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スタッフに期待し続けてもらうために。スタッフドリブンなプロダクト開発とは?

主力事業である「STAFF START」を軸に着実に成長しているバニッシュ・スタンダード(以下、VS)。メンバー一人ひとりが事業を盛り上げるために、日々活動しています。

本記事のテーマは「スタッフドリブンなプロダクト開発」。VSはなぜ、顧客視点にこだわっているのか。今回はユーザーであるEC運営担当者やスタッフの意見を一番近くで聞くCustomer Success Unitの山田と、届いた意見を開発につなげるProduct Unitの田中に「スタッフドリブンなプロダクト開発」への想いと日々の取り組みについて話を聞きました。

(聞き手:Corporate Design・大山 都子)

プロフィール

田中(ゆいちゃん)・左
インターネット情報サービス事業を展開するIT企業に新卒入社し、システムエンジニアとしてキャリアをスタート。新規事業でのPM兼エンジニアの役割を経て、VSにカスタマーサクセスとして入社。産休・育休を経て職場復帰し、現在はProduct Unitのディレクター職を担う。
山田(そんちゃん)・右
新卒入社したアパレル企業で約3年間の接客経験を積んだ後に転職。EC活用提案やサイト制作支援など、EC運営に関する総合支援に従事する。2022年1月にVS入社後は、カスタマーサクセス一筋。導入から日々の問い合わせ対応、クロスセル等を広く担当した後、現在はプロダクトの画面に関する問い合わせやテクニカル面のサポートを中心に携わっている。

届いた声の「熱量」まで汲み取り、より良いプロダクトへ

ーーVSが大切にする「スタッフドリブンなプロダクト開発」のために重要な役割を担っているのがプロダクトフィードバックですよね。どのような取り組みなのか教えてください。

田中:簡単に言うと、主に管理画面を利用しているEC運営担当の方やアプリを使用しているスタッフさん、そしてEC運営担当者の方と対峙しているカスタマーサクセス(以下、CS)からの改善要望を吸い上げて、プロダクト開発に活かしていく取り組みです。継続的にEC運営担当の方やスタッフさんの声に耳を傾けて「STAFF START」をより良いプロダクトにし、満足度の高い状態で使い続けていただくことを目的として行っています。

ーーお二人はどのような想いでプロダクトフィードバックという取り組みに向き合っているのでしょうか?

田中:「STAFF START」のメインユーザーは、ECサイト運営を担当されている方と店舗の販売スタッフさんです。それぞれ目標を持って日々、ECサイトを運営したり、アパレル業の方であればコーディネートを投稿したりしています。

とくにtoBの業務向けサービスが難しいのは、自分がユーザーと同じ環境で日々サービスを使うことができないこと。もちろん自社のプロダクトは毎日触って向き合っていますが、販売業務の合間にコーディネートを撮影して投稿したり、自分のコーディネートがECサイトに掲載されたりはしません。それゆえにリアルな利用シーンを想像することが難しいと思っています。

だからこそ、EC運営担当の方やスタッフさんからのフィードバックは非常に重要です。中には「意外な機能に需要があるんだ」と私たちでは思いつかないようなアイデアをいただくこともありますし、何よりご意見・ご要望は、言われているうちが花。「VSならやってくれる」と期待し続けてもらえるようなプロダクト開発をするためにもプロダクトフィードバックの取り組みは欠かせません。

私自身、過去にCSの役割を担っており、意見をいただく機会はたくさんありました。そのため、よりフィードバックの重要性を感じていて、熱量を持って臨んでいます。

山田:CSは顧客対応の窓口という役割を担っています。EC運営担当の方やスタッフさんの声をもっとも聞く立場であるからこそ、その声をCS内だけで止めずにサービスを「つくる」側のPdMや開発者に正しく伝えていかなくてはいけません。一律に「ユーザー」と言ってもその属性はさまざま。システムに詳しい方もいれば、そこまで詳しくない方もいます。率直に「他サービスと比較してどうか」という意見をいただけることもあって、そこから新たな発見があることも少なくありません。多種多様な声を聞くからこそ、その熱量までを伝えなければ「それは本当に必要なのか」と優先順位を見失ってしまいます。

プロダクトフィードバックは、まさに「ユーザーの熱量」をきちんと伝えられる場。スタッフドリブンなプロダクト開発に欠かせない機会だと思って、全力で取り組んでいます。

スタッフドリブンなプロダクト開発に「プロダクトフィードバック」は欠かせない

ーーここからは具体的にどのように「プロダクトフィードバック」が行われているかをお聞きしたいと思います。ご意見・ご要望はどのように集めているのでしょうか?

山田:VSでは「EC・店舗の管理者」「店舗のスタッフ」「CS」がそれぞれ要望を届けられる場所を設けています。「STAFF START」の管理画面やアプリ上に表示されたリクエストフォームへ意見を投稿してもらったり、CSとクライアントの打ち合わせの際にフィードバックをもらったり……。

さらには、CSがクライアントからもらった意見を投稿できる社内向けのフィードバックフォームも存在します。あらゆる形で意見を募り、それを一箇所のシートに集約しているんです。



ーー各所から集まったフィードバックをCSからプロダクト側に共有しているわけですね。

田中:そうです。週1回、CSとプロダクトのディレクター、開発メンバーが集まる場を設けていて、そこでCSのそんちゃんからEC運用担当者の方やスタッフさんからの要望を共有してもらっています。詳細なフィードバック内容と熱量を聞いて、開発工数なども議論した上で優先度を決めていくんです。要望をテキスト共有ではなく、ミーティングの場でCSから直接聞くことはすごく大切で「そんちゃんがどのくらいの熱量で話してくるだろう」というところも、優先度の参考にさせてもらっています。

山田:直接話を聞く機会が多い立場だからこそ「熱量」などのディテールの部分まで共有する使命があると思っています。実際に「何に・どのくらい困っているのか」はなかなかテキストからは伝わってきません。文面上はさらっと書いていても「それがないと業務を進める上で致命的」あるいは「致命的とは言えないけれど、サービスを使うたびに気になる」といった具合に温度感はさまざま。競合サービスの登場やユーザー自身の変化によって、新しく表出する意見もあれば再燃する要望もあります。なので、回収したご意見は過去のものも含めて定期的にチェックし「今ユーザーが重要視していること」を整理してプロダクト側とのミーティングに臨んでいます。

ーー届いた声の温度感をそのまま伝えることを大切にされているんですね。各方面から意見をいただくとなると、優先順位付けは大変そうです。

田中:それは本当に(笑)。それを適切に判断するのがProductユニットである自分の役目とは思いつつ、毎回頭を悩ませるところです。熱量は高いけれど開発コストが高いものもあれば、熱量は中程度だけれどサクッと改善できるものもあります。改善したい箇所によって技術領域も異なるので、Dev Unit全体の空きリソースを把握して「この改善なら◯◯チームに今お願いできそう」と差し込んでいく。その調整をミーティング内で行っています。

その結果、いかに熱量が高くても開発リソースの関係で後ろに倒すこともあり得るのですが、その場合も「要望」としてのチケットは切るようにしているんです。今すぐ着手する開発のチケットとは別に「優先度をつけて空いたらちゃんとやる」と明示しておくことで、EC運営担当の方やスタッフさんからいただいた声を取りこぼさないようにしています。

山田:時間が経つと新しく来たフィードバックに埋もれてしまう可能性もありますもんね。私からも折りを見て「そういえば、例の要望ってどんな感じですかね?」と声をかけさせてもらうこともあります。CS unitもproduct、devと同じフロアにいるので、今はどの機能の対応をしているのかを察知しやすく、以前にあった要望も「今なら当時より検討してもらいやすいかも」と思ったら改めて伝えてみるようにしています。

ーー限られたリソースの中でも着実に改善していくんですね。改善要望をプロダクトに反映したことはどのように伝えているのでしょうか?

山田:フィードバックがプロダクトに反映されたと知っていただくことは、さらなる要望を募る上で重要な活動です。そのため、リリース実績は「STAFF START」のサポートサイト上にもれなく掲載しています。その中でもEC運営担当の方やスタッフさんの業務へのインパクトが大きいものは管理画面やアプリに機能リリースを知らせるポップアップを出したり、大きめの新機能ローンチであればプレスリリースで大々的に告知したり。加えて、少数派の意見で「影響範囲は広くなさそう」といった場合には、要望をいただいた方に個別にお知らせをすることもあります。丁寧にリクエストフォームから「改善ありがとうございます」とメッセージをいただける方もいて、そういう瞬間はすごく嬉しいですね。



プロダクトフィードバックから思わぬ「待望の機能」が生まれる

ーー実際にプロダクトフィードバックを元に改善した事例で印象深いものがあれば教えてください。

田中:思いがけず好評だったという観点だと「SNAP PLAYのコメントの最大文字数を10,000文字にした」ことでしょうか。SNAP PLAYは、スナップ写真やショート動画で商品の魅力を投稿できるSTAFF STARTのオンライン接客機能です。

そのSNAP PLAYで投稿可能だったコメント数は1000文字。しかし、Instagramにはそれ以上の文字を入れられることもあって、Instagramで利用した1000文字を超える文言をそのまま流用することができなくて不便という声が上がっていたんです。たしかに、文章を削って構成し直すのは手間がかかります。そこを改修すること自体は改修にかかる工数は小さく「それで少しでも良くなるならやろうか」くらいの温度感で着手したんです。そうしたら、想像以上の反響があって「こんなに待ち望まれていたなら、もっと早くやれば良かった」と印象に残っています。

山田:実際に機能をリリースする前は「忙しい中で投稿するのに10000文字も書かれるのだろうか」と社内では懸念の声もあったくらいだったので、実際の反響が想像を上回っていて驚きましたよね。

個人的には「商品並び替え機能の追加」も印象深いです。今ではトップスやパンツといった商品カテゴリごとに順番を並び替えることができるのですが、以前は選択した順にしか表示できませんでした。

実際に投稿したスタッフさんの「選択した順番によっては商品のカテゴリがバラバラに表示されてしまって見栄えが悪い」という指摘から改善に動き始めたのですが、リリース直後から機能を使ってくださる方が多くて、スタッフさんの視点はプロダクト開発に欠かせないとあらためて感じた要望でした。

ーー些細な改修に思えても実はそれが「待望の機能」ということもあるんですね。

田中:そうですね。一つひとつは小さな改善でも、実は広い範囲に影響する機能になることも少なくありません。「修正依頼機能のリリース」は管理側・スタッフ側双方の業務効率を大きく変えた代表例ですよね?

山田:たしかに!投稿から公開までのフローはすごくスムーズになりましたね。SNAP PLAY機能でスタッフさんがコーディネートなどを投稿する際には、管理画面上で「承認」をしてもらう必要があります。いわゆる管理責任者の方による公開審査があるんですけど、以前は管理画面上でフィードバックする機能はなかったんです。

そのまま承認が下りるのであれば良いですが、もし投稿者に修正をしてほしい部分があった場合は社内メールやチャットツールなどを使って、別途お知らせしないといけませんでした。管理者の方は差し戻しに手間がかかりますし、投稿したスタッフさんからすると連絡を見逃すリスクが高い。そこで、管理画面上で「修正してほしい箇所」をコメントできる機能を追加したのが「修正依頼機能」です。投稿に関する悩みをうまく解決できる機能になったんじゃないかなと思いますね。

要望の解像度を上げて「STAFF STARTだから使いたい」を増やしていく

ーー最後に「スタッフドリブンなプロダクト開発」を進めるお二人から今後の目標を教えてください!

田中:収集したフィードバックを検討して「やるやらない」を決定する立場として、もっと「この機能追加が本質的な課題解決になるのか」を追求して、プロダクトフィードバックの意義を高めていく取り組みを進めていきたいです。

EC運営担当の方もスタッフさんも利用して感じたことを率直にフィードバックしてくれますが、答えを持っているわけではありません。「◯◯の機能を追加してほしい」という要望をそのまま実現するのではなく、いただいた意見をもとに詳細なヒアリングなどをしてフィードバックの解像度を高めることが重要です。EC運営担当の方やスタッフさんが「なぜそう思ったのか」という背景によっては、別の最適な改善ができる可能性もあります。

ある意見に重要性を感じた際に、能動的にユーザーインタビューをしにいったり、簡単に画面をつくってユーザーテストをしてみたり。フィードバックを待つだけでなく、こちらから「これどうですか」と提案するような動きをしていきたいなと思っています。

山田:引き続き、届いた声をきちんと集めて、正しく伝えるというCSの責務を全うしていきたいと思っています。ゆいさんがおっしゃる通り、フィードバックの掘り下げはすごく重要です。EC運営担当の方やスタッフさんが「どのようにサービスを使っているのか」「なぜ困っているのか」といったところまで細かく吸い上げて、プロダクト側がスムーズに優先度を判断できる粒度で要望を共有をしていきたいと考えています。

今期からディレクターのゆいさんがプロダクトフィードバックの音頭を取ってくださるようになって、今まで以上に「フィードバックに向き合える体制」ができてきました。この体制の利点を活かして「STAFF STARTだから使いたい」と思っていただける方を増やしていきたいですね。

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