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【創業ストーリー/CEO羅悠鴻】“手ぶらで暮らせる星”を目指して

「エレベーター空間を面白くするメディア」を目指しています

ーまず、プロダクトについて簡単に教えてください。

プロダクトは2つあって、エレベーターの中に設置するプロダクトと、外に設置するプロダクトがあります。中に設置するのは「東京エレビ」というプロダクトで、簡単にいうと“0円防犯カメラ”です。

本来、エレベーターの中に防犯カメラを設置するのって、50万円くらいかかるんです。だから防犯カメラは意外と普及していないんですけど、若い女性とかは防犯カメラも何もない密室って怖いと思うので、無料で設置できる防犯カメラというのは需要があるなと。僕たちは無料で防犯カメラを設置する代わりに、タブレットに広告を表示することで、広告収入を得ています。

エレベーターの外に設置するプロダクトは、「東京エレビGO」といって、簡単にいうと“無人コンシェルジュ"です。天気予報や、テナント様のCMを表示して、来ていただいたお客様をお出迎えする、ビルの顔としての役割を担ってます。現在エレビとエレビGO合わせて3ケタ以上を設置しています。

プロダクトこそ違いますが、エレビもエレビGOもやりたいことは一緒です。これまで注目されていなかったエレベーター空間を面白くするようなメディアを目指しています。エレベーター専用のテレビ局みたいなイメージです。

ー50万円の設置費用って、広告収入だけでまかなえるんですね。

はい、十分まかなえます。防犯カメラの役割を果たすのは一緒なのですが、東京エレビの設置費用は50万円もかからないからです。

これまで防犯カメラの設置に50万円もかかっていた理由って、端末が高いからじゃなくて、工事費が高いからなんですよ。エレベーターの箱の下に垂れているケーブルを引っ張って来て、通信を繋がなきゃいけないところにコストがかかってたんです。東京エレビシリーズはタブレットなので、Wi-Fiを使って無線で通信することで、これまでの防犯カメラみたいにケーブルを引っ張って来る必要がなく、安価に設置できます。

ー0円防犯カメラにするっていうアイデアはどういう経緯で思いつかれたのですか。

もともとは純粋にタブレットをエレベーター広告の媒体にしようと思っていました。中国で既にあった、防犯カメラ機能はなしで、広告費の一部をビルオーナーに還元するというビジネスモデルです。でもそうすると、ビルオーナーにとっての収益が微々たるものになってしまうんですよね。ビルオーナーから見ると、設置させてあげるかわりに売上の一部をもらえるっていうのは、自動販売機のビジネスモデルに近いのですが、自動販売機は飲みものを売るから売上が立ちやすいのに対して、エレベーター広告にはそれがないので売上が立ちにくい。それで、ビルオーナー側の価値提供を考え直さなきゃいけないなと試行錯誤してるうちに、タブレットのインカメを利用して防犯カメラとして活用するのはどうだろう、という話になりました。

ー中国にもエレベーター広告で有名なフォーカスメディア社がありますが、防犯カメラ機能はないんですね。

そうですね。中国の1エレベーターあたりの在韓人数は日本の3倍くらいあるので、広告収入が3倍とれ、レベニューシェアをオーナーさまへの十分なメリットとしてご提供できるのです。日本に応用するにあたって、ビルオーナーへの価値提供を考えて直した結果、インカメを利用した防犯カメラにするという戦略で行くことにしました。

誰かのファンではなく、自分が主人公でありたかった

ー起業や経営への興味は以前からあったのでしょうか。

もともと資本主義という概念が好きだったというのはあります。大学時代に学んでいたのが物理だったのですが、物理っていかにシンプルに世界を語るかっていう学問なんです。例えば、ニュートンの三法則で世界が語れてしまう、という美しさがあります。資本主義も、みんなが思い思いに稼ごうとすれば「神の見えざる手」が最大多数の最大幸福へと導いてくれる、というシンプルで美しい考え方なので、魅力を感じていました。

ただ、最初から起業しようと思っていたわけではなく、大学院に入った頃は普通に就活をしていました。でも、ある外資系企業のインターンで日本支社長クラスまで出世された方に仕事の醍醐味を聞いたら「孫さんに会えるような仕事」だって説明されたんです。その時、すごく偉くて出世している人でもビジネスの舞台を観客席からファン目線で見ていることに疑問を持って。それなら自分は孫さん側に周りたい、主人公でありたいと思ったんです。それがきっかけで就活は辞めました。

ー数ある事業の中でも、なぜエレベーター広告に着目したのですか。

大学でよく使うエレベーターの中に、張り紙が何枚か貼ってあったんです。全部学科のセミナーの案内で、専門用語が多く、専門外の人からしたらまるで内容がわからない張り紙でした。しかも、そのうちの1枚は英語で書かれていました。英語で、かつ専門用語ばかりの張り紙って、普段なら全く読む気にならないと思うんですけど、エレベーターに乗っている時に気づいたらその張り紙をみている自分がいました。そのとき、エレベーターってすごいなと思いましたし、電車でさえ広告事業が成り立つんだからエレベーターなら絶対いける、と確信しました。

ーなるほど、そういった些細な気づきからなんですね。東京大学中心のメンバーで構成されていますが、創業メンバーとは学生時代からの付き合いなのでしょうか。

はい。フルタイムのメンバーは、学生時代からの長い付き合いですね。事業を始めようと思った時、デザインができる人がいないか探したらサークル同期の現CDO新谷がいました。彼にエレベーターでの事業の話をしたら、『エレベーターって“動カ不ル”って書く不動産事業の中で、唯一動く場所でおもしろいよね』ってノってきてくれました。大学院一年の6月に新谷を誘って、11月に休学し、創業は2月にしました。

最初は本当に手探りで、8月に不動産交流会に行ってみたんですけど、名刺を持って行くという概念が当時の自分たちにはなくて準備が遅くなり、直前に手書きの名刺を何枚も作りましたね。あとは、メッセンジャーを使って不動産関連の人に片っ端からメッセージを送りました。その時、唯一会ってくれた社長さんがいたんですけど、その際もパワポを持っていくってことに思い至らなくて、わざわざ新谷にエレベーターの模型を作ってもらって持って行きました。

ー他のメンバーはどのような経緯で入社されたのですか。

新谷の次は、現CTO熊谷が入社しました。熊谷が入社したことで、現在のタブレットに広告を映し出すというスタイルが確立しました。

新谷と2人の時は、エレベーターのリノベーションと銘打ってエレベーターの壁全面に広告の壁紙を貼るような事業をやろうと思っていました。例えば、飲料水の広告として、アルプスの森の壁紙をエレベーター一面に貼る、みたいな。その案でウォーターサーバーの会社に営業に行った際に、いくらかかるのか聞かれて12万円と伝えたら、先方に「えっ安いね」と言われたんです。そしてそのあと、リーチできる人数を聞かれて、その時のテナントがマンションだったので60人ですと伝えたら「えっ」て驚かれました。広告って、何万人規模の人数にリーチするのが当たり前の世界だから、桁が違いすぎてびっくりしたんでしょうね。

これ以外にも、エレベーターのリノベーション事業は難しいなと思った理由があって。当時コンテナライゼーションという本に、コンテナが物流をパッケージ化することによって輸送費が格段に安くなり、物流を大きく変えたということが載っていました。それを読んで、ビジネスにはパッケージ化がマストだと気づき、エレベーターのリノベーションはエレベーターサイズによって壁紙のサイズも大きく変わってしまうし、パッケージ化できないからダメだな、と思いました。そのときに熊谷と話して、「タブレットはどうか?」という話になったんです。タブレットにすれば、入れ替えるのは中の情報だけでいいのでパッケージ化されている。しかも端末代も意外と安くて、これはいけると思った。夏に資金調達して、そのあとエンジニアの松本に入ってもらい、現COOの大塚、エンジニアの本屋敷と続々とメンバーが増えていきました。

フラットな組織、“決裁権”は必要ない

ー社員の方にはどのような方が多いですか。

地頭がいい人が多いな、と思います。あとは、それぞれがミッションである『手ぶらで暮らせる星』を信じていて、ミッションへの共感度が高い。共感度が高いと言っても、ミッションを一言一句暗唱している人はいなくて、それぞれが自分の言葉で人に説明できるという感じです。共感度は高いけれど宗教くさくない、そこがいいところだと思います。

他には、ビジネス慣習に固執しないです。例えば、僕が「朝礼やります」って言ったとして「はい、了解です」みたいな組織ではないです。「なぜ朝礼をやるのか」を重要視していて、当たり前を一から考え直せるような人が多いと思います。みんな効率主義ですし。金曜日の夜に会議があっても、必要性があるなら大丈夫だし、社内メールなんかはもちろんないです。情報の流通はすごくフラットな組織だなと思います。あとは、ほぼ毎日みんなでご飯に行くので、仲もいいと思います。

ー今の話とも共通すると思いますが、どんな組織にすることを心がけていますか。

フラットな会社を目指しています。決裁権という概念を撲滅したい。たしかに、僕がいろいろと決断をすることはあるんですけど、僕が社長で偉いから決めているわけではないです。たまたまエンジニアと営業の橋渡しになるのが自分で、僕が一番詳しいから決める、という理由です。「そのとき一番詳しい人が一番決めるのにふさわしい」という文化があります。だから、他のメンバーが意思決定することも多々あるし、信頼があるから誰かが失敗したとしても許せる。その方が意思決定のスピードとしても速い。やるまでに時間をかけていたら、スタートアップって死んでしまうので。

たとえ失敗したとしても、やってみることで得られる情報の方がずっと多いと思っています。社内で「なんで?」という声があがる時って「やったこと」に対してではなく、むしろ「やるかどうか迷ってます、でもやってません」に対してですね。「自分がいいと思うならやればいいじゃん」というカルチャーがあります。そういう環境だからこそ、自分が納得したことに対してはきちんと結果を出すことが求められます。

『手ぶらで暮らせる星』を目指して

ー先ほどもミッションついての話がでましたが、改めて株式会社東京のミッション『手ぶらで暮らせる星づくり』について教えてください。

歴史を振り返ってみると、これまでモノとして存在していたものが、情報化して空間に溶けこんできたという流れがあると思います。例えば、昔は手紙を送っていたけれど、本質的に送りたいのは手紙というモノではなくそこに書かれた情報なので、情報化されてメールに変わりましたよね。キャッシュレス化なんかもそうで、お金というモノを移動させる必要はなくて、誰が誰にいくら払ったかという情報さえ送られればいいんです。そうなってくると物理的なモノの移動は必要なくなってきて、モノを持たなくなる社会が実現する。スマートデバイスがすべてのものをリプレイスする世界になると思っています。

最終的に残るのはスマホになるんですけど、スマホも空間に溶け込ませたいです。昔はインターネットを使うならパソコンルームに行かなきゃ行けなかったり、テレビを見るならリビングに行かなきゃ行けなかったりしましたよね。でも今は、1人1台スマホを持っていて、スマホがインターネットへの入り口になっています。今度は、スマホが人間の数を超えてどんどん増えていって、そこらじゅうの壁とか空間自体がインターネットへの入り口になっていくんじゃないかと思います。

そうすると、鍵になるのはいかに空間に端末をバラまけるか、になりますよね。中国のシェアチャリを思い浮かべて欲しいんですけど、町中のいたるところに自転車があれば、個人で自転車を所有しなくなる。そういう感じで、スマホもおそろしい数が空間に存在していて、どこからでもインターネットに入れて、みんなでスマホをシェアするような世界を実現したいと思っています。モノを持たないって気軽でクリエイティブな気持ちになれるので、そんな社会っていいなと思うし、実現させたいです。

ーそうなってくると、エレベーターは最初のとっかかりにすぎないのですね。

はい。なぜ最初がエレベーターなのかというと、普遍的に存在して、都市に住めば誰でも使うからです。あとは、人間が同じ場所に留まるのって、家かオフィスか、電車か、エレベーターくらいで、意外と少ないんですよね。こういった理由で、まずエレベーターに着手しました。

最近だと空飛ぶタクシーが実用化に向けて進んでいますが、今後は空飛ぶスマホなんかもあり得ると思います。「ヘイ!スマホ!」って言ったらスマホが飛んで来て、使い終わってポイっと投げるとどこかに飛んで行くみたいな。そんな感じで、いたるところにインターネットへの入り口が広がっていって、ますます変わっていくと思います。

株式会社東京という舞台で踊ってくれる人を募集します

ー最後に、Wantedlyに足を運んでくださった方にコメントをお願いします。

これから採用を強化し、現在2人の営業組織をオリンピックまでに100人規模にしていきます。ここから急成長するフェーズなので、もちろんやりがいがありますし、裁量権しかないです。挑戦的だし難題だし、二つの意味でチャレンジングです。そういった舞台で「我こそは」と思う方に来ていただきたい。株式会社東京でご自身のやりたいことをどんどん実現して欲しいし、自分が活躍する舞台だと思って会社という箱を見て欲しい。こちらからは最高の舞台を提供するので、踊ってくれる人を募集します。

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