バリュエンスでは、2020年から「アスリートのためのデュアルキャリア採用」を開始しました。
この取り組みは、代表の嵜本が元プロサッカー選手という背景から、夢を追うアスリートが引退後のキャリアや不安定な生活への不安を理由に競技をあきらめることなく、競技もシゴトも本気で取り組める環境を提供したいという強い想いのもとスタートしました。競技を引退してから初めて第二の人生を考えるのではなく、現役のうちから複数のキャリアを築き、能力を最大限に活かしながら働くことを目指した取り組みです。
2023年5月にデュアルキャリア採用でバリュエンスに入社し、現在はファンクリエイト事業部 Valuence INFINITIES課で働いている奥野 由(おくの ゆう)さん。学生時代からビーチバレーボールに取り組み、関東大学ビーチバレーボール選手権優勝やビーチバレーボールNEXT2019 第2回全日本ビーチバレーボールU-23男女選抜優勝大会での優勝など、国内大会での実績を重ねてきました。2025年5月には、フィリピンで開催された国際大会「Volleyball World Beach Pro Tour Future in Nuvali」に初出場し、9位タイという成績を収めています。今回は、そんな奥野さんにデュアルキャリアを選択した経緯や今後の目標をお伺いしました。
一度諦めた競技に再挑戦。夢に背中を押されて、再びコートへ
―ビーチバレーを始めようと思ったキッカケを教えてください。
奥野|高校生の時に体育館で6人制のバレーボールをしていました。ですが、部員が減ってしまい、継続困難になってしまったんです。「どうしてもバレーボールを続けたい!」そんな気持ちでいたときにビーチバレーと出会いました。大学に進学するタイミングで本格的に始めたのですが、ビーチバレーは2人でプレーをするので、ボールに触れる機会が格段に増え、天候や風の影響をダイレクトに受ける。その予測できない環境も含めて、すべてが新鮮でどんどんのめり込んでいきました。
―今もビーチバレーを続ける理由は何ですか?
奥野|大学卒業後、一度競技から離れ就職しました。社会人として働きながら選手活動を両立できるとは思っていませんでした。そんな中、前職で聖火リレーに関わるシゴトに携わり、ランナーの方々と直接関わる機会がありました。夢に向かって努力する人たちの話に触れるうちに、かつて自分があきらめてしまっていた「競技をやりたい」という気持ちがふつふつと蘇ってきたのです。「自分も、もう一度ビーチバレーに挑戦したい」。そう強く思うようになり、あのときの決断が、今もこうしてビーチバレーを続ける原動力になっています。
ビーチバレーとD.LEAGUE、二つの情熱をつなぐキャリアのかたち
―バリュエンスに入社したきっかけを教えてください。
奥野|きっかけは、偶然観戦したD.LEAGUEの試合でした。私は当時、ビーチバレーを続けながら働ける会社を探していて、実はすでに別の企業への入社が決まりかけていたんです。でも、D.LEAGUEを観戦したことをきっかけにValuence INFINITIESの存在を知りました。さらにオーナー企業であるバリュエンスがデュアルキャリア採用を行っていると聞いて、強く惹かれました。選考が進むにつれて、「ここなら、競技を続けながら自分らしく働けるかもしれない」と期待が高まると同時に会社の事業内容にも興味を持つようになりました。バリュエンスが生み出す価値や、働く人たちの想いに触れるうちに、「ここで働いてみたい」という気持ちがどんどん膨らんでいき、最終的に入社を決めました。
―入社のきっかけになったINFINITIES課で働いていらっしゃるんですね。具体的にはどんな業務を担当しているのですか?
奥野|主に2つの業務を担当しています。1つ目は、INFINITIESのスポンサー営業です。INFINITIESの魅力をどうすれば最大限に伝えられるか、スポンサーをすることへの価値を感じてもらうにはどうすればいいか、日々模索しながら挑戦を続けています。
2つ目は、「Valuence INFINITIES Dance Academy」の企画、運営です。バリュエンス本社内のダンススタジオで、INFINITIESメンバーが講師となってダンスを教える教室を運営しています。ダンスの楽しさや魅力をより多くの人に発信して、興味を持ってもらうために、ワクワクするような新しい企画を考え、取り組んでいます。また、INFINITIESの魅力をより多くの人に知ってもらえるよう、日々試行錯誤しています。
「全力で夢を追う人を、全力で支えたい。」—INFINITIESとともに歩む、デュアルキャリアの今
―バリュエンスで働いてみて、どのようなことでやりがいを感じますか?
奥野| INFINITIESのメンバーが、夢に向かって本気で挑戦する姿を間近で見られることです。 彼らが練習に打ち込む姿や、ひたむきに努力する姿を見るたびに、「どうすればもっと支えられるだろう?」と自然と考えるようになり、それが私のシゴトの大きなやりがいにつながっています。彼らのリアルな声を聞き、一緒に悩みながら考え、前に進んでいく。その過程にこのシゴトの面白さが詰まっていると感じています。
今後は、INFINITIESのダンサーと社員の距離をもっと近づけていけたらと思っています。バリュエンスグループの中でINFINITIESのプレゼンスを高め、会社全体で応援し合えるような環境をつくっていきたいです。
―デュアルキャリアでの働き方について、どのように感じていますか?
奥野|ビーチバレーとシゴトを両立していることで、自然とリフレッシュできる感覚があります。むしろ練習をした日のほうが、集中力が高まることもあるんです。私の場合、同じことを長く続けていると集中力が切れてしまうことがあるのですが、デュアルキャリアのように全く異なることに取り組むことで、気持ちをうまく切り替えられていると感じています。INFINITIES課でのシゴトとビーチバレー、それぞれが良い刺激となって、お互いにポジティブな影響を与え合っていると思います。
―デュアルでキャリアを築いていくにあたって、時間や体力の調整はどのようにされていますか?
奥野|ビーチバレーの練習は砂浜のコートで行うので、朝早くから動き出します。特に夏は日差しが強く、気温もどんどん上がるので、暑さとの戦いです。始発で練習に向かい、そのまま汗だくの状態で出社する日もあるくらいです。それでも、“好きなこと”に全力で向き合えているという実感が、何よりの充実感につながっています。練習がうまくいった日は気分も良く、そのポジティブな流れがシゴトにも良い影響を与えてくれています。反対に、どちらもうまくいかない日もありますが、そういう時は思い切って気持ちを切り替え、吹っ切れるようになりました。競技とシゴトは一見まったく別のもののように見えますが、実際にはお互いに良い刺激を与え合っています。どちらも前向きに取り組む力を高め、日々の挑戦に対するモチベーションを後押ししてくれていると感じます。
「好き」を見つけることは、自分の未来を変える力になる。
―最後に、バリュエンスではMy Mission=「好きを、究めよ。」という目標を一人ひとり設定していますが、それについてどのように捉えていますか?
奥野|何かに取り組むとき、やっぱり“好き”という気持ちはすごく大切だと思うんです。興味のないことよりも、自分が少しでも“好き”だと思えることの方が、きっと伸びしろも大きいし、もっと深く向き合うことができると思うんです。
もし、今のシゴトが“好き”とは言い切れないと感じていたとしても、自分で選んだ道である以上、小さな“好き”を見つけることはできるはずです。その“好き”を見つけて、知って、広げていくことで、自分の人生がより豊かに、そして深みのあるものになっていくと思います。
たとえ今は興味がないことでも、まずは知ってみることから始めてみてください。その積み重ねが、自分の時間をより意味のあるものにしてくれるはずです。結局のところすべては自分次第。自分とどう向き合うかで人生は変えられると思います。
― まさに、「好きを、究めよ。」の体現者ですね。
奥野| “好き”って、意外と自分では気づきにくいものだと思うんです。でも、誰かの何気ない一言でハッとさせられることってありますよね。“好き”は人からの言葉で気づくことが多くて、“苦手”は実際に挑戦してみて初めて分かることが多い。だからこそ、いろんなことに前向きに取り組みながら、自分自身のことを少しずつ知っていけたらいいなと思っています。そのためにも、周りの声に耳を傾けてみることも、すごく大事だと思います。小さなきっかけが、もしかしたら人生を大きく動かすかもしれない。だからこそ、目の前のことをおろそかにしないで、一日一日を丁寧に過ごすようにしています。
―まずは、好きになれる部分を見つけることが大切ですね。変わるためには、結局は自分次第だと実感しました。本日は貴重なお時間をありがとうございました!