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SUPER STUDIOでは社内表彰制度「SUPER STUDIO AWARD」を実施しています。全10回に渡り、2023年度の受賞者インタビューを紹介します。
第3回は、2023年度MVM(Most Valuable Manager)を受賞した村田 千晟(むらた ちあき)さんです。インタビュアーは人事戦略室 室長の吉田が務めました。
村田さんはエンジニアとして入社し、未経験からマネジメントに挑戦。現在は約60名のエンジニア組織をまとめるグループマネージャーです。持ち前のコミュニケーション能力を発揮し、急成長中のエンジニア組織に一体感を生み出しています。
今回はマネジメントに挑戦したきっかけや、マネジメントをする上で心掛けていることなどお話を伺いました。
ーまずは、自己紹介と今までのキャリアについて教えてください。
村田:新卒からエンジニアのキャリアを積んできました。最初は金融系のSIerでクレジットカードのシステム開発などを担当していましたが、最先端の開発に興味を持ち、オープン系のエンジニアに転職。その後、3社ほどでWeb開発を経験し、前職ではCtoCのレンタルアプリのAPI開発に携わりました。そして、もっと開発技術を磨きたいという思いで、SUPER STUDIOに入社しました。
ー村田さんは持ち前のコミュニケーション能力を活かして存在感を発揮されていますが、マネジメントに挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。
村田:入社して比較的早い段階で、「メンバーのマネジメント業務をしてみないか」と声を掛けてもらいました。これまでマネジメントの経験はありませんでしたが、せっかくの機会なので新しい挑戦をしてみたいと思い、引き受けることにしました。
当時、ecforceがリリースされて2〜3年が経過した頃で、エンジニアを中心に採用活動が進んでいました。メンバーが一気に増加したことで開発組織は急拡大し、チームごとに業務を進めることが増えていました。「チーム」に対する帰属意識は強まった一方で、組織一丸となって開発できている実感はあまりありませんでした。
組織として一体感を生み出すためにはどうすれば良いのか。そのときに「自分のコミュニケーションスキルが発揮できないか」と考えました。私自身、周りの方との関係性を築きながら組織をつくっていくことにも興味がありました。
しかし、私はもともと人見知りで、初対面の方と話すことや人前で発表することがとても苦手でした。その性格を直すために、大学時代は毎日スピーチの練習をしたり、あえて初対面の方へ積極的に話しかけたりと小さな努力を重ねていきました。このような努力を重ねていくなかで、少しずつコミュニケーション能力が身に付いていったので、組織づくりにおいても貢献できるのではないかと思いました。
ーマネジメントをする上で意識していることを教えてください
村田:「周りの方とフランクに信頼関係を築いていくこと」です。普段からオフィスや飲み会で顔を合わせる際には積極的に話し掛けるように意識していますが、相手に合わせてどこまで踏み込んだ話をするのか見極めるようにしています。全社的にもリモートワークの割合が多いため、ほとんど会う機会がない方もいましたが、オンライン会議で雑談する時間があれば、全力で笑いを取ってみたりと、「村田さんなら気兼ねなく話せる」と思ってもらえるように意識していました。
また、エンジニアのメンバーの中には他部署とのコミュニケーションで遠慮がちな人も多いため、自分が普段から他部署の方とコミュニケーションを取ることで、そのメンバーをフォローできる存在でいられたらと思っています。
プログラミングは答えが明確ですが、マネジメントはメンバーの心情やチームの状況に合わせて導いていく必要があるので答えがありません。 例えば30人のメンバーがいた場合、30人全員の意見や感情を全部反映させることはできません。しかし、できるだけメンバー全員の意見や感情を汲み取ることで、居心地の良い組織になるように意識しています。
そのためには、メンバー一人ひとりが本音で話せる環境をつくることが大切です。メンバーからすると、まだ関係性が築けていない上司に本音を話すことは難しいと思うので、普段からコミュニケーションを積極的に取ることで、良い関係性を早く構築できるよう努力しています。
ー大人数のエンジニア組織で1つのプロダクトを開発するなか、意見が分かれたときはどのように解決していますか?
村田:ときには開発の方向性でぶつかることもありますが、そんな時こそ変に溜め込まずに全員でディスカッションすべきだと思っています。普段から意見を交換する場を設けることで、メンバー全員が納得感を持った状態で業務に臨んでもらえるようにしています。
ーマネジメントをする中で大変だったことはありますか?また、それをどう乗り超えたのか教えてください。
村田:「SUPER STUDIOに最適なマネジメント」を見出すことですかね。正解がないからこそ、あらゆる書籍や他社事例などを調べてみたのですが、結局は自社ならではのマネジメントをしていく必要があると感じました。
そのためには、メンバー一人ひとりに目を向け、それぞれに合ったコミュニケーションを取り入れていくことが重要です。自分が思い付いたアイデアをとにかく実践してみて、上手くいかなかったら改善し、次の施策に繋げていく。何度もPDCAを回しながら、少しずつマネジメントを最適化していきました。最初の2、3カ月は失敗ばかりでしたし、時間を無駄にしてしまったと感じることもありました。SUPER STUDIOに最適なマネジメントを見出していくのは本当に大変でしたね。
ですが、どうしても諦めたくありませんでした。私も過去に上司の方から寄り添うことなく仕事を振られた経験があり、「こんな風にはなりたくないな」と強く思っていました。だからこそ、今のメンバーにとって、“自分に寄り添ってくれている” “自分の意見を取り入れてくれている”という実感を持てることが、仕事に対するモチベーションを高める要素だと思います。そんな思いもあり、トップダウン型ではなくボトムアップ型のアプローチをしたいという気持ちが入社当初から強く、これからも「メンバーが意見を出しやすい環境づくり」に力を入れていきたいと思っています。
また、最近はグループマネージャーとしてマネジメントをするようになり、「最終的には自分で決断する」という覚悟を持った上で周りの方に相談することを意識するようになりました。周りの方の意見も参考に、自分自身で情報を精査して最終決断をするというプロセスを踏んでいます。
そして、たとえ自分の判断に確信が持てなくても、まずは実行してみることを大切にしています。その結果がどうなるのかは誰にも分かりません。まずはやってみて上手くいかなかったとしても、そこからPDCAを回していけば結果としてついてくると思います。
私は最初から結果を出すことよりも、どんどん変化していくことのほうが重要だと捉えています。業界のトレンドや会社の戦略などが日々アップデートされているなかで、同じ環境に満足したり同じことだけを繰り返していると、組織が取り残されてしまいます。何事もポジティブに考えなければ新しいことにはチャレンジできないので、普段からポジティブ思考で取り組むことを大切にしています。
ー村田さんは部下だけでなく、上司からも頼られている印象があります。なにか心掛けていることはありますか?
村田:執行役員の方から教わった言葉でもあるのですが、「ひとつ上の目線を持って仕事をすること」です。
目の前の事象に対して、自分の目線だけではなくひとつ上の上司の目線で考えるようにしています。「どんな思いでマネジメントしているんだろう」「どういう組織を作っていきたいんだろう」と常に想像しながら、それを汲み取った上で組織づくりのアイデアを提案しています。たとえそのアイデアが方向性として違っていたとしても、とにかく目線を上げて考え、それをもとにアイデアを出すことを意識していました。
アイデアが採用されれば直接貢献できますし、違っていてもフィードバックをもらうことで、上司の考え方を学ぶことができます。このように心掛けてきたことが、結果的に信頼へと繋がったのだと思っています。
ー村田さんは2023年10月にグループマネージャーに就任されました。ユニットマネージャーの時と比べてどんな変化がありましたか? また、今後どのような組織を作っていきたいか展望をお聞かせください。
村田:現在、業務委託のエンジニアを含めると約60名をマネジメントしています。以前から現場に対するアプローチ方法はあまり変わりませんが、グループマネージャー(以下:GM)になってから、より経営目線で取り組むことを求められていると感じます。ユニットマネージャー(以下:UM)のときは、主にチームのことしか考えられていませんでしたが、GMになると経営視点で物事を捉えることが増え、以前に比べてより大きな責任を感じるようになりました。
また、組織がどんどん大きくなっていくにつれ、意思決定の重要度も増しています。自分の言葉ひとつで、多くのメンバーやプロダクトが一気に動いていく場面も少なくありません。だからこそ、自分自身を信じて取り組むしかないと思っています。
これからも、今まで同様にメンバー全員のことを配慮した組織づくりをしていきたいです。一方で、GMとして経営目線を持って双方の落としどころを探りながら、バランスの取れたリーダーシップを発揮していければと思います。
ーSUPER STUDIOの7つのCULTUREで意識していることを教えてください。
村田:「変わっていくことを楽しもう」 です。私は元々、SUPER STUDIOの価値観のひとつである「CHANGE」に共感して入社しました。人によっては、変化していくことや決断をすることに大きな勇気がいるかもしれません。しかし、それを楽しみながら挑戦していくことができれば、怖いものは何もないと思います。たとえ「失敗」だと感じても、それを次のキャリアに活かせたら、自分自身や会社をアップデートしていくことができます。“現状に満足せず、変わり続ける”というCULTUREは最も心に刺さりました。
ー村田さんは社内外にロールモデルはいますか?
村田:現在、プロダクトマネジメントと執行役員を兼任されている方がいるのですが、その方は私と考え方やマインドが近く、ひとつ上の視座を持っていると感じています。キャリアも元々エンジニアからスタートし、その後UM、GMを経験されてきた方です。
いわば、私にとってお手本のような方ですね。普段から深い思考を持たれていて、一つひとつの発言に説得力があります。普段のミーティングでも、ゴールに着地させるようにリードされている姿や、その統率力をとても尊敬しています。
また、新卒の頃に当時の上司に言われた言葉が印象に残っています。当時の私は、その人を超えたいと思いながら仕事をしていたのですが、ある時「今まで培った経験値が違う分、きっと俺に追いつくことは難しい。結局は自分がどこまで頑張れるかが大事だ」と言われました。それ以来、自分ではない誰かを追い越すことに違和感を感じるようになり、「昨日の自分より今日の自分をアップデートすること」を意識するようになりました。
周りの方の意見を参考にしながら、最終的には自分自身で臆せず決断していくこと。そして、その決断に対して責任を持ち、自分をアップデートし続けていきたいと思っています。
MVMを受賞した村田さんのインタビューを紹介しました。未経験のマネジメント業務でも努力と工夫次第で活躍できることや、一つ上の目線で上司とコミュニケーションすることが自己成長に繋がることなど、キャリアを歩む上で重要なヒントが詰まったお話でした。ぜひ参考にしてみてください。