しゃいんづかん#4 工場勤務からエンジニア統括へ/稲田稔 | 株式会社TOMAP
しゃいんづかん#3では、TOMAPの創業メンバーであり、TOMAPが運営するプログラミングスクール『ZeroPlus』の塾長でもある廣瀨さんをご紹介しました!#4では、TOMAPでエンジニア統括...
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しゃいんづかん#4では、TOMAPでエンジニア統括を務める社内一の優しい巨人、稲田稔さんをご紹介しました!
#5では、無料プログラミングスクール『ZeroPlus Gate』の事業統括、およびプログラミングスクール『ZeroPlus』のキャリア統括、また法人営業責任者など数々の部署で責任者を務めるTOMAP一の何でも屋、森内陸さんの素顔に迫ります!
ー 陸さんのTOMAPでのお仕事内容を教えてください!
勇気づけること!
ー 誰をですか?(笑)
メンバーを!
例えばオフィスに出社する時は人一倍あちこち歩き回って、暗い顔してるメンバーがいたら話しかけたり、みんなと満遍なくコミュニケーション取るように心がけているんだよね。
そうするといろんな人のいろんな悩みが見えてきて、例えば集客うまくいってないとか、採用うまくいってないとか、営業がうまくいってないとか。
そういうメンバーがいたときに、その人が見えていない可能性を見せてあげて、出来ないと思ってたことに対して出来るイメージを一緒に見つけていく。これも勇気づけることの一つかな!
っていうのもありつつ、実際の仕事内容はと言うと、人材紹介、法人の窓口、コミュニティやイベントの企画から当日の司会運営、解約チーム発足から運営、ZeroPlus生のキャリア相談、講師のマネジメント、法人との協業系、セールスメンター、採用手伝ったり、とか色々です!結論、職種は分かりません(笑)
今はZeroPlus Gate事業部の統括がメインで、そこに関わるメンター部署のマネジメント、採用、マーケティングや広告など全般を見てます。
ー そんな陸さんとTOMAPの出会いや、TOMAPに転職を決めた理由を教えてください!
TOMAPとの出会いのきっかけは、俺が元々ZeroPlusの生徒だったことですね。
それまではずっと飲食業界で仕事をしてきたんだけど、飲食業においては生意気ながら自信を持ったんですよ。自分はいつでも飲食店を立ち上げられるし、かつどこよりもいいお店を作ることができるっていう自信。
でも当時はスキルって掛け算すると市場価値が上がると思ってたから、そのまま飲食に着手するんじゃなくて、別のスキルを養おうと思ってZeroPlusに入りました。
その初めての交流会で登武さん(TOMAP代表)に会ってお互いの仕事や人生の話をしていく中で、夢がふたりとも「世界平和」ってことが分かったんだよね。その時に、登武さんは俺と1歳しか年齢が違わないのに、俺よりも大きな存在に思えた。「世界平和」の体現度が俺よりも高いと感じて、それがすごく悔しかった。悔しかったが故に、一緒にやった方がより早く世界平和を実現できると思ったってのと、悔しかったからこそ登武さんの側にいた方が成長が早いいんじゃないかと思って、その場でぜひ一緒にやりましょうってなったんだよね。
ー 陸さんがTOMAPを通じて叶えたいことはなんですか?
ひとことでいったら、選択の自由を掴める人を増やすこと。敢えてビジョンと違う表現をするのであれば、さっき言った通り「勇気」。もっと噛み砕いて伝えると、届けるべき教育を届けていきたい。
生まれた環境や親、出会う大人たち次第で得られる教育の内容って違うじゃん。よく貧乏人の子供は貧乏人で、金持ちの子供は金持ちって言われることがあるんだけど、それは親が持っている知識や価値観の中で教育されているからなんだよね。
だからこそ俺は貧乏マインド溢れる自分の「家」から飛び出してひとりで生きていく意思決定をしたんだよ。
本人が意図してなくても必要な教育が行き届いてなくて、たった1回のどうせ死ぬ人生のなかで、「私の人生は所詮こんなもんだ」と夢を諦めたり悲観的に人生を送っている人がすごく多いなと思っている。それは俺は「生きてる」とは言わないと思うんだよね。昔は長らく死ぬ勇気がないからダラダラ生きてた俺が言うのもあれなんだけど。笑
だから、本当の意味で「生きて」欲しい。そのために自分の意思で強く生きる「勇気」を、教育を通して、TOMAPを通して提供していきたい。
ー ZeroPlusの入学式の挨拶も担当している陸さんですが、そんな陸さんのスピーチが毎回、感動の嵐を呼んでいると話題ですね!いつもどんな想いで生徒さんに語りかけているのですか?
さっきの話に通ずるんだけど、一貫して「勇気を与えること」かな。
その中でも、①可能性②現実③寄り添いの3つは特に意識して織り込んで話してる。
特に②の現実っていうのは、社会は誰も救ってはくれないよっていう厳しい現実。自分の人生を変えられるのは自分だけ。親ですら、代わりにリスクを背負ったり大金を払ったりするのを拒むかもしれない。
俺は環境って所詮環境でしかなくて、人が大きく成長するためには環境×マインドが必要だと思ってるから、この入学式のタイミングで「良い環境に入れたな」で話を終わらせるんじゃなくて、その厳しい社会の現実を突きつけた上で、過去1番挑戦する決意をこの場で持つことに価値があるんだよっていうのを伝えている。
ー 「可能性」や「寄り添い」を伝えるのは理解できるのですが、なぜ「現実」までも伝え続けているんですか?
それは、僕がめちゃくちゃ貧困の家庭で育ったからです。幼少期は「選択肢」なんて1ミリもない側の人間でした。ゲームも持てない、習い事もできない。当時はゲームでみんな繋がってたから、友達が欲しくても、友達を作るための“ツール”がないから輪に入れない。集団にいながら孤独っていう、強烈な疎外感をずっと感じてたんですよ。
家族も血のつながった兄弟が7人もいたけど、血のつながりがあるだけで、心のつながりはまったくなかったんだよね。社会も学校も家族も国も、どこからも手を差し伸べられることはなかった。だから自然と、「誰も助けてくれないんだ」っていう現実を、人よりも早く理解したんだと思う。
俺はよく「家族っていうのは血のつながりじゃなくて心のつながりだ」って言うんだけど、それはそういう背景があって感じるようになった。たまたま血がつながってるってだけの集団を、俺は家族とは呼ばない。心でつながってるかどうか、それが本当の意味での“家族”だと思ってる。
ただ、それと同時に今思うのは「俺は助けてって言ってこなかったな」ってこと。SOSを出す勇気がなかったし、それを出す必要性も変なプライドのせいで感じてなかった。でも、大人になって、大きなことをやろうと思うと、一人では限界がある。最初は正直、うまく人を使うためというか、利己的な考えでSOSを出してる「フリ」をしてた。本当に助けて欲しいというより、成功のための手段として演じてたんだよね。
でも実際に人と協働して、大きなことを成し遂げる経験をしたことで、「他人の力って本当に重要なんだ」って実感した。一人でできるだろうってどこかで思ってたけど、人がいればもっとできるって知って、その演じてた自分がいつの間にか本当の自分になってて、周りにも人が集まるようになってた。
そういった不遇な環境からの成功体験を経たことで、「現実ってこうなんだ」っていうことを、良い部分も悪い部分も含めて若いうちから知ることができたんだよ。でもそれって、別に俺が特別だったわけじゃなくて、もっと広い視野で見渡すと誰の人生にも大なり小なり同じようなことが起きてるんだよね。たまたま俺はそれを人より早く、たくさん経験できただけ。だから、自分の実体験をもとに、社会ってそういうもんだよって伝える意味があると思った。
それに、世の中の多くの大人たちは、深く考えずに若者にアドバイスしちゃってるんだよね。「いい大学に行け」「公務員になれ」「大企業が安定だ」とかって、根拠もなく若者に「アドバイス」してくる。でも、じゃあそれはなんで?って聞いても、説明できない人がほとんど。そうやって言われたままを信じ続けて、結果として痛い思いをしてる人も多いんだよ。例えば、学歴ばかり重視されて勉強に全振りして、コミュニケーション能力が育たないまま社会に出て、結局社会から必要とされないとか。それって、何も考えてない大人たちの無責任なアドバイスのせいだと思ってる。
社会の現実を知らずに夢ばかり見せられて、いざ現実と向き合ったときに折れてしまう。そうならないためにも、ある程度の“痛み”は早いうちに経験しておいたほうがいいと思う。痛みに慣れておくってことがすごく大事。だって、年齢を重ねて家族ができたり、守るものが増えてくると、その分だけ背負う痛みも重くなるじゃん?だからこそ、早い段階から人生を楽観視せずに、これから来る痛みに備えて疑似体験しておくことが必要だと思ってる。
脅したいわけじゃなくて、心の準備をしてもらいたいんだよね。だから俺はZeroPlusの入学式で、いつも“現実”を突きつけてる。夢を語る前に、まず「社会ってそういうもんだぞ」ってちゃんと伝える。その上で、それでも挑戦してみようって思える強い人たちの集まりだって信じてるからっていうのもあるかもね。
ー 素敵ですね。陸さんはというと、去年第一子が誕生して、TOMAPでは初めてのお子さんがいる社員となりましたね!子供が産まれたことで、お仕事への向き合い方に変化はありましたか?
めちゃくちゃあったよ。まず、責任感がまるで違う。「守りたい」じゃなくて「守らなきゃいけない」って本気で思えるようになった。これまでは「守りたい」っていうのは願望に近かったんだけど、子どもが生まれてからは、願望だけど願望じゃないというか。なんか“本能”みたいなものになったというか。そういう感覚になったんだよね。これってきっと、実際に父親/母親になった人にしかわからない感覚だと思う。
そうなると必然的に、TOMAPという会社がレベルアップしていかない限り、俺の守りたいものは守れないじゃん。だから強制的に会社視点、経営視点が生まれたんだよね。そして、その視点が生まれたことで、自分のアクション一つひとつが、全部と繋がってるんだって実感するようになった。息子や奥さん、飼ってるワンちゃん、そしてこれからまた増やそうと思ってる子どもたち。全部に繋がってる。
そう思えるようになったから、TOMAPのメンバーの見え方もガラッと変わった。俺は昔から「TOMAPを家族にしたい」って言ってきたけど、それがより強固になったというか。メンバー1人ひとりには大事な人生があって、ドラマがあって、そこに自分がある種、それを作っている立場にいるってことに改めて気づいた。俺はその“重要なポジション”にいるんだって自覚したし、そのポジションに居続けられる人であり続けたいとも思った。そういう責任が俺は好きなんだよね。
今の俺ぐらいの世代とか、俺らより下の世代って、どちらかというと“責任から逃げたい”って人が多い気がする。でも俺は逆で、真っ向から責任を取りに行きたい。そのほうがかっけえなって思うし、自分で生きててよかったって思える気がするから。
人のために生きるっていう意思決定を、ずいぶん前にしたからこそ、逆に言うと人のために生きられてないと、俺の中では「生きる理由がない」っていうのと同義なんだよ。だからこそ、その責任を負いたいっていう欲は、たぶん人一倍強いんだと思う。
ー 素晴らしい覚悟ですね。そんなキレキレの陸さんは、8期目をどんな1年にしていきたいですか?
8期目は「選択の自由を掴める人を増やす」っていう大きな目標に向けて、人の可能性を最大化したり、その可能性を「自分にもできる」って信じられるように勇気を届けていく。これはずっとやってきたことだし、これからも変わらず続けていく。ただその中でも、8期目は特に「社内」、つまりTOMAPのメンバーに対して、もっと本質的な勇気を届けていきたいって思ってる。
なぜなら「選択の自由をつかめる人を増やす」っていうのは大きすぎて途方もないと思うかもしれないけど、シャンパンタワーのてっぺんのグラスを満たせば、勝手に他のグラスも溢れていくように、俺が満たされれば奥さんが満たされて、奥さんが満たされれば奥さんの親友が、さらにそのまた友達や家族も満たされていく。こうやって自分が満たされてどんどん輪を広げていけば、そんな大それたこと考えなくても、結果的に世界平和って実現できるんじゃないかなって本気で思ってるんだよ。
だから俺の中では「他者貢献のための自己犠牲」っていうのは否定派なんだよね。昔の俺はそれをよくやってたんだけど、でもそうするとこっちがどんどんすり減っていくじゃん。だからそもそも「他者貢献」なんて考えずに、みんなが自分の人生に責任を持って、自分の人生を120点にしていれば、その分だけ世界が平和になる可能性がある。自分一人で遠くの誰かのグラスに水を注ぎに行ってたら持続的ではないし、時間もかかりすぎる。だから「他者貢献のためには自己貢献をしまくる」ことが一番大事だと思ってる。
そもそもだけど、他者貢献の本質を見抜けてる人って、正直少ないと思ってて、たとえば台風の日に自転車が倒れた場面で、多くの人はそれを立て直してあげることが「他者貢献」だと思うんだよ。でもさ、風強いんだからまたすぐ倒れるんだよ。しかも、次に倒れたときにはベルが吹っ飛ぶかもしれないし、チェーンが外れるかもしれないし、パンクするかもしれない。つまり、立て直すっていう行為自体がリスクを増やしてる可能性があるんだよね。でもその本質を見抜けずに、自転車を立てることが貢献だと思ってる人が世の中には山ほどいる。でも本当の貢献は、むしろ“倒すこと”かもしれない。風でバタンって倒れる前に、自分の手でそっと寝かせてあげる。そういう視点がないと、本質的な他者貢献ってできないと思ってる。
ただね、そうは言ってもある意味では理想論だから、俺ひとりの力ではできることなんて限られてるんだよ。実現するには時間もかかるし。じゃあ現実的にどう広げていくのかって考えたときに、「教育」がやっぱり大事なんだと思った。こういう考え方とか、本質を見抜けるような力とか、そういうのを多くの人が身につけられるようにしていかなきゃいけない。
特に社内。TOMAPの中にいる人間の教育が何より重要だと思ってる。教育って、どこまでいっても“本人のマインド”がベースにある。それってつまり、「やれるかも」「自分も動いてみようかな」っていう勇気が必要なんだよね。だから、8期目は社内のメンバーにその勇気を届けていくこと、そしてその結果としてメンバーが成長していくことが一番やるべきことだと思ってる。
8期目を迎えるってことは俺の29歳が始まるタイミングでもあるんだけど、ちょうど昨日俺の29歳のテーマが決まりました。テーマは「大丈夫」です!
まず1つは、これまでは何かあったら「俺に任せとけ」って自分で解決しに行っちゃってたんだけど、これからは「君なら大丈夫」と言えるだけの信頼や応援を全力でして痛みや挑戦を経験させたい。そして2つ目は、「本当に大丈夫」だと思えるくらい、メンバーを全力で育てて成長を支えること。ただ「大丈夫だよ!」って声をかけるんじゃなくて、その言葉にちゃんと中身がある状態をつくれるようにしたい。だからこそ日々のコミュニケーションや教育、自己成長など、他にもいろんなことを変えていかないといけないと思ってる。最後に3つ目は、「万が一の時は、俺が必ずケツを拭く」っていう覚悟と器を俺自身が持つこと。任せきりにするわけじゃなくて、最後の最後はちゃんと守れるように、当たり前だけど俺自身も努力を止めずに痛みに飛び込む勇気と成長を体現し続けたい。
その全部の意味が込められている“大丈夫が言える状態”を体現していく29歳、TOMAP8期目にしたいね。
ー 今日は素晴らしいお話を聞かせていただきありがとうございました!
ありがとうございました!