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なぜマネージャーではなく、機械学習スペシャリストという道を選んだのか?

<PROFILE>
速川 徹。東京工業大学大学院 情報理工学研究科 計算工学専攻卒。
2003年に新卒でアクロクエストテクノロジーにエンジニアとして入社し、
ミッションクリティカルシステムの開発や自社プロダクト開発で経験を積む。

一度はマネジメントする立場になるも、
機械学習領域のモノづくりでスペシャリストになるキャリアを決断。
現在は、最前線で機械学習プロジェクトを牽引する傍ら、
経験と知識の幅広さを活かし、社内教育のトップとして活躍する速川さんに、
入社からこれまでの経緯、そして今後の展望について話してもらいました。

(学生時代は少林寺拳法部。レクチャーという名目で同期の吉田さんに技をかけまくる速川さん)

【目次】
新卒でアクロクエストを選んだ理由 - 自分の手を動かしてモノづくりがしたい
新人〜10年目の仕事 - メイン事業の集中監視システムの開発へ
マネジメント職ではなく、開発のキャリアに至った理由 - スゴくはなりたいけどエラくはなりたくない
プロジェクト以外の活動 - 前線で開発するスペシャリストによる社内教育
⑤ 今後の展望、ビジョン - 様々な世の仕事を効率化したい

【自分の手を動かしてモノづくりがしたい】

- なぜ、新卒でアクロクエストを選んだんですか?

色々理由はありますが、自分の手で、前線でモノづくりができると感じたのが一番の理由です。

元々、物を作ったり直したりするのが好きでモノづくりができる会社を探していました。
大学は情報専攻で、「書いてすぐ成果が出る」プログラミングの
モノづくりが性に合っていたので、IT系の会社を中心に話を聞いて回りました。

それで話を聞いてわかったのは、実際に手を動かしてモノづくりをしている会社は少ないということでした。一見、何かを作っているように見えても、実は海外のパッケージ製品をカスタマイズして流すだけだったり、既にあらかたの開発は終わっていて、営業や教育中心に回っていたり、様々でした。

そのなかでAcroの選考の際、開発している社員の話などを聞き、
これは今までと違うな、本当に前線で手を動かして作り上げているなと感じました。

(新人時代の速川さん)

【メイン事業の集中監視システムの開発へ】

- 入社してからはどのような仕事についたんですか?

最初は、当時のアクロクエストの大黒柱だった集中監視システム(※①)のフレームワーク(※②)
の開発プロジェクトに入れてもらいました。

※① 様々なセンサーのとらえた故障などの情報を画面で一目見てわかるようにするシステム
※② 基盤になるソフトウェアのこと

当時、そのプロジェクトが開発したフレームワークを使っている別プロジェクトが3〜4チームあり、
それぞれのところで要望やら問題やらが次々に襲ってくるような状況で、かなり先輩が忙しそうだったのを覚えています。

私はその末席で、先輩の言うことを聞いたり聞かなかったりしながら部品を開発していました。

この経験を通しスキルを積んだ後は、
段々と幾つかのプロジェクトの開発を少しずつ大きく任せてもらえるようになりましたね。

(末席で上司のいうことを聞いたり聞かなかったりする若手時代の速川さん)

■ 段々とマネジメントを行う役職へ

5年目くらいからは、チームの開発リーダーをやっていたと思います。
仕事内容はJavaでのサーバ開発が大半でした。就活サイトの開発などもありましたが、多くは一般ユーザーの目には触れないけれど、大規模だったり厳密さが求められるようなシステムの開発でした。
大小30〜40くらいのシステムには関わりました。

仕事の内容は、歳を重ねるにつれ、前線でのプログラミングから、設計、チームの管理などマネジメント業務が多くなっていき、10年目くらいではプログラミングをする機会はだいぶ減っていました。

【スゴくはなりたいけどエラくはなりたくない】

- そのままマネジメント職ではなく、なぜ開発のキャリアへ?

不味いのではないかと思い始めたのは12年目の時で、一層マネジメント業務が増えてきた頃です。

もともと段取りを立てたり作業を割り振ったりするのは得意だったのですが、
人やお金をどうこうするのは人当たりの悪さからしてだいぶ苦手でした。

それよりも前線でのモノづくりで腕を振るうエンジニアであり続けたい」
「スゴくはなりたいけどエラくはなりたくない」
という初心を思い出すにいたりまして、キャリアをいったん巻き戻そうと決意しました。

折しもAlphaGoがプロ囲碁棋士を破り、世にディープラーニングの威力が伝わり始めたころでした。
これは何か凄いことが起きているに違いないと、
キャリアの切り替え先を機械学習/AIの開発にしようと決心。
アクロクエストには年に1回、1週間の休みを取れるリフレッシュ休暇制度があるのですが、
それを丸々使って買った本を勉強しました。

そして「マネジメント業務をやめて機械学習/AIの開発をやりたいです」
と社員全体の査定会議で直訴しました。
おそらくマネジメント業務に穴をあけるのは歓迎はされないだろうとは思いましたが、
社長・副社長をはじめ全社員が私のモノづくりへの熱意を理解してくれ、
認めてもらうことが出来ました。
こういった柔軟に意見を聞いてくれる社風に感謝です。

今では、機械学習/AIのプロジェクトに参加したり、
動画をAI等で解析して業務を改善する
Torrentio Video(トレンティオ ビデオ)という製品の開発をしたりしています。

(誕生日の花一輪:花一輪について→ 詳しくはこちらの記事内

【前線で開発するスペシャリストによる社内教育】

- プロジェクト以外でも活動はしているのですか?

2年前くらいから、副社長の鶴の一声で社内教育のリーダーに任命されました。

当初は教育なんぞ私に向いているのだろうかと首をひねったのですが、
私の「理解するのはたいへん遅いが、理解したものを整理してアウトプットするのは得意」
という特性が教育という仕事と思いのほかマッチしました。

教育内容を私が理解できるレベルまでわかりやすくすれば、ほぼ万人にわかりやすくなりますし、
どうやればわかりやすくなるのかを整理して教えることはできたからです。
またここにきて、様々なシステムの開発を渡り歩いてきた経験で、広く教育すべき内容を押さえられていたのもプラスになりました。今では楽しく、とても良い仕事だと思っています。

(内定者に教育する速川さん)

■ AI猫カメラなど、インターフェースの記事執筆やイベント登壇

また、2017年末にCQ出版様のインターフェースという雑誌で、
後輩のKaggle Master山本さんと共同で記事を書きました。
もともとは、機械学習にむちゃくちゃ詳しい山本さんへの執筆依頼だったのですが、
依頼された量が多いので私にも手伝わせたらどうか、という案があがり、入らせてもらいました。

かなりチャレンジングな内容で、
自然言語の学習、画像の自動生成(GAN)、ゲームの強化学習の3記事を書くというものでした。
主にプログラムを山本さん、文章を私が担当しました。
ここで、難解なディープラーニングの仕組みや動作を山本さんから説明されつつ、
文章を書くという作業が、今までやったどの機械学習の勉強よりもためになりました。

そのあと2018年末に、同じインターフェース誌で、ラズパイで猫を検知するというAI猫カメラという記事を書かせてもらい、その縁でCQ出版様のInterface 500号記念ワークショップ『コンピュータ・サイエンス&テクノロジの未来』というイベントで登壇させてもらいました。
以後、そのAI猫カメラを改造する記事を連載で書かせてもらっています。

(左:2018年12月号のインターフェース | 右:インターフェース500号記念ワークショップ登壇時)

【Torrentio Videoで様々な世の仕事を効率化したい】

- 今後の展望は何ですか?

まずは人工知能の製品であるTorrentio Videoを作り上げ、
画像解析で様々な世の仕事を効率化していけるようにしたいと思います。

営業部隊が色々なAIの仕事を引っ張ってきてくれるのですが、1つとして同じ業務はなく、
それでいて製品を適用できそうなところがかなりありそうだと感じています。

例えば、人手不足の中、
「物の検査を人手で1つずつやっているが、物が重いし工場の中は暑いしもうやりたくない」とか
「並んでいる製品を写真にとってサーバにアップロードするのをひたすらやっているがもうやりたくない」とか、
そういう仕事が世にはたくさんあります。

それに対し、Torrentio Videoでは動画からおかしい物を見つけたり、
見つけた物を整理したりすることを得意としています。

なので、そういう業務にうまく製品を適用して楽に回せてもらえるようになれば、
楽しいことになるのではないかと思っています。

(40歳記念夕食会で社員から祝福される速川さん)

- 最後に何かメッセージはありますか?

エンジニア一つとってもどのような役割が自分に合うかは分からないものです。
そういった時に、キャリアを転換していけるような柔軟な社風の会社を選ぶと
活躍の幅も広がると思います!

また、AI × 画像解析に興味ある方、Torrentio Videoの開発に少しでも興味ある方、
いつでも連絡お待ちしています。それでは。

■ アクロクエスト社員の働き方がわかるインタビュー記事

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【支社長インタビュー】大阪支社立ち上げへの道のりとこれから

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29歳でミャンマー支社長になったリケジョが得たもの。
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