楽しくて仕方がない。そんなエンジニア組織のために「行動指針」をつくった合宿の舞台裏 | スタディプラス株式会社
スタディプラスの開発組織が新たに掲げた4つの行動指針。その背景には、「このコードが誰かの人生を変えるかもしれない」と話す、ひとりのエンジニアの強い想いがありました。なぜ今、行動指針が必要だったの...
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前回の記事では、スタディプラスの開発組織が行動指針をつくることになった背景や、2日間の合宿でどんな議論が交わされたのかを中心にお伝えしました。
今回は、スタディプラスのエンジニア組織として掲げた4つの行動指針について、行動指針に込めた想い、具体的に感じていること、そしてこれから目指すエンジニア組織の姿について、エンジニア組織のチームリーダー、隅山と菅原に話を聞きました。
ー「エンジニアはもっと楽しく働けるはず」そんな想いから生まれたのが、今回の行動指針だったと聞いています。まずは、行動指針の中身から教えてください。
菅原:
行動指針は、一つひとつの言葉をすごく丁寧に吟味しながらつくりました。たとえば、“学習者の課題にとことん向き合う”は、最初は“課題に向き合う”というワードが出てきましたが、「誰の課題に向き合うのか?」を突き詰め、“学習者の課題に”と明確にしました。スタディプラスのプロダクトのステークホルダーには、学習者や大学、塾などがいらっしゃいますが、その中でも学習者の体験が良くなることが、結果として他の関係者にも良い影響を与えていくだろうと考えました。
また、“とことん”という言葉は少し砕けた表現ですが、そこがまた親しみやすさや姿勢の強さを表してくれると思っています。単に向き合うだけではなくて、表面的な理解では終わらず、もっと深く掘り下げて向き合っていくという意志を込めています。
隅山:
この行動指針が生まれる背景のひとつには、「自分たちの仕事が、ユーザーにどう届いているのか?」という問いがありました。以前は、営業組織とエンジニア組織が別々に動いているような感覚もありましたし、リリースした機能が実際にどう使われたのかを深掘りする機会が少なかった。しかし、そこを知ることこそが、エンジニアのモチベーションや学びにつながると思ったんです。「作って終わり」ではなく、その先でユーザーがどう感じたか、どう使っているのかまでしっかり見届ける姿勢をチームとして持ちたいと考えました。
ー行動指針は、二人がスタディプラスに入社して実感していることなのでしょうか?
隅山:
“学習者として学び続け、技術を正しく使いたおす”という行動指針は、日々の業務を通して強く感じています。私はリファラルで入社したのですが、紹介してくれたメンバーから「エンジニアとして働きやすい環境」と聞いていて、実際にその通りでした。
技術的にチャレンジしたいときに、「じゃあこの部分で試してみよう」と前向きに取り入れてくれるメンバーが多く、そのおかげで自分自身も安心して新しいことに挑戦でき、自然と成長にも繋がっていると感じます。また、入社後に、ユーザー数の多さと教育業界におけるプロダクトのインパクトの大きさに改めて驚きました。エンジニアとして成長できるだけでなく、自分のつくったものが多くの学習者に届けられることを実感しています。
菅原:
私は、すでに体現できているものもあれば、これからチャレンジする部分だと感じるものもあります。“スーパー率直に意見しあう”という行動指針は、今ある組織の良さを活かしつつ、もう一歩前に進むために掲げたものです。スタディプラスには、思いやりのある、優しいメンバーが多いです。穏やかに意見を交わすとてもいい文化がある一方で、より良いアウトプットを目指すには、もう一歩踏み込んだフィードバックも必要だと感じていました。だからこそ、建設的に、率直にフィードバックし合える関係性をつくっていこうという意図で、この指針を取り入れました。
ー策定をする仮定で特に印象に残っていることはありますか?
隅山:
他社のエンジニア組織の在り方を徹底的にリサーチした過程が特に印象に残っています。たとえば、エンジニアが売上目標を持っていたり、アウトプットを積極的に発信して技術カンファレンスで登壇していたり。そうした事例を見ながら、「スタディプラスは何を大事にしたいのか」といった視点でグルーピングしていき、だんだんと自分たちのありたい姿が見えてきました。行動指針のベースになったのは、まさにこのプロセスでした。
菅原:
“学習×ITで世界一になる”の文言は、言葉選びに白熱した部分で印象に残っています。スタディプラスは、いわゆる市場シェアを他社と奪い合うような立ち位置ではないからこそ、私たちは既存の市場に乗るのではなく、自ら市場をつくっていく存在だと捉えています。そういった思いから、“学習×ITで世界一になる”という言葉が生まれました。
ー行動指針を策定して、チームに変化はありましたか?
隅山:
少しずつですが変化が出てきています。最近は、この行動指針をベースに、チームごとのミッションにまで落とし込む動きが始まっています。これまでは、つくった機能がどれだけ良かったのかを測る明確な指標があまりなかったのですが、最近ではKPIやKGIといった数値的な指標を持ち、ユーザーの課題に正面から向き合い、改善を重ねていける土台を整えている段階です。
例えば、私のチームでは「アクセシビリティを高めたい」という声があがりました。視覚や聴覚に障がいがある方でも安心して使えるように、ボタンに振動フィードバックをつけるなどの機能を検討しています。また、技術面でも自分が学びたいテーマを選んで、チーム内で発表する勉強会のアイデアも出ています。行動指針と日々のアクションを結びつけていく動きが出てきて、非常にポジティブな変化だと感じています。
ー組織づくりにおいて、今後挑戦していきたいことや目標はなんですか?
菅原:
僕自身、「組織をこう変えたい」というよりも、メンバー一人ひとりが自然と形づくっていくものが組織だと思っています。私自身、入社当初は最新技術へのキャッチアップに苦労しましたが、その分エンジニアとして着実に成長できている実感があります。“学習者として学び続け、技術を正しく使いたおす”という行動指針のもと、学びが自分に返ってくる感覚を、多くのエンジニアに味わってほしいです。自分が楽しく学び、技術に向き合って、評価される。そんなサイクルをチーム全体でつくっていきたいです。行動指針には、そんな働く楽しさや学ぶ面白さを散りばめたつもりです。
そして、ユーザーのことを考えながらプロダクトをつくる楽しさ、自分の技術が伸びていく実感、気の置けない仲間と意見を交わしながらひとつのものをつくり上げる達成感。そうした経験を、スタディプラスという環境の中で、たくさん味わってほしいと思っています。
隅山:
私も同じ考えです。スタディプラスには、自走できるメンバーがとても多いと感じています。誰かが強く引っ張っていくというよりも、方向性を示して、あとはそれぞれが自分の力で、そして自分のペースで進んでいく。そんな組織のあり方がスタディプラスらしいなと思っています。人によってペースやモチベーションの源泉も違うと思うので、そうした個々のスタイルを尊重しながら、みんなで同じ方向を目指していけたら、強いエンジニア組織になると考えています。そして、一緒にその方向を目指す仲間づくりもしていきたいです。