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hasumikin と youchan に聞く RubyKaigi 2025 の Speaker になるまでの道のり

まもなく RubyKaigi 2025 がやってきますね!! 今年はどんなトークが話題になるのでしょうか? 期待に胸が膨らみます !

RubyKaigi 2025 でアンドパッドから ydah と hasumikin と youchan がトークを発表します! 今回は RubyKaigi 2025 開催直前スペシャルとして hasumikin と youchan に Speaker になるまでに準備してきたこと、ちょっとアプローチを変えたプロポーザルの考え方、 RubyKaigi 2025 の見どころをテーマに対談しています。そして、最後には協賛するアンドパッドの見どころを紹介しています!

なお、今回は前後編に分かれており、この記事は後編です。 前編は hasumikin と youchan がアンドパッドを選んだ理由をテーマに対談しています。

大崎 瑶 @youchan

drb-websocket, opal-drb, wasm-drb などの Gem の作者。 Asakusa.rb, Chidoriashi.rb のメンバー。

羽角 均 @hasumikin

ワンチップマイコン向け Ruby 言語実装の PicoRuby やキーボードファームウェア PRK Firmware の開発者。 2020 年と 2022 年にフクオカ Ruby 大賞の大賞を受賞。 さらに 2021 年には Ruby Prize の最終候補者にもノミネートされた。

RubyKaigi 2025 のプロポーザル提出までに準備したこと

—— 後編では RubyKaigi 2025 直前スペシャルとして聞いていきます。 お二人は RubyKaigi 2025 で登壇されるので、まずはそれまでの道のりを伺いましょうか? 後編は順番を変えて hasumi さんからお願いします !

hasumikin: RubyKaigi のトークに採択されるには、コードを書いて、そのコードによってプロポーザルが通る、と世間では考えられていると思います。でも、 必ずしもそうではなくて、こんなことを考えてるよ、という内容のプロポーザルでも通ることがあります。 もちろん、プロポーザルの提出者に実績がないと通りにくいとは思いますが。

—— なるほど、それは聞いたことがなかったです !

hasumikin: 僕の中ではそういう感触があって、今年はコードを沢山書いて準備したということではありませんでした。 その代わり、こういうことを書いて、こういうことを発表できるだろう、という筋立てはめちゃくちゃ考えてます。 あとは自分が考えているスコープ、というか風呂敷をどこまで広げられるか、その筋立てのバランスが重要です。

—— ちなみに hasumi さんはプロポーザルの準備にどれぐらいかけるものですか?

hasumikin: ぼんやり、ずーっと年中考えています。 RubyKaigi の最終日が終わったときから、翌年に向けてぼんやりとずーっと考えていて、そろそろ CFP が開くだろうな、という 1 か月前ぐらいから具体的に考え始めて、 CFP が開いてからプロポーザルを書き始めています。

—— プロポーザルはスグに出てくるものではないということが伝わります。 では、 youchan の場合はどうでしょうか?

youchan: 風呂敷を広げる話は、私も最初の年はそうでしたね。 もちろん、できる確信をもって広げるんですけどね。 今年のプロポーザルはちょっとチートしていて、"dRuby on Browser Again!" というタイトルですが、実は RubyKaigi 2017 で "dRuby on Browser" と題して、 Opal という処理系で dRuby をブラウザで動かした発表をしたのですが、その続編です。 今回は dRuby を ruby.wasm に移植したというものです。 準備としては移植だけしたというものです。

hasumikin: ブラウザには Socket つまりレイヤ 4 の API がないですけど、それで dRuby をどう実装したんですか?

youchan: いい質問ですね。 うれしいです。 Socket に代えて WebSocket を使っています。 dRuby にはプロトコルというレイヤがあり、実は Socket 以外のプロトコルでも差し込めます。

hasumikin: となると、ブラウザは何と通信しますか?

youchan: ブラウザとサーバですね。 分散オブジェクトなので、サーバを介してブラウザ同士で同じオブジェクトを共有することもできます。

hasumikin: おおすごい。dRubyはとてもかっこいいライブラリなので、 youchan のテーマに興味があります。

youchan: もともとブラウザで dRuby を動かしたいと思っている動機は、私が作っている gibier という Rabbit のようなプレゼンテーションツールに dRuby を入れると色んなことが出来そう、というところからでした。 PicoRuby が動くデバイスとブラウザが繋がると、その gibier の可能性も広がりそうです。

—— ということはお二人の共作というのも今後あり得そうですね

hasumikin: あるかも知れないですね。

(対談はオンラインで行われました)

楽しみな RubyKaigi 2025 !!

—— では、その RubyKaigi 2025 がまもなく 4/16 から開催されます。 お二人が楽しみにしていることを聞きたいのですが、まずはトークで注目しているものを教えて下さい

hasumikin: 僕は 2 本注目しているトークがあります。 まずは katei (@kateinoigakukun) さんの発表 The Evolution of the CRuby Build System (day1 11:50 ~ 12:20) です。 Ruby のビルドシステムでは古くからの Make や mkmf など秘伝のタレが何重にも塗り重ねられています。 ここをごっそり直すという勢いを感じているので注目しています。

それと day2 16:20 からの Alexander (@amomchilov) さんの From C extension to pure C: Migrating RBS も面白そうです。 PicoRuby も最初の頃から RBS と Steep で型検査をしていて、 RBS と Steep の長年のヘビーユーザです。 PicoRubyにはGem の依存がなく、型検査を導入しやすかったことが背景にあるのですが、 RBS は Ruby 言語仕様の外側にあるので、本質的には CRuby に特化していません。 つまり Ruby の文法が共通なので、 JRuby でも使えるし mruby でも使えます。 このトークでは CRuby の依存を剥がしてユニバーサルにすることが話されそうな雰囲気があるので、 mruby や PicoRuby からもっと使いやすくなる話が聞けたらいいなと思います。

—— では、 youchan はいかがですか?

youchan: day1 最後の 17:00 にある TRICK 2025: Episode I  は超楽しみです。 毎回見ているし、今回は私自身も応募したので、採用されるかどうかドキドキしますね。

hasumikin: なんで Episode 1 なんでしょうね?

youchan: スターウォーズのパロディで Episode 1 なのではと思ってます。 RubyKaigi 2018 で FINAL をやったので、 Episode 1 なんじゃないかなと。

—— なるほど ! では、もう一つ伺えますか?

youchan: day2 15:40 からの アーロン (@tenderlove) さんの Speeding up Class#new ですね。 アーロンさんはこの手の Speed up のトークをやっていて、面白いので毎回楽しみにしています。

—— RubyKaigi 2025 自体で楽しみにしていることは?

youchan: 自社イベントの宣伝という訳ではないけれど、 dRuby のワークショップもあるので、コード懇親会は楽しみですね。 

dRuby の作者と一緒に dRuby を体験できます! dRuby をまだ体験したことがない人にこそ体験して欲しいテーマです! dRuby は小さな Ruby スクリプトだけで実装された分散オブジェクトシステムです。あなたはリモートのオブジェクトをローカルと同じように扱えることに驚くでしょう! また、この機能がこんなに小さな Ruby スクリプトで実装されていることにさらに驚くでしょう!
コード懇親会/Code Party RubyKaigi 2025 より引用

—— ありがたいですね。 コード懇親会は今回色々なテーマを用意しているので、読者の皆さんにも来てほしいですね。 では、 hasumi さんはどうですか?

hasumikin: それが今回は自分の準備で大変で、胃に穴が空きそうです。 書いているコード量が半端じゃありません。 土日もコードを書いていて、家族の評判が悪いです ... 。

—— ちょっと風呂敷を広げすぎましたかね(笑)

hasumikin: そうですね、なんとなくわかってはいたものの、とにかくコードをたくさん書かないと動かない、コンパイルが通らない状態です。

—— hasumi さん、 day2 ですよね

hasumikin: そうそう、さっき youchan が挙げていたアーロンさんの前です。 発表が終わる 15:10 までは全然楽しみにならないですね。

youchan: hasumi さんの発表、とっても楽しみにしてます !!

(対談を終えた hasumikin)

RubyKaigi 2025 でアンドパッドがやることを採用広報に逆インタビュー

—— ここからは RubyKaigi 2025 でアンドパッドが企画していることを、お二人から採用広報に逆インタビューしてもらうという形式で進めます

hasumikin: では、まず僕から。 RubyKaigi 2025 のスポンサーページが公開されましたが、アンドパッドは Drinks sponsor と出ていました。 これは何をするスポンサーなのでしょう?

(Sponsors - RubyKaigi 2025 より)

—— 前年 RubyKaigi 2024 follow up という有志が開催するイベントに協賛した際、 hsbt さんから "アンドパッドといえば建設現場で活躍するアプリなので「現場」感があるコーヒーを振る舞うのはどうだろう" とアイデアを出され、参加者に提供したところ、とても喜んでもらいました。

—— そこで次の RubyKaigi 2025 でも同じように振る舞えたらいいね、という話から RubyKaigi Team (RubyKaigi 運営) に提案したところ OK をもらえたので、愛媛は松山市のコーヒー豆焙煎や卸売をされている「日珈」さんにお願いして、 3 日間 900 杯のコーヒーを提供することになりました !

株式会社日珈 - Nikka Coffee | ニッカコーヒー | 愛媛県松山市のコーヒー豆焙煎・コーヒー豆加工・コーヒー豆卸売、食品卸販売
愛媛県松山市のコーヒー豆焙煎・コーヒー豆加工・コーヒー豆卸売、食品卸販売の株式会社日珈(ニッカコーヒー)です。お好みの豆、デザインで、オリジナルドリップバッグも作成できます。
https://www.nikka-coffee.jp/

hasumikin: 僕も昨年の follow up に参加していたけど、コーヒーよかったですね。 おとものドーナツもよかったです。

—— コーヒーのおとももブースで提供予定なので、一緒に楽しんでもらいたいですね。 そしてブースでは "ANDPAD Cafe Talk" と題してアンドパッドの Rubyist とおしゃべりするコーナーを設けますので、 Ruby 談義や Ask the Speaker などなどブース来場者とドリンク片手に話に花が咲いたらと思ってます。 ぜひお越しください !

youchan: でも、それだけなら Coffee Sponsor になる気がしますけど。

—— いいツッコミ、ありがとうございます ! 実はもう一つ愛媛の名産ドリンクを提供します ! これは現地でのお楽しみにさせてください

youchan: なんとなく察しましたが、楽しみにしてますね。

hasumikin: あとは先ほど youchan が話していたコード懇親会ですが、 まつもと (Matz) さんがいらっしゃるので mruby で hack challenge とかやってみたいですね。

—— 楽しみになってきました! コード懇親会は前年に続けての開催となりますが、前夜祭も前年に続き Asakusa.rb との共催で開催します !

RubyKaigi 2025 前夜祭 Asakusa.rb Welcome Drinkup (2025/04/15 18:30〜)
Overview 概要 On the day before RubyKaigi 2025, which will be the regular meeting day for Asakusa.rb, we will host a Welcome Drinkup as a pre-party for overseas committers and Rubyists attending the Ruby Developers Conference! Let's make RubyKaigi 2025 exci
https://andpad.connpass.com/event/346737/

—— 名物の "鯛めし" を含めた郷土料理 10 品がいただける 郷土料理 五志喜 さんで開催されるので、舌鼓を打ちながら、 RubyKaigi 2025 を盛り上げたいと思っています !

hasumikin: 別件があって前夜祭には参加できないのですが、美味しそうなので、迷いました。 ちなみにイベントや Drinks も開催場所にこだわってますが、これは何か意図があります ?

—— そうなんです ! 「現場」感がアンドパッドのテーマなので、開催現場となる 地元 にこだわってます。 そして新作ノベルティも地元名産のものを用意しています !

youchan: 開催地を堪能するのも RubyKaigi の楽しさだからよさそうです。 では、そろそろお開きにしましょうか。

—— お付き合いいただき、ありがとうございます ! では、最後に読者の皆さんにメッセージを送りましょう。

(一同): RubyKaigi 2025 でお会いしましょう !!

アンドパッドから登壇する 3 人のスピーカーの中から、 hasumikin と youchan に RubyKaigi 2025 開催直前スペシャルとして、プロポーザル、見どころ、ブースやイベントなどをテーマに対談しました。

2024 もアンドパッドは全力で盛り上げましたが、 2025 はそれ以上にまた全力で盛り上げます ! Drinks コーナー、ブース、イベント、そして廊下でお会いしましょう !!

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