2023年10月に新たな理念体系が発表され、コアバリュー「Value Design for Us」と5つのバリューマインドが発表されました(参考URL:社員と共に創った理念体系)。これまでもバリュエンスグループは理念を大切にしていましたが、社員数1,000人規模になった現在、創業当時のようなレベル感でカルチャー浸透ができていないという課題がありました。こうした背景を踏まえ、理念体系を刷新し、全社員で理念を共有、バリュエンス・イズムを社内浸透させていくことが重要なテーマとなりました。
そこで、2024年1月、理念浸透を加速させるため、全社横断プロジェクト「バリュエンサープロジェクト」を発足しました。「バリュエンサー」は、バリュエンス×インフルエンサーを意味します。バリュエンスのインフルエンサーになって、理念を積極的に発信し、バリュエンス・イズムを社内浸透させていくことを目的としたプロジェクトです。
社員が主役の全社横断プロジェクト
バリュエンスでは理念浸透研修や人事発の理念関連情報の発信は定期的に行っていましたので、これまでと同じような手法で発信するやり方では、さらなる浸透は難しいと考えました。理念はやらされるものではなく、社員自らが体現したくなるものでなくてはなりません。そこで、社員が主役になる仕組みとして、“全社横断型”のプロジェクトの形をとりました。
バリュエンスグループが大好きな社員はもちろん、会社をもっとよくしていきたい、という想いのあるメンバーが集まって彼らが主体的に動くことができれば、本当の意味でバリュエンス・イズムを全社で共創し、根付かせていくことができると考えます。ですから、プロジェクトメンバーも、指名ではなく自薦にこだわり、主体的に参加してくれるメンバーに集まってもらいました。
自薦での募集がどの程度集まるのか不安な気持ちもありましたが、営業本部、プロダクト管理部、不動産事業部、米自動車・・・と、多種多様な部署から手を挙げていただきました。
「より飛躍していくためにも新しい“バリューマインド”を体現し伝えられる人材になりたい」「もっと広い視野で会社を見てみたいし、それによって今の自分のあり方がどうなのか、改めて考えたい」とった自分自身の成長のためにチャレンジした方もいれば、「自社の成長に合わせた浸透活動を通して、より団結力がある他社にない組織にしたい」という全社視点の熱い想いを持って参加した方もいました。
さまざまな思いを胸に参加を決めてくれた10名と事務局4名、総勢14名のプロジェクトチームが誕生しました。
メンバーの熱量を高め合うため、キックオフは1泊2日のワークショップ形式で実施
2024年1月10~11日、メンバー全員がワーケーション施設に集合し、キックオフを実施しました。地方の店舗に勤務するメンバーもいるので、一堂に会することは容易ではありませんでしたが、あえてリアルに集まり、寝食を共にすることにこだわりました。
メンバーは理念に共感はしていても、普段から理念浸透のことを考えているわけではありません。また、さまざまな部署から参加しているため、初めて顔を合わせる人もたくさんいました。ですから、最初のキックオフで、どこまでメンバー間の信頼関係を構築し、一つのゴールを共有できるかがプロジェクト成功のカギになると考えました。
そのため、日常業務とは全く異なる空間で、理念と会社のことだけを考え抜く1泊2日のワークショップ形式にしました。最初は、理念浸透の必要性と本プロジェクトのゴールの認識すり合わせを丁寧に実施。そこから、バリューマインドへの解釈を深め、会社の現状課題にも目を向け、白熱した議論を丸2日間行いました。
その結果、バリューマインドに対してメンバー一人ひとりが所有感を高め、メンバー全員が高い熱量でプロジェクトに向き合える状態を創ることができました。
“ボトムアップで「行動評価軸」を作成する”という、 チャレンジ
プロジェクトの最初のシゴトは、バリューマインド(行動指針)を社員の「行動評価軸」に落とし込むことです。
バリュエンスグループでは、昇格・昇給にあたって、業績評価と行動評価を併せて総合的に判断しています。この行動評価は、以前の行動指針を落とし込んだ内容になっていました。今回、行動指針が新たにバリューマインドとして生まれ変わったことで、行動評価軸を刷新する必要がありました。
評価は社員にとって非常に大事なものです。公正・公平でなくてはなりません。さまざまな部門があるバリュエンスグループ全体の行動評価ですから、人事の常識にとらわれることなく、さまざまな部門の考え方や状況を踏まえて、共創することに意義があると考えました。
ボトムアップで「行動評価軸」を作るということは、会社としてもチャレンジングではありましたが、嵜本社長のサポートも得ながら、進めることができました。
修正範囲を軽微に抑えるという意見もありましたが、今のバリュエンスとこれからのバリュエンスを考えたときに、社員がとるべき行動とは何かを考え、全面的に改訂しました。
「自責」の考え方や「シゴト=仕事・私事・志事」の考え方など、バリュエンスが大事にしている価値観をふんだんに入れ込みました。また、今後もっと強化していくべき行動として、全体最適を踏まえた戦略立案スキルやPDCAのDoだけでなくCheck・Actionを徹底するマインドが必要、などの意見もあがり、そうした要素も追加しました。
バリュエンサー一同、社員全員に関わる評価軸を考えるということの重大さにプレッシャーを感じながら、1月のキックオフから二か月間にわたり議論を重ね、時に頭が痛くなるまで考え抜き、行動評価軸を作り上げました。こうしたバリュエンサー全員の「会社をより良くしたい」という熱意や真剣さを伝えるため、社長はじめ役員の方々にバリュエンサーから直接プレゼンする機会を設定しました。
社長から受け取った“感謝”のメッセージ
プレゼン後、社長から「ここまで会社のことを真剣に考えてくれてありがとう。」と感謝の言葉をいただきました。そして、「新しい評価軸は、僕自身の価値観・バリュエンスの考え方が盛り込まれていた。1,000人の規模になり、いろいろな考え方の社員がいる。経営者としても、バリュエンスとしても、全社員が働きがいのある環境をどうつくっていくのかは、終わらない旅、やり続けないといけないことだと思っている。このように主体的なメンバーが集まって、これからのバリュエンスをつくっていくのだ、と改めて実感した。これをきっかけに、バリュエンスらしさをもっと尖らせていきたい。」とコメントをもらいました。
このプレゼンを通して、2月末、取締役のメンバーからオーソライズが得られ、行動評価軸が完成しました。
これを受けて、3月から全社員向けに新・行動評価軸の説明会をオンラインで実施。こちらも、初めての試みで、人事からではなく、バリュエンサーから説明してもらう形をとりました。社員にとっては、自分たちの仲間から行動評価軸を発表され、さまざまな反応がありました。「ワクワクした!」「これからの活動も楽しみにしている!」などの応援メッセージももらいましたし、評価に関わるセンシティブなものだったので課題を指摘するコメントもありました。チャレンジングな施策だったからこその多様な反応だったと受け止めています。
新・行動評価軸を理解している社員80%達成!
これまでの活動を通して、4月末に全社員アンケートを実施し、451名の回答が得られました。その結果、理念に共感している社員は8割強。新・行動評価軸について理解している社員も8割にのぼり、メンバー一同胸をなでおろしました。
それでも新・行動評価軸に即した行動を社員一人ひとりが体現できるようになるには、まだ長い道のりがあると感じています。
現在は、機動力を上げるため、合計10人のバリュエンサーを3つのチームに分け、新・行動評価軸の理解浸透をはかるマネージャー向けのワークショップ設計をはじめ、効果的な情報発信や理念行動促進のための仕掛けづくりなどについて、知恵を出し合っています。
活動はまだ始まったばかりですが、いつか「バリュエンスグループの社員全員がバリュエンサー」になる日を目指して、メンバー一同頑張っていきます。