品:パッケージシステム(無形)
・手法:新規開拓営業(プッシュ)※優先
商品は「機能が優れており、カスタマイズなども不要なITシステム」であり、営業リストも豊富にある。そのため採用における最優先事項は「量に振り切った新規営業が得意」であるかどうか。
という採用ポジションがあった場合、以下の2人の候補者はターゲットになるでしょうか?
■Aさん(ハウスメーカーの営業)
・対象:ファミリー層(個人)※異なる
・商品:戸建て住宅(有形) ※異なる
・手法:住宅展示場での来客対応(プル型) ※異なる
■Bさん(福利厚生サービス会社の営業)
・対象:企業の総務部門(法人) ※部門は違うが法人企業という点は同じ
・商品:福利厚生サービス ※異なる
・手法:新規開拓(プッシュ) ※同じ
Aさん、Bさんとも「異業種×同職種(営業)」の候補者ですが、Aさんは「対象」、「商品」、「手法」のすべてが異なりますが、Bさんは「商品」こそ異なりますが、「対象」は似ており、「手法」は同じです。
もちろん最終的にはそれ以外の条件(年収や年齢、転職回数など)も含めて、本当に候補者ターゲットになりえるかどうかが決まるわけですが、それらの条件も満たされていれば、Bさんは十分に候補者ターゲットになりうるのではないでしょうか。
このように「同業種×同職種」にこだわらず、「異業種×同職種」もしくは「同業種×異職種」まで検討すれば、グッと候補者ターゲットが広がり、採用成功の可能性が高まるかと思います。
■次回は「採用予算の条件整理」
今回は具体的な採用ナレッジ(採用ノウハウ)のうち「【1】戦略立案:候補者ターゲットの具体化」の「②専門スキル」についてお話しさせていただきました。
次回は「【1】戦略立案:採用予算の条件整理」として、人件費、サービス初期費用、求人掲載費用、採用成功報酬費用など、採用活動全体に掛かる費用をどのように考え、整理すべきかについてお話しさせていただければと思います。
【1】戦略立案:採用ターゲットの具体化と適切な採用ルートの選定
- 候補者ターゲットの具体化 ※今回
- 採用予算の条件整理 ← 次回はここ
- 採用ルートの選定
- 選考ステップの検討
- 目標KPIの設計
【2】採用準備:社員インタビューなど採用広報コンテンツの拡充
【3】募集活動:定常的なスカウト送信による母集団形成
【4】応募管理:目標KPIの進捗確認と改善策の検討
【5】選考管理:スピーディーな候補者対応と選考結果の管理
最後までお読みいただき、ありがとうございました!ぜひ次回の記事もご覧ください<(_ _)>
※スイマセン、最後に宣伝です※
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